ITコラム
自社通販サイトとモール型通販サイトのメリット・デメリット
通販サイトを運営する際、担当者の方がまず悩む問題といえば、自社通販サイトを構築するか、それともモール型通販サイトに出店するかということではないでしょうか。自社通販サイトとモール型通販サイトはメリット・デメリットをはじめ、サイト構築や運営にかかる費用、集客方法などさまざまな点が異なります。
そのため、通販サイトを立ち上げる際はそれぞれの違いを知った上で、販売したい商材や希望するビジネス展開に合わせた通販サイトを選ぶことが大切です。
今回は自社通販とモール型通販の違いについて解説するとともに、どちらの通販を運営していくか迷った時の選び方、自社通販の構築におすすめのサービスをご紹介します。
◎自社通販サイトとは
自社通販とは、独自のドメインを取得して、企業が自身で運営を行うビジネス形態のことです。通販サイトのシステムは、「ASP」「オープンソース」「パッケージ」「フルスクラッチ」と主に4つの方法で構築できます。
ASP
まずASPとは「アプリケーション・サービス・プロバイダ(Application Service Provider)」の略で、WEB上でソフトウェアやサービスを提供する事業者を指します。BASE・STORES・イージーマイショップなどが代表的で、利用する際はWEB上から事業者が提供するサーバーにアクセスしてサイトを構築します。
サービス提供者によるサポート体制が整っており、サイトの構築にあまり詳しくない人でも導入しやすいのが最大のメリットといえます。初期費用や月額費用がかからないASPもあるため、コストを抑えて自社通販を構築したい企業にもおすすめといえるでしょう。一方で、ASPはカスタマイズの自由度が低く、オリジナリティの高い自社通販を構築したい企業にはあまり適していません。
利用するASPによっては、自社で定めた配送料や割引などの適用ができない場合もあります。また、顧客情報が管理できなかったり、売上に応じて手数料が発生したりするのもASPの欠点といえるでしょう。
オープンソース
次に紹介するオープンソースとは、Web上で公開されているプログラムソースコードに自分で手を加えてサイトを構築する方法を指します。プログラムソースコードはサイトを構築するための設計書みたいなもので、企業や個人によって開発されています。国内ではEC-CUBEというオープンソースが有名です。
プログラムソースコードは無料で公開されているため、オープンソースでサイトを構築する場合は初期費用がかかりません。また、公開されているプログラムソースコードは複製・改変・再配布などが自由に行えるため、自社通販に必要な機能の追加や変更などを好きなようにカスタマイズすることが可能です。ただし、オープンソースでサイトを構築する場合はプログラムの知識を持つ担当者が必要となります。バージョンチェックやセキュリティ対策など、運営管理も自社で行わなくてはならないため、万が一の不具合があった時にすぐ対応できる高い技術力も求められます。
しかし、専門的な知識やスキルを持つ担当者がいない企業でも、YTC・PLUSのようにオープンソースでのサイト構築を代行で行う制作会社もあるため、代行会社に依頼すれば自由度の高い自社通販サイトを構築することが可能です。YTC・PLUSではサイト構築のほか、トラブル対応やセキュリティ対策についてのアドバイスなども承っております。
パッケージ
続いて紹介するパッケージは、その名の通り、自社通販の運営に必要な機能をパッケージ化したソフトを用いてサイトを構築する方法です。パッケージでのサイト構築は企業が販売しているソフトを使用するため、ASP同様サポート体制があるのが嬉しいメリットです。機能が充実しているパッケージソフトはカスタマイズ性も高く、時間や費用をあまりかけることなくサイトを構築できます。
一方で、サポート体制や機能が充実している分、コストがかかってしまうことがデメリットといえます。
オープンスクラッチ
最後に紹介するオープンスクラッチはサイトのシステムを一から構築する手法で、簡単に言ってしまえばフルオーダーメイドでのサイト構築となります。
ソフトやサービスを使わず、何もない状態からプログラミングを行ってサイトを構築するため、制限される部分が一切なく、企業が求める理想的なサイトを構築することができます。ただし、時間と費用は桁違いにかかります。初期費用だけでも数千万円ほどかかることもあるため、大手企業向けのサイト構築方法といえるでしょう。
◎モール型通販サイトとは
モール型通販は自社通販のようにサイト構築を行わず、Amazon・楽天市場・ヤフーショッピングなどの大型ECサイトを活用して通販を行うビジネス形態を指します。モール型通販サイトには「テナント型」と「マーケットプレイス型」と2つの種類があり、それぞれで特徴が異なります。
テナント型
テナント型はWEB上に構築されたプラットフォームに企業がそれぞれお店を出す形態で、現実世界で言うショッピングモールや百貨店のようなものです。
代表的なプラットフォームとしては、楽天市場やヤフーショッピングなどが該当します。テナント型のECサイトを利用する場合は審査や出店料の支払いが必要となります。加えて、ECサイトへの商品登録や売上集計などの業務も企業自身で行わなくてはなりません。
マーケットプレイス型
一方、マーケットプレイス型は出店ではなく出品、いわば商品のデータのみを掲載する形態のモール型通販を指します。中でも有名なマーケットプレイス型として挙げられるのがAmazonです。マーケットプレイス型はテナント型と違い、商品データをモール側で管理します。利用者の負担が少なく、手軽にビジネスをスタートさせられますが、他社と同じ商品を販売している場合は全て同じように扱われますので、テナント型ほどのオリジナリティを出すことは難しいといえるでしょう。
◎自社通販サイトのメリット・デメリット
自社通販サイトはサイト構築に費用がかかるものの、モール型通販サイトのように出店料や売上に対する手数料は一切発生しません。そのため、初期費用や月額費用を抑えれば、モール型通販サイトを運営するよりも高い利益率で商品やサービスを販売することができます。
また、自社通販サイトはリピート率向上を図りやすいのもメリットのひとつです。似たような商品やサービスを取り扱う他社と比較されることがなく、顧客情報も管理できるため、獲得した情報を参考にしながら戦略を立てていけば、リピート率向上だけでなく新規の顧客獲得も期待できるでしょう。
一方で、自社通販サイトは成果が出るまでに時間がかかることが1番のデメリットといえます。はじめはモール型通販サイトに比べて集客力が低いため、売上を伸ばすのであればSNSマーケティングを行って認知度を高めるなど、まずは集客に取り組んでいくことが必要です。また、自社通販サイトは初期費用がかかりやすい点や、サイトの構築・運営に知見のある人材が必要となる点もデメリットとして挙げられます。
◎モール型通販サイトのメリット・デメリット
モール型通販サイトの大きなメリットは、ECサイトそのものの信頼性が高く、集客力があることです。Amazon・楽天市場・ヤフーショッピングなどの大型ECサイトは知名度が高く、毎月数千万人ものユーザーが利用しています。既に多くのユーザーが訪れる環境が整っているため、自社通販サイトの運用に比べて集客にそこまで力を入れる必要がないのはモール型通販サイトならではのメリットといえるでしょう。
加えて、モール型通販サイトは自社通販サイトのようにサイト構築を行う必要がなく、WEBに関する知見が少ない方でも運用しやすいこともメリットのひとつとして挙げられます。ただし手軽にはじめやすい分、カスタマイズ性が低くオリジナリティが出しにくいため、似たような商品やサービスを取り扱う企業との価格競争が起こりやすくなってしまうデメリットもあります。自社のブランディングもモール型通販サイトの場合は難しいかもしれません。
また、長期的な視点で見るとモール型通販サイトの運営はあまり得とはいえません。出店料や売上手数料といったさまざまな費用がかかる上、顧客情報が獲得できないからです。とくに一定のファンを獲得したいと考える企業にとって、顧客情報がとれないのは厳しいデメリットといえるでしょう。
◎通販サイトの運営は自社とモール型のどちらを選ぶべき?
自社通販サイトとモール型通販サイトのどちらを選ぶか悩む場合は、企業がどのような商品を取り扱っているのかをひとつの判断基準にするのがおすすめです。
例えば、ウェディング関連のアイテムやこども用品、スポーツ用品など、ターゲットがごく限られている商品を取り扱っているのであれば、自社通販サイトのほうが適しているといえます。なぜなら、ニッチな領域の商材はブランドや専門性を求めるユーザーが多いからです。こういったユーザーはモール型通販サイトのように商品をあれこれ比較するよりも、自社通販サイトから直接商品を購入することを好みます。
反対に、モール型通販サイトは「ざっくりと欲しい商品は決めているけれど、ブランドなどにこだわりはなく、どんな商品を購入するか迷っている」というユーザーが利用する傾向にあります。そのため、大衆向け商品や類似品が多い商材を取り扱っている場合は、モール型通販を利用して商品の露出を増やしたほうが良いでしょう。
また、自社が現在どのような状況に置かれているのかで判断するのもひとつの手です。事業をはじめたばかりの時期は、自社通販サイトを構築しても集客があまり見込めないため、モール型通販サイトを利用するのが得策といえます。これは先に述べたニッチな領域の商品を扱う場合でも同じです。いくら専門性が高くても、ブランドや商品の認知度が低いとなかなかユーザーに探してもらえません。その点、大手のモール型通販サイトなら多くの人の目にとまるため、認知度向上に繋げることが期待できます。
一方、既にブランディングが成功しており、ある程度のファンを獲得している場合は自社通販サイトの運営がおすすめですが、自社通販サイトとモール型通販サイトをそれぞれ運営するという方法もあります。集客力のあるモール型通販サイトを自社通販サイトのプロモーションとして活用することで、認知度向上につながり、自社通販サイトへ訪問するユーザー数を増やすことが期待できます。流行に左右されやすい商品や季節もの商品を取り扱っている場合は、モール型通販サイトを自社通販サイトのアウトレットに活用するのもおすすめです。
◎自由度の高い自社通販のサイト構築はYTC・PLUSへ
自社通販サイトは顧客データが蓄積されるため、長期的なビジネス展開を考えるなら絶対に立ち上げるべきです。タイミングを見てモール型通販サイトから自社通販サイトへ移行すれば、さらなる売上アップを目指せるでしょう。自社通販サイトを立ち上げる場合は、オープンソースやフルスクラッチで自社のブランドイメージに近いサイト構築を行うのがおすすめです。
YTC・PLUSでは、国内で最も有名なオープンソース、EC-CUBEを使ったサイト構築を企業の担当者に代わって行っております。在籍スタッフは専門的な知識と技術を持つベテランスタッフばかりなので、「こんな機能を追加したい」「既に運営している自社通販サイトを作り変えたい」といったご要望にも対応できます。サイト修正やセキュリティ対策などのサポートも行っておりますので、自社サイトの構築・運用を丸投げしたいという企業にもおすすめです。
また、サイト構築だけでなく、SEOライティングや広告の代行など、集客アップを図るためのサービスなども行っております。通販サイトの成長に合わせたさまざまなサービスを提供しておりますので、自社通販サイトの構築をご検討されている方はぜひお気軽にご相談ください。
◎まとめ
自社通販サイトとモール型通販サイトはそれぞれにメリット・デメリットがあるため、事業をはじめる際は販売する商品や企業の現況に合わせて運営サイトを選ぶことが大切です。認知度向上には集客力のあるモール型通販サイトが適していますが、将来的に売上を伸ばしていきたいのであれば、長期的に顧客と向き合える自社通販サイトがおすすめといえます。
自社通販サイトでもリピート率を高めるならブランディングは欠かせません。自由度の低い構築方法で自社通販サイトを立ち上げてしまうと、ブランドイメージが全く出せず、ファンの獲得が難しくなってしまいます。YTC・PLUSで行っているECサイト構築はオープンソースのため、フルスクラッチよりも費用を抑えて自社通販サイトの構築をご依頼いただけます。自由度の低いASPや他社のパッケージサイトではできないカスタマイズが可能な上、担当者が直接訪問してお話を伺うので、企業様の理想に近い自社通販を制作することができます。
「専門的な知識はないけれど、費用を抑えてオリジナリティの高いサイト構築をしたい」「既に通販サイトを運営しているけれど、こういった機能があったらいいな」など、どんなご相談にも応じておりますので、自社通販サイトの構築をご検討中の方はぜひお気軽にお問合せください。