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ITコラム

通販物流の効率化とミス防止に!WMSが必要な理由とは

通販事業を行う上で、倉庫管理の最適化は非常に重要です。
しかし、通販利用者が急増する今、現場スタッフの力だけで業務の効率化を図るのは決して簡単なことではありません。
通販物流の現場では出荷までのスピード短縮だけでなく、正確性の向上も常に求められます。
そこでおすすめしたいのがWMSの構築です。
当記事ではWMSが通販物流の現場に必要とされる理由や、混同されやすい在庫管理システムとの違いなどについてご紹介します。



◎WMSとは
WMSはWarehouse Management Systemの略称で、日本語に訳すと倉庫管理システムを意味する言葉です。
その名の通り、倉庫内での業務をサポートするシステムで、入荷・出荷・棚卸・品質管理などをデジタル化し、人為的ミスを防いで作業の効率化を図ることができます。
倉庫管理の最適化を図れるシステムとして、通販事業で取り扱う商品を管理するための倉庫や、製造業の原料や部品などを管理する倉庫、卸売業の倉庫など、幅広い現場で導入されています。


◎通販物流の現場にWMSが必要な理由
通販物流は消費者が個々に購入する商品数が少ないことが大きな特徴です。
ほとんどの通販サイトはBtoC向けであるため、仮に顧客が商品を大量に購入しても、1件あたりの出荷点数は数点程度で、それほど多いわけではありません。

しかし、近年は通販でショッピングをする人が増加傾向にあり、それに伴って全体の受注数も多くなってきています。
通販サイトの規模によっては1日数百件から数千件もの受注に対応する必要があり、スタッフ1人あたりにかかる負担も以前に比べて大きくなってきているといえるでしょう。
また、最近ではサービス向上のためにギフトサービスに対応したり、顧客に合わせて販促対応したりする通販サイトも増えています。
 
こうした個別対応が通常の業務に加わることで、スタッフ1人1人の作業量がさらに増えるため、現場ではラッピング忘れやのしの付け忘れなど、人為的ミスが起こることも少なくありません。
このような環境のなかで、さらに受注から出荷までのスピード短縮も求められることから、通販物流はWMSの導入が必要不可欠となってきています。
とくに複数の倉庫で在庫管理を行っている場合は、WMSを導入することで多くの人を雇う必要がなくなるため、無駄な人件費を削減することができるでしょう。

◎通販物流の現場にWMSが必要な理由


 
◎WMSと在庫管理システムの違いとは
WMSは在庫管理をする機能が備わっているため、通販の商品在庫を管理する「在庫管理システム」と混同されがちです。
しかしこの2つのシステムは、管理対象と目的が大きく異なります。
 
WMSは倉庫管理システムを意味するので、管理対象は在庫ではなく倉庫内全般となります。
この倉庫内全般の中には、通販で取り扱う商品だけでなく、入庫作業・出庫作業・ピッキング作業といった在庫管理業務も含まれています。
一方で、在庫管理システムは在庫データが管理対象です。
WMSと違い、複数の倉庫や店舗など、自社で取り扱う全ての商品の在庫データを管理します。
どちらも作業の効率化を図り、企業の利益を引き上げるためのシステムですが、WMSは現場ごとに設備管理や人員配置の最適化を図ることが大きな目的で、通販で取り扱う商品の在庫を適切に把握し、余剰在庫や機会損失を減らすという目的を持つ在庫管理システムとは役割が異なります。
 
在庫管理システムは基幹システムにも含まれているため、大半の企業は販売管理の目的として、基幹システムを導入していることでしょう。
しかし、WMSは在庫管理システムと異なり、基幹システムには含まれていません。
これは倉庫の作業内容が、各倉庫の広さや入出荷形態、商材の保管方法などで異なるためです。

業務の効率化を図るには倉庫ごとのニーズに対応できるシステムが必要となりますが、全社共通で運用する基幹システムを導入してしまうと、システムが複雑化し、かえって作業効率が悪くなってしまいます。
「人為的ミスを減らして効率的に入出庫作業をしたい」「在庫管理をバーコードで行えるようにしたい」といった倉庫特有の悩みも解決するのが難しいでしょう。
 
そうは言っても事業規模が大きい場合や、物流拠点が複数ある場合、原価の管理が必要な場合はやはり基幹システムの導入が必要となります。
こうした状況の中、通販物流でWMSを使用する場合は、楽天市場・Amazon・ヤフーショッピングなどといった通販モールをはじめ、自社通販で使用するレンタルカート、また受注管理システムなどとデータ連携をとることでそれぞれの課題を解決することができます。

◎WMSと在庫管理システムの違いとは




◎通販物流に役立つWMSの機能
WMSには入荷・在庫・出荷・棚卸を管理したり、帳票やラベルを発行したりする機能が備わっているほか、通販物流に役立つ以下のような機能も備わっています。
 
○在庫欠品時の出荷制御機能
企業向けに取引を行うBtoB物流は、1件あたりの出荷量が多いため、注文数に対して倉庫内の在庫が不足している場合は出荷を何回かに分けて行うことがあります。
一方、消費者向けの通販物流は基本的に分納ではなく、顧客が注文した商品を全て揃えた状態で出荷を行います。消費者向けの取引となる通販物流は1件あたりの出荷量が少ないため、BtoB物流と同じように在庫の欠品時に分納していると、顧客が商品の入れ忘れと認識し、クレームにつながる恐れがあります。
また、通販は全体の注文数が多く、在庫の欠品があるたびに分納していると、送料の負担も大きくなってしまいます。
 
こうした事態になるのを避けるために、通販は商品を全て揃えて出荷をするわけですが、手作業だとどうしても商品の入れ忘れや誤出荷などの人為的ミスが起こりやすくなってしまいます。
その点、WMSは在庫の欠品時に出荷を制御するといった使い方ができるため、商品の入れ忘れや誤出荷を防ぐことが可能です。
 
○ニーズの異なる注文に対しての個別対応機能
通販を利用する人が増えると、当然配達日指定や支払い方法、受け取り方など、ニーズの異なる注文も増加します。
そのため、ネット通販でのショッピングが一般的となった現代の通販物流においては、これまで以上に複雑な処理が求められます。
WMSにはニーズの異なる注文に対して個別対応できる機能が備わっており、こういった複雑な処理を適切に行うことが可能です。
配達日指定・支払い方法・受け取り方法など、ニーズの異なる注文が増加しても、条件に合わせた適切な処理ができるため、スタッフのミスやトラブルを防ぎ、効率的な出荷業務が行えます。
 
WMSのこうした機能は、個別対応が必要な商品の出荷作業時にも役立ちます。
たとえば通販でギフト品を取り扱う場合、消費者のニーズによってはラッピングをしたり、のしをつけたりする必要が出てきます。
また、お買い物明細書を同封しない、名入れや裾上げといった加工を行うなどの作業が必要となることもあるでしょう。
WMSにはピッキングリストに注意書きを記載できる機能が備わっているため、付帯作業や流通加工などが必要な商品を出荷する際も正確に支持を出すことができます。
 
○出荷処理に役立つグルーピング機能
通販モールのセール期間や自社通販のキャンペーン実施中は、普段よりも注文が増えて出荷件数が多くなるため、より効率的に作業を行う必要があります。
併せて、人為的ミスを防ぐため、スタッフ1人1人が業務を行う際に細心の注意を払わなくてはなりません。
 
しかし、繁忙期のなかで効率的にミスなく作業を行っていくのはなかなか難しいものです。
この課題を解決するには、WMSに搭載されているグルーピング機能を使うのがおすすめです。
条件に合わせて出荷指示をグルーピングしておけば、たとえば後払いの注文が入った場合でも、伝票入れ忘れを防ぐことができます。
スタッフがその都度、後払いかどうか確認する手間も省けるため、作業効率もより上がるでしょう。
 
○商品の品質管理に役立つ機能
バーコードや認識コードなどのラベルが貼り付けられていない商品は、正確な品質管理が難しいため、事業者側で商品を認識できるラベルを貼り付ける作業が必要となります。
とくに輸入品はバーコードなどのラベルが貼られていない商品が多いため、海外から取り寄せた商品をメインに取り扱っている通販は、こうした作業に時間をとられやすくなってしまいます。
 
WMSなら、バーコードの採番とラベル発行ソフト連携によって、このような個品管理ラベルの貼り付け作業の効率化を図ることが可能です。
また、在庫別に有効期限の管理もできるため、食品などを取り扱う場合でも賞味期限などを把握し、在庫の管理性を高めることができます。
加えて、WMSは有効期限の近いものから引き当てをかけるといった使い方も可能です。
システムが勝手に判断してくれるので、スタッフの業務負担も減らすことができるでしょう。
 
○amazonベンダーセントラル用の納品対応
通販事業を行う企業のなかには、amazonで商品を販売するのではなく、amazonに直接商品を卸している事業者もいるでしょう。
しかし、amazonベンダーセントラルに商品を卸す場合は、amazonの規約に従って商品を納品しなくてはならないため、楽天市場やヤフーショッピングなどの通販モール、あるいは自社通販で商品を出荷するよりもさらに細かい作業が必要となります。
規約に反する形で納品された場合は返送されてしまうこともあるため、そういった場合もWMSを活用するのがおすすめといえます。
WMSなら納品方法の設定をamazonベンダーセントラルの規約に合わせることが可能です。




◎WMSの構築はYTC・PLUSにおまかせ
このように通販物流の最適化を目指すなら、WMSの導入は非常に効果的といえます。
ただし、ケースによってはWMSの効果をあまり実感できない場合もあるため、導入を検討している場合は自社倉庫での現状を把握し、抱えている課題を見直した上で採用するかどうか決めることが大切です。
 
通販で取り扱う商品数が少ない場合や倉庫がコンパクトである場合、また現場のスタッフが作業に慣れており、既に効率的かつミスなく入出荷ができるようであれば、もう少し様子を見ながらWMSを導入するか決めても問題ないでしょう。
一方、通販で取り扱う商品数や作業工程、入出荷件数、現場のスタッフ数が多い場合は、WMSを導入することで作業効率が高まり、人為的ミスを減らすことが期待できます。
 
WMSを取り扱う企業はいくつかありますが、複数のシステムを連動させず、ワンストップで効率的に通販事業を行っていきたいのであれば、YTC・PLUSの「ECコーリツ+」がおすすめです。
ECコーリツ+は通販事業に必要な一連の効率化ソフトをパッケージ化したシステムで、倉庫管理だけでなく、自社通販や通販モールの運営もまとめて行うことができます。
 
パッケージにはHamee株式会社のネクストエンジン、株式会社コマースロボティクスのAiR Logi、株式会社スマレジのスマレジ®と、業界で有名なソフトが連携されており、通販サイト(複数)・決済・倉庫・物流を丸ごと効率化することが可能です。
WMSのAiR Logiは入荷業務・出荷業務・在庫管理・商品管理といった基本的な機能に加え、送り状印刷やコンビニ後払い印刷などの拡張機能も搭載されているため、通販物流に役立つでしょう。
 
通販事業を効率的に行うためにはシステムの導入が必要ですが、ゼロから1つ1つシステムを導入していると、各システムを連携させるための時間や手間がかかったり、導入コストが大きくなったりしてしまいます。
システムを維持するためのメンテナンスやアップデートも必要となるため、かえって業務効率が下がってしまう場合もあるかもしれません。
 
その点、既にパッケージ化されているECコーリツ+であれば、システムを1つ導入するだけで通販事業の運営を効率化させることが可能です。
現在、倉庫管理でお悩みを抱えている方や、今後通販事業の拡大を予定している方は、ECコーリツ+の導入を検討してはいかがでしょうか。

◎WMSの構築はYTC・PLUSにおまかせ


 
◎まとめ
ネット通販市場は年々進化を続けており、最近ではサブスク通販やDtoC通販など、新しいカテゴリの通販が続々と登場しています。
そういったなかで、自社の売り上げや利益を高めていくためには、通販物流の最適化を図っていくことが非常に大切です。
とくに通販で取り扱う商品数や出荷件数が多い企業などは、スタッフの作業量も増えるため、業務の効率化に役立つWMS(倉庫管理システム)の導入が欠かせません。
 
YTC・PLUSのECコーリツ+は、通販事業に必要な一連のソフトをパッケージ化しているため、導入後すぐに業務の効率化を図ることができます。
人件費削減や人為的ミスの防止にも役立ちますので、通販物流のお悩みを抱えている方はお気軽にご相談ください。
 
通販物流の効率化とミス防止に!WMSが必要な理由とは