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EC売上アップ術

◎第83回 【まとめ】ギフトECサイトの運用を成功させる重要ポイント

現在のECサイト市場で安定的に需要が伸びている分野がギフトです。お歳暮やお中元、内祝いなどのフォーマルギフトから、友人知人に贈るカジュアルギフトやソーシャルギフトまで、幅広い分野でECサイトのギフト市場は規模を拡大しています。この記事では、ECサイトにおけるギフト対応の運用を成功させるポイントをご紹介します。
 

◎ギフトECサイトと通常ECサイトの運用の違い

ECサイトにおけるギフト対応運用と通常の商品発送の運用には大きな違いがあります。ギフトECサイトでは、ユーザーの要望や商品発送、商品のクオリティを見る目が通常のECサイトよりもシビアな点がひとつ大きな違いとしてあげられます。ユーザー自身で使用する商品ではない分、贈る相手への配慮から、通常の商品購入よりもECサイトの対応やサービスをシビアな視点で見ているのです。自身に届いた商品が不良品だった場合、自身で問い合わせをして交換や返品等の対応ができますが、相手に届いてからでないとわからないギフトは、できるだけ安心安全で確実な状態で届けたいという気持ちがあります。
 
品揃えもギフトECサイトと通常のECサイトでは大きく異なります。ギフトECサイトでも購入者向けの商品はありますが、ギフト用の品揃えがその大半を占めています。また配送システムや決済システムにも違いがあります。配送の前には同梱物やラッピング等ワンクッション挟むことになりますし、1度の決済で複数の配送先が指定できる機能など、ギフト専門ECサイトとして運用するのであれば必須の機能を多数備えていることがギフトECサイトの特徴です。
 

ギフトECサイトと通常ECサイトの運用の違い

◎ギフトECサイトに欠かせない機能

ギフトECサイトの運営にはいくつかの欠かせない機能があります。通常のECサイトと違い、購入してもらった商品を購入者にそのまま発送をするというパターンがほとんどないため、ターゲットや商品によって必要な機能は異なり、実装するプラグインの数や注意点もその分増えます。
 
〇複数の配送先を指定できる
複数配送先指定とは、1回のショッピングカートの決済で多数の配送先を指定できるシステムです。通常のECサイトでは1回の決済ではひとつのお届け先しか指定することができません。しかしギフトECサイトでは同一商品を複数の宛先に配送したいというユーザーのニーズがあります。そのユーザーのニーズをECサイトで叶えるのが複数配送先指定というシステムです。これは、個人ユーザーだけではなく大口注文をする法人にとっても大変便利なECサイトの機能です。システム開発やプラグインの実装は必要になりますが、大口のギフト注文はECサイトのUIが売上アップに大きく左右します。値段や商品がいくら魅力的でも決済に手間がかかるとチャンスを逃す可能性が懸念されます。複数配送先指定は、ギフトECサイトの運用には欠かせない機能といっても過言ではありません。大口注文や高単価商品のリピーター獲得のために、UIを向上させたECサイト運営を心がけましょう。詳しくは、以下の記事も参考にしてください。
 
 
〇配送先を複数登録できるアドレス帳
アドレス帳機能とは、1度配送先として登録した住所を複数登録し、再度注文する際に利用できる機能です。お中元やお歳暮、記念日など、同じ配送先にギフトを定期的に送るというユーザーは少なくありません。そのようなギフトにECサイトをよく利用するユーザーにとって、もう1度同じ配送先住所を一から入力するのではなく、ECサイトに登録できて次回利用時に引用できれば利便性の高いギフトECサイトとして印象付けられます。とくに、フォーマルギフトの文化が根付いている40代以上のユーザーは高単価の商品を購入する確率が高いといえるでしょう。現在では、60代のユーザーがECサイトからギフトを贈ることも珍しくありません。高単価なユーザーの顧客満足度をアドレス帳機能で向上させることにより、リピーターとなる確率が高くなり売上アップにつながる可能性があります。
 
〇ラッピング方法を選択できる
ひとくちにラッピングといっても、リボンで縛った袋タイプや、箱タイプでも包み方にもキャラメル包みや斜め包みなどの複数のバリエーションがあります。複数の工夫を凝らしたオリジナリティのあるラッピングをセレクトできることはユーザーの満足度を大きく向上させます。包装紙をギフトや贈り先に合わせて選ぶこともユーザーにとっては大きな楽しみです。包装紙、リボン、シールなどの装飾バリエーションを豊富に揃えることはECサイトを運用する側から見るとコストに感じると思いますが、ユーザーにとってはどのECサイトでギフトを購入するかの大きな判断材料となることは間違いありません。また、複数商品をひとつのラッピングにまとめるサービスも喜ばれます。商品を見て贈り先の思いを考えると、あれもこれもと欲しくなる心理をラッピングサービスで後押しできます。
 
〇メッセージカードを同梱できる
誕生日プレゼントや記念日のプレゼントには、メッセージカードを添えて贈りたいと考えるユーザーが大半です。店舗では当たり前に持参したメッセージカードを同梱してもらえますが、ギフトECサイトでもメッセージカードの同梱ができたら顧客満足度は大きく向上します。メッセージカードを添えられないのであれば、購入を取りやめようと考えるユーザーさえ出てきてしまうほどです。また、メッセージカードの同梱はカジュアルギフトの分野でもニーズが高い同梱物です。リンクだけでプレゼントが送れるECギフトもありますが、商品にメッセージカードを添えたいというニーズは安定的にどのギフトの分野にもあります。ちょっとしたお返しやプレゼントにメッセージカードが添えてあると、もらった方も気持ちが良いものです。ユーザーの満足度も贈り先の満足度も同時に高めることができるのがメッセージカードの同梱サービスです。簡単なテンプレート式のものから、写真を取り込んでカスタマイズができる自由度が高いものなどパターンはさまざまです。いずれの機能を実装するにせよ、ユーザーの購入を後押しする要素となることは間違いありません。詳しくは、以下の記事も参考にしてください。
 
 
〇用途に合った熨斗を選べる
お中元やお歳暮、内祝いなど用途に合わせた熨斗のサービスはギフトECサイトとしては必須アイテムといえます。お中元やお歳暮などのフォーマルギフトは単価が高く、リピートが狙えるユーザーです。満足度の高い、用途に合わせた熨斗を準備してリピーターの確保や新規ユーザーの開拓を狙えます。フォーマルギフトにそつなく対応できるECサイト運用ができると、ギフト分野においては高齢者層の取り込みも可能になります。近年では、お中元やお歳暮の文化が根付いている高齢世代でもギフトECサイトを利用したいというニーズは増加しています。競合ECサイトに差を付けられる、しっかり用途に合わせた熨斗を準備し、高単価なユーザーを満足させられるラインナップを揃えて売上アップにつなげましょう。詳しくは、以下の記事も参考にしてください。
 
 
〇名入れサービス
万年筆やワイン、ハンカチや口紅のパッケージなどに名前を入れるサービスです。有名なメーカーのものや市販品でも名前が入っているだけで特別感が出て一種のメッセージのような役割を果たしてくれます。名入れサービスは名前だけではなく、誕生日や記念日を入れることもできます。名入れサービスを導入する際は、文字数は何文字までか、漢字は利用できるかなど細かく設定をする必要があります。有償の場合は購入代金に名入れの料金を加算するシステムも同時に構築する必要が出てきます。専門の業者と提携をするなどコストがかかるサービスではありますが、有償でも無償でも、名入れサービスが実装されているギフトECサイトは顧客満足度が高い傾向にあることも確かです。ワインや万年筆など高単価な商品に名入れを希望するユーザーが多いことがその要因のひとつと考えられます。高単価なユーザーを獲得するためにも、是非名入れサービスの導入を検討してみましょう。
 

ギフトECサイトに欠かせない機能

◎ギフトECサイトを運用するポイント

ECサイトにおけるギフト運用を成功させるには、商品のバリエーションやUIなどを整えることが必要になります。商品バリエーションとUIやプラグインの実装は一見無関係なようにも思えますが、ギフトECサイトにとって売上アップや安定化に大切な要素といえます。
 
〇ギフトのバリエーションの豊富さ
ギフトECサイトを成功させるには、あったら便利とユーザーが感じる機能をいかに充実させられるかにあります。この商品がないから実店舗に行こう、競合他社のECサイトでギフトをセレクトしようと思われないような品揃えを整えることが必要です。なかでもフォーマルギフトは単価が高く、リピートが狙える優良顧客を生み出す大切な商品です。リピーターに満足してもらうには、季節や用途に沿ったバリエーション豊富な商品ラインナップを揃えることが非常に重要です。用途や価格帯に応じてカテゴライズするようなサイトデザインに整えると、さまざまんニーズのユーザーがセレクトしやすいギフトECサイトになります。また、自社のECサイトの商品ラインナップやユーザー層を把握して、強みのあるラインナップを揃えつつも、一般的なニーズに応えられるレベルの品揃えも欠かせません。カジュアルギフトやソーシャルギフトのニーズが高まっている現状ではありますが、先ずはギフトECサイトとしての基本の商品ラインナップやフォーマルギフトの品揃え、サービスをしっかりと整えてリピーターの獲得につなげましょう。
 
〇代引き決済を行わないシステムの導入
通常のECサイトであれば代引きでの支払いが可能であることが多いですが、ギフトECサイトで代引きの支払い方法を選択してしまうとギフトを受け取る側が代金を支払うことになってしまいます。クレジットカード決済やモバイルペイメントでの決済の場合は問題ありません。しかし運用しているECサイトによってはギフトだけではなく購入者向けの商品を扱っており、決済方法に代引きが選択できる機能を備えているECサイトもあるでしょう。そのようなECサイトでは決済方法について細心の注意が必要です。そもそもギフトメインでECサイトの運用を考えている場合は決済方法に代引きを取り入れないか、ギフト購入の際はシステムで制御できることがベストです。しかしそのような機能の実装が難しい場合は、支払い方法選択の際にアラート表示を上げるなどの注意喚起をしたり決済前に支払い方法の最終確認を促す文言を表示させたりなど、ひと工夫必要です。ユーザーが誤った選択をしないようにする仕組みを構築し、気持ちの良いショッピングを体験してもらいましょう。
 
〇ユーザーの利便性を追求したECサイトのUI
ギフト専門のECサイトを運用するのであれば、サイト構築も成功に導く重要なポイントになります。カゴ落ちしないようなサイトの導線やアラート表示、ユーザーがエフォートレスな環境で商品をセレクトできるデザインやUIが必要です。エフォートレスな環境というのはユーザー自らが手間をかけずに決済までたどり着ける仕組みの構築を指します。1回の決済で複数配送先が指定できる機能を導入してユーザーの手間を省く、再度の購入の際改めて配送先住所の入力がいらないアドレス帳機能の実装などがそれにあたります。もちろんユーザーの利便性や顧客満足度のみを追求していくとコストに見合わないという事態も発生しかねません。自社のECサイトにおいてギフトがどの程度の位置を占めるのか、ギフト専門のECサイトであればどこまでサービスやUI、ユーザーの顧客満足度を向上させるためのプラグインを実装させるのか、コストを見据えての線引きも必要です。コストをおさえつつ、できるだけECサイト内での回遊性を高めて簡潔な決済が実現できるECサイト構築を目指し、売上アップにつなげましょう。
 

ギフトECサイトを運用するポイント

◎まとめ

ECサイトでのギフト市場が過熱している今、競合他社のギフトECサイトと差を付けてユーザーの満足度を高めるには多くの要素を満たす必要があります。コストとベネフィットをうまく調整し、自社のECサイトの顧客傾向に適したUIや品揃えを充実させて、ギフトECの売上アップにつなげましょう。
◎第83回 【まとめ】ギフトECサイトの運用を成功させる重要ポイント