EC-CUBEコラム
卸売業における受発注システムの導入メリットと選び方
受発注システムの導入は、さまざまな分野のビジネスにおいて業務改善に役立ちます。卸売業も例外ではなく、卸売業における受発注システムの導入には多くのメリットがあります。この記事では、卸売業に受発注システムを導入するメリットと選び方のポイントをご紹介します。
目次
◎卸売業の役割と機能
卸売業は、商品を大量に仕入れ、小売業者や他企業に卸すことで流通を担う業態のビジネスです。メーカーや生産者からの大量の仕入れに加えて、商品を倉庫で安全に保管し迅速に出荷できるよう整備することも卸売業の仕事のひとつといえます。さらに、物流においても重要な機能を担っており、仕入れた商品を小売業者や企業に配送するためのトラックや配送網といった物流インフラの整備を行い、数多くの業者と取引を行って商品を販売します。
卸売業が扱う商品は幅広く、食料品や生活用品から電子製品、医薬品、建築資材まで、実にさまざまです。幅広い商品を扱うことから、卸売業の取引先は多岐に渡ることも特徴です。卸売業が提供するサービスを通じて小売業者や企業は商品を調達し、消費者に販売します。そのため、卸売業は人々の生活になくてはならない存在であり、消費者に商品を届ける中間業者としてサプライチェーン上においても重要な役割を担っているのです。こういった卸売業の特徴から、卸売業には円滑な流通と安定供給を維持することが求められています。
◎卸売業の受発注業務が抱える課題
卸売業は取扱う商品の幅が広く、数多くの業者と取引を行うことから、サプライチェーンが複雑です。そのため、卸売業は受発注業務に対し、さまざまな課題を抱えています。まずひとつめの課題が、サプライチェーンが複雑であるため、在庫や価格、物流面などの調整が大変であることです。取引先に応じた価格調整や適切な在庫管理、配送管理など、数多くの取引先に対して個別の対応が必要となる場合が多く、受発注業務が複雑になる傾向があります。卸売業ではこういった取引先ごとの情報を部門単位で管理しているため、全社で情報連携できていないことも多く、業務効率化を妨げる一因となっています。
さらに、取引先ごとの個別対応や細かな配慮が必要なことから、卸売業の受発注業務においては電話やFAXといったアナログな手段がいまだ主流となっています。手作業や紙媒体でのやりとりなどアナログな商習慣が多く残っており、受発注業務のために多くの担当者やオフィススペースの確保が必要なことや、経験の長い担当者しか把握していない情報があるなど属人化に陥りやすいことも大きな課題です。
こういった背景により、卸売業における受発注業務は運用コストが高く、人手での作業が追いつかないため受発注数を制限するなどといったビジネス機会の制限や取りこぼしも多く発生しているのが現状です。課題を解決できれば、卸売業における受発注業務の効率化につながり、大きなビジネス効果が得られます。
◎卸売業に受発注システムを導入するメリット
卸売業に受発注システムを導入することで、多くの課題を解決することができます。卸売業における受発注システムの導入にはさまざまなメリットをもたらし、業務効率化におおいに役立ちます。
○受発注作業の自動化による負担軽減
卸売業における受発注作業は、電話やFAXといったアナログな手段が多く使われているのが現状です。受発注システムを導入しデジタル化することで、作業負担を大幅に軽減できます。受発注システムの導入には、受発注作業にかかる人員や作業時間といった人的コストの削減というメリットをもたらします。受発注担当者の人数や残業代を削減し、必要に応じてほかの業務に配置することで、限られた人材を効率的かつ効果的に活用できます。また、受発注システムを導入することで紙伝票などの書類を大幅に減らせることも大きなメリットです。ペーパーレス化がすすめば、書類管理の手間や保管場所の削減などオフィススペースの有効活用にもつながるでしょう。
〇取引先ごとの設定で受発注作業の品質向上
受発注システム導入には、取引先に応じた個別の対応がスムーズにできるようになり、作業品質が向上するというメリットもあります。受発注システムを活用すれば、取引先ごとに表示させる商品や卸価格を設定したり、選択可能な決済手段をシステム上で出し分けたりすることができます。これまで人手や担当者の記憶に頼って管理していた取引先ごとの情報や調整を、受発注システムに任せられるのです。そのため、アナログ作業ゆえの数量や金額のミスなどの致命的なヒューマンエラーを減らせるほか、担当者が不在でわからず業務をすすめられないといった状況をなくすことができます。
〇受発注機会の増加による売上向上
受発注システムを導入する場合、自社だけではなく取引先にも受発注システムを使用してもらうことになります。受発注手続きの手段が電話などアナログな手段に限られていると、取引先としても卸売業者の営業時間を気にして発注処理をしなければなりません。しかし、受発注システムの導入によって、いつでもどこからでも受発注を行うことができるようになり、取引先の利便性も大きく向上します。受発注システムがあれば、購入したいタイミングを逃さず、結果として受発注機会が増加し売上向上が見込めるのです。また、取引先が在庫数や納期などを確認したいときでも、受発注システムを使って取引先自身で情報を確認できるようになります。その結果、問い合わせを減らすことができ、卸売業者と取引先の双方に利便性向上と業務効率化のメリットがあるといえるでしょう。
〇受発注データをリアルタイムで把握
受発注にかかわるデータを一元管理し、リアルタイムで把握できるようになることも受発注システム導入の大きなメリットです。売上をはじめとする取引情報の集計や分析を容易に行えるようになり、データ活用や環境整備につながります。取引データを有効活用して取引先の傾向やニーズを把握しやすくなり、在庫予測や在庫最適化はもちろん、効果的な営業戦略の策定にも役立ちます。受発注システムの導入によるデータの集約と活用は、取引先との連携強化や新規開拓など経営面でも強い武器となるでしょう。
〇外部システム連携により受発注関連業務も効率化
受発注システム導入によって、受発注業務のみならず関連するほかの業務も効率化できます。受発注システムを社内の既存システムや物流システム、会計システムなどの外部システムと連携することで、関連業務も円滑に進めることができるようになります。受発注システムと外部システムを連携すれば、これまで受発注書類をもとに外部システムに手入力していた情報をデータで自動入力できる、入力漏れによるミスを防げる、といった観点でもメリットがあります。受発注システムの導入は、受発注業務を中心に卸売業の業務全体の効率化につながるのです。
◎卸売業の受発注システムを選ぶポイント
卸売業において受発注システムを導入するにあたり、まずは自社における現状の業務フローや取引先ごとの商習慣を洗い出すことが大切です。そのうえで、卸売業の受発注システムを選ぶ際にはいくつか意識しておきたいポイントがあります。
受発注システムを選ぶひとつめのポイントは、取引先ごとに柔軟なカスタマイズや設定ができるかどうかです。卸売業の特徴である数多くの取引先に応じた個別の対応を細かく反映できる受発注システムを選びましょう。また、外部システムとの連携しやすさも受発注システムを選ぶ重要なポイントです。既存の社内システムや物流システム、会計システムなどとスムーズに連携できるかといった観点を重視しましょう。連携可否や連携方法について確認する際は、システムの専門的な知識が必要になることも多いです。受発注システムの開発元や製品のサポート窓口への問い合わせなどを通じて詳細を確認し、疑問や不安な点を解消しておくことが大切です。
受発注システムの使いやすさも、卸売業の受発注システムを選ぶ大事なポイントです。受発注システムを導入した場合、自社はもちろん取引先にも使用してもらうことになります。そのため、スムーズな導入と運用には、わかりやすく使いやすい受発注システムであることは必須の条件といえるでしょう。また、受発注システムを利用するなかで不明な点がでてきた際の問合せ窓口などサポート面が充実していることも大切です。
受発注システムにかかるコストも重要です。初期費用に加えて、月や年単位で発生するランニングコスト、オプション機能の料金などを含めたトータルコストを確認しましょう。どれほど業務効率化の効果が高い受発注システムであっても、運用コストが膨らみ継続利用が難しいようでは本末転倒です。中長期的な費用対効果のバランスを検討したうえで、自社に合った最適な受発注システムを選びましょう。
◎卸売業の受発注システムにはEC-CUBE
EC-CUBEは国内シェアトップを誇る国産オープンソースのECプラットフォームで、カスタマイズ性と拡張性が高いことが大きな特徴です。EC-CUBEなら自社の業務に合わせたシステム構築や外部システムとの連携にも柔軟に対応でき、低コストでオーダーメイドの受発注システムを構築できます。
EC-CUBEは、BtoBのECサイト構築に特化したEC-CUBE B2Bというパッケージを提供しています。EC-CUBE B2Bは、従来のEC-CUBEにある豊富なECサイト機能にプラスして、卸売業の受発注システムに必要な機能も網羅されています。具体的には、見積書の発行や取引先ごとの価格設定をはじめとするB2BのECサイトに必要な機能が標準されており、スムーズに卸売業の受発注システムを導入できます。また、EC-CUBE B2Bはカスタマイズ性が高いため、外部システムとの連携も容易に実現できることも魅力のひとつです。EC-CUBE B2Bは決済手段も充実しており、EC-CUBEの公式決済サービスであるEC-CUBEペイメントが標準搭載されているため、取引先がさまざまな決済方法から選択でき、利便性が高く請求管理業務もしやすくなっています。
EC-CUBE B2Bを利用することで、卸売業の受発注システムに必要な機能と決済システムを簡単に導入でき、自社の業務に合わせてあらゆる機能のカスタマイズが行えます。高機能・低コストで使いやすい受発注システムを実現できるEC-CUBEは、卸売業に導入する受発注システムの構築に最適です。
◎まとめ
卸売業への受発注システム導入にはさまざまなメリットがあり、業務効率化に大きく寄与します。卸売業の受発注システム構築には、高機能・低コストで使いやすいEC-CUBEがおすすめです。EC-CUBEを用いた受発注システム導入のご相談は、神奈川県最高ランクのEC-CUBEインテグレートパートナーである当社までお気軽にお問い合わせください。