ITコラム
ネットで変わる生鮮流通~産地直送ビジネスの最前線~
卸売市場経由率の減少
青果、鮮魚、精肉などの生鮮食品は、全国の農家から、卸売市場を経由して、スーパーや飲食店に卸されている。日本には、66(H27)の中央卸売市場と、1105(H25)の地方卸売市場が整備されており、これにより、私たちは毎日安定して生鮮品を手することが出来る。
しかし、今、インターネットの登場により、卸売市場を通さない流通経路が拡大してきている。
卸売市場経由率を見てみると、青果はH15の93.2%からH24には85.1%に、水産物はH10の71.6%からH24には53.4%まで減少している。
産地直送によって、小さな飲食店・小売店でも、こだわりの食材を簡単に仕入れることが可能になり、
流通段階が減ることでコスト削減効果ももたらしている。
インターネットの進化により、新たなビジネスが伸びている。
フード業界のeマーケットプレイス
eマーケットプレイスとは、インターネット上に作られた企業間取引所のこと。
流通コストや中間マージンなどの余分なコストが削減できる。
流通コストや中間マージンなどの余分なコストが削減できる。
フード業界のeマーケットプレイスを運営する最大手の上場企業が、インフォマートである。
ここでは、食材を買いたい飲食店と、売りたい生産者をネットで繋ぎ、さまざまな食材を取引することができる。
※インフォマートのウェブサイトより
例えば、カンブリア宮殿では、こんな事例を紹介している。
「インフォマートの場を使うことで、銀座のしゃぶしゃぶ屋が、こだわりの豚肉を作る新潟の食肉メーカーと出会えた。銀座という競争の厳しいエリアで、差別化できる食材を手に入れられるメリットは大きい。」
※写真はGINZA 春夏秋豚より
2015年12月末時点で、売り手企業31,836社、買い手企業7,192社が利用するフード業界最大のBtoBプラットフォームである。
※インフォマート決算説明会資料より
料金プランは以下のようになっている。2015年4月。
売り手企業 | 買い手企業 |
---|---|
セットアップ費用:
30万円~100万円(店舗数に応じて)
月額システム利用料:
本部…18,000円、店舗…1,300円
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月額システム利用料:
・定額制…30,000円
・従量制…1.2%
|
鮮魚のアマゾン
「鮮魚×IT」で、鮮魚の流通に革命を起こしているベンチャー企業が、八面六臂である。
※日経ビジネスオンラインより
前者が「フード業界の楽天」なら、こちらはさながら「鮮魚のアマゾン」である。
流通段階を減らすことで、コスト削減効果や、小さな飲食店・小売店も、こだわりの食材を仕入れることができるシステムを提供している。
※八面六臂ウェブサイトより
累計取引店舗数は、2014年12月で1000店舗を突破。
※八面六臂プレゼン資料より
未上場で、2015年は赤字であるが、ベンチャーキャピタルからの出資を受けており、
日経新聞などのメディアにも多数登場する、期待の大きいベンチャー企業である。
2007年設立
2013年10月 1.5億円の第三者割当増資
2014年7月 4.5億円の第三者割当増資
2014年7月 4.5億円の第三者割当増資