EC-CUBEコラム
BtoB企業におけるECサイトの活用アイディア
企業向けの商取引を行うBtoB企業において、ECサイトを導入する事例が増加しています。BtoB企業にはBtoCと異なる商習慣などがあるため、独自に必要な機能なども踏まえて柔軟な活用ができるECサイトを構築する必要があります。この記事では、BtoB企業でECサイトを活用するアイディアやメリットをご紹介します。
目次
◎著しく増加するBtoB-ECサイト
インターネットを利用するユーザーの増加に伴い、ECサイトを用いた商取引は年々増加しています。一般消費者向けに商品やサービスを提供するBtoC-ECサイトが増えているのはもちろんですが、企業や法人同士で取引を行う企業においてもECサイトを用いた商取引が増加しています。そのようなサプライヤーとメーカー、卸問屋と小売店などの企業間取引で利用されるECサイトのことをBtoB-ECといいます。
経済産業省が発表している、BtoB企業での取引の電子化を示すEC化率は30%を超えています。このEC化率には、電子データを用いて受発注を行い、伝票作業を電子取引化する「EDI」というシステムの導入も含まれていますが、EDIは専用端末が必要になることや広く使用されてきたISDN回線が終了することなどから、EDIからECサイトの導入に移行する企業も増えています。
◎BtoB-ECサイトの活用方法
BtoB-ECは、取引先やECサイトを利用する企業のニーズの違いなどによって、さまざまな種類の活用方法があります。
○Web受注型
BtoB-ECとして最も多いのは、ECサイトで商品やサービスの注文を受ける受注型です。受注型のBtoB-ECは、取引先の違いによってさらに3つの種類に分けられます。
・スモールBtoB型
スモール型はオープン型とも呼ばれるタイプで、すべての企業を取引対象としているECサイトです。BtoC-ECと同じようにインターネットで公開されているので誰でも利用でき、新規顧客からの注文も受けられるようになっています。基本的にすべての取引企業に同じ価格が提示され、割引条件なども統一されているECサイトです。
スモール型はオープン型とも呼ばれるタイプで、すべての企業を取引対象としているECサイトです。BtoC-ECと同じようにインターネットで公開されているので誰でも利用でき、新規顧客からの注文も受けられるようになっています。基本的にすべての取引企業に同じ価格が提示され、割引条件なども統一されているECサイトです。
・クローズドBtoB型
クローズド型は、既に取引がある企業を対象としているECサイトです。ECサイトを利用する際にIDやパスワードが必要になるタイプや共有されているURLでなければ、アクセスできないタイプなどもあります。クローズド型であれば、取引先によって価格や販売条件、商品などを変えて表示させることも可能です。
クローズド型は、既に取引がある企業を対象としているECサイトです。ECサイトを利用する際にIDやパスワードが必要になるタイプや共有されているURLでなければ、アクセスできないタイプなどもあります。クローズド型であれば、取引先によって価格や販売条件、商品などを変えて表示させることも可能です。
・セミクローズドBtoB型
セミクローズド型は、オープン型とクローズ型の中間となるタイプのECサイトです。販売している商品は誰でも閲覧できるものの、ログインしなければ価格が表示されないなど、オープンな部分とクローズドな部分があります。新規顧客は会員登録申請をし、審査や販売価格の設定などを行ってから取引に進むことができます。
セミクローズド型は、オープン型とクローズ型の中間となるタイプのECサイトです。販売している商品は誰でも閲覧できるものの、ログインしなければ価格が表示されないなど、オープンな部分とクローズドな部分があります。新規顧客は会員登録申請をし、審査や販売価格の設定などを行ってから取引に進むことができます。
○Web発注型
BtoB-ECは、発注型として活用することも可能です。仕入れ先に材料や資材を発注したり、納期を確認したりする発注業務をEC化するケースです。受注の場合と同じように、電話やFAXで行っていた業務や問い合わせなどもECサイト上で行うことができます。
○自社展開型
複数店舗で事業展開している企業では、企業間取引だけでなく店舗間のやり取りにECサイトを活用するケースもあります。本部と店舗や支店などの間で、商品や備品を受発注する業務をEC化することにより、スムーズなやり取りが可能になります。
◎BtoB-ECサイトとBtoC-ECサイトの違い
BtoB-ECは企業向け、BtoC-ECは一般消費者向けと、同じECサイトであっても取引を行う相手が大きく異なります。企業間取引を行うBtoB企業は、BtoC企業にはない独自の商習慣があり、企業ごとに取引形態が異なるため、一般消費者向けのBtoC-ECにはない機能を追加したり独自の形態に合わせてECサイトを構築したりする必要が生じます。
たとえば、BtoB-ECではBtoC-ECのようにすべての顧客に同じ価格で商品を販売するのではなく、取引先によって異なる価格で取引を行っている場合が多くあります。そのため、取引先ごとに価格や割引率、最低注文金額などの販売条件を設定して表示させる機能が必要になり、取引先ごとに請求先や決済方法などの情報を管理する必要もあります。またBtoB企業では、BtoCにはない決済方法を利用する場合も多くあります。企業間取引は基本的に与信取引なので掛売り決済が主流となっており、ECサイトであっても掛売り決済に対応する必要が生じます。売掛管理システムや請求管理システムなどと連携させることにより、請求業務の自動化を進めることも可能です。
BtoB-ECサイトでは、取引が高額になることが多いため、個人が商品を選んで購入するBtoC-ECサイトのような購入方法ではなく、社内の承認を得てから購入に至る流れになる場合があります。そのため、見積りや領収書の自動発行などをECサイト上で行えると、見積りを社内稟議で通してから受注に至るケースに対応し、取引をスムーズに行うことができます。また仮注文の状態から管理者の承認作業を行い正式注文となるなど、購入フローを設定できる承認機能を利用しているECサイトもあります。
◎BtoB-ECサイトによって実現できること
BtoB企業においてECサイトを導入すると、売上げアップや社員の負担軽減などにつながる、さまざまなメリットがうまれます。
○新規顧客の獲得
ECサイトを活用すると、場所や時間に囚われずに取引を行うことができます。これまでは取引するチャンスのなかった遠方の企業や小規模企業などとも取引できるため、新規顧客の獲得につなげることも可能です。またWeb広告を出稿したりECサイト内でブログやコラムなどのコンテンツを配信するSEO対策を行ったりすることによって、ECサイトへの集客を図り、受注を増やす対策を行うこともできます。
○取引先との業務円滑化
ECサイトを導入するなら、これまで電話やFAXで行っていた受注業務、データ入力、確認などの作業を自動化することができるため、業務の効率化につながります。またECサイトに商品の在庫数や納期目安などを掲載しておくことができるため、取引先からの問い合わせ対応も少なくなるでしょう。ECサイトを導入することは、受発注が手軽にできたり在庫や納期をすぐに確認できたりと、取引先にとってもメリットとなることも多いため、取引先との業務円滑化につながります。
○マーケティングへの活用
ECサイトを活用した取引は、手作業や紙ベースで行う取引よりもデータを蓄積しやすいというメリットもあります。月ごとの売上げや販売数、リピート率などの取引データを蓄積することができ、データから分析した情報をマーケティングに活用することが可能です。データをもとにECサイト上でキャンペーンや限定販売などの販促施策を行い、売上げアップにつなげられます。
◎まとめ
企業間取引を行うBtoB-ECには、誰でも利用できるオープン型や既存の取引先のみを対象とするクローズド型などの種類があり、受注業務のEC化だけでなく発注業務や企業内でのやり取りにも活用することも可能です。BtoB企業でのECサイト導入には、業務の効率化や蓄積データのマーケティング利用など、多くのメリットがあります。