ITコラム
【IT導入補助金2024】制度概要とインボイス枠の活用メリット
2024年度もIT導入補助金の制度が利用できます。IT導入補助金のインボイス枠では、インボイス対応にかかわるITツールの導入にIT導入補助金が支給されるほか、関連するオプション機能やハードウェアについてもIT導入補助金から一部補助が受けられます。この記事では、IT導入補助金2024やインボイス枠の概要と、IT導入補助金のインボイス枠を活用するメリットについてご紹介します。
目次
◎IT導入補助金2024の概要
IT導入補助金とは、独立行政法人中小企業基盤整備機構と中小企業庁が管轄する「サービス等生産性向上IT導入支援事業費補助金」という制度です。IT導入補助金の制度は2018年度から年度単位で実施されており、2024年度もIT導入補助金2024が利用できます。IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者の労働生産性向上に向けて、自社の経営課題やニーズに合ったITツールの導入をサポートすることを目的とした制度です。中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際、決められた条件を満たしていればIT導入補助金を受け取ることができます。IT導入補助金が適用される大前提として、IT導入補助金の制度で認定されたIT導入支援事業者に依頼をすることが必要です。また、導入するITツールやサービスについても、IT導入補助金の制度で認定されたもののなかから選択しなければなりません。
IT導入補助金2024では、通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠・複数社連携IT導入枠といった大きく分けて4つの申請枠が用意されています。通常枠は企業の課題解決に資するITツールの導入が対象となります。インボイス枠はインボイス制度に対応するITツール導入を対象としています。インボイス枠では企業のインボイス対応を強力に促進するために、通常枠よりも補助率を引き上げて優先的に支援されます。セキュリティ対策推進枠はサイバー攻撃に備えたリスク低減対策への支援を、複数社連携IT導入枠ではサプライチェーンや商業地域単位における複数事業者が連携したITツールの導入支援が対象です。
IT導入補助金2024では、2023年度のIT導入補助金の制度から一部変更されています。2023年度のIT導入補助金からの変更点のひとつめが、インボイス枠の導入です。2023年度はデジタル化基盤導入枠という名称でしたが、IT導入補助金2024ではインボイス枠という名称に変更されています。また、2023年度のIT導入補助金では補助対象であったECサイトの構築は、IT導入補助金2024では対象外となっているため注意しましょう。さらに、IT導入補助金2024では小規模事業者へのIT導入補助金額が2023年度よりも増額され、最大5分の4まで拡大されています。IT導入補助金の補助下限額も撤廃されているため、安価なITツールの導入においてもIT導入補助金の適用を受けることができます。
◎IT導入補助金2024のインボイス枠
インボイス制度は2023年10月から開始された制度で、正式名称を適格請求書等保存方式といいます。インボイス制度は複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式で、取引における正確な消費税率と消費税額を把握できるようにし課税事業者が納付すべき消費税額を正確に算出することを目的に導入されました。消費税の仕入税額控除とは、課税事業者が納付すべき消費税額を計算する際、売り上げ時に受け取った消費税額から仕入れにかかった消費税額を差し引くことで二重課税を解消するための制度です。インボイス制度の導入に伴い仕入税額控除の適用要件が変更されました。具体的には、インボイス発行事業者として登録された売り手側が買い手側に適格請求書を発行し、双方で適格請求書を7年間保存することが義務づけられたのです。
インボイス対応では、こういったインボイス制度の要件に対応するようシステムの導入や改修が必要です。インボイス対応を行わないと、ビジネス機会の損失につながる恐れがあります。なぜなら、インボイス対応を行わないと買い手側は消費税の仕入税額控除を適用できず税負担が多くなってしまうためです。買い手側に不利益が生じると、取引を停止される可能性があります。ビジネス機会の損失を防ぐためにも、インボイス対応は企業にとって必須の取り組みであるといえるでしょう。インボイス制度には、導入後の猶予期間である経過措置期間が設けられています。経過措置期間内であれば、インボイス未対応の取引においても一定の割合で仕入税額控除が可能です。インボイス制度の経過措置期間は6年間で、2023年10月1日から2026年9月30日までは仕入税額相当額の80%、2026年10月1日から2029年9月30日までは50%が控除可能です。IT導入補助金のインボイス枠を活用できるこの機会に、速やかにインボイス対応を行いましょう。
IT導入補助金2024のインボイス枠には、インボイス対応類型と電子取引類型の2種類があります。インボイス枠のインボイス対応類型は、インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフトを導入する企業を支援するものです。一方、インボイス枠の電子取引類型はインボイス制度に対応した受発注システムを商流単位で導入する企業を支援するもので、取引関係における発注者がインボイス対応のITツールを導入し、受注者である中小規模事業者に無償利用させるケースを対象としています。個別の企業におけるインボイス対応のシステム導入については、インボイス枠のうちインボイス対応類型に該当します。
インボイス対応枠のインボイス対応類型の補助対象は、インボイス制度に対応した会計・受発注・決済機能を有するITツールのソフトウェア導入費と、導入関連費、ハードウェア関連費です。インボイス枠の導入関連費には、機能拡張やデータ連携ツール、セキュリティといったオプションに加えて、導入コンサルティングや保守サポート、マニュアル作成や研修といった役務も含めることができます。インボイス枠のハードウェア関連費については、導入するITツールに資するものであることを条件に、PCやタブレット、プリンター、POSレジ、券売機なども対象となります。
インボイス枠で導入するソフトウェアやオプション、役務はすべてIT導入補助金の制度で認定されたIT導入支援事業者に依頼をし、認定されたITツールのなかから選択する必要があります。インボイス枠のインボイス対応類型にて受け取れるIT導入補助金は、ITツールは最大350万円、ハードウェアのうちPC・タブレット等は最大10万円、レジ・券売機等は最大20万円です。なお、インボイス枠の実際の補助額や補助率は、費用や事業者の規模によって変わってくるため、IT導入支援事業者と相談しながらよく確認することが大切です。
◎IT導入補助金2024のインボイス枠を活用するメリット
IT導入補助金2024の申請ができる今なら、インボイス枠を活用してインボイス対応を行うことができます。IT導入補助金のインボイス枠を活用するメリットはいくつかあります。
〇システム導入コストを抑えられる
IT導入補助金2024のインボイス枠を活用することで、IT導入補助金の適用を受けシステム導入コストを抑えることができます。費用の問題で躊躇することなく、インボイス対応のシステムを導入できる大きなチャンスです。なお、インボイス枠では関連するハードウェアの導入にもIT導入補助金が支給されるため、よりコストメリットが高いといえます。IT投資コストの低減というメリットはもちろん、インボイス枠の活用にはシステム導入による業務効率化や生産性や売り上げ向上といったメリットが期待できます。
〇オプション機能やセキュリティを強化できる
IT導入補助金2024のインボイス枠では、機能拡張やデータ連携ツール、セキュリティ対策といったオプションにもIT導入補助金が適用されます。インボイス枠を活用してデータ連携ツールを取り入れることで、社内でのデータ共有はもちろん、システム導入によって得られたデータを速やかに詳細に分析できるようになります。インボイス枠を利用したデータ連携ツールの活用は、データに基づいたスピーディーな経営戦略の策定に役立つのです。
また、システム導入を行う際はセキュリティ対策を徹底することが大切です。近年、企業を狙ったサイバー攻撃は増加傾向にあり、セキュリティリスクはますます高まっています。企業がサイバー攻撃を受けると、情報漏洩や業務停止といった悪影響が及び、企業の信頼性は大きく低下してしまいます。そのため、企業規模にかかわらず、すべての企業においてセキュリティ対策の充実が求められているのです。ところが、費用面の懸念やどういった対策をすればよいかわからないなどといった理由から、セキュリティ対策へのIT投資が後回しになっている企業が多いことも事実です。
IT導入補助金2024のインボイス枠を活用すれば、システム導入とあわせてセキュリティ対策にもIT導入補助金の適用を受けることができます。インボイス枠なら、システム導入と同様に、IT導入補助金の制度で認定されたIT導入支援事業者のアドバイスを受けながらスムーズにセキュリティ対策を行えるため安心です。
〇マニュアルや研修でスムーズに運用開始できる
システム導入を行う際は、運用後まで見据えた取り組みが重要です。導入したシステムが期待どおりに使われなかったり、新しいシステムによって現場が混乱し業務効率が下がってしまったりすることを防ぐためには、あらかじめ運用を見据えたフォロー対策が必要になります。スムーズな運用に役立つ対策のひとつが、導入するシステムの操作マニュアル作成や操作研修を行うことです。詳細でわかりやすいマニュアルや事前の研修があれば、現場の負担や不安を解消し、運用性を高めることができるのです。
とくに、マニュアル作成はシステム導入後の業務の標準化に寄与します。わかりやすいマニュアルがあれば、システム導入研修にも役立ちます。マニュアルを作成する際は、操作方法はもちろん、システムを含めた業務全体の流れや、システム障害やトラブルが発生した際の対応手順や連絡先などを盛り込んでおくとよいでしょう。
マニュアル作成や研修によってスムーズな運用ができれば、業務の標準化や効率化などシステム導入による本来の目的を達成しやすくなります。一方で、効果的なマニュアル作成や研修の準備運営には多くの手間とコストがかかります。IT導入補助金2024のインボイス枠では、システム導入に伴うマニュアル作成や研修にもIT導入補助金が適用されます。IT導入補助金のインボイス枠を活用し、スムーズな運用開始に向けた準備を行いましょう。
◎システム開発に強い信頼できるIT導入支援事業者
IT導入補助金のインボイス枠の適用を受けるためには、IT導入補助金の制度にて認定されているIT導入支援事業者に依頼することが必須となります。IT導入補助金のインボイス枠を有効活用して満足いくITツール導入を行うためには、信頼できるIT導入支援事業者を選ぶことが大切です。システム開発の実績が豊富で運用後のサポートも充実しているかどうか、IT導入補助金の採択率や親身に対応してくれるかといった観点を重視して、信頼できるIT導入支援事業者を選びましょう。なお、インボイス枠に対応できるIT導入支援事業者の情報は、IT導入補助金2024の公式ホームページから検索できます。
当社は、IT導入補助金2024のインボイス枠(インボイス対応類型)に対応できるIT導入支援事業者です。確かな技術力でさまざまな業種に対応したシステム開発の実績が豊富にあり、運用後も手厚いアフターフォローでお客さまのシステム運用をサポートいたします。対面でのコミュニケーションを重視し、丁寧なヒアリングでお客さまが安心し納得できるシステム開発を行っております。
当社は、2023年度以前のIT導入補助金においてもIT導入支援事業者として参画しておりIT導入補助金の申請プロセスやポイントを熟知しているため、IT導入補助金の採択率が高いことも特徴です。IT導入補助金の申請手続きは、補助金申請の専門パートナーにより、安心してIT導入補助金のインボイス枠を活用したインボイス対応をお任せいただけます。
◎まとめ
IT導入補助金2024のインボイス枠の活用には、コスト低減のほかにもさまざまなメリットがあります。信頼できるIT導入支援事業者を選び、IT導入補助金2024のインボイス枠を活用してインボイス対応を行いましょう。当社は、細かなヒアリングでお客さまに寄り添ったシステム開発を強みとしているIT導入支援事業者です。IT導入補助金2024インボイス枠のご相談は、お気軽にお問い合わせください。