EC-CUBEコラム
製造業における受発注システムの導入メリットと選び方
受発注システムの導入は、業務改善効果が高い取り組みのひとつです。製造業においても、受発注システムを導入することでさまざまなメリットが得られます。この記事では、製造業に受発注システムを導入するメリットと選び方のポイントをご紹介します。
目次
◎製造業の役割と機能
製造業は、原材料や部品などを仕入れ、加工や組立てを行い製品として販売する業態のビジネスです。製造業が扱う製品は幅広く、食品や日用品、電子機器、医薬品、自動車などさまざまな製品を製造します。製造業の種類には、大きく分けて素材メーカーと加工・組立てメーカーがあります。素材メーカーはサプライヤーとも呼ばれ、紙や金属、繊維、化学原料、食品原料などの素材のみを製造販売し、加工・組立てメーカーに供給する役割を担っています。そして、加工・組立てメーカーは、サプライヤーである素材メーカーから仕入れた素材をもとに製品を製造し販売します。
製造業は、BtoBを中心とするビジネスです。自動車など大きな製品を扱うことも多い製造業では、数多くの素材や部品を必要とする製品ほど、複数のサプライヤーとメーカーが階層化した複雑な構造であることが特徴です。また、製造業における原材料の調達から加工・組立て、販売までの一連のプロセスをサプライチェーンと呼び、サプライチェーン上には数多くの取引先が関係しています。製造業の会社組織そのものも、サプライチェーンに対応する形で、営業や生産管理、調達、商品企画、製造設計、品質管理などといったさまざまな部門で成り立っており、多くの人材を必要とすることも特徴といえるでしょう。
◎製造業の受発注業務が抱える課題
製造業においては、製造業の根幹をなすサプライチェーンをいかに効率化するかといった観点がきわめて重要です。サプライチェーンに関わるあらゆるコストを適切に管理し、最適化する手法をサプライチェーンマネジメント(SCM)といいます。サプライチェーンに無駄があると、製造コストの上昇や生産期間の長期化といった影響がでるため、製造業のビジネス損失に直結します。そのため、製造業においてはSCMを意識し改善していく取り組みが重要なのです。
製造業においてSCMを向上させるためには、一連の業務に無駄がないかを洗い出し、ひとつひとつ改善していく必要があります。なかでも、製造業の受発注業務には、製造業のビジネスの特徴から多くの課題があるといわれています。製造業は、数多くのサプライヤーやメーカーが階層化した複雑な構造で成り立っています。こういった特徴から、BtoBの取引先が多岐にわたり、受発注業務の運用コストが大きくなっています。さらに、製造業では電話やFAXといったアナログな手段での受発注手続きがいまだ主流となっており、受発注業務にかなりの手間がかかっているのが現状です。取引先ごとの個別調整が必要になることも多いことから、特定の受発注担当者しか把握していない作業があるなど属人化しているケースも見られ、製造業における受発注業務の効率化の足かせとなっています。また、製造業では大量の素材や高額な製品を扱うことも多く、受発注金額の規模も大きくなります。そのため、金額誤りや数量誤りといったアナログでの受発注作業ゆえのヒューマンエラーは致命的です。
さらに、製造業をとりまく環境変化として、顧客ニーズの多様化があげられます。従来の大量生産・大量消費の時代から、他品種・少量生産が求められるように変わってきており、需要予測が難しく生産管理や在庫最適化にも課題があります。さまざまな課題を抱えている製造業の受発注業務は、SCM改善を考えるうえで重要なポイントになります。製造業の受発注業務を効率化することで、SCMを改善し大きなビジネス効果を得ることにつながるでしょう。
◎製造業に受発注システムを導入するメリット
製造業の受発注業務が抱える課題を解決するためには、受発注システムの導入が効果的です。製造業における受発注システムの導入には多くのメリットがあります。
○受発注作業の自動化による人的コスト削減
製造業における受発注作業は、現状では電話やFAXといったアナログな手段が主流となっています。受発注システムの導入によりBtoBの受発注手段をデジタル化することで、受発注業務の作業負荷が軽減できるという大きなメリットがあります。受発注システムの活用によって、受発注担当者の人数や残業代を含めた作業時間といった人的コストを削減できるのです。受発注担当者の人数や手間を削減できれば、ほかの部門の人員配置を強化するなど人材を有効活用することもできます。社内のさまざまな部門によって支えられている製造業にとって、人材の有効活用は経営面でも大きなメリットとなるでしょう。
また、受発注システム導入には受発注作業の品質向上というメリットもあります。受発注システムを活用することで、これまで特定の担当者頼みになっていた取引先ごとの情報や個別調整の対応を自動化できます。自動化によって、受発注数量や金額誤りなどアナログ作業では防ぎきれなかったヒューマンエラーをなくし、受発注担当者の心理的な負担や属人化を減らすことにもつながります。ほかにも、受発注システムを導入することで紙伝票などの書類を大幅に減らせることもメリットのひとつです。ペーパーレス化がすすみ、書類管理の手間や保管場所の削減といった効果も見込めます。
〇データ集約による生産管理の品質向上
受発注システムの導入により、受発注データを集約しリアルタイムで把握できるようになることも大きなメリットです。売上をはじめとする取引情報の集計や分析が容易になることはもちろん、生産管理の品質向上にもつながります。受発注システムによって最新の在庫情報を管理・表示できるため、受発注手続き時の在庫確認や出荷指示もスムーズに行えるようになり、在庫予測の精度向上や在庫最適化に寄与します。アナログでの受発注業務で発生していた、入れ違いによる在庫不足や過剰在庫の防止にも役立ちます。さらに、取引データを有効活用すれば取引先の傾向やニーズを把握しやすくなり、効果的な営業戦略を策定するための有益な情報となるでしょう。
〇取引先を含めたSCM改善による製造コスト削減
受発注システムの導入には、自社を中心に取引先を含めた製造業全体のSCMを改善し、結果として製造コストの削減が期待できるというメリットもあります。受発注システムを導入する場合、自社のみならず取引先にも受発注システムを利用してもらうことになります。受発注システムを利用することで、取引先としても営業日や営業時間を気にせずに受発注処理を行うことができるようになり、取引先の利便性が向上します。また、在庫数や納期といった情報も取引先自身で受発注システムから確認できるため、こういったお問い合わせが減り、自社と取引先の双方の対応コストを減らす効果が見込めます。
製造業における受発注システムの導入には、受発注に関連する自社の他業務を効率化できるメリットもあります。受発注システムを会計システムや社内の既存システムなどの外部システムと連携することで、受発注業務の上流や下流にある関連業務も円滑にすすめられるようになります。受発注システムと外部システムの連携により、受発注データの自動入力が可能になるのです。こういった理由で、外部システムへの手入力作業の削減や、誤入力や入力漏れの防止といった効果もあります。製造業における受発注システムの導入は、受発注業務を中心に取引先や自社の関連業務まで、製造業のサプライチェーン全体の効率化に役立ちます。その結果、製造リードタイムの短縮、さらには製造コスト削減につながります。
◎製造業の受発注システムを選ぶポイント
製造業において受発注システムを導入する際は、ポイントをおさえて最適な受発注システムを選びましょう。まず、製造業の受発注システムを選ぶポイントは、使いやすくわかりやすいシステムであることです。受発注システムは、自社だけでなく取引先にも使用してもらうことから、円滑な導入・運用には誰でも使いやすい受発注システムであることが重要です。同様に、運用後の問合せ窓口やアフターフォローが充実しているかといった観点も重視しましょう。
柔軟にカスタマイズができるかどうかも、製造業の受発注システムを選ぶポイントです。カスタマイズに制約がある受発注システムの場合、システム化しきれずに手作業での対応が一部残ってしまい、受発注業務効率化の妨げとなりかねないでしょう。また、外部システムとの連携しやすさも重要です。既存の社内システムと問題なく連携できるかどうか、受発注システムの開発元やサポート窓口へのお問い合わせを通してよく確認しておきましょう。自社の業務や取引先の特徴に合わせて、機能や外部システムとの連携を柔軟にカスタマイズできるBtoBの受発注システムを選ぶことが大切です。
製造業の受発注システムを選ぶポイントとして、受発注システムの導入と運用にかかるコストも重要です。初期費用はもちろん、月額や年額費用、オプション費用などを含めたトータルコストで比較することが大切です。運用まで見据えた費用対効果のバランスをよく比較検討し、最適な受発注システムを選びましょう。
◎製造業にはEC-CUBEを用いたBtoBの受発注システム
EC-CUBEは、国産オープンソースのECプラットフォームで国内シェアトップを誇ります。EC-CUBEの最も大きな特徴は、カスタマイズ性と拡張性が高いことです。EC-CUBEなら、自社の業務に合わせたあらゆる機能のカスタマイズや外部システム連携も自由自在で、BtoBの受発注システム構築にも柔軟に対応できます。
製造業の受発注システムをはじめとするBtoBのECサイト構築にとくにおすすめのプラットフォームが、EC-CUBEが提供するBtoBのECサイト構築に特化したパッケージであるEC-CUBE B2Bです。EC-CUBE B2Bは、従来のEC-CUBEにある豊富なECサイト機能に加えて、製造業の受発注システムに必要な機能を網羅しています。具体的には、見積書の発行や取引先ごとの価格設定をはじめとするB2BのECサイトに必要な機能が標準搭載されているため、製造業の受発注システム導入をスムーズに実現できます。EC-CUBE B2Bはカスタマイズ性が高いため、自社に合わせた機能の作り込みや外部システムとの連携による既存の社内システム活用も容易です。さらに、EC-CUBE B2Bは決済手段も充実しています。EC-CUBE B2BにはEC-CUBEの公式決済サービスであるEC-CUBEペイメントが標準搭載されているため、取引先がさまざまな決済方法から選択でき利便性が高いことも魅力です。
EC-CUBE B2Bなら製造業の受発注システムに必要な機能を簡単に導入できるだけでなく、自社の業務に合わせて柔軟にカスタマイズできるのです。製造業の受発注システムは、高機能・低コストで使いやすいEC-CUBEが最適です。
◎まとめ
製造業における受発注システムの導入には多くのメリットがあり、業務効率化の強力な武器となります。製造業の受発注システム構築には、高機能・低コストで使いやすいEC-CUBEが選ばれています。EC-CUBEを用いたBtoBの受発注システム導入のご相談は、神奈川県最高ランクのEC-CUBEインテグレートパートナーである当社までお問い合わせください。