ECサイトの運用は、Web広告やSNS集客、SEO対策など、ユーザーを増やすためにさまざまな取り組みを行っています。構造化データの実装は、SEOに良い影響を与えるとされており、ECサイトの集客に必須となる取り組みのひとつです。この記事では、ECサイトに構造化データを実装するメリットや、構造化データを実装できるECプラットフォームのEC-CUBEについてご紹介します。

 

構造化データは、ECサイト内の情報をGoogleの検索エンジンに正しく認識させるための専用コードのことです。構造化データはHTMLのタグを使って記述を行い、構造化データを記述することはマークアップと呼ばれています。構造化データは、検索エンジンに向けてマークアップする情報なので、ブラウザ上には表示されません。Google検索では、検索エンジンがWebサイトやECサイトの情報を読み取り、検索キーワードに対して最適なサイトを選定して検索結果に表示されます。構築したECサイトを検索結果に表示させるためには、ECサイト内の情報を検索エンジンに正しく認識してもらう必要があります。

 

ブラウザ上にある情報を読み取るユーザーは、ECサイト内の商品についての説明や金額、画像などの情報全体を見て意味を理解していますが、検索エンジンは、ひとつひとつの文字列としてのみ情報を認識するため、テキストが何を意味するのかまで認識できません。構造化データをマークアップするなら、テキストに意味をつけて検索エンジンが正しく認識できるようにすることが可能になります。たとえば、商品の情報を構造化データにする場合、商品名、価格、商品説明、ブランド、レビューなどの構造に分けて情報を入れ、マークアップします。このように、ECサイトのさまざまな情報を構造化データにして、検索エンジンが意味を理解できるように伝えることで、検索エンジンが効率的に情報を収集してECサイト内の情報を把握しやすくなります。

 

ECサイト構築での構造化データの実装は、ECサイトの集客に役立ちます。 まずは、構造化データを実装することによってリッチリザルトという検索結果で表示されるというメリットです。リッチリザルトとは、通常の検索結果よりも視覚的に情報を得られたり操作的な機能が付いていたりする特殊な検索結果表示です。通常の検索結果では、ECサイトのURLとページタイトル、メタディスクリプションが表示されますが、リッチリザルトでは通常の検索結果より大きく、より詳細な情報が表示されます。

 

たとえば、レシピの検索結果に画像とタイトルが大きく表示されたり、飲食店の検索結果に画像や星の数、価格などが表示されたり、よくある質問の答えとしてサイトの情報が掲載されるなどの検索結果表示はリッチリザルトです。リッチリザルトに表示されるのは、検索エンジンが構造化データによって認識した情報です。リッチリザルトは、検索結果でユーザーがさまざまな情報を得られるように表示されているため、ユーザーの目に留まりやすくクリック率の向上にも効果的です。ECサイトであれば、通常の検索結果の下に商品の評価や価格、在庫状況が表示されたり、画像と商品名、価格が大きく表示されたりするリッチリザルトが多く、検索結果で多くの情報がわかるため、ECサイトへの集客にもつながります。構造化データを実装すれば必ずリッチリザルトが表示されるわけではありませんが、構造化データを実装しなければ表示されることはないため、ECサイト構築で構造化データを実装することは必須といえるでしょう。

 

ECサイト構築で構造化データを実装することは、SEOに良い影響を与えるメリットもあります。Googleの検索結果で上位表示されるなら、ユーザーの目に留まりやすくなりECサイトの集客アップにつながるため、ECサイトでも検索結果の上位に表示されるためのSEO対策は大切な施策のひとつです。構造化データを実装すれば、それだけでSEO対策に効果があるといった直接的な影響はありませんが、構造化データを実装することで間接的にSEOに良い影響を与えることが可能です。SEO対策では、まず検索エンジンにECサイトの情報を認識してもらい、データベースにインデックスしてもらう必要があります。そして認識した情報に基づいてサイトを評価してもらい、上位表示されるよう最適化を行います。構造化データを実装するなら、検索エンジンがECサイトの情報を正確に把握するのに役立つため、インデックスされやすくなります。検索エンジンが良質なECサイトだと判断すれば良い評価を得ることができるため、構造化データを実装することで結果的にSEO対策としても良い影響を与えます。リッチリザルトに表示されることでクリック率が高まることなどによっても表示順位が上がるため、構造化データの実装は間接的にSEO対策として良い効果を生みだす可能性があります。

 

ECサイト構築では、ゼロから開発を行うフルスクラッチで構築する場合以外は、構築のためのECプラットフォームを利用します。ECプラットフォームには、ASPカートやオープンソース、クラウドECなどさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。ASPカートなど簡単に導入しやすいもののカスタマイズに制限があるプラットフォームは、構造化データを実装できない場合もあるため、構造化データを実装できるECプラットフォームを選んで導入する必要があります。

 

EC-CUBEは、国内のネットショップで1番選ばれているオープンソースのECプラットフォームです。EC-CUBEは、公開されているソースコードをダウンロードして使用することができます。ソースコードを改変してカスタマイズも自由にできるため、構造化データの実装も可能です。EC-CUBEは、株式会社イーシーキューブが開発を行っている国産のECプラットフォームです。EC-CUBEは、ECサイト構築に特化したオープンソースなので、ECサイトに必要なカート機能や会員機能、商品管理機能など、基本機能が標準搭載されています。EC-CUBEダウンロード版は無料で利用できるので、開発にかかるコストを抑えてECサイト構築を行うことが可能です。EC-CUBEが人気の理由は、カスタマイズ性や拡張性の高さにあります。EC-CUBEは、ソースコードをカスタマイズしてすべてのページのカスタマイズを行えるだけでなく、管理画面やシステムのカスタマイズまで行えるため、外部サービスや社内システムとの連携なども可能です。EC-CUBE公式サイトでは、豊富なプラグインを販売しており、EC-CUBEのプラグインを使って簡単に機能やデザインのカスタマイズを行うこともできます。

 

ECサイト構築はその後の運用も重要ですが、EC-CUBEにはフォローメール機能やLP連携機能など、集客や販促に関する機能も充実しています。EC-CUBEに構造化データを実装してSEO対策を行いながら、集客につながるさまざまな機能を活用して、ECサイトの集客につなげることが可能です。EC-CUBEは、国内に利用者が多いため、EC-CUBEの開発や運用に関する質問ができるコミュニティが充実しています。EC-CUBEの構築に関する問題が起きたり使用したい機能があったりする場合は、コミュニティで解決方法を見つけることも可能です。

 

構造化データのマークアップで一般的に広く使用されているのは「schema.org」というボキャブラリーで、カテゴリごとにどのようなタグを使用するか定義されています。構造化データをマークアップする形式としては「JSON-LD」が主流となっており、EC-CUBEに構造化データを実装する際も、schema.orgとJSON-LDを用いてマークアップを行います。EC-CUBEに構造化データを実装する場合、デフォルトで入っていないため構造化データのコードを追加する必要があります。EC-CUBEは、ソースコードをカスタマイズできるため、構造化データの実装でも直接ソースコードを書き込むことが可能です。JSON-LDのテンプレートを利用して、EC-CUBEのタグを入れると構造化データを実装できます。

 

EC-CUBEのプラグインには、構造化データ実装用のプラグインもあるので、EC-CUBEのプラグインを利用して簡単に構造化データをマークアップすることも可能です。Googleが提供している構造化データマークアップ支援ツールを利用して、EC-CUBEに構造化データをマークアップすることもできます。構造化データは、マークアップが間違っていると認識されないため、EC-CUBEに構造化データを実装したあとは、リッチリザルトテストツールを使って正しく実装できているかテストを行ってください。Googleで構造化データを認識しているかテストすることが可能です。

 

ECサイトの情報を検索エンジンに正確に伝える構造化データの実装は、ECサイトの評価を上げてSEOに良い影響を与えられることから、ECサイト構築に必須となっています。ソースコードを改変できるオープンソースのEC-CUBEは、構造化データの実装も可能です。当社では、EC-CUBEを活用したECサイト構築を承っております。EC-CUBEに関するお問い合わせは、YTC・PLUSまでお気軽にご連絡ください。