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ITコラム

ホームページ運用でセキュリティ対策をしないリスクとは

常日頃から大多数の企業がインターネットを活用しており、ホームページなしではビジネスが成り立たないともいえるでしょう。ホームページの増加とともにサイバー攻撃の数も年々増加していますが、セキュリティ対策を強化していない企業も多いのが現状です。セキュリティ対策を疎かにしていると、企業の存続が脅かされるケースに見舞われる恐れがあります。この記事では、ホームページのセキュリティ対策の重要性や対策をしない場合のリスク、対策時のポイントについてご紹介します。
 

◎ホームページにおけるセキュリティ対策の重要性

ホームページは、ビジネスを進めていくために必須のツールです。ホームページを安全に運用するためには、セキュリティ対策の強化が重要な要素です。ところが、セキュリティ対策が万全でないホームページは多く存在しており、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の発表によると、ホームページの脆弱性の届け出件数は年々増加しています。
 
ホームページの脆弱性はサイバー攻撃の的になりやすく、一例としてホームページ内のwebアプリケーションがあげられます。Webアプリケーションとは、動画視聴や商品購入をWebサイト上で行える仕組みのことで、YouTubeやAmazonなどがあげられます。管理者がホームページ上で情報発信をするだけでなく、ユーザーが行動を起こして双方向のコミュニケーションが生まれるのが特徴です。Webアプリケーションは仕組みが複雑なので、ホームページに脆弱性が生じやすく、ハッカーの格好の標的になっています。現代社会ではWebアプリケーションを導入したホームページを持つ企業が多く、サイバー攻撃も日々増加しており、早急にセキュリティ対策を講じる必要性が高まっています。
 
ホームページにおけるセキュリティ対策の重要性

◎狙われやすいホームページの種類

サイバー攻撃の標的になるのは、ECサイトや中小企業のホームページです。ECサイトが標的になる理由は主に2つあります。まず、ECサイトが顧客の氏名や住所などの個人情報やクレジットカードなどの金融情報を扱っていることです。とくにホームページを通してクレジットカード情報が流出し、不正利用される事件が後を絶ちません。そのためIPAは、2023年6月にECサイト構築・運用時のセキュリティ対策をまとめた「ECサイト構築・運用セキュリティガイドライン」を発表して注意喚起を行っています。
 
ホームページのアップデートがしっかり行われていないと、脆弱性が生じ、ハッカーがシステムに侵入しやすくなります。ECサイトがサイバー攻撃を受けると、ホームページを長期間閉鎖することになり、売上が大幅に減少します。ホームページ閉鎖後も、事故調査や賠償金に膨大な費用がかかります。IPAのガイドラインでは、ホームページ閉鎖期間の売上損失額は1社平均5,700万円にものぼると提示しており、最悪のケースでは会社を存続させるのが難しくなるケースも起こり得ます。
 
一方で中小企業のホームページが狙われる主な理由としては、経済的な問題があげられます。中小企業はセキュリティ対策に使える予算が限られている場合もあり、十分な対策を取れていない企業も多いのが現状です。人手不足のためにセキュリティ対策について検討する時間を取り分けられないケースも見られます。そうしたなかで近年セキュリティ対策の手薄な中小企業のホームページを足がかりとして、大企業に攻撃を仕掛ける「サプライチェーン攻撃」が横行しています。自社への被害が少なくても、取引先である大企業へ多大な影響を与えてしまう場合があるのです。
 
狙われやすいホームページの種類

◎ホームページのセキュリティ対策をしないリスク

ホームページのセキュリティ対策をしないリスクは大きく3つあります。まず認識しておきたいリスクは、顧客の個人情報が漏洩してしまうことです。セキュリティの甘さから個人情報を流出させてしまった場合、企業の信頼度や社会的なイメージの低下につながります。また、取引先の情報を漏洩することで、損害賠償責任に問われることも考えられます。被害規模によりますが、高額な賠償金が必要になるケースもあり、金銭的被害の総額は予測困難です。
 
個人情報漏洩の原因となるサイバー攻撃の代表が、ホームページのデータベースを標的にした「SQLインジェクション」です。データベースを操作する言語であるSQLを、ホームページを通して不正に送信することで、データベース上にある個人情報を盗み出す手法です。SQLインジェクションの実例としては、2020年にとある文具メーカーのECサイトが攻撃を受け、約12万件の顧客情報が流出し、5ヶ月間ホームページを閉鎖するという事態に陥りました。
 
ホームページを改ざんされてしまうこともリスクです。ホームページが勝手に改ざんされることによって、企業側が意図しないメッセージや情報を発信する原因になります。顧客への大きな影響がない場合でも、企業イメージの低下は避けられません。ホームページ改ざんの原因となるサイバー攻撃として有名なのは、Webアプリケーションを標的にしたクロスサイト・スクリプティングです。ホームページ上にある入力フォームを改ざんして不正リンクを作ることにより、顧客を偽サイトに誘導して個人情報を盗み出す手法です。不正リンクはホームページ上に巧妙に作られているので、企業も顧客も気づかないうちに攻撃を受けてしまいます。
 
クロスサイト・スクリプティングによって誘導された偽サイトで、不正なプログラムをダウンロードすることにより、マルウェア感染につながる可能性があります。マルウェアとは対象デバイスに不利益を生じさせるプログラムで、感染するとデバイス内を監視されて個人情報や閲覧履歴がハッカーのもとに転送されます。マルウェアのなかでも最も普及しているのがランサムウェアで、デバイス内のファイルを暗号化し操作不能にする攻撃です。さらに暗号化の解除のために身代金を要求されるケースもあり、二重脅迫型といわれています。2020年には大手の自動車メーカーの関連会社がマルウェアに感染したことで、国内にある14の工場が機能を停止し、一部生産を見合わせる事態になりました。IPAから毎年発表される組織向けの情報セキュリティ10大脅威でも、ランサムウェアによる被害が2021年から2024年まで4年連続1位にランクインしています。
 
ホームページのサーバーが攻撃されるリスクにも気をつけなければなりません。ホームページ内にある情報の保管庫であるサーバーが攻撃を受けて機能停止してしまうと、顧客からの要求に対応できません。サーバーダウンの復旧には多大な時間を要するため、金銭的損失も拡大してしまいます。サーバーダウンの原因となるサイバー攻撃として知られているのがDDoS攻撃です。短時間で複数の端末から攻撃を行うことで、サーバーに大きな負荷をかけてダウンさせる手法です。2022年9月に、政府関連のWebサイトが複数回に渡りDDoS攻撃を受けたことを警視庁が発表しました。99%は海外からの攻撃であり、セキュリティ対策を進めるように注意喚起がされています。
 
ホームページのセキュリティ対策をしないリスク

◎ホームページにおけるセキュリティ対策のポイント

ホームページを安全に運営していくためには、ポイントを抑えた適切なセキュリティ対策が必要です。まずはホームページのSSL化やセキュリティ意識を高めること、プログラムを適切に管理することが求められます。防御システムや外部委託を導入すれば、セキュリティをより強化できるでしょう。
 
〇ホームページをSSL化する
ホームページをSSL化して、SSL証明書を取得することはセキュリティ対策の基本です。SSL化とは、ウェブサイト上での情報の送受信を暗号化することで、通信内容を保護する技術です。これにより、クレジットカード情報やログイン情報などの個人データが第三者に盗まれるリスクが軽減されます。また、SSL証明書を取得することで、Webサイトが信頼できるものであることが証明でき、顧客の安心感を高めることができます。
 
SSL化はただセキュリティ上のみならず、SEO(検索エンジン最適化)上でも重要です。GoogleはSSL化されたWebサイトを好意的に評価し、検索結果のランキングに影響を与えるとされています。そのため、SSL化はウェブサイトの信頼性向上だけでなく、検索エンジンでの可視性向上にも役立ちます。近年、ブラウザーがSSL化されていないウェブサイトを警告することが一般的になっています。そのため、SSL化はウェブサイトの信頼性を高めるために不可欠な手段となっています。
 
SSL証明書の取得は、信頼できる認証局(CA)から行われます。適切な証明書を選択し、正しく設定することで、Webサイトのセキュリティと信頼性を向上させることができます。SSL化は、現代のWebサイト運営において欠かせない基本的なセキュリティ対策であり、積極的に導入すべきです。
 
〇企業全体でのセキュリティ意識を強化する
サイバー攻撃を防ぐために、セキュリティ研修を実施して社員1人ひとりのセキュリティ意識を高めることは非常に重要です。社員が行えるセキュリティ対策のひとつが、安全なパスワード設定をすることです。個人用のパソコンが標的になる場合もあるので、パスワードは長く複雑なものにする必要があります。ログイン時の煩わしさから、生年月日や社員番号をパスワードにしているケースが多いですが、数字のみや短い組み合わせは簡単に見破られてしまいます。パスワード設定をする際は、12桁以上で英数字や大文字小文字を混在させるのがセキュリティ対策として効果的です。
 
ホームページの管理画面へのアクセス権限の付与を慎重に行うことも、セキュリティ対策として重要です。アクセス権限を持つ人が増えるほど、ホームページがサイバー攻撃を受けるリスクが高まります。退職者や部署移動に伴って生じた使われていないアカウントがセキュリティホールとなり、ハッカーの標的になってしまいます。定期的にホームページのアクセス制限の見直しやアカウント管理を行い、放置しないことが大切です。
 
〇定期的にプログラムの管理やアップデートをする
プログラムの管理とアップデートは、Webサイトのセキュリティを確保する上で不可欠です。Webサイトに使用されているプログラムは、定期的に脆弱性のスキャンや監視を行うことが重要です。脆弱性が見つかった場合は、速やかに修正することが必要です。脆弱性を放置すると、ハッカーによる攻撃のターゲットにされる可能性が高まります。新しいプログラムを導入する際は、十分な検討が必要です。追加のプログラムが本当に必要かどうかを判断し、必要最小限のプログラムのみを導入することが重要です。余計なプログラムが増えると、セキュリティホールや競合、パフォーマンスの低下などの問題が生じる可能性があります。
 
プログラムのアップデート作業は、定期的かつ継続的に行う必要があります。最新のバージョンに更新することで、セキュリティホールへの適切な対策が取られ、Webサイトのセキュリティを強化できます。定期的なアップデートにより、Webサイトのセキュリティを維持し、ハッカーによる攻撃から保護することが可能です。
 
ハッカーの攻撃方法は日々進化しており、新たな脆弱性や攻撃手法が常に発見されています。そのため、最新のプログラムを導入し、常に攻撃に備えることが必要です。セキュリティ意識を高め、定期的なプログラムの管理とアップデートを行うことで、Webサイトのセキュリティを確保し、信頼性の高い運用が可能です。
 
〇複数の防御システムを導入する
セキュリティ意識を高めることやプログラム管理も大切ですが、人の力による対策には限界があります。レンタルサーバー会社が提供している防御システムを導入すれば、よりホームページのセキュリティ効果を高めることができます。まず導入すべき防御システムは、許可された通信以外の不正アクセスを入口で遮断するファイアウォールです。不正アクセスのログも残るため、サイバー攻撃を通知する機能も備えています。また、ハッカーは侵入経路を見つけるために、通信の通り道であるポートの抜け穴を調べる、ポートスキャンを実行することがあります。
 
ファイアウォールを導入すれば不要なポートを閉じられるので、ハッカーからのポートスキャンを防止できます。ファイアウォールの次に必要な防御システムは、サーバーの脆弱性を狙われた場合の不正アクセスを遮断するIPS(不正侵入防御システム)です。IPSはファイアウォールで防ぎきれなかった不正アクセスを遮断します。サーバーダウンを狙ったDDoS攻撃に対して効果的で、リアルタイムで監視を行っているため、攻撃を素早く感知して遮断できるのが特徴です。
 
今、最も重要な防御システムとして、Webアプリケーションの脆弱性を保護する「WAF(ウェブアプリケーションファイアウォール)」があります。アクセスのパターンを常に監視し記録することで、蓄積したデータを元に不正アクセスかどうかを判断します。Webアプリケーションの脆弱性を狙ったSQLインジェクションやクロスサイト・スクリプティングなどの攻撃に効果的です。難読化された攻撃の場合はIPSでは検出しきれずWAFでなければ対応できないケースも多く、セキュリティシステムとしてWAFの導入は必須といえます。
 
紹介した3つの防御システムはそれぞれ異なる特性を持っているので、組み合わせて使用すればよりセキュリティリスクを軽減できます。また多くのシステムを導入すれば、攻撃を早期に発見できるので、被害を最小限に抑えることができます。日々変化するサイバー攻撃からホームページを守るためには、複数のセキュリティシステムを導入することが最も重要なポイントです。
 
〇セキュリティ対策を外部に委託する
セキュリティ対策には多くの方法がありますが、専門知識がない場合は自社の力だけで充分な対策を行うには多大な労力が必要です。ホームページのセキュリティ対策を外部委託すれば自社の業務に専念できるので、生産性の向上につながります。たとえば、セキュリティ会社に外部委託をすれば、知識豊富な専門家によるサポートを受けられます。各企業に合わせた適切な対策を提案してくれるので、安心してホームページの運用を行えます。ただし管理費用が発生するので、本当に必要な対策から優先的に導入していくのが無駄なコストを抑えるポイントです。
 
その一方、Web制作会社に外部委託をすれば、ホームページの制作とセキュリティ対策を同時に行うことが可能です。SEOに対する知見も豊富なので、検索エンジンで自社のホームページが上位表示され、多くの人の目に留まるコンテンツを作ることができます。さらに、定期的な情報更新によって最新情報を掲載すれば、ホームページの信頼性も上がるでしょう。
 
ホームページにおけるセキュリティ対策のポイント

◎YTC・PLUSのホームページ制作サービス

当社のホームページ制作では、IPSとWAFの複数防御システムを導入しています。お客さまそれぞれに専用のサーバーを割り当て、専門家による管理を行っているのでセキュリティ面は安心です。ECサイトの制作実績も多数あり、対面で納得いくまで相談をお受けする顔の見えるコミュニケーションをモットーにしています。初期費用や月払いの管理費も低価格で、お客さまのホームページに必要なサービスだけを提案しております。
 
ホームページの更新作業を簡単に行える、更新プログラム+という独自のCMSを導入していることも特徴です。記事の作成画面がシンプルな作りなので、ブログを書く感覚でコンテンツ作りに取り組めます。ホームページの質を向上させるには、既存の記事を更新することが重要なポイントです。更新プログラム+のシステムであれば、パソコン作業を苦手に感じる方でも管理画面を簡単に操作できるので、継続的にコンテンツを増やすことが可能です。
 
ホームページ作成後のサポート体制も充実しています。システムの不具合やウイルスによるホームページ改ざんなどの障害対応を迅速に行い、更新プログラム+の操作方法や更新内容についても相談しやすい環境を整えています。SEO対策として、アクセス解析レポートと提案書を3ヶ、安心してホームページ運用が行えます。
 
YTC・PLUSのホームページ制作サービス

◎まとめ

サイバー攻撃が急激に増加している現代で、ホームページのセキュリティ対策は急務になっています。専門的な知識が必要な分野であり、対策を外部委託することで継続的にセキュリティを強化し続けられます。YTC・PLUSのホームページ制作であれば、制作後もホームページの更新作業を楽に行えるシステムや、専門家によるサポート体制を整えているので安心です。セキュリティ対策の整ったホームページの制作は当社にお任せください。
ホームページ運用でセキュリティ対策をしないリスクとは