EC-CUBEコラム
EC-CUBEクラウド版ec-cube.coとは?ダウンロード版との違いを徹底比較
EC-CUBEクラウド版ec-cube.coとは?ダウンロード版との違いを徹底比較 ECサイト構築は、ASPカートやオープンソースなどさまざまな方法から選べます。国内のECサイトで1番利用されている構築サービスは、オープンソースのEC-CUBEです。機能やデザインのカスタマイズ性が高いEC-CUBEには、ダウンロード版とクラウド版「ec-cube.co」があります。この記事では、EC-CUBEのクラウド版とダウンロード版の機能やコスト、運用面での違いを比較します。
目次
◎EC-CUBEクラウド版とダウンロード版とは?
株式会社イーシーキューブが開発したEC-CUBEは、ECサイトの構築に特化したオープンソースのソフトウェアです。オープンソースのECサイト構築サービスには、MagentoやWelCartなど、海外発や日本発のさまざまなサービスがあります。なかでもEC-CUBEは、国内シェアトップを誇るオープンソースとなっています。公開されているソースコードを利用してECサイトを構築できるEC-CUBEは、ECサイトに必要な基本機能がすべて搭載されています。
日本製のオープンソースなので、日本語対応や直観的に使いやすい管理画面など、国産ならではの使いやすさがあります。ソースコードの書き換えができるので、機能やデザインを自由にカスタマイズし、ブランドイメージに合わせたオリジナルのECサイトを構築できるという点もEC-CUBEの特徴です。EC-CUBEには、ダウンロード版のEC-CUBEとクラウド版のec-cube.coがあり、EC-CUBEダウンロード版は、自社サーバーやレンタルサーバーにダウンロードして使用できます。クラウド版ec-cube.coは、クラウド上にあるプラットフォームを使用するため、サーバーやインストールが不要です。クラウド版であっても独自ドメインを設定できるため、自社独自のURLでECサイトを運用することが可能となっています。
◎EC-CUBEのクラウド版とダウンロード版を比較
EC-CUBEを利用して自社のECサイトを構築する場合、クラウド版とダウンロード版を比較してどちらを使用するか選択する必要があります。機能やコスト面を比較するだけでなく、セキュリティなどECサイト構築後の運用面に関しても比較し、自社に合うEC-CUBEを選びましょう。
○機能面の比較
EC-CUBEのダウンロード版には、2系、3系、4系というバージョンがあります。最新のバージョンはEC-CUBE4系なので、新しくECサイトを構築する場合は4系をインストールして使用する場合が多いです。クラウド版のec-cube.coは、EC-CUBE4系がベースとなっており、ダウンロード版と同じ機能が使用可能です。EC-CUBE4系で使用できるプラグインやデザインテンプレートはすべて使えて、決済などもプラグインを活用して同じ方法で導入できます。
クラウド版でも、EC-CUBEダウンロード版と同じようにソースコードを編集してカスタマイズしたりデザインをフルカスタマイズできるため、オリジナル性の高いECサイトを構築することが可能です。商品登録数やデータ容量などの制限もありません。機能面の比較では、どちらも大きな違いはありませんが、EC-CUBEダウンロード版の場合はシステムの基幹部分やデータベースまでカスタムすることが可能です。
クラウド版にはそのような機能はありません。ですが、本番環境をワンクリックで複製してテスト環境を作成できる機能によって動作確認やテストが実施できたり、複数人で開発や運営を分業できるGit連携機能を利用できたりと、クラウド版独自の機能を活用することができます。
○セキュリティ面の比較
クラウド版のec-cube.coは、セキュリティ対策がクラウドECプラットフォームのサービスとして含まれているため、自社でセキュリティ対策を行う必要がありません。常時SSL化によってECサイトで利用されている個人情報や決済情報を守ることができます。ほかにも、24時間不正アタック監視よって、クレジットカードの不正利用を防げるでしょう。またセキュリティ上の欠陥や脆弱性を修正するためのセキュリティパッチが適用されるなど、基本的なセキュリティ対策によって、安心して構築できる環境が提供されています。
クラウド版と比較すると、EC-CUBEダウンロード版は、自社サーバーやレンタルサーバーにインストールして使用するため、自社でセキュリティ対策を行う必要があります。とはいえEC-CUBEでは、セキュリティチェックシートやセキュリティ対策用のプラグインが提供されており、EC-CUBEの脆弱性や問題解決に関する情報なども常に公開されています。そのようなEC-CUBEのサービスを活用すると、自社のECサイトに最適なセキュリティ対策を行いながらEC-CUBEダウンロード版を利用することが可能です。
○メンテナンス面を比較
クラウド版は、メンテナンスフリーで利用できるクラウドECプラットフォームなので、運用にかかるリソースを抑えられます。サーバーにトラブルが起きたときの復旧や修理作業などのサーバー保守を行ったりアップデートしたりといったメンテナンスが不要です。それと比較するとEC-CUBEダウンロード版は、メンテナンスや運用などを自社で行う必要があります。セキュリティ対策のために常に最新のバージョンを利用することが推奨されているので、EC-CUBEの新しいバージョンが出たら、都度アップデートを行う必要もあります。
メンテナンス面を比較すると、メンテナンスフリーの方がメリットを感じるかもしれません。しかし、EC-CUBEは国内の利用者が多いサービスなので、運用や問題が起きた場合の対処法など、EC-CUBEのメンテナンスに関する情報が豊富にあります。EC-CUBEのブログやコミュニティなどの情報を活用するなら、コストを抑えつつ自社でEC-CUBEを運用していくことが可能です。
○コスト面の比較
コスト面の比較では大きな違いがあります。まずクラウド版は、クラウドECプラットフォームを利用するための利用料金が発生します。新規登録で利用できるStandardプランでは、初期費用の70,000円と月額利用料が必要です。月額利用料は、売上規模によって変動するため、売上げ規模が小さいときはコストを抑えて運用できます。売上げ規模が大きくなってきた場合でも利用料に上限があるため、利益を確保でき安心して運用することが可能です。クラウド版の場合、サーバー利用料やセキュリティ、アップデートなどの運用にかかるコストが料金に含まれているため、そのほかの運用コストが不要となります。
クラウド版と比較すると、EC-CUBEダウンロード版は無料でダウンロードして利用できるため、開発の初期コストを抑えられます。一方で、セキュリティやメンテナンスなどを外部に委託する場合は別で運用コストが発生し、サーバーの利用料金が必要な場合もあります。コスト面を比較すると、EC-CUBEダウンロード版であれば初期費用や月額利用料が発生しないためメリットが大きく感じますが、開発後の運用コストなどランニングコストまで含めて検討する必要があるでしょう。
◎クラウド版とダウンロード版の選び方
EC-CUBEのクラウド版とダウンロード版を比較すると、どちらも異なるメリットデメリットがあることがわかります。ECサイトを運用するスキルやかけられる時間、コストなどをメリットデメリットと比較して検討しましょう。
EC-CUBEのクラウド版は、ECサイト出店や運用に時間をかけたくない人に向いているサービスです。またサーバーや運用に関する知識がない場合も、サーバーやインストールが不要のクラウド版が良いかもしれません。どのサーバーにすればいいのか?アップデートやセキュリティはどうしたらいい?といったお悩みも、クラウド版であればおまかせすることが可能です。クラウド版は、サーバーやドメイン、運用などの管理を一括にすることもできます。EC-CUBEダウンロード版と比較すると、出店や運用、管理に時間や手間を省き、売上げアップやブランディングなど、ほかの施策に時間を活用できるでしょう。
EC-CUBEダウンロード版は、なるべくコストを抑えて開発や運用を行いたい人に向いているサービスです。開発や運用、管理に関するスキルや知識がある場合は、無料のソースコードやカスタマイズ性、豊富な情報などEC-CUBEの特性をフルに活用して、ECサイトを運用できます。また自社用にデータベースを最適化したり、自社のシステムと連携させたりと、EC-CUBEをよりカスタマイズしたい場合もダウンロード版の方が最適です。
◎まとめ
EC-CUBEを利用する際は、クラウド版とダウンロード版を比較して自社に合う方法を選びましょう。EC-CUBEダウンロード版は無料で利用でき、クラウド版は料金が発生しますが、クラウドプラットフォームを利用して構築可能です。当社では、EC-CUBEによるEC構築のサポートを承っています。EC-CUBEに関するお問い合わせは、お気軽にYTC・PLUSまでご連絡ください。