BtoBビジネスにおいて、効率的な受発注システムは売上アップの鍵をにぎります。とくに、見積書や請求書、納品書の管理がスムーズであれば、取引先との信頼関係も深まり、業務の効率化が図れます。最新のWEB受発注システムを導入するなら、煩雑な手続きが軽減され、リアルタイムでの情報共有が可能になります。この記事では、WEB受発注システムの導入がもたらす具体的なメリットについてご紹介します。

◎WEB受発注システムの基本とその重要性

WEB受発注システムとは、BtoBの取引において商品の受発注をWEB上で管理・運用するためのシステムです。WEB受発注システムは、手動での業務処理を減らして効率的な取引を実現するために、見積書等の発行が自動化されています。WEB受発注システムには、これまで手作業で行っていた受発注管理のさまざまな要素が一元管理できる機能が備わっているため、コスト削減による売上アップが期待できます。またWEB受発注システムの基本となる受注機能では、顧客からの発注にもとづいて在庫をリアルタイムで管理できます。発注機能も同様で、必要な商品を自動発注できる仕組みが備わっており、在庫管理の最適化をサポートします。

WEB受発注システムのなかでもとくに注目したいのが、見積書の自動生成です。手入力や手作業で見積書を作成していると、どうしてもニアミスで受注したり在庫管理にタイムラグができてしまうことがあります。しかしWEB受発注システムでは見積書が自動生成されるため、そのようなニアミスやタイムラグによる在庫管理ミスが起こらなくなります。BtoBにおける受発注システムの最初のやりとりは、見積書からはじまります。見積書の発行でミスが起きてしまうと、大きな取引を継続して受注するのが難しくなるかもしれません。WEB受発注システムの導入により見積書が自動生成される仕組みになると、ヒューマンエラーによる見積書の失注を防げます。

また、WEB受発注システムでは、請求書や納品書も同じように自動生成されるため、ヒューマンエラーの削減や顧客満足度向上につながります。請求書に関しては、BtoBの単位が大きい複雑な処理を手作業で行う必要がなくなるため、業務担当者の負担軽減やコスト削減にも影響します。納品書は、追跡システムが実装されているため、発注後の内容確認や荷物の追跡なども、発注側がすぐに調べることができます。受注側も運送会社へ問い合わせる必要がなくなり、WEB受発注システム内で配送状況などについて確認し、回答できます。このように、BtoB取引において売上アップを目指すのであれば、受発注業務が自動化されたWEB受発注システムの導入は、必須といっても過言ではありません。

◎見積書・納品書・請求書の自動生成が売上アップにつながる仕組み

WEB受発注システムの導入により売上アップが期待できる背景には、いくつかの要因があります。これからのBtoBビジネスにおいて、見積書・請求書・納品書の自動生成がどのように売上を支えていくのか、自動化する際のメリットやデメリットを把握しましょう。自社の受発注システムと比較し、WEB受発注システム導入の検討をしてください。

○見積書の自動生成による業務効率化

見積書の自動生成は、WEB受発注システムの鍵とも呼べる重要なシステムです。WEB受発注システムによる見積書の自動生成では、あらかじめ用意された見積書テンプレートに沿って数字を入力します。手作業での打ち込みや記入が必要ないため、ヒューマンエラーの削減につながります。また、リアルタイムなデータを採用して見積書が作成されます。そのため、社員同士の連係ミスやBtoB取引にありがちな別の企業から別の社員が同じ商品を受注し、実際の在庫と見合わない見積書を作成してしまうといったミスなども防げます。

ミスが少なく正確な見積書を迅速に出せることは、BtoB取引において企業間のエンゲージメントを向上させる大切な要素です。BtoBにおいて、企業間のエンゲージメントを良好に保てるかは、売上アップを支える大きな要因のひとつになります。ミスがなく信頼できる企業と認識してもらうために、BtoBビジネスのシーンではWEB受発注システム導入による見積書の自動生成は欠かせません。

○請求書の自動生成でコスト削減と積極的な営業活動のサポート

WEB受発注システムでは、請求書もテンプレートに沿って自動発行されるため、ヒューマンエラーの削減につながります。さらに、BtoBの複雑な請求処理を同時に行うことができるため、ヒューマンリソースの削減や担当者の負担軽減につながり、結果としてコスト削減が期待できます。作成するためのテンプレートは、税制や会計基準にもとづいた適切なフォーマットとなっているため、コンプライアンス強化やBtoB取引における信頼度のアップにも貢献します。

BtoB間の複雑で単位の大きな請求書の作成は、業務担当者にとって大きな負担となっている場合があります。WEB受発注システムによって業務負担を軽減し、ミスが起こりにくい仕組みを導入することは、社内のエンゲージメント向上にもつながります。また自動生成された請求書は、企業や商品ごとに適切なタイミングで分析が可能です。そのため、BtoB間の営業活動をより効果的にサポートするツールにもなります。

○納品書の追跡機能で顧客満足度の向上

WEB受発注システムにより自動発行された納品書は、受注した側発注した側どちらからでも追跡が可能となっており、納品までのユーザーの不安感を払拭することができます。WEB受発注システム導入前は、少しの遅れであっても発注側の企業にメールや電話で問い合わせをして事実確認をする手間がありました。WEB受発注システムを導入するなら、トラッキングナンバーを元に、発注した商品がどのような状況にあるのかを把握することができます。

BtoB間の取引において、取引先企業の手間を省き受発注の業務フローを削減することはリピーター獲得にもつながり、顧客満足度の向上が期待できます。とくに競合他社が多い分野での受注をしているのであれば、顧客満足度向上を見据えたWEB受発注システムの導入は、競合他社との差別化で大きくリードするでしょう。電話応対やFAXでのやり取りなどの手作業を減らし、WEB受発注システム内で完結できる手軽さと正確さが得られます。それがBtoB取引において信頼度アップにつながり、継続的で良好な関係を築き上げるサポートとなります。

○社内外のコミュニケーションの改善で売上アップを実現

WEB受発注システムを導入する最大のメリットともいえるのが、BtoB間での情報の透明性向上です。同時に、社内での不要なコミュニケーションや確認作業も削減されます。WEB受発注システムでは、見積書の内容や価格、在庫がリアルタイムで更新されるため、取引先は価格を確認し安心して発注できます。また受注する側も、ほかの社員がわずかなタイムラグで同一商品を受注していないかなどの確認作業をすることなく、スムーズに受注できます。受発注業務において価格や在庫の透明性を確保することは、社内外のコミュニケーションや信頼度において非常に重要なポイントです。

価格や在庫に透明性があると、ユーザーは企業に対して安心感を抱きやすくなり、継続的な受注につながります。このようにして、WEB受発注システム導入による業務フロー全体の透明性が、売上アップに貢献します。1度の問い合わせと回答だけであれば、案件によっては数分かもしれませんが、ある程度の頻度で発生していると積み重ねによって多くの時間が取られます。受発注システムで取引先企業の手間を減らすことや社内での不要なコミュニケーションを減らすことは、継続的な大きなコスト削減につながります。

◎WEB受発注システム導入を成功させるポイント

まずは、自社の受発注システムのどの部分を効率化させたいのかを明確にする必要があります。見積書・請求書・納品書の自動生成に重きを置くのか、在庫管理やデータ分析に重きを置いてWEB受発注システムを導入するのかなど検討しましょう。自社の受発注システムに関する業務フローの改善点とニーズを整理することがポイントです。見積書・請求書・納品書の自動生成が進めば人員配置も変化するため、積極的な営業活動につなげるために営業部にリソースを割くなど社内の大幅な変革も叶います。どのシステムに重きを置くのかといった業務フローの整理が終わった後は、イニシャルコストとランニングコストの検討が必要となります。自社の業務規模に対してコストが回収できる、適切なWEB受発注システムを選定する必要があるからです。WEB受発注システムはさまざまな会社が提供しており、サービスや相性の良いCRM、アフターサポートなどが異なります。従業員のITリテラシーやBtoB間でのやりとりを踏まえ、どの程度WEB受発注システム導入においてサポートが必要なのかも検討します。従業員教育のコストがどの程度かかるかといった算出も必要です。

どの会社が提供しているWEB受発注システムを導入するのか決まり、おおよそのコストが算出できた後は、旧受発注システムからのデータ移行のスケジュールを立てます。システム移行に数日かかってしまうと、その期間に多くの受注を逃しかねません。現行受発注システムとWEB受発注システムとの並走期間を用意し、見積書・請求書・納品書の発行などは通常通り対応できるよう準備し、受注の機会を逃さないようにしましょう。WEB受発注システム導入後は、定期的なフィードバックを元にWEB受発注システムを改善する必要があります。WEB受発注システムは、導入企業ごとにある程度アレンジができる場合がほとんどです。運用開始後に、従業員や取引先から使いにくい点などがフィードバックされた場合は、運用方法を再検討し改善することにより、安定した売上を築くことができます。とくにBtoB間の取引では、取引先企業からのフィードバックは大切です。ユーザーの使い勝手や気持ちを受け止め、意見を反映させることでエンゲージメントが高まり、売上アップにつながります。

◎まとめ

WEB受発注システムの導入によって競合他社との差別化を図るなら、売上アップを実現することができます。見積書・請求書・納品書の自動生成は、受発注のチャンスロスを減らしたり、手作業によるミスの削減や業務フローの削減につながります。どのように自動化できるとコスト削減や売上アップにつながるのか自社の状況を整理し、WEB受発注システムの導入を検討しましょう。