ITコラム
ユーザー獲得に効果的!アプリにおけるASO対策のポイント
スマホアプリのプッシュ通知やクーポンの配信といった機能を活用することで、自社サービスの認知拡大や顧客獲得に役立ちます。アプリを最大限活用するためには、インストール数を最大化するための施策であるASO対策を行い、インストール数を増やす必要があります。この記事では、ASO対策の重要性と効果的なASO対策のポイントをご紹介します。
目次
◎アプリに重要なASO対策
スマートフォンが普及した今、アプリは貴重な顧客接点のひとつとなっています。アプリならではの機能であるプッシュ通知やクーポンの配信といった販促機能を活用することで、新規顧客獲得はもちろん既存顧客のリピート率も向上し売上アップが見込めます。アプリの配信サービスであるアプリストアは、iOS向けのApp StoreとAndroid向けのGoogle Playが代表的です。Apple社は、2022年時点でApp Storeで配信中のアプリは178万個であったと公表しています。いずれのアプリストアにおいても膨大な数のアプリが配信されており、競争は激化しています。せっかくリリースしたアプリが競合に埋もれユーザーの目に留まらないと、インストール数が伸びずに狙ったビジネス効果が得られません。
AppTweak社が2022年にアメリカのモバイルアプリを対象に行った調査によると、アプリストアでアプリのページを開いたユーザーがインストールに至るのは、App Storeで31%、Google Playストアで33%でした。70%近くのユーザーはアプリのページを見てもインストールせずに離脱してしまうのです。インストール数を増やすためには、ユーザーの目に留まり、アプリのページを開いたユーザーがインストールしたくなるような取り組みが必要です。アプリストア内における認知度を高めインストール数を増やすための取り組みを、ASO対策といいます。ASO対策はApp Store Optimizationの略で、アプリストア最適化と訳されます。ASO対策の目的は、アプリのインストール数を最大化し、より多くのユーザーに利用してもらうことです。アプリをインストールする際、約70%のユーザーはアプリストアから直接検索するといわれています。アプリストアからの検索以外にも、Web広告や紙媒体のQRコードからインストールするケースなどがあります。こういった広告などを経由する場合でも遷移先はアプリストアであるため、インストール数を増やすためにはASO対策が重要です。
ASO対策には、検索流入を増やすSEO(検索エンジン最適化)と、インストールを促進するCRO(コンバージョンレート最適化)の観点が重要視されています。アプリストアの検索は検索エンジンによるアルゴリズムによって制御されています。App StoreとGoogle Playのいずれにおいても検索結果表示に影響する代表的な要素は、キーワード、インストール数、利用率、レビュー数と評価点数です。また、興味をもってアプリのページを開いたユーザーを逃さずにインストールにつなげる工夫もASO対策に重要です。App StoreとGoogle Playには、キーワード欄の有無やアプリ名の文字数、アイコン画像のサイズ、レビューの表示仕様といった細かい違いも多くあります。ASO対策では、アプリストアごとの特徴を踏まえて最適化を行うことが大切です。
◎アプリのASO対策を行うメリット
ASO対策には多くのメリットがあります。ASO対策のメリットの1つ目は、ASO対策によってアプリストアからの検索による自然流入ユーザーが増加し、インストール数が増えることです。ASO対策によりインストール数が増加しアプリストアでのランキングがより上位になれば、ランキングを見たユーザーの更なる流入にもつながります。ASO対策において、アプリストアで検索するユーザーは購買意欲が高い良質なユーザーといわれています。悩みの解消などの目的をもって、自らの意思で能動的にアプリを探しているユーザーが多いためです。アプリストアで能動的に直接検索してインストールしたユーザーのことを、オーガニックインストールユーザーといいます。オーガニックインストールユーザーは、広告に促されてインストールしたユーザーよりも商品やサービスに対する購買意欲が高く、コンバージョンにつながりやすいのです。ASO対策はオーガニックインストールユーザーを増やすことで、インストール数の増加だけでなく売上向上にも寄与します。オーガニックインストールユーザーは継続率も高いといわれており、リピーター獲得にも有用です。
ASO対策によって継続率を高めることで、LTV(顧客生涯価値)が高まることもASO対策の大きなメリットです。LTVは顧客が自社との取引開始から終了までの間にどれだけの利益をもたらすかを表す数値で、マーケティングにおいてビジネスの収益性アップのために重要視されています。また、ASO対策はコスト面でもメリットがあります。ASO対策により、広告経由でアプリストアにたどり着いたユーザーのインストール数を増やすことができます。ASO対策を行うことで広告経由のインストール数が増加しコンバージョン率が改善すると、広告の費用対効果が高まります。広告の費用対効果が高まれば無駄な広告費を削減できるため、ASO対策はコスト削減の面でも大きなメリットがあるのです。
◎アプリの効果的なASO対策のポイント
ASO対策は、インストール数を増やしコスト面でもメリットがあります。効果的なASO対策を行うことで、アプリを最大限活用しビジネス成果につなげましょう。効果的なASO対策を行うためのポイントをご紹介します。
〇最適なキーワードを選定する
ASO対策では最適なキーワードを選定することが最も重要です。ASO対策として最適なキーワードを選定するためには、事前にアプリのテーマや目的、具体的で詳細な顧客像であるペルソナを明確に定義しておくことが大切です。キーワードを選定する際は、まず軸となるキーワードを決めましょう。キーワード選定にはさまざまなツールがあり、最も代表的なツールがGoogleキーワードプランナーです。Googleキーワードプランナーを使うと、キーワードの調査やキーワードごとの月間検索ボリュームを確認することができASO対策に役立ちます。こういったツールを活用しながら、ペルソナが検索しそうなキーワードを抽出し、サジェストワード、関連キーワード、口コミやSNSの情報で投稿が多いキーワードなどをもとに膨らませていきます。候補となるキーワードでアプリストアを検索し、競合となるアプリを調査することも大切です。ASO対策として最適なキーワードを選定する際のポイントとして、競争が激しくないキーワード、かつアプリと親和性の高いキーワードを選定することがあげられます。こういった観点の両方をバランスよく満たすことが効果的なASO対策につながるのです。
〇キーワードをアプリストアごとに最適化する
アプリストアにおける検索結果の表示順位が決まる要素は、アプリストアごとに異なります。キーワードが選定できたら、検索アルゴリズムを考慮してアプリストアごとにASO対策を行い最適化しましょう。App Storeの場合は、タイトル・サブタイトル・キーワード、Google Playの場合はタイトル・説明文・被リンクの要素がとくに重要です。ASO対策では、これら3つの要素すべてにキーワードをバランスよく配置することがポイントです。Google Playでは明示的なキーワード欄は設けられていませんが、アプリの説明文からキーワードがピックアップされ検索結果表示に影響します。Googleにキーワードとしてピックアップされるよう、キーワードは説明文に5回以上登場させるとASO対策として効果的です。
〇シンプルで目立つアイコン画像を作成する
アプリストアの検索結果が一覧表示された際に、ユーザーがまず目にするのがアプリのアイコン画像です。人間の脳は文章よりも視覚情報をより素早く処理するといわれており、アイコンのデザインはインストール率に大きく影響することからASO対策が必要です。ASO対策に効果的なアイコン画像の条件として、シンプルであること、過剰な視覚要素がないこと、カテゴリーに合った雰囲気かつ競合の中で目立つバランスの良さが重要です。カメラに関連するアプリであればカメラを想起させるデザインの画像にするといったように、アイコンを見ただけでどういったアプリかユーザーに伝えられるアイコン画像を作成しましょう。ASO対策におけるアイコン画像の最適化には、A/Bテストの実施が役立ちます。A/Bテストとは、バナーやWebサイトなどを最適化するテスト手法のひとつです。Aパターン、Bパターン、もしくはそれ以上の複数のパターンを用意してランダムにユーザーに表示させ、パターンごとの成果を検証することで最適化を行えます。複数のアイコン画像を同時並行で評価できるので、ASO対策としてより成果につながるアイコン画像を選定できます。
〇スクリーンショットや紹介動画を活用する
スクリーンショットはアプリページに占める表示面積が大きく、アプリの印象を左右します。機能や特徴が伝わるスクリーンショットを作成することで、効果的なASO対策を行えます。スクリーンショットでは、主な機能や得られるメリット、使用感などを、簡潔でキャッチ―なメッセージを入れて表現しましょう。アプリの画面キャプチャをそのまま載せるのではなく、画面キャプチャにテキストを追加して情報を補足したほうがASO対策に有効です。スクリーンショットの枚数は、App Storeでは10枚、Google Playでは8枚まで載せることができます。ASO対策において、スクリーンショットは最初の2枚がとくに重要とされているため、より訴求性の高い説明画像を最初に載せると効果的です。ASO対策としては、スクリーンショットの枚数が多ければ多いほどインストール率が増えるわけではありません。アイコン画像と同様に、A/Bテストを行ってスクリーンショットの枚数や構成を調整し最適化しましょう。なお、スクリーンショットの掲載欄には動画も載せることができます。アプリの操作方法やコンセプトを紹介するプレビュー動画を作成することで情報量を増やし、更にインストールを促進できるため、効果的なASO対策です。
〇レビューの促進と誠実な返信対応で評価を高める
アプリストアでのレビューと評価はユーザー心理に大きく影響するため、ASO対策ではレビュー対策も重要なポイントです。アプリをインストールする前に約79%のユーザーが事前にレビュー内容を確認する、レビュー評価が5段階中3であった場合、評価を見たユーザーの2人に1人がインストールを躊躇するといわれています。レビュー数や評価はアプリストアでの検索結果表示の順位にも影響を与えるため、ASO対策でも重要視されています。ASO対策としてレビューへの誠実な返信を行うことで、評価を高めます。ネガティブなレビューにはとくに積極的に対応を行い、ユーザーの不満を解消できるように行動しましょう。ユーザー心理として、ポジティブなレビューよりもネガティブなレビューのほうが投稿されやすいといわれています。ポジティブなレビューを促進するために、アプリ内のメッセージを活用してレビュー投稿を促進する取り組みもASO対策に有効です。アプリで商品のお気に入り登録や購入といったポジティブな行動をとったユーザーに対して、ポップアップ表示でレビュー投稿を促し、レビュー数や評価を向上させましょう。
〇ASO対策の定期的な検証・改善を継続して行う
ASO対策の定期的な効果測定と改善を行い、ASO対策をブラッシュアップしていくことが重要です。キーワードごとの順位やインストール率の推移、実際にインストールしたユーザー層の分析などを行いましょう。インストール数が増えたことにより、当初想定していたユーザー層とは別のユーザー層の興味も得られていることがわかるケースもあります。ASO対策では、分析結果を踏まえてペルソナやキーワードや説明文のブラッシュアップ、画像の差し替えなどを行い、定期的な検証と改善の取り組みを継続することが大切です。Web広告運用をはじめWebマーケティングに関する知見と実績が豊富なYTC・PLUSでは、スマホアプリの開発も承っております。Webマーケティングの観点から、ASO対策をはじめとする運用まで見通した使いやすいアプリの開発を安心してお任せいただけます。
◎まとめ
効果的なASO対策を行うことで、アプリのインストール数が増えビジネス成果につながります。キーワードツールなどの便利なツールも有効活用しながらASO対策を行い、検証と改善を継続してASO対策をブラッシュアップしていくことが大切です。ASO対策をはじめとする運用まで見通したスマホアプリの開発は、Webマーケティングに強い当社まで是非ご相談ください。