ITコラム
ECサイトのリニューアルを検討するベストなタイミングとは
ECサイト市場でビジネスの拡大を目指すうえで、ECサイトのメンテナンスや適切なタイミングでのリニューアルは必要不可欠です。顧客ニーズの変化に伴い必要な機能を追加したい、導入から年数が経ち読み込みが遅くなってきたなど、既存のECサイトに課題を感じてはいるものの、コストがかかるリニューアルの実施に迷っている企業も多いのではないでしょうか。この記事では、ECサイトをリニューアルする必要性やタイミングについてご紹介します。
◎ECサイトリニューアルの必要性
近年、ECサイト市場には多くの企業が参入し、競争が激化しています。ユーザーである顧客の満足度を高め自社の売上を向上させるためには、適切なタイミングでECサイトのリニューアルを行うことが重要です。ECサイトのリニューアルがもたらす大きなメリットのひとつに、UX(ユーザーエクスペリエンス)の向上があります。UXとは、サービスや製品の利用前・利用中・利用後に得られる顧客体験のことです。「ECサイトがシンプルでわかりやすく、求めている情報にすぐに辿りつける」「統一感のあるサイトデザインで好感が持てる」「ECサイトの読み込みが速い」などがUXにあたり、UXの優れたECサイトはユーザーの満足度を高め、売上に大きく貢献します。
逆に「購入したい商品が見つけにくい」「サイトがごちゃごちゃしていてわかりづらい」など、ユーザーが利用していてストレスを感じるECサイトは、商品の購入に至る前にすぐに離脱されてしまう可能性が高くなります。スマートフォンの普及により決算方法も多様化した現在においては、クレジットカードだけでなく、電子マネーやモバイル決済で生活をする人も増加しています。ECサイトにおいても、決算時に選択できる手段が少ないとECサイト離脱の可能性につながりやすくなるため、注意が必要です。
ECサイトのリニューアルは、自社のブランディングや競合との差別化を行う機会となります。自社ブランドの世界観や顧客に持って欲しいイメージをECサイトで体現することで、顧客の愛着を高め、他社との差別化を図ることができます。他社が販売していないものを販売することだけでなく「このECサイトで買い物をするのが好き」「ここで買えば間違いない」といった愛着や安心感も差別化であり、ブランディングのひとつです。競争の激化するECサイト市場において、自社や自社サービスの価値を認識してもらい、自社ブランドに対する顧客のロイヤリティを高めることは、強力なブランドの確立につながります。ほかにも、ECサイト上で利用できる機能を追加したり、SNSとの連携を行えば、さらなるビジネス機会の拡大が期待できます。
ECサイトのリニューアルは、SEO対策にも結果をもたらします。サイトの見やすさや使いやすさといったユーザビリティは、検索順位を左右するGoogleの評価基準のひとつです。ECサイトのリニューアルにより、サイトの読み込み速度を向上させ、コンテンツも最新に保つことで、Googleの評価が高まります。SEO上位表示により、ECサイト訪問者の増加や売上の増加が期待できます。
◎ECサイトのリニューアルを検討すべきタイミング
一般的に、ECサイトのリニューアルを行うタイミングは、約3~5年とされています。しかし、単に年数だけでリニューアルを検討するのではなく、自社の事業内容や世の中のトレンドの変化に合わせて、適切なタイミングでリニューアルを行うことが大切です。
○スマートフォン対応や決済方法など、機能が不足している
現在、ショッピングや決算の多くがスマートフォンを利用して行われています。スマートフォン経由でのECサイトの売上市場規模はPC経由での購入をはるかに上回り、非常に大きなものとなっています。スマートフォン対応のECサイト市場は今後も拡大が予想され、対応ができていないECサイトは致命的となりえるでしょう。
ユーザーがスマートフォンからECサイトを訪問した際、レスポンシブ対応(スマートフォンやPCなど、ユーザーの使用するデバイスの画面サイズに合わせてECサイトやWebサイトを表示させること)がされていないと、ユーザーはECサイトの使い勝手が悪いと感じ、ECサイトを離脱しやすくなります。Googleのアルゴリズムも、レスポンシブ対応を推奨しており、非対応のECサイトはGoogle検索の上位表示にも影響します。また、スマートフォンへの対応だけでなく、ユーザーがECサイト上で商品を購入する際に選択できる決済方法を豊富に揃えておくことも重要です。
決済方法の種類は、クレジットカード決済のほかに、スマートフォンや携帯電話の料金と合わせて支払いができるキャリア決済・交通系ICカードなどの電子マネー決済・PayPayやLINE Payといったモバイル決済などがあります。多くのユーザーは特定の決済方法を利用して生活しています。ECサイト上で購入画面まで進んだものの、自分の利用したい決済方法がないと購入を考え直したり、後で購入しようとサイトを離脱する「かご落ち」につながりやすくなります。決済方法の選択の幅を与えることは、ユーザーの満足度度を高め、購入につなげることに役立ちます。
○ECサイトのデザインが長く更新されていない
ECサイトのデザインは、企業やブランドの顔です。ECサイトのデザインが古いと、「このECサイトは使われているのか?」とユーザーに不信感を与え、ECサイト訪問率や滞在時間の低下につながる恐れがあります。一般的に、ECサイトのトレンドはBtoCで2~3年、BtoBで6年ほどで移り変わるといわれています。
ECサイトの売上が落ちている、伸び悩んでいるという場合は、ECサイトのリニューアルを行いましょう。ただし、コストをおさえるために手作業で膨大なECサイトのデザインを変更するのは危険です。手作業でのリニューアルは、抜け漏れや小さなミスからECサイトが上手く機能しなくなったり、サーバーに負荷がかかる恐れがあります。長年利用しているデザインでも売上が伸びているのであれば、早急なリニューアルを行う必要はありませんが、今からリニューアルのタイミングや内容、予算を検討しておくとよいでしょう。
○システムが老朽化している、セキュリティ対策が十分でない
一般的にECサイトの耐久年数は5年程度とされています。過去にECサイトを構築してから5年近くが経っている場合は、システムが老朽化している可能性も高く、リニューアルを検討するタイミングといえます。ECシステムの運用には、定期的なアップデートを行うことが不可欠です。アップデートをきちんと行わないと、システムが老朽化し、セキュリティの脆弱性も高まります。
ECサイトは顧客の個人情報を取り扱うため、セキュリティリスクはビジネスの存続に関わる大きな問題に発展する恐れがあります。アップデートを行わずに運用を続けると、管理画面やUIの使い勝手が悪くなる、ECサイトの動作が重くなるなど、ユーザーの使い勝手だけでなく自社業務にも影響を及ぼします。ECサイトをASPサービスやクラウドサービスで運用している場合は、サービスプロバイダーによって定期的にアップデート作業が行われます。オープンソースやパッケージ型で自社でインストールして利用している場合は、自社でシステムの老朽化を防ぐ対策が必要です。
○サポート体制に不安がある
ECサイトのサービスを提供しているベンダーのサポート体制に不安がある場合も、リニューアルを検討するタイミングのひとつといえます。運用や保守サポートは、ECサイトの運用に必要不可欠です。高機能が備わっていても、上手く使いこなせていなければECサイトの売上につなげることは難しくなります。サポートへの対応が不十分、問い合わせへの対応が遅い、技術的なトラブルがあった際の保守対応は行ってくれるが、ECサイトを日常的に運用するうえでシステムの利用方法を相談できる窓口がないという場合は、別のベンダーでECサイトのリニューアルを検討する必要があります。
万が一、システムトラブルが発生しても、ベンダーのサポートが適切であれば、顧客や売上への影響をおさえることが可能です。社員もトラブル対応をベンダーに任せ、本来の業務に集中できます。なお、現在のベンダーのサポート体制には満足しているが、運用コストがかさんでいるという場合も、リニューアルの検討がおすすめです。
◎ECサイトのリニューアルを成功させるポイント
ECサイトのリニューアルを成功させるためには、リニューアルの目的を明確にすることが非常に重要です。リニューアルを検討する際は、まずECサイトの現状の課題点を洗い出し、ECサイトのどのような部分をどう改善したいのか、改善によって何を達成したいのか数値を用いて明確にしましょう。多くの場合、ECサイトをリニューアルする目的のひとつは売上の増加です。具体的にいくら売上を増加させたいのかなど、数値目標として落とし込むことでゴールに向けたECサイトリニューアルの施策が打ちやすくなります。今後数年間の事業計画も踏まえてECサイトのリニューアルを行うとよいでしょう。
ECサイトの担当者や、システム部門の意見をヒアリングすることも、ECサイトリニューアル成功の鍵となります。実際に日々ECサイトを利用し業務を行う作業担当者や、システム部門の意見を聞かずにリニューアルを行うと、リニューアル後に現場が混乱する可能性が高くなります。ECサイト担当者にとってサイトの使い勝手が悪いことによる作業効率の低下、機能を追加し直すなどのコストが発生するため、注意が必要です。現場の声を聞いたうえでECサイトリニューアルの目的やゴールを策定したら、予算や制作にかけたい期間を決め、マネジメントチームを含めた社内全体で合意を得ておきましょう。
制作期間は、サイトオープン前のテスト作業や移行作業、社内のECサイト担当者のトレーニング期間なども考慮して、余裕を持って設定します。設定した要件を基に、複数社から見積りを取っておくと、費用やサポート内容、担当者の雰囲気など、ベンダーを選定するうえで比較材料ができます。ECサイトのリニューアルを依頼するベンダーを決定したら、リニューアルの目的やどのようなECサイトにしたいのかを伝えましょう。リニューアルの目的は「今時のおしゃれなデザインにしたい」「競合他社のECサイトよりもよいものにしたい」などあいまいなものではなく、明確な内容を伝えます。ベンダーにリニューアルの目的やゴールを理解してもらうことで、認識のズレによる手戻りの発生や、追加コストの発生を防ぐことができます。
ECサイトのリニューアル前に、社内の基幹システムとリニューアルするECサイトが連携できるか確認をしておくことも大切です。ユーザーがECサイトで商品を購入した後、社内システムである受注管理・顧客管理・商品在庫管理や出荷管理と一元化できていれば、EC作業担当者の負担削減はもちろん、作業効率化や残業代の削減にもつながります。逆にシステム連携ができないと、リニューアル時に追加の開発費用が大きく発生するので、事前の確認は必須です。
ECサイトのリニューアルは、既存サイトのURLを変更せずに行えることが理想です。とくにこれまでECサイトの上位表示のためにSEO対策を行ってきた場合や、インスタグラムなどのSNSと連携し集客を行ってきた場合は、URLの変更によりサイトへの流入が減少し、集客に大きな打撃となる可能性があります。どうしてもURLの変更が必要な場合は、新たなECサイトへリダイレクトが行えるようにし、影響を最小限におさえましょう。
ECサイトのリニューアル前に顧客への周知を徹底することも重要です。事前にアナウンスを行わずにECサイトをリニューアルしてしまうと、ECサイトを訪問したユーザーが戸惑ったり、不満を感じて利用するECサイトを乗り換えてしまう可能性につながります。リニューアルの告知は、数ヶ月前から行いましょう。リニューアル後は、ECサイトへの再ログインが必要となるケースもありますが、その際パスワードの再入力作業などに手間に感じてログインを行わず、そのままECサイトの利用を停止してしまうユーザーも多く存在します。リニューアル後、再ログインした際にユーザーが恩恵を受けられるようなキャンペーンを設けておくと、既存会員の離脱を防ぐことができます。
リニューアル後のECサイトは、ユーザーにとってシンプルで使いやすいサイトに改善されている必要があります。せっかくリニューアルをするのだからと、あれもこれも機能を追加しすぎるとECサイトの導線が複雑になり、ユーザーにとって使い勝手が悪くなるため注意しましょう。購入したい商品がすぐに見つからない、さまざまな箇所をクリックしても知りたい情報が手に入らないなど、ユーザーがストレスを感じるとサイトの離脱につながります。ユーザーのITリテラシーに関わらず、シンプルで見やすいECサイトにリニューアルすることが大切です。
◎YTC・PLUSのアフターフォローが充実したECサイト構築
YTC・PLUSは、ECサイト構築を得意とするWEB制作会社です。中小企業から外郭団体と幅広い業界向けにECサイトを構築・リニューアルしてきた実績があります。社内にはディレクター、デザイナー、ITエンジニアとECサイト構築を行う専門家が揃っており、ECサイトの構築・リニューアルから保守まで一貫したサポートを提供しています。
業界や企業によって、ECサイトのリニューアルの目的はさまざまです。オーダーメイドでECサイトをリニューアルするからこそ、オンラインではなく営業担当者が直接訪問、ECサイトリニューアルの目的や達成したいゴールを丁寧にヒアリングすることを大切にしています。ECサイトのリニューアル後は、お客さまがスムーズに業務を開始できるようレクチャーを行ったり、品質の最終テストを行うなど手厚いアフターサポートが充実しているのも強みです。万が一のトラブルに備えたサーバーの保守はもちろん、日々ECサイトを運営するうえでの困りごとや、集客に関する相談も行えるため、リニューアル後も安心してECサイトを運用できます。
YTC・PLUSでは、予算に合わせたECサイトのリニューアルが可能です。「コストをなるべくおさえてECサイトをリニューアルしたい」「決算方法の追加など顧客ニーズに対応した機能を追加したい」「ECサイトをオリジナルデザインで構築し競合他社との差別化を図りたい」など、お客さまの状況に合わせて柔軟に対応ができます。
◎まとめ
適切なタイミングでECサイトのリニューアルを行うことは、自社の売上やビジネスを拡大するうえで非常に重要です。顧客や自社に必要な機能を揃えたECサイトにすることで、顧客満足を高め、売上増加につなげることができます。YTC・PLUSは、目的や予算に合わせたECサイトのリニューアルを得意としています。各業界におけるリニューアルの実績も豊富なため、まずはお気軽にお問い合わせください。