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EC売上アップ術

◎第74回 ECサイトの売上アップにつながる新規顧客獲得のポイント

ECサイトの売上アップのためには、新規顧客の獲得が必須です。ECサイトやサイト内の商品・サービスを充実させ、既存顧客のリピート率を高めることも重要ですが、それだけでは大きな売上アップにつながりにくく、トップラインが上がらないといわれています。この記事では、ECサイトの新規顧客を獲得し売上アップにつなげるためにどのような施策があるのか、ポイントをご紹介します。
 

◎ECサイトにおける新規顧客を獲得する重要性

新規顧客が流入することは、ECサイトの売上アップにつながるだけでなく、商品やサービスへの新たなニーズが生まれるきっかけになります。その結果、現行サービスの品質を向上させられれば、より顧客の満足度を高めることが可能になり、このサイトは自分たちユーザーの声をきちんと拾い上げ、反映させてくれる信頼あるサイトなのだと認識してもらえるでしょう。さらに商品ラインナップを横展開したり、多種多様なユーザーに合わせて機能やデザインの幅を広げたりと、ECサイトの可能性はどんどん広がります。
 
競争率が激しいEC市場は、競合他社が新規顧客を獲得していれば自社も同じように施策を打つことが重要です。競争力を維持できなければ、市場シェアも縮小されてしまうからです。よって、新規顧客の獲得は一時的な施策としてではなく、ECサイトを運営している間は永続的に重要な課題となります。新規顧客が自社ECサイトで商品を購入したりサービスを利用したりした際に、期待以上の効果が得られれば、ポジティブな口コミやレビューにつながり、自社ブランドの信頼と価値をEC市場において引き上げていけます。また、新規顧客を増やすことは、今月の売り上げを左右するだけでなく、ECサイトの将来の成長率に大きく関わります。新規顧客から根強いファンをひとりでも多く獲得することで、土台ができECサイトの運営が安定します。
 
ECサイトにおける新規顧客を獲得する重要性

◎ECサイトで新規顧客を獲得する方法

ECサイトで新規顧客を獲得する方法として、サイト内における施策と集客のため外部に向けて行う施策があります。サイト内施策はセールやクーポンの発行など、お得にサービスを購入できる企画を打ち出し、購買意欲を後押しします。また、ブログ記事で商品の使い方や開発秘話、関わる人たちの言葉を発信することで、自社商品に関心を持ってもらうきっかけを作ることができます。SNSなどで拡散したり、読む人が増えれば新規顧客の獲得にもつながるでしょう。ただし、直接的な施策というよりは時間をかけて効果を高めるバックアップ的な役割になります。
 
そのほかの集客方法としては、SEO対策やSNSを活用した情報の拡散、Web広告による宣伝なども効果を見込めます。SEO対策はブログ記事同様、積み重ねることで大きな効力を発揮しますがアクセスが集まるようになるまでの構築に時間を要します。SNSの拡散も、地道な創意工夫が必要ですが、ターゲット層に届けることができ、ユーザーの心に響けば一気に広がる可能性も秘めています。Web広告は費用対効果を考え、自社のサービスに合った方法を検討しましょう。
 
ECサイトで新規顧客を獲得する方法

◎ECサイトで新規顧客を獲得するポイント

新規顧客を獲得するにはさまざまな施策を駆使し、潜在顧客へ確実にアプローチできる方法を模索することが大切です。施策が功を奏しファーストコンタクトが取れたとしても、魅力的なサイトでなければユーザーから次のアクションを引き出せないため、ECサイトを育てつつ施策を立てていくことが重要です。
 
〇ECサイトへの新規顧客の流入率を上げる
ECサイトの流入数を上げる施策は最も重要です。ユーザーが自社サイトを知り、入ってきてもらうきっかけがなければ、当然購入につながることはありません。より多くの人の目に触れるよう、効果的な施策が必要です。ユーザーが検索エンジンでキーワードを入力したときに上位に表示されるよう、SEO対策は必須です。ユーザーにとって有用性の高いサイトであること、良質なコンテンツであるかどうかが、結果を大きく左右するといわれています。
 
そのためには、自社ECサイトのターゲット層が日々どのようなものを必要とし、どのキーワードで検索をかけるかを熟知しておく必要があります。新規顧客は何を求めているのか、常にアンテナを貼っておきましょう。また、現在のニーズに応えるだけでなく、将来のニーズを予測し先回りすることで、未来の新規顧客の獲得に大きく貢献することができます。
 
Web広告は、狙ったターゲット層にピンポイントでアプローチできるのがメリットですが、媒体によっては多額の費用がかかります。広告費と利益のバランスを見誤ると大きな損失につながってしまうため、売上アップになるよう慎重に検討する必要があります。ターゲット層の新規顧客に対し、確実に自社ECサイトの商品やサービスを届けるため、どの広告をどんな形で打ち出すかが重要です。たとえば、YouTubeなどの動画広告が良いのか、SNSを使った施策がベストなのか、インフルエンサーを起用したプロモーションが効果的なのか、シミュレーション等を繰り返し、自社の商品群と新規顧客を繋ぐため相性の良いツールを見つけておきましょう。
 
新規顧客が必要としている情報を、十分に提供できているかどうかも大切な要素です。たとえば、ファッション系のECサイトの場合、サイト内の商品を実際のモデルが着用した場合どのように見えるのか、平面だけでなく立体的に見えるよう、動画での説明が有効です。同じ服でも体型の異なる人が着るとどのような見え方になるのか、多様なニーズに応えられる情報を発信しておくことで、ブログ記事からも新規顧客の流入が見込めるようになり、売上アップにつながります。
 
〇新規顧客のコンバージョン率を上げる
新規顧客が外部からアクセスしても、コンバージョンにつながらなければ意味がありません。ECサイトの売上アップを目指すには、コンバージョン率を上げる施策が必須です。新規顧客がECサイト内で商品を購入するなどのアクションを起こすためには、サイトからの離脱率を下げるだけでなく、理想のアクションへと後押しする工夫が必要になります。
 
新規顧客は既存顧客とは違い、はじめてそのECサイトを訪れています。よって、サイトにわかりづらさや違和感があったり、信頼性が低いと思われれば簡単に離脱してしまうでしょう。新規顧客のECサイトからの離脱率を下げるためには、初見でも簡単に欲しいものを見つけられるシンプルな動線ができているかがポイントです。また、どのページで離脱率が上がっているのか、各ページの滞在時間などを数字で算出することで、強化するべきポイントが明確になります。新規顧客の回遊性が低い場合は、魅力的なページになっているかどうか、ターゲットが必要としている情報をわかりやすく記載しているかなどをチェックしましょう。もし、購入画面で商品の購入前に離脱が起きている場合、購入方法があいまいであったり、支払い方法の選択肢が少ないなど、新規顧客のニーズに十分に応えられていない可能性があります。具体的なデータをもとに、ECサイトの改善に力を入れれば、ユーザーの離脱率を下げていくことができます。
 
新規顧客にとってはじめてのECサイトで購入することは、心理的物理的ハードルを感じやすい傾向にあります。このサイトで買い物をして本当に大丈夫だろうかという不安や、新たに個人情報を入力してまでこのサイトで買い物がしたいかなど、新規顧客が躊躇う可能性の高い部分においては、とくに注意を払う必要があります。さらに、魅力的なキャンペーンで購買意欲を高める工夫も効果的な施策のひとつです。たとえば、新規購入者限定の割引キャンペーンやプレゼント、効果を感じられない場合は返金可能など、まずは最初の購入につなげましょう。
 
〇新規顧客からファンを創出する
ECサイトに流入した新規顧客のなかから、自社ブランドとの親和性の高いファンをつくることは安定した売り上げアップにつながるため重要です。新規顧客が最初の購入をしても、リピートにつながらなければその場限りの売上で終わってしまいます。新規顧客を獲得したら、必ず次回の購入を先回りして先導しましょう。
 
新規顧客の1度目の購入以上にアピールしたいのは、2度目の購入です。ユーザーからのアクションをただ受動的に待っているだけでは、売上アップは見込めません。2度目の購入を積極的につくるためには、初回の購入時に次回の買い物で使えるクーポンを発行したり、2回目のお買い物限定のプレゼントを用意したりと、さまざまな工夫が考えられます。新規顧客が同じECサイトを何度も訪れたり、そこでの買い物でプラスの体感を何度も得たりできれば、そのブランドとの親和性が強化され、購入までのハードルがどんどん下がっていきます。つい、新規顧客の初回の買い物を後押しすることに力を入れすぎてしまい、2回目以降のコンバージョンを軽視しがちですが、未来の売上アップを目指すなら2回目の購入を早いタイミングでプッシュするのは効果的です。
 
新規顧客を自社ECサイトのリピーターにしていくためには、レビューへのコメントやSNSの投稿を促す施策が効果的です。ベストは、顧客自らがみんなに伝えたくなる商品やサービスを提供し、自然と口コミが起こることです。はじめは、なかなかレビューも増えず難しさを感じるかもしれません。レビューへの返信コメントをこまめに返したり、自社製品に関するSNS投稿を積極的にシェアするなどの工夫の積み重ねで、新規顧客が商品やサービスについての感想を発信しやすくなる空気作りが大切です。
 
〇新規顧客の購入金額を上げる
顧客のひとり当たりの購入額が低ければ、全体の売上アップは難しくなります。新規顧客がECサイトで購入する単価を上げる施策が大切です。アップセルとは、顧客が購入した商品やサービスよりも上位ランクのものを提案し、購入を促すことです。顧客単価が上がり、売上アップにつながります。ユーザーの目的にもよりますが、ブランドのファン化を促進するためにはより高額でより品質の高いものを手にしてもらうことが有効です。ECサイトでの購入額が高まるほど、ユーザーはそのサイトに対し信頼をおくようになり、またECサイトで買い物がしたいと思うようになります。
顧客が求めているものであれば、より上位の商品を提案することは顧客を大切に扱っている証拠であり、顧客は誇らしささえ感じるようになります。新規顧客のひとりあたりの購入額を高める工夫は、顧客との信頼関係を高めるきっかけにもなるのです。
 
クロスセルとは、顧客が購入を検討している商品と関連性の高い商品を提案し、セット購入もしくは別の商品の購入も同時に促すことです。クロスセルで提案できる商品は、顧客がまだ気づいていない潜在的なニーズに気づかせるきっかけにもなります。今は必要なくてもこのECサイトにはこのような商品もあるのだと新規顧客に対して情報提供することで、自分が探しているものはこのサイトを見れば見つかるかもしれないと期待値を高めることにもつながります。
 
ECサイトで新規顧客を獲得するポイント

◎まとめ

新規顧客の獲得は、ECサイトを長く運営するためにも重要なポイントです。新規顧客の獲得の重要性を理解し、さまざまな角度からの施策を実装することで、売上アップを目指しましょう。
◎第74回 ECサイトの売上アップにつながる新規顧客獲得のポイント