EC-CUBEコラム
ユーザー行動を見える化!ECサイトにおけるヒートマップ活用のポイント
ユーザー行動を見える化!ECサイトにおけるヒートマップ活用のポイント ECサイトで成果を出すためにはユーザー行動の理解が重要です。ユーザー行動分析に有益なツールのひとつがヒートマップです。ヒートマップはユーザー行動を視覚的なデータで表現できます。この記事では、ヒートマップの基本とECサイトに活用するメリット、ヒートマップを活用したユーザー行動分析のポイントをご紹介します。
目次
◎ヒートマップの種類と特徴
ヒートマップは、データを視覚的に表現する分析手法のひとつです。ヒートマップを使うことで、ECサイトのクリックやスクロールといったユーザーの行動を色の濃淡や図形でわかりやすく表現できます。ヒートマップは、ECサイトにおけるユーザーの行動を可視化してECサイトの分析と改善に役立てることができ、ECサイトの運用において今注目を集めているツールのひとつです。
ヒートマップによって可視化できる情報には、熟読エリア、終了エリア、クリックマップといった大きく分けて3つの情報があります。熟読エリアは、ECサイトのページのなかでユーザーによく読まれているエリアを色の違いで表現できます。赤色で表示されるエリアはよく読まれている箇所、緑や青色といった寒色のエリアほど読み飛ばされている箇所であり、ECサイト上でユーザーが関心を寄せている領域を把握することができます。ユーザーの目の動きとマウスの動きには80%の相関があるといわれており、ヒートマップツールはユーザーのマウスの動きをトラッキングすることで熟読エリアを判別しています。
終了エリアは、ECサイトのページのなかでユーザーがどの位置まで読んだのか、どの位置で離脱したのかを表します。終了エリアはユーザーのスクロールに基づいて判別されます。クリックマップは、ユーザーがクリックした位置を可視化するもので、クリックが多い箇所ほど赤色で表現されます。クリック位置によって、ユーザーがどのようにECサイトのページ上を移動しているか、ECサイトにおけるユーザーの興味の移り変わりを把握することができます。
◎ECサイトでヒートマップを活用するメリット
ECサイトの運用において、ヒートマップはユーザー行動を分析できる強力なツールです。ユーザー行動を視覚的かつ直感的に理解できることはヒートマップの大きなメリットのひとつですが、ECサイトにおけるヒートマップ活用は、ほかにもさまざまなメリットがあります。
ヒートマップを活用してECサイトのユーザー行動分析を行うことで、ECサイトのコンテンツやデザインを最適化し、ECサイトの改善に役立てることができます。ヒートマップを使ってユーザー行動をより正確に把握できれば、より使いやすいECサイトにブラッシュアップすることができ、ユーザー満足度が向上します。また、ヒートマップの活用によってユーザー行動とECサイト運用者が訴求したい内容とのギャップを埋めるヒントを得られるため、ECサイトの費用対効果の改善さらにはECサイト全体のコンバージョン率の向上にも寄与します。ヒートマップは、ECサイトの変更作業にてA/Bテストを行う際のテスト結果の検証にも役立ちます。
A/Bテストとは、ECサイトをはじめとするWebサイトやバナー等を最適化するテスト手法のひとつです。A/Bテストは、Aパターン、Bパターン、もしくはそれ以上の複数のパターンを用意してランダムにユーザーに表示させ、パターンごとの成果を検証することで最適化を図ることを目的としています。A/Bテスト結果の検証にヒートマップを活用することで、ECサイトの変更内容がユーザーの行動にどういった影響を与えたかを迅速かつ効果的に評価できます。
◎ECサイト改良に効果的なヒートマップ分析のポイント
ヒートマップはECサイトのユーザー行動分析と改善に役立ちます。成果につながるより良いECサイトに改良するために効果的なヒートマップ分析のポイントをご紹介します。
○ファーストビューを分析する
ECサイトにおいて、ユーザーが最初にアクセスするページであるファーストビューを分析することで、より重要なユーザー行動の情報が得られます。まずは、ECサイトのなかでもアクセス数が多い入り口ページに着目してヒートマップ分析を行いましょう。分析結果をもとにアクセス数の多い入り口ページを優先的に改良することで、離脱率や直帰率が低下しコンバージョン率を向上させやすく効果的です。ユーザーが最初にアクセスすることが多いページを判別する際は、Google Analyticsで表示されるランディングページ欄の情報も参考になります。
○熟読エリアから配置や訴求方法を見直す
ヒートマップをもとに、熟読エリアをページの上部に移動させることで離脱率低下と回遊率向上の効果が見込めます。ECサイトの運用側としてとくに読んでもらいたい箇所が熟読エリアになっているかどうかはもちろん、想定外に熟読されている箇所を分析することも重要です。想定以上によく読まれている箇所から、ECサイトの潜在的なユーザーニーズを知ることができるからです。一方、想定よりも読まれていない箇所については、画像や文章をよりキャッチ―なものに変更するなど訴求方法や内容を見直すことも重要です。
○コンバージョン地点を含めた離脱位置を確認する
ヒートマップから終了エリアを分析し、ECサイトのなかで離脱が多い位置を把握しましょう。とくに、ECサイトでユーザーが商品の購入やサービスへの申込を行うコンバージョン地点の前での離脱は、ビジネス機会損失に直結します。コンバージョン地点の前での離脱が多い場合は、購入ボタンや申込ボタンの位置を変更したり、ページの上部に移動させたりするといった構成の見直しが有効です。
○リンク先がないクリックエリアの有無を分析する
ヒートマップのクリックマップから、リンク先がないのにクリックされている箇所がないかを分析することもポイントです。ユーザーがリンク先のない場所をクリックする背景には、情報をより詳しく知りたい、画像を拡大したいといったニーズが隠れていることが多いです。リンク先がないクリックエリアには、新たにリンクを貼る、画像を拡大できるようにする、といった対策を行うと効果的です。また、ユーザーがリンク先のない箇所をクリックする背景には、ECサイトのデザインがユーザーを迷わせるデザインになっているケースもあります。ヒートマップのクリップマップからユーザー心理を想像し、ECサイトのデザインをわかりやすく変更することも検討しましょう。
○運用ニーズに合った最適なヒートマップツールを選ぶ
ヒートマップツールには、無料のものから有料のものまで多くの種類があります。ECサイトの特性や運用ニーズに合った最適なヒートマップツールを選択することも重要です。ヒートマップツールを選定する際は、データの正確性や使いやすさに注目しましょう。ヒートマップツールの信頼性や使いやすさは効果的な分析に必要不可欠です。また、迅速に分析や改善を行うためにはリアルタイムでデータを収集できるヒートマップツールが役立ちます。ヒートマップの表示形式や設定を細かくカスタマイズできるかどうかも運用ニーズを満たすために重要な観点です。海外製のヒートマップツールの場合は、導入後に日本語でのサポート対応があるかどうかも確認しておくと良いでしょう。
◎まとめ
ヒートマップはECサイトのユーザー行動を視覚的に表現することができ、ユーザー行動の分析とECサイトの改善や最適化に役立ちます。ECサイトの分析にヒートマップを効果的に活用して、ECサイトの成功につなげましょう。