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EC売上アップ術

◎第82回 ギフト向けECサイトで競合と差別化できるラッピングや熨斗機能の活用

コロナ禍で生活形態が変わり、お歳暮やプレゼントなどのギフトをECサイトで購入するユーザーが増加しています。ギフト向けECサイトのニーズ増加に伴い、多くのECサイトで導入されているのが、熨斗・ラッピング機能です。ギフトは自分が受け取るものではないため、相手のことを思ってより高い品質を求めるユーザーが多い傾向もあります。この記事では、ギフト向けECサイトで活用できるラッピングや熨斗機能についてご紹介します。

 

◎売上アップにつながるギフト向けECサイトのラッピング・熨斗機能

ECサイトのギフト市場は、依然拡大を続けています。お歳暮やお中元などのフォーマルギフトの購入だけでなく、低価格帯のカジュアルギフトの需要も増加しています。
 
お歳暮やお中元、結婚祝いや出産祝いといった冠婚葬祭に関わる贈り物などのフォーマルギフトでは、一般的に熨斗を付けて贈ります。熨斗は、日本の伝統的な包装方法で、外熨斗や内熨斗、結び目の種類など、贈り物の種類によって熨斗が異なります。一般的には、ラッピングの上に熨斗を付ける外熨斗が多く用いられますが、お祝いのお返しとして贈る内祝いなどは、ラッピングの下に熨斗を付ける内熨斗を用いる場合があります。そのためECサイトで熨斗機能を導入する際は、外熨斗や内熨斗、水引きの結び目の種類、表書きの種類などの選択ができるようにする必要があります。
 
友人へのプレゼントやSNS上で仲良くしているフォロワーへのプレゼント、推しインフルエンサーへのカジュアルギフトを、ECサイトで購入するユーザーが増加しています。カジュアルギフトをECサイトで購入する際に欠かせないのが、商品を包装して贈るラッピング機能です。ラッピング機能では、包装する紙の柄や色、リボンなどの装飾の有無を選択し、ユーザーのイメージに合ったラッピングで贈り物ができます。カジュアルギフトは目的の多様性から、ユーザーのニーズも多岐に分かれています。カジュアルギフトで競合ECサイトと差別化をするにはラッピング機能にもう一工夫必要です。定型的なラッピングだけではなく、ユーザーがカスタマイズできるラッピング機能を実装すれば競合ECサイトとの差別化につながり売上アップが期待できます。
 
ECサイトで熨斗・ラッピング機能を実装する方法は主に2つあります。まずは、自社での機能開発です。コストはかかりますが自社のECサイトの特徴やこだわりを細部まで妥協せずに構築できます。自社に熨斗・ラッピング機能を開発できるスタッフがいればコストをおさえての実装が可能です。次に、プラグインによる機能拡張です。プラグインの導入は自社開発よりもハードルが低く、設定の難易度も低めです。開発やプラグインの実装を自社で行うのが難しい場合は、業者に委託して行うことも可能です。
 

売上アップにつながるギフト向けECサイトのラッピング・熨斗機能

◎ギフト向けECサイトで熨斗・ラッピング機能を導入するメリット

ギフト向けECサイトの運用において、商材やキャンペーンに力を入れた方がコストパフォーマンスはよいのではないか、熨斗・ラッピング機能を実装するとアフターフォローや委託が手間と感じる場合もあるかもしれません。ギフト向けECサイトで熨斗・ラッピング機能を実装すれば、差別化やリピーター獲得など多くのメリットをもたらします。
 
〇競合ECサイトとの差別化
熨斗・ラッピング機能には、さまざまな種類があります。ラッピングであれば、代表的なキャラメル包装や斜め包み、リボン巻きなど、包装の仕方も多様です。また、袋か箱のどちらで包装するか、メッセージカードの同梱は可能かなど、さまざまな要素が合わさって完成されるのがラッピングです。実店舗であれば、販売員に要望を細かく伝えることができますが、ECサイトの場合、用意されたサービスから選ぶことになります。
 
自社のECサイトのユーザー層や取り扱っている商品などを考慮して、競合ECサイトよりもユーザーが魅力的と感じるラッピングの種類を揃えれば、競合ECサイトとの差別化につながります。また実店舗へ足を運ばなくても、百貨店やギフト専門店と同じようなサービスや商品を提供することで、ユーザーの満足度向上に貢献します。ラッピング機能の充実に加えて、ECサイトの利便性や時間削減で、実店舗とも差別化を図れるでしょう。
 
〇自社ECサイトの認知度アップ
熨斗・ラッピング機能を充実させることにより、贈答先の満足度が向上し、購入したユーザーだけでなく、贈答先にも自社ECサイトのサービスの魅力が伝わります。自身が贈答されて嬉しかったものは、また別の人にも贈りたいと考える人は多いものです。商品そのものの魅力はもちろん大切ですが、受け取ったときの印象が強く残る方は多いのではないでしょうか。プレゼントをもらったときの感動をより鮮明に記憶されるような熨斗・ラッピング機能を実装することにより、商品自体の魅力やECサイト自体のイメージの向上にもつながります。
 
ECサイトを魅力的なデザインに整えておけば、贈られた側がまたこのECサイトからお返しをしたい、別の誰かへのギフトを選ぶ際に利用したいと思うきっかけになります。ギフトは購入者そのものの満足ではなく、贈る相手の気持ちに寄り添った買い物です。ECサイトのギフトページをユーザーに寄り添ったデザインにしておくなら、リピーター獲得や自社ECサイトの売上アップにつながります。
 
〇SNSでの拡散による新規顧客の獲得
熨斗・ラッピング機能で忘れてはいけないのが、SNSによる新規顧客の獲得にもつながる機能であることです。市場が拡大しているカジュアルギフトで顕著な傾向ですが、ギフトが届いた際に、熨斗やラッピングがされた状態、熨斗やラッピングをほどいて贈り物が出てきた状態、贈り物そのものといった、ギフトの写真を「映える」状態でSNSに投稿するケースが多くなっています。
 
オリジナリティがあって、丁寧な熨斗・ラッピング機能を実装することができれば、インフルエンサーや知人同士のコミュニティ内でも評判が広がり、1点のギフトで大きな宣伝効果が得られます。SNSの閲覧者やフォロワーに、もらって羨ましい、自分もこのECサイトからギフトを送りたいと思わせることができるのは、熨斗・ラッピング機能に力を入れてこそ得られる効果です。ギフトは第一印象が勝負といっても過言ではありません。
 
贈答先がギフトを受け取った瞬間の感動をSNSで拡散し宣伝効果を得るためには、感動させる熨斗・ラッピング機能が欠かせません。とくに、SNSではお歳暮やお中元をSNSにアップするユーザーよりも、カジュアルギフトをアップするユーザーの方が多く、拡散傾向も強いといえます。お歳暮やお中元という文化がない若い世代にも響いているのがカジュアルギフト市場です。商材そのものの魅力を後押しする熨斗・ラッピング機能を実装し、SNSから売上アップにつなげましょう。
 

ギフト向けECサイトで熨斗・ラッピング機能を導入するメリット

◎熨斗・ラッピング機能導入を成功させるポイント

ギフト向けECサイトの運営で、熨斗・ラッピング機能の導入を成功させるポイントとして考えなければならないのは、ECサイトの熨斗・ラッピング対応にかかるコストです。多様化したカジュアルギフトのニーズに応えることも大切ですが、ECサイト運営のコストを考えずに選択肢を広げてしまうと、かえって運用を圧迫する結果になりかねません。無料で選択できるバリエーションと有料で対応するバリエーションをしっかり決めた熨斗・ラッピング機能の展開が求められます。
 
またラッピング業務の委託先と、ルールの認識を合わせることも大切です。ギフトは、「届ける日時や時間を指定したい」「メッセージカードを入れたい」「いくつかの商品を合わせた熨斗・ラッピングをして欲しい」など、細かいニーズが通常のECサイト商材よりも多くなります。ルールを明確化してスムーズな配送を実現させるために、複数配送機能利用時の熨斗・ラッピングルールの明確化など、マニュアル策定は欠かせません。ユーザーの期待を損なわずに売上アップにつなげる重要なポイントです。
 
また、熨斗・ラッピングそのものの工程と梱包作業の工程をどれだけ簡易化できるかも、ランニングコストに関わる大きな問題です。バリエーション豊富で満足度が高い熨斗・ラッピング機能でECサイト運営ができたとしても、熨斗・ラッピング、梱包までの工程のコスト削減ができないと、継続的なユーザー満足度にはつながりません。ECサイトのギフトサービスを継続し安定化することも難しくなってしまいます。このように、ECサイトでの熨斗・ラッピング機能を実装して売上アップにつなげるには、コスト面と顧客満足度の両方にマッチしたECサイト構築とマニュアルの策定が必要です。
 
ECサイトの熨斗・ラッピング機能を実装し、ギフトサービス自体を充実させるプラグインは多数ありますが、最初から完璧に機能を揃えてスタートするのではなく、少しずつ自社ECサイトの運営状況でできる範囲から実装していくのもひとつの方法です。マニュアルを策定してシミュレーションを重ねても、実際に運用してみると予想以上の反響でユーザーに迷惑をかけてしまう、反応が薄くてコストが大きくなってしまうなど、想定外の状況は必ず起きてしまいます。すべての機能を完璧に整えるのではなく、自身の運営しているECサイトがギフト対応においてできていない部分を埋めていくイメージで、機能を拡張していくのもリスクヘッジとして有効です。自社のECサイトに最適な熨斗・ラッピング機能を実装して、競合ECサイトと差別化を図り売上アップにつなげましょう。
 

熨斗・ラッピング機能導入を成功させるポイント

◎まとめ

拡大を続けるECサイトのギフト市場の充実化により、ECサイトでのギフト購入は定着化しつつあります。よい商品を魅力的なデザインのECサイトで販売するだけではなく、ユーザーの贈答先への気持ちを届けられる、バリエーション豊かな熨斗・ラッピング機能を実装することにより、ギフト向けECサイト運営を安定させ、自社ECサイトの売上アップを目指しましょう!
◎第82回 ギフト向けECサイトで競合と差別化できるラッピングや熨斗機能の活用