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ITコラム

ECサイト構築はEC-CUBEとShopifyどちらを選ぶべき?

自社ECサイトを立ち上げる事業者の増加に伴い、ECサイトを構築するためのプラットフォームも続々と増えています。そのため、幅広い選択肢のなかから自社に適したプラットフォームを選べるようになりました。しかし一方で、数あるプラットフォームから自社ECサイトに最も適したものを探すのが難しいといった声も少なくありません。そこでこの記事では、自社EC構築プラットフォームとして人気の高い「EC-CUBE」「Shopify(ショピファイ)」を比較してご紹介します。
◎国内シェア率No.1のECプラットフォームEC-CUBE
EC-CUBEは国内発のオープンソース型ソフトウェアです。オープンソースとは、EC構築に必要なプログラムのソースコードが公開されているソフトウェアのことを言います。誰でも無料でインストールすることができ、ソースコードを自由に書き換えて使えるのが大きな特徴です。
 
EC-CUBEは、株式会社ロックオンが開発したECサイト構築パッケージ「ECkit」を基盤としたオープンソースで、2006年9月より提供が開始されました。現在、EC-CUBEは国内シェア率No.1のECプラットフォームとなっており、大手ディスカウントストアや人気書店、有名ホテルなど、推定35,000店舗以上の自社ECで利用されています。

国内シェア率No.1のECプラットフォームEC-CUBE
◎EC-CUBEを自社ECサイトに導入するメリット・デメリット
EC-CUBEを自社ECサイトに導入するメリットは、何といっても開発コストを抑えて独自性の高い自社サイトを構築できることでしょう。
 
さまざまな機能を備えた自社ECサイトをイチから開発するとなると、自分たちで設計を行う必要が出てくるため、どうしても開発費用が高くなってしまいます。そこで、EC構築に必要な機能が標準機能として備わっているEC-CUBEを使えば、設計にかかるコストを抑えて自社ECを構築することができるのです。
 
標準的な機能のみで、とくにカスタマイズを必要としない場合であれば、インストール後にすぐに自社ECを立ち上げることができます。EC-CUBEは、カスタマイズ性に優れていることも大きなメリットです。自分でコードソースを改変しながらカスタマイズを行っていくことはもちろん、決済・集客・顧客管理・物流・在庫管理・SNSなど、EC構築・運用に役立つプラグインが複数用意されています。仮にコードソースを改変することができなくても自社ECに必要な機能を追加することができます。
 
一方、デメリットとしては集客力の不足、そして専門知識やスキルが求められることがあげられます。とくにEC-CUBEはマニュアルが用意されていない上、システムにいくつかのバージョンがあるため、自社ECにカスタマイズを施したり、テーマを変更したりする場合は慎重にならなくてはなりません。
 
もちろん、自社ECに万が一のことが起こった場合はコミュニティを活用してトラブルを解決することも可能ですが、知識やスキルがなければ改修作業に大きなリソースがかかってしまいます。
 
また、自社ECサイトの改修作業はスピードも求められます。EC-CUBEで構築した自社ECサイトにシステムエラーが起きた際、迅速に対応できるようにしておくなら、専門知識やスキルを持つ人材は必要不可欠となってくるでしょう。
EC-CUBEを自社ECサイトに導入するメリット・デメリット
◎世界トップクラスのASP型ソフトウェアShopifyとは
Shopifyは、カナダ発のASP型ソフトウェアです。ASPとはアプリケーション・サービス・プロバイダ(Application Service Provider)の頭文字をとったもので、インターネットを経由して提供されるEC構築・運用システムを指します。
 
そのため、自社でサーバーを用意する必要がなく、短期間で自社ECを構築することが可能です。Shopifyのシェア率は世界トップクラスで、現在は世界175ヶ国、100万以上のECサイトがShopifyで運営されています。
 
2017年に日本に本格参入してからは国内でも多くの企業がShopifyを自社ECに導入しており、2020年は新規出店数が前年比228%、過去最高の成長を遂げたと発表されています。

世界トップクラスのASP型ソフトウェアShopifyとは
◎Shopifyを自社ECサイトに導入するメリット・デメリット
Shopifyの最大のメリットは海外販売に強く、越境ECの開設に適していることです。世界シェア数No.1を誇るEC構築プラットフォームだけあって、Shopifyは世界のさまざまな言語や通貨、税率、決済方法に対応しています。
 
また、ShopifyはほかのEC構築プラットフォームに比べて自社ECサイトの集客アップが図りやすい点もメリットの1つです。ShopifyはFacebook・Instagram・Twitter・PinterestなどのSNSと自社ECサイトの連携が可能です。販売チャネルを増やしておくことで集客機会の損失を防ぎ、新規顧客やリピーターの増加につなげることができます。
 
さらに自社ECサイトの構成が記述されたサイトマップが自動で生成される、各ページのmetaタグを設定できる、各種アップデートに対応するなど、SEOにも対応しているのも嬉しいポイントです。
 
一方、デメリットとしては、自社ECサイトで問題が起こった際にトラブルを解決しにくいという点があげられます。Shopifyは、ここ数年で日本語圏への対応が格段に進歩していますが、やはり海外向け仕様ということもあり、国内のEC構築プラットフォームと比べると日本語の情報やサポートの不足が感じられます。
 
なかには、日本語翻訳機能が搭載されているテーマもありますが、不自然な表現で翻訳されるものや、サポートや案内が英語対応になっているものも少なくありません。さらに、マニュアルも英語ベースとなっているため、わからないことがある場合は日本語に翻訳してから調べる必要が出てきます。そのため、英語が苦手な方にとっては、Shopifyを使って自社ECを構築・運用していくのは、少々ハードルが高いかもしれません。
 
また、Shopifyはポイント機能がない、カートのカスタマイズができない、自動返信メールを送れないなど、標準機能が少ないといった点もデメリットとしてあげられます。
 
こういった問題はアプリを導入すれば解決できますが、提供されているアプリは月額課金も少なくないため、次々に導入してしまうとランニングコストが高くなる恐れがあります。そのため、コストを抑えて自社ECサイトを構築・運用したいと考えるのであれば、必要な機能などをきちんと決めたうえで、Shopifyを導入するか検討していくことが大切です。
Shopifyを自社ECサイトに導入するメリット・デメリット
◎EC-CUBEとShopifyを比較
自社ECサイトを構築するにあたり、プラットフォーム選びで悩んでいる方は、それぞれのメリット・デメリットだけでなく、月額費用や決済方法、連携可能なSNSなども比較してみるのがおすすめです。ここでは、EC-CUBEとShopifyのコストや機能を比較して見ていきます。
 
○コスト面の比較
Shopifyはスタータープラン・ベーシックプラン・スタンダードプラン・プレミアムプラン・Shopify Plusプランと5つのプランがあり、毎月プランごとに決められた利用料金を支払わなくてはなりません。
 
また、条件によってはサービス利用手数料や決済手数料も発生しますが、Shopifyは初期費用がかからず、自社でサーバーを用意する必要はありません。リーズナブルなプランを選べばローコストで自社ECに導入することが可能です。
 
一方、EC-CUBEはインストール無料、月額料金だけでなく、サービス利用手数料、決済手数料も一切かかりません。ただし、自社でサーバーを用意したり、自力で自社ECサイトの構築を行っていくのが難しい場合は、業者に依頼する必要があります。
 
自社でカスタマイズなどを行っていくのであれば、サーバー代の負担だけなので費用を大きく抑えることができます。制作会社に自社ECサイトの構築を依頼する場合、業者によってはコストが高くなってしまう可能性があるので、よく確認しましょう。
EC-CUBEとShopifyの比較
○機能面の比較
EC-CUBEとShopifyは標準機能が大きく異なるため、国内向け自社ECサイトを構築するか、それとも海外向け自社ECサイトを構築するかで優劣が変わってきます。
 
EC-CUBEは商品の紹介や注文、お客様ページなどのフロント機能に加え、商品・受注・会員情報などの管理や、メルマガ配信、クーポン配布といったEC構築・運用に必要な機能が標準機能として100点以上も搭載されています。それに対し、Shopfifyは商品・注文管理などの基本的な管理機能に加えて、多言語対応や多通貨決済などが標準機能として備わっています。
 
国内ユーザーに向けて自社ECサイトの構築を行っていくならEC-CUBEが適していますが、海外向けに自社ECサイトの構築を行っていくならShopfifyのほうが向いていると言えるでしょう。EC-CUBEとShopifyは、どちらにもアプリストアが存在します。アプリ数を比較すると、EC-CUBEが約1,500種、Shopfifyが約6,000種となっているため、数だけで見ればShopfifyの方が選択肢は多いように見えますが、実際のカスタマイズ性の高さで言えば、EC-CUBEのほうが優れていると言えます。
 
なぜならEC-CUBEはアプリの追加だけでなく、自身でコードを改変して自社ECのカスタマイズを自由に行えるからです。Shopfifyはアプリの選択肢こそ多いですが、求める機能が足りない場合はアプリの新規開発が必要となる場合が出てきます。
 
そのため、もし自社で要件定義がされていて、それに従って自社ECサイトを構築するのであれば、ShopfifyよりもEC-CUBEを使ったほうが希望に合った自社ECサイトに仕上がるでしょう。
EC-CUBEとShopifyの比較
○セキュリティ面の比較
Shopifyはアプリをインストールする際、都度アクセス情報の取得や利用、権限に関しての確認を行ったり、アプリの審査が厳しかったりと、セキュリティ対策が徹底されています。
 
一方、EC-CUBEに限らず、オープンソースはその特性からさまざまな脆弱性が存在し、サイバー攻撃に遭いやすいとされているため、自社ECサイトに導入する場合は事業者が意識的にセキュリティ対策を行っていなくてはなりません。
 
EC-CUBEでは、運用中の自社ECサイトが最低限のセキュリティレベルを満たしているか無料でチェックできるサービスの提供を行っているので、そういったものを利用して自社ECサイトの脆弱性を定期的に診断するのも1つの手です。また、WAFを導入したり、改ざんを検知したりするのも自社ECサイトのセキュリティ強化に有効と言えるでしょう。
EC-CUBEとShopifyの比較
○サポート面の比較
Shopifyはコミュニティのほか、電話対応やメールチャットでサポートを行ってもらえますが、EC-CUBEの場合はそういった提供元のサポート体制が整っていません。
 
しかし、EC-CUBEは有志による勉強会や専門家によるサポートが行われたり、パートナー制度に参加している企業に相談を依頼したりすることができるため、日本語の情報が少ないShopifyと比べると、EC-CUBEは自社ECサイトのトラブルに対応しやすいと言えます。
EC-CUBEとShopifyの比較
 
◎自社ECに適したプラットフォームの選び方
EC-CUBEとShopifyはメリット・デメリットがそれぞれ異なるため、これから自社ECサイトを構築する、またはプラットフォームの変更を行う場合は自社ECに合わせて選ぶことが大切です。
 
すでに要件定義を済ませており、それに従って自社ECサイトの構築を進めていきたい場合や、独自性の高い自社ECサイトを構築したい場合は、カスタマイズ性の高いEC-CUBEがおすすめです。
 
また、自社ECに電子マネー決済や楽天Payなどの決済方法を取り入れたい、なるべく最初からEC構築・運用に必要な機能を備えておきたい場合もEC-CUBEが適していると言えるでしょう。
 
一方、海外進出を視野に入れている事業者は、越境ECにも柔軟に対応できるSyopifyがおすすめです。また、Syopifyはアプリを使って手軽に自社ECを構築できることから、エンジニアが不在だったり、自社ECサイトの開設を急ぎたい事業者にも適しています。
 
ただし、トラブルが起きた際はマニュアルなどを頼りにしながら対応する必要が出てくるため、ある程度の知識やスキルを持っている人材の確保は行っておいたほうが良いでしょう。

自社ECに適したプラットフォームの選び方
◎まとめ
EC-CUBEとShopifyは、シェア数が高い人気のEC構築プラットフォームですが、自社ECサイトの構築に関しては、メリット・デメリットがまったく異なるため、導入する際は自社ECに合わせて検討する必要があります。
 
海外進出を視野に入れていないのであれば、カスタマイズ性が高く、事業規模に応じて機能を追加できるEC-CUBEがおすすめです。EC-CUBEは専門知識やスキルが求められたり、セキュリティ対策を行ったりしなくてはなりませんが、国内に数多くのパートナー事業者がいるため、そういった業者に自社ECサイトの構築や運用を依頼しましょう。
 
YTC・PLUSでは、EC-CUBEを使った自社ECサイトの制作を行っておりますので、EC-CUBEの導入を検討している方はぜひお気軽にご相談ください。
 
ECサイト構築はEC-CUBEとShopifyどちらを選ぶべき?