EC売上アップ術
◎第98回 【まとめ】ECサイトの成長に不可欠!売上アップにつながる新規顧客獲得のポイント
ECサイトの売上アップや集客を伸ばすには、新規顧客獲得は不可欠な要素です。新規顧客に関連するデータを分析することは、効果的なマーケティング施策の立案にも重要な役割を果たします。この記事では、ECサイトの成長における新規顧客獲得の重要性や売上アップにつながるポイントをご紹介します。
◎ECサイトにおける新規顧客獲得の重要性
ECサイトの運用において、新規顧客の獲得は売上アップと同じくらい重要といえます。とくに、成長期や拡大期のECサイトにおいて、新規顧客の流入がなく既存顧客だけに依存している状態では、いずれ売上の伸びは頭打ちになってしまいます。ECサイトの既存顧客がどれだけリピート購入をしてくれたとしても、その頻度や1回あたりの購入金額には上限があります。また、買い替えサイクルが長い商品やサービスの場合、リピート購入自体期待できないため、売上アップのためには新規顧客の獲得が必要です。ECサイトの新規顧客が商品やサービスを気に入ってくれれば、将来的にリピーターとなり継続的な売上を支える存在になります。また、なんらかの理由でECサイトから離脱した既存顧客の穴を埋める存在にもなるでしょう。
こうした点のほかにも、新規顧客獲得には重要な側面があります。ECサイトへ新規顧客が加わることで、これまでとは異なったニーズや課題が見えてくる場合があるのです。その情報をもとに、新商品の開発やサービスの改善を繰り返し行い新たな展開へ進むことは、ECサイトの継続的な売上アップつながる重要なポイントとなります。たとえば、新規顧客に外国人ユーザーが含まれていた場合、ECサイトに多言語対応の機能を充実させることで、さらなる市場の拡大の可能性を高められます。
また、ECサイトの新規顧客が増加すると、SNSやレビューサイトなどでの情報発信も活発化します。レビューには、ポジティブなものからネガティブなものまで、さまざまな内容が含まれます。それらの声を丁寧に拾い上げ、ユーザーのニーズを読み取ることで、ECサイトの商品やサービスの改善点の発見にもつながります。さらに新規顧客獲得は、ECサイトにおけるマーケティング施策の成果を測るうえでの、バロメーターにもなります。同時に複数の施策を打ち出した場合、どれに効果があったのか分析することで、より精度の高い施策を立案できるようになります。新規顧客獲得は、マーケティングの視点からも売上アップおいて重要です。
◎ECサイトの売上アップにつながる新規顧客獲得のポイント
ECサイトにおいて、取り扱う商品やサービスの充実だけでは、売上アップにつながるとは限りません。ECサイトの新規顧客獲得に効果的なSEO対策やWEB広告は、いくつかのポイントをおさえると効果的に活用できます。顧客のファン化やコンバージョン率の向上も、ECサイトの売上アップに欠かせないポイントとなります。
ECサイトへの新規顧客の流入数を増やすためには、より多くのユーザーの目に触れるような施策が必要です。ユーザーが商品やサービスを探す際、多くの場合は検索エンジンを利用します。その際、自社のECサイトが検索結果に表示されなければ、そもそも選択肢に入りません。ECサイトのターゲット層に合わせたキーワードを設定するなど、SEO対策を施したECサイトの運用は、ユーザーが検索した際に上位に表示される可能性を高めます。検索結果で上位表示させるためには、ターゲット層の明確化が重要なポイントとなります。ターゲット層を明確にすれば、検索意図に配慮したキーワードを設定し、商品タイトルや説明文などに入れたり掲載画像にキーワードを設定することができます。スマートフォンユーザーが大半を占めるので、モバイル表示を前提としたECサイト設計は欠かせません。ユーザー体験の向上につながるだけでなく、検索エンジン評価の向上にも直結するため、SEO対策として有効です。
WEB広告は、新聞やテレビなどの広告と比べて低コストではじめることができます。また、ターゲットを絞って広告を配信できるため、効果測定しやすいという点もメリットです。一方で、検索エンジンの上位表示を可能にするリスティング広告など、高い集客力や露出を見込める媒体によっては高いコストがかかる場合もあります。そのため、費用対効果のバランスの見極めが重要なポイントとなります。限られた予算のなかで最大限の売り上げや利益をえるためには、広告が実際の成果につながっているかを正しく把握する必要があります。WEB広告を利用する目的を明確化したうえで、数値で効果を可視化しましょう。定期的に効果を検証・改善して費用対効果を最適化することは、ECサイトの効率的な売上アップにおいて重要なポイントです。
ECサイトの売上アップにおいて、流入した新規顧客をいかにリピーターにつなげ、ファン化させるかが重要な課題となります。新規顧客に対して2回目以降の購入につなげるようなアプローチは、ECサイトのリピート率に直結します。関係が浅いといえる新規顧客とは、まだ信頼関係が築かれていません。そのような状態では、2回目以降のアクションをただ受動的に待っていても、思うような効果はえられないでしょう。購入直後からのアプローチやリピートへつなげる仕組みの構築、ユーザー目線によるコミュニケーションなどは、新規顧客をファン化させるカギとなります。また商品やサービスのレビュー、SNSへの投稿を促す施策も効果的です。ECサイトにおいて、実際の購入者によるリアルな意見は、有料広告の効果を上回ります。ポジティブなレビューやSNSを見たユーザーの新規流入は、さらなる売上アップの可能性を高めます。
コンバージョン率(CVR)とは、ECサイトを訪問したユーザーのうち、実際にどのくらいの割合が購入などの目標達成にいたったかを示す割合のことです。たとえば、100人の訪問者のうち1人が商品を購入した場合、CVRは1%となります。CVRを2%に改善できれば、同じアクセス数でも売上は倍増するため、数値が高いほどECサイトのWEB広告やマーケティング施策が効果的に機能していると評価できます。ECサイトに多くの流入数があっても、CVRが低ければ広告費が無駄になるリスクが高まります。そのため、ECサイトを訪問した新規顧客がどこで離脱しているか分析することは、課題を明確にするうえで重要となります。顧客体験の質を高め、顧客満足度を向上させることは、ECサイトの長期的な売上アップにおいて欠かせないポイントです。アクセス数の増加には時間やコストがかかりますが、CVR改善は比較的短期間かつ低コストで実行可能な施策も多くあります。ECサイト運用において、効果的な成果につながりやすいポイントです。
売上アップにつながる新規顧客獲得のポイントについては、下記の記事も参考にしてください。
第74回 ECサイトの売上アップにつながる新規顧客獲得のポイント
◎ECサイトの売上アップのヒントになる顧客分析
価格競争やセキュリティリスク、集客の困難さなど、さまざまな課題があるなかで、競合他社との差別化はECサイトの売上アップにとって重要な課題となっています。ECサイトへの集客では、単に多くのアクセスを集めるだけでなく、質の高いユーザーを効率的にひきつけることが求められます。また、ECサイトの継続的な成長においては、独自性のある商品やサービスを提供してユーザーの関心を引き、リピーターを獲得する必要もあります。顧客セグメント分析は、そのような課題を解決するために、ECサイト独自の強みを把握する分析法です。顧客セグメント分析をとおして、どのセグメントに強みを持っているのか、または改善の余地があるかを把握できます。ECサイトの顧客セグメントに基づいたデータを活用するなら、ターゲット市場の拡大、新しい商品やサービスの開発など、より具体的な計画を立てることが容易になります。
顧客単価を上げるアップセルは、ECサイトの売上アップに直結します。BtoCに比べて取引単価が高く継続性が重視されるBtoBでは、アップセルが売上拡大に大きな効果を発揮しています。たとえば、ECサイトの見積もりやカート内に「こちらの商品なら納期短縮が可能です」「こちらのグレードは長期的に耐久性が向上します」などの、レコメンド表示をします。そうすることで、自然な単価アップの訴求が可能となります。クロスセルも、本来の目的の商品やサービスと関連するものを組み合わせて購入してもらい、顧客単価を上げることができる施策です。初回購入時の「上位モデルの選択」や「ついで買い」は、ECサイトの売上アップのチャンスとなります。はじめてECサイトに訪れた新規顧客は、どれを買えばいいか迷っていることが多いため、レコメンドエンジンの活用による上位モデルや関連商品の自動表示は、有効な施策です。このようなレコメンド機能を適切に行うためにも、顧客分析が必要不可欠となります。
ECサイトの売上アップにつながる顧客セグメント分析については、以下の記事も参考にしてください。
第72回 ECサイト売上アップにつながる顧客セグメント分析術
◎新規顧客をリピーターに変える顧客サポート
顧客サポートは、ユーザーのECサイトにおける疑問や不満を解消するだけでなく、問い合わせを通じてユーザーの生の声を収集できるため、リピーター獲得に重要な要素です。実店舗のようにユーザーと対面できないECサイトでは、リアルな声を集めるのが難しいという課題があります。そのためECサイトへのお問い合わせは、重要な意見やヒントが多く含まれています。お問い合わせ内容を単なる業務対応で終わらせず、分析・活用すればECサイトの成長につながるでしょう。
最適な顧客サポートを実現するためには、社内体制を整備して迅速かつユーザーに寄り添った顧客サポートを行う必要があります。ECサイトに迅速な対応を求めているユーザーは多く、ECサイトの対応に不満を感じた場合はすぐに離脱し、ほかのECサイトへ移ってしまいます。そのようなことを防ぐための迅速な対応には、社内体制の整備や社内ナレッジの共有が重要です。ナレッジには、社員が業務を通じて得た経験やノウハウ、成功事例、顧客情報など、ECサイトの運用に役立つあらゆる情報が含まれます。これらのナレッジを社内で共有するなら、迅速な対応が可能となり顧客満足度向上の可能性を高めます。さらに、ECサイトのFAQ ページの充実や顧客対応のテンプレートの活用も有効です。これらは顧客満足度向上のためだけではなく、サポート担当者の工数軽減にもつながります。
また、スマートフォンからECサイトにアクセスするユーザーにとって、長文や読みづらい文章はストレスの原因となります。また定型文など文字だけのやり取りは、冷たい印象を与えるため注意が必要です。多くのユーザーはECサイトを訪問する際に、商品やサービスのクオリティだけでなく、価格や顧客サポートの対応などを含めて、ECサイトを総合的に評価します。たとえ魅力のある商品やサービスを取り扱っていても、サポートの質が悪いとユーザーの購買意欲が低下してしまい、リピートにはつながりません。顧客サポートは、顧客満足度やブランドイメージの向上、リピーター獲得において重要な役割といえます。
顧客サポートの詳細については、以下の記事も参考にしてください。
第66回 ECサイトの売上がアップする顧客サポート戦略
◎まとめ
ECサイトの売上アップや成長において、新規顧客の獲得は不可欠です。売上アップにつながる新規顧客の獲得には、SEO対策やWEB広告の活用、コンバージョン率の改善、ユーザーのファン化などが重要なポイントとなります。新規顧客の声をいかして継続的な改善を重ねるなら、競合と差別化されたECサイトの運用ができます。ECサイトの運用や新規顧客獲得にご興味のある方は、当社までお気軽にお問い合わせください。
