EC-CUBEコラム
商社における受発注システムの導入メリットと選び方
受発注システムの導入は、さまざまなビジネス領域において大きな業務改善効果が見込めます。商社における受発注システムの導入にも多くのメリットがあります。この記事では、商社に受発注システムを導入するメリットと選び方のポイントをご紹介します。
目次
◎商社の果たす役割
商社とは、非常に多岐にわたる商品やサービスを取り扱い、国内外での取引や投資を通じて総合取引業を展開するビジネス形態の企業です。商社が取り扱う商材は、食品や金属、機械、繊維、エネルギー資源など、産業の基盤を支える原材料があります。単なる商品の供給だけでなく、金融サービス、物流、情報サービス、技術支援など多岐に渡ります。商社は、これらの原材料を世界中から買い付け、メーカーや加工業者へ販売することで、製品の供給チェーンを支える重要な役割を果たしています。
これにより、商社は取引先のニーズに応じた総合的なソリューションを提供できるため、単なる中間業者ではなく、ビジネスパートナーの位置付けといえます。商社が提供するサービスには、リスク管理や資産運用、M&Aの支援、プロジェクトマネジメントなども含まれています。商社は、国内外を問わず幅広い取引先と積極的に関係を築いています。グローバルな視点を持つ商社は、海外の市場動向や法規制、文化的背景に精通しており、それに応じた戦略を立てて取引を行います。とくに、海外における事業展開や現地企業との提携においては、商社のネットワークとノウハウが活用されています。このような国際取引の展開により、商社は世界中のサプライチェーンにおいて中心的な役割を担っているのです。
卸売業と商社の業態は一見似ていますが、商社は単に原材料を仕入れて販売するだけではなく、より幅広い商材やサービスを取り扱い、戦略的な投資や国際取引を積極的に行う点で異なります。卸売業が商流と物流を主に担当するのに対し、商社は商流のみに焦点を当て、取引の円滑化やリスク管理に重きを置いています。商社は、メーカーやほかの企業と密接な連携を保ちながら、供給チェーン全体を支える重要な役割を果たしています。
◎商社の受発注業務が抱える課題
幅広い商材を取り扱い、国内外問わず数多くの業者とBtoB取引を行う商社は、ビジネスモデルの複雑さゆえに、サプライチェーンも複雑な構造を持っています。商社の受発注業務は、取引量や金額規模が非常に大きいだけでなく、いくつかの重要な課題にも直面しています。まずあげられる課題は、サプライチェーンの複雑性から生じる納期管理の難しさです。商社は多種多様な商品を取り扱うため、各取引先ごとに異なる納期や条件に対応する必要があり、効率的に管理することが求められます。とくに、海外取引では輸送時間や関税手続きなどが加わり、納期管理はさらに複雑になります。納期の遅延は顧客との信頼関係を損なうリスクがあるため、商社にとって重大な問題です。取り扱う商材の多さからくる在庫管理の難しさも大きな課題です。多岐にわたる商材を適切に管理し、過剰在庫や欠品を防ぐことは、商社の収益性や顧客満足度に直結します。在庫管理が不十分であると、無駄なコストが発生したり、供給不足によって取引機会を逃すリスクがあります。このため、正確で効率的な在庫管理システムの導入が求められます。
受発注業務のデジタル化やシステム間の連携不足も、商社が直面する大きな課題といえるでしょう。商社のなかには、電話やFAXといったアナログ手段で受発注を行ったり、取引先ごとに異なるシステムを使ってやり取りするケースが少なくありません。これらの方法は手作業が多く、入力ミスや情報伝達の遅れといったヒューマンエラーを引き起こす点が懸念されます。とくに、取引金額や数量の規模が大きい商社において、こうしたエラーは致命的であり、信頼性に大きな影響を与えてしまいます。アナログ処理を続けると、受発注業務に余計な運用コストがかかるだけでなく、全体的な業務効率を低下させる要因となりかねません。海外とのBtoB取引が多い商社では、各国の税関手続きや法規制の変化に迅速に対応する必要があります。そのため、国ごとの法規制に関する最新情報を常に把握し、受発注業務に反映させるための体制が不可欠です。規制対応を怠ると、違法な取引や罰金のリスクが生じるため、商社にとって大きなリスクマネジメントの課題といえます。
これらの課題を解決するためには、受発注業務のデジタル化やシステムの統合、在庫管理の自動化といったITソリューションの導入が不可欠です。これにより、業務の効率化が進み、ヒューマンエラーを減らし、コスト削減やビジネスのスピードアップが可能になります。また、法規制の変化に柔軟に対応できる体制を整えることで、リスクを最小限におさえつつ、信頼性の高い取引を実現できます。商社がこれらの課題を克服することで業務全体の効率化が進み、競争力の向上とともに、さらなるビジネスチャンスを掴めるでしょう。
◎商社に受発注システムを導入するメリット
商社の受発注業務が抱える課題を解決するためには、受発注システムの導入が効果的です。商社における受発注システムの導入には多くのメリットがあり、業務効率化におおいに役立ちます。
○受発注業務の効率化による人的コスト削減
商社における受発注作業は、電話やFAXといったアナログな手段がいまだ残っているケースが多いのが現状です。受発注システム導入の大きなメリットは、余計な運用コストがかかっているBtoBの受発注手段をデジタル化することで、受発注業務の負荷を軽減できることです。受発注システムを活用すれば、受発注担当者の人数や残業代といった人的コストを大幅に削減でき、他部門の人員強化など人材の有効活用にもつながります。さらに、受発注システムの導入によって、紙伝票などの書類を減らせることもメリットのひとつといえるでしょう。ペーパーレス化が進み、書類管理の手間や保管場所の削減にもつながります。
受発注システムの導入には、受発注業務の品質向上というメリットもあります。受発注件数の多い商社の受発注手続きをシステム化することで、受発注数量や金額誤りといったアナログ作業ゆえのヒューマンエラーを防ぎ、受発注業務の心理的な負担や属人化をなくすことにもつながります。また、受発注システムと既存システムとの連携による業務効率化も大きなメリットです。受発注システムを社内の既存システムや会計システムをはじめとする外部システムと連携することで、関連業務を含めた商社の業務全体を効率化できるのです。取引先ごとに個別のシステムがあったり、同じ情報を複数のシステムに手入力していたりといった状況を改善し、データによる自動連携や入力ができるようになれば、誤入力や入力漏れなどの単純ミスも防げます。
〇データ集約による在庫・納期管理の品質向上
受発注システムの導入により、受発注データを集約しリアルタイムで把握できるようになることも大きなメリットです。データが集約されることで、売上などの取引情報の集計や分析がしやすくなることはもちろん、在庫や納期管理の品質向上に役立ちます。取引先や扱う商材が多岐にわたる商社にとって、在庫や納期管理の精度向上は大きな課題です。受発注システムを導入すれば、システム上で最新の在庫情報を管理・共有できるようになるため、受発注業務において在庫や納期の確認を正確かつスムーズに行えます。
国内外の数多くの取引先を抱える商社には、取引データが多く集まります。受発注システムに集約・蓄積される取引データは、商社の貴重な情報資産になります。受発注システムの取引データを有効活用することで、取引先の傾向やニーズを把握することができ、効果的な営業戦略の策定や取引先との連携強化、新規開拓といった経営面での強い武器となるでしょう。
〇ビジネスチャンス拡大と確実な規制対応
受発注システムの導入は、海外を含めたBtoBのビジネスチャンス拡大にもつながります。受発注システムに他言語対応や各国の法規制を踏まえた設定を取り入れることで、海外向けのビジネス展開や税関をはじめとする法規制へ対応します。各国の法規制に変動があった際にも、受発注システムに反映させることで迅速かつ確実に規制変動にも対応可能です。国内外で幅広くビジネスを展開する商社の受発注業務において、法規制への確実な対応はコンプライアンス的にも重要な要素であり、受発注システム導入の大きなメリットのひとつといえるでしょう。
さらに、受発注システムは商社のビジネスチャンスを拡大するための重要なツールです。システムを活用することで、海外市場での新たな取引先や顧客層に迅速に対応できるため、ビジネスの成長を加速させます。多言語対応により、異なる言語や文化を持つ取引先との関係構築が深まり、国際的な商機を効果的に捉えることができます。法規制の変動に柔軟に対応することで、商社は新たな市場に迅速に適応し、競争の激しいグローバル市場での優位性を確保できます。受発注システムの導入は、商社にとって国際的なビジネスチャンスを最大化し、持続的な成長を実現します。
◎商社の受発注システムを選ぶポイント
商社において受発注システムを導入する際は、ポイントをおさえて最適な受発注システムを選ぶことが重要です。商社の受発注システムを選ぶポイントのひとつめは、使いやすいシステムであることです。受発注システムを導入する場合、自社はもちろん取引先にも使用してもらうことになります。円滑に導入・運用するためには、誰でも使いやすくわかりやすい受発注システムであることが大切です。
国内外でビジネスを展開する商社に導入する受発注システムには、海外向けのBtoBビジネスも意識した仕様が求められます。他言語対応や幅広い決済手段に対応しているかどうかをよく確認しておきましょう。さらに、柔軟にカスタマイズができる受発注システムであることも重要なポイントです。海外向けのBtoBビジネスでは避けて通れない各国の法規制への対応を細かくシステムに設定できるか、規制変動があった際もカスタマイズによりスピーディーに機能に反映できるか、といった観点も重視する必要があります。また、外部システムとの連携しやすさも受発注システム選びの重要な要素です。既存の社内システムと問題なく連携できる受発注システムを選びましょう。自社の業務や取引先の特性に合わせて、柔軟に機能のカスタマイズや外部システムとの連携ができる、BtoBの受発注システムを選ぶことがポイントです。
最後に、受発注システムの導入と運用にかかるコストやサポート面も重要です。初期費用に加えて、月額や年額費用、オプション費用などを含めたトータルコストで比較検討を行いましょう。なお、受発注システム導入後は長期に渡り運用していくことになります。そのため、運用後の問合せ窓口やアフターフォローが充実しているかといった観点も大切です。商社に導入する受発注システム選びのポイントを踏まえ、運用まで見据えた費用対効果をよく検討したうえで自社に最適な受発注システムを選びましょう。
◎商社に最適なBtoBの受発注システムならEC-CUBE
EC-CUBEは国内シェアトップを誇る国産オープンソースのECプラットフォームで、カスタマイズ性と拡張性の高さが大きな特徴です。EC-CUBEなら、自社の業務に合わせてあらゆる機能のカスタマイズや外部システム連携を実現でき、BtoBの受発注システム構築にも柔軟に対応できます。
EC-CUBEは、BtoBのECサイト構築に特化したEC-CUBE B2Bというパッケージも提供しています。商社の受発注システムをはじめとするBtoBのECサイトは、EC-CUBE B2Bでの構築を推奨します。EC-CUBE B2Bは、従来のEC-CUBEにある豊富なECサイト機能はもちろん、商社の受発注システムに必要な機能も網羅しています。具体的には、見積書の発行や取引先ごとの価格設定をはじめとするB2BのECサイトに必要な機能が標準搭載されており、スムーズに商社の受発注システム導入を実現できます。EC-CUBE B2Bはカスタマイズ性が高いため、独自の機能の作り込みや外部システムとの連携も自由自在に行えることも魅力です。EC-CUBE B2Bは、海外向けBtoBビジネスを意識した他言語対応や、決済手段も充実しています。EC-CUBE B2Bには、EC-CUBEの公式決済サービスであるEC-CUBEペイメントが標準搭載されています。世界各国で利用できるさまざまな決済方法から選択できるため、利便性が高い受発注システムを構築することが可能です。
EC-CUBE B2Bなら、商社の受発注システムに必要な機能を簡単に導入でき、海外向けBtoBビジネスを意識した柔軟なカスタマイズも行えます。商社の受発注システム構築には、高機能・低コストで使いやすいEC-CUBEが最適です。
◎まとめ
商社における受発注システムの導入はメリットが多く、業務効率化につながります。商社の受発注システム構築には、高機能・低コストで使いやすいEC-CUBEが最適です。EC-CUBEを用いたBtoBの受発注システム導入のご相談は、神奈川県最高ランクのEC-CUBEインテグレートパートナーである当社までお問い合わせください。