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EC売上アップ術

◎第81回 ギフト向けECサイトに欠かせない複数配送機能

これまで店舗や百貨店で購入していた贈答品や内祝いなどを、ECサイトで購入するユーザーが増加しています。贈答品は持ち運びにも気を遣いますが、購入から配送まで一括できたり、複数の店舗をはしごせずに購入できるといった手軽さが、ECサイトでのギフト購入が定番化している理由となっています。そんなギフト向けECに欠かせない機能のひとつが、複数配送機能です。この記事では、複数配送機能のメリットや注意点などをご紹介します。
 

◎ECサイトにおけるギフト向け市場のニーズの拡大

実店舗でのギフト購入ではなく、ギフト向けECサイトでギフトを購入するユーザーが年々増加しています。また近年は、ソーシャルギフトというギフト形態も定番化しています。ソーシャルギフトとは、実際に会ったことはないSNS上で仲の良い相手に誕生日プレゼントを贈ったり、「推し」のインフルエンサーにプレゼントを贈ったりする文化です。そのような場合、相手に住所や本名を知らせずにECサイトからプレゼントを選んで発送することもあります。ECサイトでは贈答品や返礼品などのフォーマルギフトだけではなく、カジュアルなつながりの相手に贈るギフトもトレンドとなっています。
 
SNSのトップページや固定のポストに、自身が欲しいものを『Amazon欲しいものリスト』として投稿し、ファンや仲の良いフォロワーがその商品をプレゼントできる仕組みがあります。ほかにも、金額分のギフトチケットを送り、カタログギフトのような形式で専用のギフトサイトにアクセスをして、金額分のギフトを選んでもらうサービスもあります。
 
ソーシャルギフト市場の拡大を考えても、ECサイト運用の売上アップにつなげる戦略として、ECサイト内のギフトページに力を入れることは非常に大切です。ユーザー自身が欲しくなる商品だけではなく、相手に贈りたいという気持ちに刺さる商品を販売することがポイントです。ECサイトのデザインや複数配送機能などギフト向けの機能を導入すれば、運用しているECサイトの新規顧客の獲得につながります。
 
ギフト向けECサイトでは、通常の購入のように1点ずつカートに入れて決済をするのか、複数配送機能のカートを利用して一括決済ができるのかで、ユーザーがかける手間や時間が変わります。複数配送機能を利用するなら、実店舗のメリットともいえる手厚い接客やサービスに勝てるECサイトを運用できるでしょう。
 
ECサイトにおけるギフト向け市場のニーズの拡大

◎ギフト向けECサイトに欠かせない複数配送機能とは

複数配送先機能とは、1度のカート決済で複数の配送先へプレゼントを配送できる機能です。たとえば、お歳暮やお中元といった同一商品を複数購入して、別々の贈り先に配送する場合などに、非常に便利な機能といえます。身近な例だと、母の日や父の日のプレゼントを実家と義実家に分けて配送するなど、大口注文だけではなくミニマムな返礼品やプレゼントでも利用できます。
 
配送先が増えると、それに応じて送料がかかるため、送料を自動加算する機能も必須です。商品種別が異なる場合はカートが分かれたり、カートが分かれた場合はカートごとの決済になったりと、複数配送機能のカートは種類によって機能が異なります。運用しているECサイトで販売している商品やユーザー層を分析したうえで、最適な複数配送機能のカートを選択する必要があります。また、以前のECサイトのギフト対応では、ラッピングが最低限になってしまい、百貨店などの実店舗とサービスに差が出てしまうことがありました。しかし近年では、ECサイトのギフト対応でも、お中元や内祝い、誕生日祝い、カジュアルギフトなど、さまざまなシーンに合わせた熨斗やラッピングのカスタマイズが可能になっています。
 
そのような配送先ごとのラッピング対応まで、1度の決済で可能にするのが複数配送機能です。素敵なラッピングやギフトサービスがあっても、プレゼントごとにカートを分けて決済をする必要があると、品数によっては大変な手間がかかります。取引先など複数の配送先へ贈る法人ギフトでは、配送先も複数となるため、手間のかからない手続きが重要となります。さまざまなECサイトを訪問してギフトを選んでいるユーザーに、競合ECサイトと差別化してもらうためには、複数配送機能付きカートを実装し、ユーザーの手間や時間を削減することがポイントとなるでしょう。
 
ギフト向けECサイトに欠かせない複数配送機能とは

◎ECサイトに複数配送機能を取り入れるメリット

ギフト向けECサイトの需要が高まり、市場が拡大しているため、複数配送機能を実装したいと検討するECサイト運用者は多いのではないでしょうか。複数配送機能を備えたカートを実装するなら、離脱者を減らしたりリピーターを増やすといった、さまざまなメリットが生まれます。
 
〇実店舗のサービスと勝負できる
カジュアルギフト以外の、お歳暮や内祝いなどフォーマルなギフトでは、実店舗のサービスや商品の質と比較されてしまうことが多くあります。しかし、複数配送機能を実装することにより、ECサイトの利便性を高めて、実店舗とのサービスとも差別化が可能です。百貨店では、配送先ごとに伝票を手書きして、手間や時間をかける必要がありますが、ECサイトの複数配送機能を活用すれば、そのような手間や時間を削減できます。季節やイベント、ユーザー層に合わせた魅力的なデザインのECサイトで、実店舗で購入するのと同じ品質の商品を提供できるなら、ECサイトで購入する方が簡単でサービスが良いとユーザーに感じてもらえます。ECサイトでの購入に慣れている若い世代だけでなく、高齢者層にとってもわかりやすく利便性の高い決済ができるECサイトを構築すれば、ECサイトの売上アップにつながります。
 
〇離脱者の減少による売上アップ
プレゼントを選んでカートに入れても、その後のカートでの購入手続きが難しかったり面倒だったりすると、購入を諦めて離脱するユーザーは多くなるでしょう。複数配送機能を実装したカートであれば、そのような手間を省くことができ、カゴ落ちやECサイトからの離脱の減少につなげることができます。手続きが複雑だと感じてしまうユーザーは、カゴに商品を入れて決済しないまま、ほかのECサイトを閲覧したり、同じような商品がないのか比較検討します。ギフト対応をしているECサイトは多数あり、競合商品を販売しているECサイトも多数あるのが、ECサイト市場の現状です。商品をカゴに入れたまま競合のECサイトを閲覧しに行って、競合ECサイトの方が手間なく簡単にギフト対応と決済ができるとなれば、ユーザーは別のECサイトで購入をすることになるでしょう。このような状況で差別化を図るためには、価格競争を行うよりも、よりスムーズに購入手続きができるかという点で、ECサイトの機能を向上させると効果的です。
 
〇リピーターの獲得
複数配送機能の実装は、リピーターの獲得にもつながります。複数の商品を楽しく選んで手軽に決済できるというユーザーの気持ちは、プラスの経験になります。また配送先を登録できると、次回から入力する手間が省けるため、別の贈り物の際にも活用してもらいやすくなります。とくに単価の高いお祝いのプレゼントやお歳暮などのフォーマルギフトに関しては、購入する年齢層が高いため、いかに時間や手間のかからない機能を実装し、離脱者を防ぐかが売上アップのポイントになります。手続き方法がよくわからないから、百貨店やギフト専門ショップなどの実店舗に行ってしまおうと思わない、わかりやすい導線や簡単な手続き決済できるECサイト作りを行うなら、ユーザーを逃すリスクが減ります。次もこのECサイトで購入しようというリピーターの獲得は、売上アップやECサイトの安定運用にもつながるでしょう。
 
ECサイトに複数配送機能を取り入れるメリット

◎ECサイトに複数配送機能を導入する際の注意点

複数配送機能のカートは、製品の仕様によって決済方法などが異なり、商品の種類によって自動的にカートが分かれてしまったり、決済が分かれるケースがあります。複数配送機能のカートは、扱う商品やユーザーのニーズによって、詳細に設定をする必要があります。せっかく複数配送機能のカートをECサイト内に実装しても、運用側とユーザー側のどちらの目的にも合わせた使い方ができていないと、売上アップや新規顧客の獲得は望めないでしょう。
 
注文によっては複数配送機能はいらないというケースもあるため、複数配送機能が不要なケースでは、プラグインを実装することにより切り替えが可能になるカートシステムもあります。チェックボックスなど、簡単な操作で切り替えられる仕様は、ユーザーが商品を購入する際のハードルを下げられ、購入のしやすさはリピーターの獲得にもつながります。
 
初期設定のままの運用では一部のユーザーには利便性の高いサービスが提供できても、さまざまなニーズに応えにくい状況が出てくる場合もあります。複数配送機能のカートを実装する前に、運用しているECサイトの商品やユーザー層の分析、また購入点数や滞在時間なども詳細に分析をします。そして、どのプラグインを実装し、どのようなページを作成するかを検討することが大切です。利便性を最大限に活かすために、複数配送機能の実装をする際にECサイト構築を行う業者に相談するのもよいでしょう。
 
ECサイトに複数配送機能を導入する際の注意点

◎まとめ

複数配送機能の実装は、ギフト向けECサイト運用に欠かせない分野です。お歳暮などの定番商品を求めるユーザーから、ニッチな商品をギフトとして購入したいユーザーもいます。複数配送機能を実装したユーザー満足度の高いECサイトなら、ギフト市場で実店舗とも差別化できます。さまざまなユーザーのニーズに応えるために、運用しているECサイトに合った複数配送機能のカートを実装し、売上アップにつなげましょう。
◎第81回 ギフト向けECサイトに欠かせない複数配送機能