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ITコラム

Salesforceを活用した効果的なWebマーケティング

Webマーケティングといっても、SEO対策やWeb広告、メールマーケティングなど、実にさまざまな手法があります。Webマーケティングで成果を上げるためには、目的に向かって効率的に実施する必要があります。Salesforceには、効率的なWebマーケティングを実行するために必要な、多彩な機能が備わっています。この記事では、Salesforceで実現できるWebマーケティングについてや、Salesforceを導入するにあたってのポイントをご紹介します。
 

◎クラウド型の顧客関係管理(CRM)Salesforce

Salesforceとは、米国カリフォルニア州に本社を置くセールスフォースドットコム社が提供している、クラウド型のビジネスアプリケーションです。日本では、セールスフォースドットコム・ジャパンが提供しています。SFA(営業支援)・CRM(顧客管理)などの機能を中心に、目的に合わせて複数の製品を組み合わせて使えるプラットフォームです。Webマーケティングを効率化するための機能も複数備わっています。SalesforceはSaaS型のサービスとなっており、パソコンにソフトウェアをインストールする必要がありません。そのため、インターネット上でデータ保存ができ、マルチデバイスにも対応、複数のユーザーで利用が可能などの特徴があります。
 
Salesforceのサービスのなかでは、Salesforce Sales Cloudが最も有名で、SFAでは世界シェアNo.1となっています。Salesforceの最大の特徴は、必要な機能を選んで利用ができるという点です。商談状況の把握や、業務効率の向上が目的であれば、Salesforce Sales Cloudだけで行うことができます。さらに、Webマーケティングにも活用したいというニーズがある場合は、Salesforce Marketing CloudとSalesforce Marketing Cloud Account Engagement(旧 Pardot)などを組み合わせれば、メールを送る、レコメンドをする、といったWebマーケティング施策を顧客単位で実現できます。

◎Salesforceの代表的なサービス

Salesforceの代表的な機能として、Salesforce Sales Cloud、Salesforce Service Cloud、Salesforce Marketing Cloud、Salesforce Marketing Cloud Account Engagement(旧 Pardot)、Salesforce Platform、Salesforce Experience Cloudの6つがあります。Sales Cloudは、見込み顧客の情報や営業活動の状況把握、与実管理などを一元管理し、成約率向上のサポートを目的としたSFAツールです。
 
Service Cloudは、顧客へのカスタマーサポートの効率化を目的とした、CRMツールです。カスタマーサポートもWebマーケティングでは重要な施策のひとつです。カスタマーサポートセンターやヘルプデスクへの電話問い合わせ以外にも、メールやWebサイト、SNSなど、さまざまなお問い合わせチャネルに対応できます。チャットボットなど、Web上でユーザーの自己解決率を高める機能を提供できます。Marketing Cloudは、Webマーケティングで必要な顧客データや情報を一元管理し、顧客1人ひとりに最適な情報を提供するためのBtoCに適したMAツールです。
 
Marketing Cloud Account Engagement(旧 Pardot)はBtoBに適したMAツールです。 見込み客を顧客へと育てるプロセスを自動化することが可能です。SFAツールであるSales CloudやCRMツールとの連携をシームレスに行うことで、効率的なWebマーケティングができることが特徴です。Salesforce Platformは、自社に最適な独自アプリケーションを開発するためのサービスです。社内向けの業務用アプリケーションや、顧客の要望に対応した顧客向けアプリケーションなどを自由に開発できます。
 
Experience Cloudは、簡単にサイトを公開できる機能です。テンプレートとテーマを選び、コンテンツを追加してデータ接続することで公開できます。Salesforceは、それぞれ得意分野が異なる複数のサービスから成り立っています。これらは同じプラットフォーム上に存在するため、相互のサービス間で容易にデータ連携が可能になるのです。

◎Webマーケティングの種類

Webマーケティング施策は、集客施策と顧客育成施策の2つに大きく分類されます。主なWebマーケティングの集客施策には、SEO・Web広告・コンテンツマーケティング・SNSマーケティング・ウェビナーがあります。SEOは、Webサイトやコンテンツを検索エンジンに評価されやすいように調整し、自然検索を通じて顧客をサイトに誘導するWebマーケティングの手法です。Web広告は、Webを媒体として出稿される広告の総称です。GoogleやYahoo! JAPANなどの検索エンジンに表示されるリスティング広告、大手ポータルサイトなどにバナーやテキストの形で表示されるディスプレイ広告、XやInstagramなどのSNS上に表示されるSNS広告など、さまざまな種類が存在します。
 
コンテンツマーケティングとは、自社コンテンツをオウンドメディアで発信したり、アーンドメディアや、ペイドメディアから配信することです。見込顧客や既存顧客との定期的なコミュニケーションを実現するWebマーケティングの手法です。SNSマーケティングは、XやInstagramなどのソーシャルメディアを活用し、ブランディングや販売促進などのWebマーケティング活動を行う手法です。ウェビナーとは、オンライン上で動画・音声を配信するセミナーを指します。Webマーケティングの一環として、自社サービスの説明会を行ったり、求職者向けに自社の会社概要や業務内容を紹介する採用活動を行います。
 
Webマーケティングの顧客育成施策には、LPO・Web接客・メールマーケティングがあります。LPOとは、日本では、「ランディングページ最適化」と呼ばれています。クリックして最初にたどり着くLPをユーザーニーズに合わせて最適化し、ページのCVRを上げるWebマーケティングの手法です。Web接客とは、Webサイトに訪れたユーザーに対しオンライン上で接客を行うことです。実店舗での接客と同様に、顧客からの疑問に答えたり、おすすめの商品を勧めることで、Webサイトのコンバージョン率向上に貢献します。Web接客は主に、ポップアップの表示とチャットツールによる対応に分けられます。メールマーケティングとは、用意した配信リストに対してメールを配信し、サイトへの集客を行ったり、商品やブランドのファンを育成したり、サービスの購入を促すWebマーケティングの手法です。社内の限られたリソースのなかで、これらすべてを実行するのは簡単ではありませんが、Salesforceを導入することで、これらのWebマーケティングを効率的に実施します。

◎Salesforceを活用できるWebマーケティングとは

Salesforceのサービスのなかでも、Webマーケティングに活用できるのは、主にSalesforce Service Cloud・Salesforce Marketing Cloud Engagement・Salesforce Marketing Cloud Account Engagement(旧 Pardot)の3つのサービスになります。
 
〇Service CloudによるWebマーケティングで重要なカスタマーサポートを効率化
Service Cloudを活用すれば、カスタマーサポートのコスト削減と業務効率化、顧客満足度の向上を実現できます。Service Cloudには、顧客とのコミュニケーションにおけるさまざまなケースを想定した管理機能が実装されています。たとえば、自社の顧客との接点となるあらゆるチャネル(メール・電話・チャット等)で行われた顧客との全てのコミュニケーションの履歴が時系列で見やすく表示され、サポート担当はスムーズに対応できるようになります。またメール対応では、よく使う文面をテンプレートとして保管でき、返信の工数を大幅に削減することが可能です。ほかのメンバーが対応したナレッジをクラウド画面から簡単にチェックでき、経験のない対応事項であってもスムーズに対応できます。ナレッジ画面を顧客向けに公開することもできるため、顧客の自己解決率を高めることができます。
 
これまで蓄積されたケースや、顧客のリード状況によって最適な対応者へと振り分ける仕組みも搭載されています。カスタマーサポートの管理者は、対応者のスキルや稼働状況などに応じて、お問い合わせ対応を振り分けられるようになっています。Service Cloudには、「Einstein」と呼ばれるAIが実装されています。前述の対応者の振り分けはEinsteinが自動で行うことも可能です。また、AIの学習に基づく予測モデルによって、顧客に解決方法を提案することも可能です。チャットボットの対応では、Einsteinが半自律的に対応をするように設定できます。これらの機能により、Salesforceで顧客対応のスピードアップ、顧客満足度の向上を実現できます。
 
〇Marketing Cloud Engagementで効率的なBtoCのWebマーケティング施策を実現
Marketing Cloud Engagementは、Salesforceが提供するBtoCに適したMAツールです。SalesforceのCRMに蓄積された顧客データを活用し、メール・SNS・Webといったマルチチャネルを通し、顧客と最適なコミュニケーションを行うことで、One to OneのWebマーケティングを実現してくれるサービスです。複数の製品から構成されるプラットフォームで、それぞれの製品を上手く組み合わせて使用することで効果を発揮します。Automation Studioを利用すれば、さまざまなデータソースを統合し、高度なセグメンテーション配信が可能です。CRMや販売管理システム・DWH・CDP・CSVファイルといったデータソースから、必要なデータを連携できます。それらのデータをSQLで統合・加工・抽出することが可能です。また、Contact Builderで顧客情報やそのほかのデータを集約・関連付けし、複雑なセグメンテーションを行い、自動実行できます。
 
Marketing Cloud Engagementは単体でも利用可能ですが、Marketing Cloud Connectと呼ばれるコネクタを利用すれば、SalesforceのCRMへシームレスにデータ連携が可能です。Salesforceに実装されているAI、Einsteinによりマーケティングアクティビティの最適な評価と実装を行うことができます。具体的には、配信対象者の属性情報や送信時間・エンゲージメント頻度・コンテンツなどを自動で学習し、件名の作成やメール内のコンテンツのパーソナライズ、メールやメッセージに対する顧客のエンゲージメント予測、送信時間の自動最適化を行うことが可能です。Marketing Cloud Engagementを利用することで、複数のチャネル・デバイスから最適なタイミングで最適なコミュニケーションを実行・管理します。Marketing Cloud Engagementは、BtoCのWebマーケティングに必要な多彩な機能が備わっています。
 
〇Marketing Cloud Account Engagementで効率的なBtoBのWebマーケティングを実現
Account Engagement見込み客の活動を詳細に把握でき、ターゲットを絞ったセールストークができるため、とくに商談型ビジネスに向いています。顧客が訪れたWebページの閲覧履歴を、トラッキングすることで、顧客が何に興味・関心があるのかを把握し商談に活用できます。顧客のWebページの閲覧状況やメールの開封率、クリック率などのデータから顧客をスコアリングし、顧客ごとの見込み度合いを把握し、優先度をつけられます。また、スコアリングする上で必要な加点される項目や条件を、自社の商材に合わせてカスタマイズできます。顧客の役職や会社の規模といった属性情報から、見込み顧客かどうかを判定するグレーディングを行うことも可能です。スコアリングは顧客を行動から評価するのに対し、グレーディングは顧客を属性から評価します。グレーディングを行うことで、より見込み度合いの高い顧客を抽出できます。
 
ほかにも、Engagement Studioというシナリオメールシステムも搭載されています。テンプレートを使ってメールを作成し、シナリオ設定をしておけば、顧客の商談状況や興味・関心・属性情報を基に、顧客の求める情報を最適なタイミングで自動配信が可能です。配信済みのメールに対する顧客のアクションも計測できるため、シナリオの検証を行えます。Account Engagementでは、入力フォームやLPをドラッグ&ドロップで簡単に作成できます。BtoBのWebマーケティングに必要な機能は、Account Engagementにほぼ揃っているといえるでしょう。
 
〇ツールとのAPI連携でWebマーケティングに活用
Salesforceはコミュニケーションツールや会計ツール・契約管理ツールなどのツールとAPI連携が可能です。Salesforce上には、顧客に関するデータが日々、入出力されます。ほかのツールと連携することでSalesforceを起点としたWebマーケティングの効率化や集約が可能になります。たとえば、Webサイトに設置したフォームからの入力情報をSalesforceに連携し、自動でリード情報を作成し、スムーズに営業活動につなげることができます。とくにMarketoや、HubspotといったMAツールはSalesforceと連携してこそ効果を発揮するツールともいえます。
 
また、Shopify・BASE・MakeShopといったECサイトCMSとの連携も可能です。Salesforceと連携することで、膨大な数の顧客情報を把握し、顧客の属性・住所・連絡先・決済情報などを管理できます。また、それぞれの購入履歴やサイトのアクセスログといったデータの蓄積も可能になります。ECサイトは実店舗と違い、顧客の様子を目で見れませんが、Salesforceで購入履歴やサイトのアクセスログなどを分析し、顧客ニーズを汲み取ってWebマーケティング施策に活用できます。

◎Salesforceを導入する際のポイント

Salesforceを導入しても、上手く活用できなければ、効率の良いWebマーケティングを行うことはできません。導入する際のポイントをよく理解した上でSalesforce導入を進める必要があります。まず、導入前にニーズを明確化しておくことが大切です。Salesforceは機能が充実しているため、それらをすべて取り入れようとすると、逆に使い勝手を悪くしてしまうことがあります。目的に合わせSalesforceのどのサービスを導入するのか決定しましょう。また、新しいツールを導入する際問題になるのが、「既存ツールから変えることへの不満」が社員から出ることです。Salesforceを導入する目的を明確にし、経営陣、マネージャーや部門長レベルから説明して、社内全体の理解を得る必要があります。既存のシステムと比較して、Salesforceの導入により何が便利なのか丁寧に周知することが大切です。導入に関する疑問・不安の解消に努め、実際にシステムを使う現場からの賛同を得ましょう。
 
Salesforceの利用マニュアルや業務フローが整備されていなかったり複雑な状態だと、マニュアルや業務フローを理解することに時間をとられ、Webマーケティングの効率化に結びつきません。また、Salesforceを利用中に起きたトラブルを解決する体制が整備されていなければ、現場のストレスになり、Salesforceを利用することへの不安やシステムへの不信感が生じます。最終的にSalesforceの利用意欲の低下につながってしまうので注意しましょう。誰もがSalesforceを活用したWebマーケティングができるように、社員のITリテラシーに合わせるなど、内容を工夫して丁寧に研修・教育を実施する必要があります。社員によってSalesforceへの理解度に差が出てしまうと、一部の社員に業務が集中してしまう恐れがあります。また、部署ごとにSalesforceについての理解に差が出てしまうことも課題です。部署によってSalesforce定着化のレベルが異なると、Salesforceの強みである情報の一元化やデータ連携が難しくなります。Salesforceは規模が大きくなるほどシステムが複雑になってしまうため、本格的な運用に入る前に必ず社員のトレーニング期間を設けましょう。1度きりでは終わらせず、半年ごと、1年ごとなど定期的にトレーニングを行うことで、運用保守の精度をより高められます。
 
Salesforceは、自社に合わせてカスタマイズ・拡張を前提に導入することが大切です。Salesforceは企業規模や業種にかかわらず使えるように、非常に多機能になっているため、慣れるまでは使いにくいと感じるかもしれません。そこで、自社に合わせてカスタマイズすれば、必要な機能に絞られ、Webマーケティングツールとして使いやすくなります。Salesforceは、各分野に特化した複数のサービスの集合体です。もちろん各サービス単体の導入でも十分Webマーケティング業務の効率化は可能です。しかし、Salesforceの最大の強みは複数サービスの同時活用にあります。各サービスの機能をよく理解し、自社に必要なサービスを取捨選択し、社内体制をしっかり整えて導入しましょう。

◎まとめ

YTC・PLUSは、Salesforceの認定コンサルティングパートナーです。長年のホームページ制作やECサイト構築で培った技術や経験があります。Salesforce構築とWebマーケティングのセットで、トラフィック獲得からコンバージョン、商談、成約に至るまでの営業・販売のプロセスを包括的に支援いたします。業種や、業務プロセス、ニーズに合わせたカスタマイズが可能です。効果的なWebマーケティングをお探しの方はお気軽にお問い合わせください。
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