ITコラム
小規模事業者持続化補助金を活用したECサイト構築
EC市場に新規参入する企業は年々増えていますが、本格的なECサイトを立ち上げるには専門的な知識やノウハウだけでなく、サイト構築のための費用も必要です。
小規模事業者の場合は用意できる予算も限られているため、十分なサイト制作ができないと悩みを抱えている方も多いことでしょう。
そこでおすすめしたいのが、小規模事業者持続化補助金の活用です。今回は小規模事業者持続補助金の概要や申請の流れ、ECサイト構築に活用する場合の注意点などをご紹介します。
小規模事業者の場合は用意できる予算も限られているため、十分なサイト制作ができないと悩みを抱えている方も多いことでしょう。
そこでおすすめしたいのが、小規模事業者持続化補助金の活用です。今回は小規模事業者持続補助金の概要や申請の流れ、ECサイト構築に活用する場合の注意点などをご紹介します。
◎小規模事業者持続化補助金とは
小規模事業者持続化補助金とは、事業継続に向けた経営計画に従って取り組みを行う小規模事業者を支援するため、商工会議所が経費の一部を補助する制度です。令和4年度の小規模事業者持続化補助金は、「通常枠」「賃金引上げ枠」「卒業枠」「後継者支援枠」「創業枠」「インボイス枠」と全部で6つの類型が設けられています。
通常枠の補助上限額は50万円、インボイス枠は100万、賃金引き上げ枠、後継者支援枠、創業枠は補助上限額が200万円となっていますが、特別枠は申請するための条件がそれぞれ定められているため、特別枠の条件に該当しない場合は通常枠で小規模事業者持続化補助金を申請する形となります。
ECサイトを構築する場合も一般的には通常枠を活用しますが、小規模事業者持続化補助金はウェブサイト関連費のみでの申請は不可となっています。そのため、ホームページを制作する目的だけでは小規模事業者持続化補助金を活用することができません。
そこでおすすめしたいのが、ウェブサイト関連費と広告費を組み合わせて小規模事業者持続化補助金を申請する方法です。小規模事業者持続化補助金の通常枠はウェブサイト関連費のほか、広告費、開発費、旅費、資料購入費などの経費も補助対象となります。販促用チラシやパンフレットの作成、広告掲載など、広告媒体は自社サイトの集客アップにつなげることができるので、小規模事業者持続化補助金を活用する場合は、ぜひウェブサイト関連費と広告費を組み合わせて申請しましょう。ただしリスティング広告やSNS広告など、インターネット上で行う広告はウェブサイト関連費としての計上となるため注意してください。
◎小規模事業者持続化補助金の対象
小規模事業者持続化補助金は商工会議所の管轄地域内で事業を行う小規模事業者であれば、法人・個人事業・特定非営利活動法人全てが対象となります。
小規模事業者は業種によって定義が異なり、商業と宿泊・娯楽業を除くサービス業の場合は常時使用する従業員数が5名以下、宿泊業と娯楽業、さらに製造業その他は常時使用する従業員数が20名を下回っていなくてはいけません。また、人数の要件を満たしていても、医療法人・学校法人・宗教法人など補助金対象外となる法人もあるため注意が必要です。
加えて、小規模事業者持続化補助金を支給してもらうには、「資本金あるいは出資金5億円以上の法人に直接又は間接に100%株式保有されていないこと」「現在から過去3年の間で課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと」「小規模事業者持続補助金の受付締切日の直近10カ月以内で令和元年度または令和2年度の小規模事業者持続化補助金の採択を受けていないこと」も必須条件となります。1つでもクリアしていない項目があれば小規模事業者持続補助金は受けることができませんので、申請前に必ず確認しておきましょう。
◎小規模事業者持続化補助金申請から交付後までの流れ
補助金制度は基本的に後払いです。小規模事業者持続化補助金も例外ではなく、まず事業を行って経費を使い、その後事務所に補助金の申請をして承認を受けてから経費の一部が支給されます。ここでは小規模事業者持続化補助金を申請する際に必要となる書類や具体的な流れについてご紹介します。
○申請書類の用意
小規模事業者持続化補助金を申請する際は、
「小規模事業者持続化補助金に関わる申請書(様式1)」
「経営計画書(様式2)」
「補助事業計画書(様式3)」
「事業支援計画書(様式4)」
「小規模事業者持続化補助金交付申請書(様式5)」
の準備が必要となります。
「小規模事業者持続化補助金に関わる申請書(様式1)」
「経営計画書(様式2)」
「補助事業計画書(様式3)」
「事業支援計画書(様式4)」
「小規模事業者持続化補助金交付申請書(様式5)」
の準備が必要となります。
これらの書類は一度に全て用意できるわけではなく、まず経営計画書と補助事業計画書を作成し、その写しを地域の商工会議所に提出してから事業支援計画書を受け取ります。事業支援計画書の交付の受付締切は公募締切の1週間前となるので、小規模事業者持続化補助金を申請する場合は早めに書類を作成し提出しましょう。
また、小規模事業者持続化補助金は申請書類に不備があると採択されません。書類を作成する際は必ず全国商工会連合会が発行している公募要領、参考資料、応募時提出資料・様式集に目を通しておくことが大切です。
また、小規模事業者持続化補助金は申請書類に不備があると採択されません。書類を作成する際は必ず全国商工会連合会が発行している公募要領、参考資料、応募時提出資料・様式集に目を通しておくことが大切です。
○申請手続き
小規模事業者持続化補助金は電子申請または郵送で書類を提出して手続きを行います。商工会議所に直接持参して手続きを行うことはできないため注意してください。電子申請で小規模事業者持続化補助金の手続きを行う場合は補助金申請システム(名称:Jグランツ)を利用します。
補助金申請システムを利用する際はgBizIDのアカウント取得が必要です。gBizIDのアカウントは申請してから発行されるまで2週間ほどかかるため、早めに利用登録を行っておきましょう。
○補助事業の実施
申請手続きを終えたら、提出された書類内容について外部有識者等により審査が行われます。その後、採択決定者には事務局から小規模事業者持続化補助金の交付決定通知書が届くので、通知書を受領したら申請時に提出した補助事業計画書に従い、補助事業実施期限までに事業を行います。
補助事業実施期限を過ぎてしまった後の事業は小規模事業者持続化補助金の補助対象外となるため十分注意してください。
○実績報告書の提出
補助事業を終えた後は速やかに補助事業の実施内容と経費内容(支出内容)をまとめた実績報告書を作成し、納品書や領収書、契約書などの証拠書類を添えて地域の商工会議所へ郵送で提出します。
提出期限は補助事業を行ってから30日を経過した日、または最終提出期限のいずれか早い日となります。締切日を過ぎると小規模事業者持続化補助金は支払われませんので注意してください。
○補助金の請求
事務局が実績報告書や支出ごとの証拠書類を確認・審査し、補助金額が確定したら、小規模事業者持続化補助金の確定通知書が届きます。通知書を見て金額を確認したら、事務局に精算払請求を行い、補助金を交付してもらいます。
○事業効果報告
小規模事業者持続化補助金は交付後に「事業効果および賃金引上げ等状況報告」の提出が求められます。こちらも提出期限が決められているので、事業実施効果報告は補助事業を終えてから1年経ったら忘れずに提出しましょう。
小規模事業者持続化補助金は小規模事業者が商工会議所から支援を受けて取り組む事業であるため、原則として申請手続きや書類作成は全て申請者本人が行わなくてはなりません。
代行による手続きは出来ないので、申請する際は十分注意しましょう。申請手続きや書類作成に不安がある方は申請サポートを受けるのも1つの手です。YTC・PLUSでは小規模事業者持続化補助金やIT補助金など、EC事業に関わる補助金制度のアドバイスも行っております。
◎ECサイト構築にかかる費用の目安
小規模事業者持続化補助金を活用してECサイトを構築する場合は、予算と補助額の合計金額に合わせてサイトの制作方法を選定しなくてはなりません。
ECサイトの制作方法は主に4種類あり、どれを選ぶかによって構築にかかる費用が異なってきます。ここではそれぞれの費用目安と、小規模事業者持続化補助金を活用してEC構築する場合におすすめの制作方法をご紹介します。
○ASP
ASPはアプリケーション・サービス・プロバイダ(Application Service Provider)の略で、簡単に言えばインターネット上で利用できるシステムを使ってサイトを制作する方法を指します。
4つの制作方法のうち最もコストがかからない手法で、なかには初期費用・月額費用ともに無料で利用できるプラットフォームもあります。有料のプラットフォームを利用する場合も低コストでサイト制作を行うことが可能です。目安としては初期費用で数万円、月額費用で数千円程度となります。
○オープンソース
オープンソースはインターネット上で公開されているプログラムのソースコードを使ってサイト制作を行う方法です。誰でも無料で利用できるため、専門的な知識やスキルさえあれば費用をかけずにサイトを制作することができます。
委託する場合は制作会社にもよりますが、目安としては初期費用で数十万円程度のコストがかかります。
○パッケージ
パッケージはECサイト制作・運用に必要な機能が備わっているパッケージを使ってサイト制作をする方法です。
拡張性が高く、さまざまな機能を備えたECサイトを制作することが可能ですが、一方で初期費用は数百万円かかるため、個人や小規模企業にはあまり適していません。
○フルスクラッチ
フルスクラッチはあらかじめ用意されたシステムを使わず、イチからECサイトを制作する方法です。
最も自由にサイト制作が行えますが、4つの制作方法の中で最もコストがかかるため、こちらも個人や中小規模企業にはおすすめしません。開発費用は数千万円が目安となっています。
ECサイト構築の経費として支給される小規模事業者持続化補助金の最大補助額は12.5万円です。そのため、小規模事業者持続化補助金を活用してサイト制作を行うのであればASPまたはオープンソースを使うのが最もおすすめといえます。
ASPの場合は小規模事業者持続化補助金を使うことで自社での費用を大きく抑えられるため、コストをかけずにサイト制作をしたい方におすすめです。ただし、ASPはオープンソースに比べてカスタマイズ性が低いため、サイト内でできることには限界があります。
反対に、オープンソースは顧客のニーズに応じてサイトを作り込んでいきたい方におすすめです。ASPに比べてコストは多くかかりますが、その分小規模事業者持続化補助金は最大補助額を支給してもらうことができます。
制作会社によっては小規模事業者持続化補助金のみでサイト制作を行うことも可能なので、カスタマイズ性の高さを求めるのであればオープンソースでのサイト制作を検討しましょう。
◎小規模事業者持続化補助金を活用したECサイト構築はYTC・PLUSへ
ECサイトの構築費は制作会社により異なりますが、YTC・PLUSでは30万円からECサイトを作ることが可能です。制作方法は、国内トップクラスのオープンソースとして知られているEC-CUBEを使ったECサイト構築を行っています。
小規模事業者持続化補助金を使えばサーバーやドメインの取得費用のみでサイト制作が行えるので、費用を抑えてサイトを作り込みたい事業者様に適しています。また弊社では、アクセス解析やチラシ制作など、ECサイト構築以外で小規模事業者持続化補助金を活用できるサービスも実施しています。
小規模事業者持続化補助金の申請や書類作成についてのサポート、その他IT導入補助金の支援サポートなども行っているので、EC事業やそれに関する補助金制度についてわからないことがありましたら1度お問い合わせください。
◎まとめ
小規模事業者持続化補助金はECサイト構築だけでなく、ウェブサイト関連費や広告費の一部を支援してくれる、小規模事業者にとって心強い味方です。小規模事業者持続化補助金を受けるには申請の手続きが必要ですが、採択されればECサイト構築で最大12.5万円の補助を受けることができます。
上手に活用すれば費用を大きく抑えてECサイトを作り込めるので、該当する事業者様は小規模事業者持続化補助金を活用してECサイトを構築しましょう。YTC・PLUSでは、ホームページ制作や広告に関するご相談なども承っておりますので、お困りごとがありましたらお気軽にご相談ください。
上手に活用すれば費用を大きく抑えてECサイトを作り込めるので、該当する事業者様は小規模事業者持続化補助金を活用してECサイトを構築しましょう。YTC・PLUSでは、ホームページ制作や広告に関するご相談なども承っておりますので、お困りごとがありましたらお気軽にご相談ください。