ITコラム
ビジネス拡大につながるWEB受発注システム導入のメリット
受発注業務を行うには、多くの作業工程や従業員が関わります。未だ電話やFAXを利用して作業が行われる場合も多く、人的ミスや作業の効率化に悩む企業が多いのが現状です。受発注業務における作業担当者の業務負担やコストは、自社にあったWEB受発注システムを導入することで、大幅な削減につながります。この記事では、発注側・受注側双方におけるWEB受発注システム導入のメリットや、システムの選び方についてご紹介します。
目次
◎WEB受発注システム導入が進む背景
WEB受発注システムとは、企業間の受注・発注作業に利用されるシステムを指し、BtoB受注サイト・Web-EDIなどと呼ばれることもあります。受発注作業は、受注管理・出荷管理・在庫管理など業務フローが多岐に渡るため、扱う書類も見積書・発注書・納品書・請求書と種類が多く、管理が煩雑になりがちです。電話やFAXといったアナログな方法で作業が行われていることも多く、聞き間違いや読み間違いによるミスが発生しやすい状況にあるのも事実です。電話やFAXでの受注後は、社内の基幹システムに受注内容を入力し直す必要があります。入力作業が膨大だと、担当者が残業や早朝出勤を行うことも少なくありません。このように、受発注作業においては、業務対応時間の長さや作業担当者への業務負担が課題とされてきました。
WEB受発注システムを導入すると、一連の受発注業務がシステム化され、電話対応や入力作業を大幅に削減することが可能です。実際に、WEB受発注システムを導入した多くの企業で、受発注業務全体における作業時間を1日1時間~数時間削減するなどの効果が実感されており、業界を問わずWEB受発注システムの導入が進んでいます。このように、WEB受発注システムの導入に関するニーズは年々高まっています。とくにBtoB市場ではBtoC市場よりも取引数が圧倒的に多く、全商取引の1/3以上はオンライン上で行われています。近年は、政府の後押しもありデジタル化が進んでいることから、WEB受発注システムを導入する企業は増加傾向にあり、市場規模は今後も拡大すると予想されています。
企業がWEB受発注システムを導入する背景には、業務効率化やコスト削減以外に、営業やマーケティング施策での効果もあります。中小企業では、営業担当者の数が限られている場合がほとんどです。個人が抱える顧客数や業務量も多いため、遠方や売上数がさほど多くない取引先への訪問が後回しになったり、新規顧客の獲得まで手が回らないというケースも少なくありません。紙媒体のカタログを配布している企業の場合は、商品内容や価格をアップデートするたびに最新のカタログを印刷し直して発送する手間やコストもかかります。しかし、カタログが取引先との主な接点となっている場合、配布を停止してしまうと発注側は最新の価格がわからなかったり、競合他社に流れてしまうなど、取引の停止につながる恐れもあります。
WEB受発注システムを導入すると、システム上の商品内容や価格を簡単にアップデートできるようになります。取引先ごとに価格を設定したり、過去の購入履歴から興味のありそうな取引先にまとめてメールを送信するなど、営業のコミュニケーションツールとしても機能します。在庫状況は受発注企業間で常に共有されるため、架空の在庫を生み出す心配もありません。さらに、WEB受発注システムの導入後に取引した受注データは、マーケティング分析にも役立ちます。取引データを使用してアクセス分析やRFM分析を行えば、売上向上に向けた施策を打つことができます。
◎発注側・受注側ともにメリットをもたらすWEB受発注システム
発注側企業がWEB受発注システムを利用する大きなメリットのひとつに、発注にかかる手間や時間の削減があげられます。WEB受発注システムでは、発注側企業のタイミングで24時間いつでも発注が可能です。従来の電話・FAXといった発注方法では、発注前に取引先に在庫確認を行う必要があるほか、聞き間違いや読み間違いによる誤発注が発生しやすいのが課題でした。電話やFAXでは、取引先の営業時間内に発注を行う必要があり、電話がつながらなかったり、通信回線が混雑しているために急ぎの発注が行えないこともあります。FAXの送信後は、取引先がFAXを受信したか、電話やメールで確認を行っている企業も多いでしょう。WEB受発注システムは発注先と受注先のデータをリアルタイムで共有しているため、システム上で在庫状況を確認でき、必要数量などを入力するだけで発注が完了します。WEB受発注システムに入力したデータは発注書として反映され、送信前に再度内容の確認が行えるため、データの誤入力による発注ミス防止につながります。発注内容は、取引先のシステムに即時反映されるため、電話やメールでのフォローアップは不要です。
WEB受発注システムの代表的な機能のひとつに、FAXやメールなど複数の窓口からの発注に対応できるマルチチャネル機能があります。マルチチャネル機能を使うと、WEB受発注システム上で入力したデータをFAXに変換して自動送信ができるため、取引先の事情などでFAXの発注が必要な場合に役立ちます。通信回線の混雑によりすぐにFAXが送信できない場合は、数分おきに自動送信がされるほか、送信状況はWEB受発注システム上で随時確認が可能です。発注担当者は、手の空いたタイミングで送信状況の最終確認を行うだけで済むため、本来の業務に集中できます。電話・FAX・メールといったさまざまな発注手段を使い分けて発注を行う場合、発注情報の管理は煩雑になりがちです。Excelや自社システムに発注内容を入力する手間も発生します。WEB受発注システムでは、発注方法に限らず、自社のすべての発注内容をシステム上で一元管理でき、必要なデータをエクスポートすることが可能です。たとえば、過去の発注履歴から再発注したい商品を選択し、納品日や数量を変更するだけで再発注が行えるため、発注書の入力にかかる時間や手間を削減することができます。
受注側企業がWEB受発注システムを導入するメリットには、受注に関わるすべての業務を一元化できる点があげられます。WEB受発注システムを導入すると、電話・FAX・メールとさまざまな手段で行われていた取引先からの受注は、すべてWEB受発注システム上に集約されます。電話での聞き間違いや、取引先からの手書きのFAXが読みにくいといった悩みがなくなり、誤受注や受注内容の再確認の手間は大幅に削減されます。電話やFAXによる受注では、取引先ごとに異なる商品呼称があったり、「いつもので」と発注されるために受注作業が属人化しがちです。早朝に取引先からFAXで大量の注文が届き、受注内容を社内システムに入力する作業には1日かかることも少なくありません。そのため、受注作業担当者は早朝出勤や残業が避けられず、受発注作業にかかる人件費は企業の課題とされてきました。WEB受発注システムにおける受注では、取引先に関わらず手書きの発注書は不要です。
WEB受発注システムにリピート機能を搭載しておけば、取引先は「いつもの」商品を簡単に自社で発注でき、受注側企業は作業の属人化を避けることができます。取引先から届いた受注データをそのまま利用して出荷処理や納品作業が行えるため、電話・FAX・メールで受注した内容を1つひとつ自社システムに手入力する作業は不要です。出荷伝票や納品書も自動で作成され、手書きによるミスの心配はありません。WEB受発注システムでは、受注後のデータを一覧で確認できます。受注内容の状態を「製造」「出荷前」「出荷手配済み」などのステータスとして絞り込めるため、各案件のフォローアップがしやすくなります。納品希望日といったステータスで絞り込んで一覧表示すれば、出荷処理の遅れている案件はひと目でわかり、納品漏れや納期遅れを防ぐことができます。
◎WEB受発注システム導入のポイント
WEB受発注システムを選ぶ際は、自社の商習慣や業務フローに合わせてシステムをカスタマイズできるか確認する必要があります。受発注作業とひとくちにいっても、取引方法は業界や企業によってさまざまです。WEB受発注システムには、標準機能として受注管理・出荷管理などの機能が備わっていますが、標準機能だけで受注業務すべてを網羅するのは難しいといえます。「FAXでの受注が必要な取引先がある」「取引先ごとに価格を設定したい」など、自社の商習慣に合わせて必要な機能をカスタマイズで追加できるか、導入前に確認をしておきましょう。自社の業務フローに合わせたWEB受発注システムを導入することは、業務効率化・作業担当者の負担削減・コスト削減に大きく影響を与えます。そのため、カスタマイズ機能の追加だけでなく、基幹システムとの連携の可否についても確認しておくことがおすすめです。社内の顧客管理システムや会計システムと、導入するWEB受発注システムが連携できれば、業務効率はさらに向上します。
WEB受発注システム導入前には、ベンダーのサポート体制についても確認しておく必要があります。導入するWEB受発注システムの機能だけでなく、必要な際に手厚いサポートが受けられるかはシステムの運用において非常に重要です。万が一、システムトラブルや障害が発生した場合に、必ずしも自社だけで対応ができるかはわかりません。受発注作業では、顧客の重要情報を扱うため、システムトラブルが発生した場合にすぐにきちんとしたサポートが受けられるかは、自社ビジネスの存続に大きな影響を与えかねません。また、システムトラブル時だけでなく、WEB受発注システムを導入後、利用中の不明点を相談できる窓口があると、作業担当者やシステム担当者はより業務に集中できます。
WEB受発注システムのUIが使いやすく、操作性に優れているかも重要です。高機能なWEB受発注システムを導入しても、作業担当者が使いこなせなければ意味がありません。WEB受発注システムは、発注側である取引先にも利用してもらう必要があるため、自社の作業担当者・取引先の双方にとって利用しやすいシステムである必要があります。これまで電話やFAXで受発注作業を行ってきた場合は、取引先がシステムに慣れていない可能性もあります。WEB受発注システムの画面が見やすく、シンプルで使いやすいなど、作業担当者のITリテラシーに関わらず利用できるWEB受発注システムを選定するとよいでしょう。
◎カスタマイズ機能の豊富なYTC・PLUSのWEB受発注システム
YTC・PLUSの「受発注プラス」は、お客さまごとにオリジナルでWEB受発注システムを構築できることが特徴です。社内の基幹システムなど、外部システムとの連携も行えるため、既存の業務フローを変えずに業務の効率化を叶えることができます。使いやすさにもこだわり、UI(ユーザーインターフェース)がシンプルに作られているため、作業担当者のITリテラシーに依存しない受注業務の効率化を実現します。
受発注プラスは、サポート体制も充実しています。システムトラブル時だけでなく、日々システムを利用する上での困りごと、相談なども行えるサポートデスクを準備しているため、作業担当者の方には本来の業務に集中いただけます。WEB受発注システム導入前には、営業担当者が直接訪問し、WEB受発注システムの導入理由や業務フローをヒアリングしてから構築を行います。「WEB受発注システムを導入して業務効率化やコスト削減をしたいけど、システムに詳しくないため不安」という場合も安心です。
◎まとめ
WEB受発注システムの導入は、お客さまへはもちろんのこと、取引先にも業務効率化とコスト削減のメリットをもたらします。さらに、業界や自社の業務フローに合わせて柔軟に機能をカスタマイズでき、サポート体制が整ったWEB受発注システムを導入することで、システム導入の効果は各段に向上します。YTC・PLUSの「受発注プラス」は、多彩なオリジナル機能の提供や、既存システムとの連携が可能です。幅広い業界への導入実績も豊富なため、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。