EC売上アップ術
◎第87回 売上を左右する!ECサイトにおけるライティングのポイント
ECサイトの売上アップを叶えるためには、魅力的な商品ラインナップや広告、ECサイトのデザインと同様にライティングも重要な役割を担います。ECサイトの画像だけでは伝わらない商品の魅力や使い心地など、ユーザー目線に立ったわかりやすいライティングを心掛けることで売上アップにつながります。この記事では、ECサイト運営におけるライティングのポイントをご紹介します。
目次
◎ECサイトの売上を左右するライティングの重要性
ECサイトに訪れて気に入った商品やサービスを見つけたユーザーは、その画像やリンクをクリックしてより詳細な情報を求めます。その際にECサイトの売上アップのサポートとなるのがライティングです。画像で見る以上の情報がライティングの内容に含まれていない、わかりにくい説明文、求めていた情報と相違しているなどユーザーのニーズを満たせていない商品説明のライティングだと売上を逃してしまうことにもなりかねません。一方で、クリックしたユーザーの欲しい情報を読みやすい文章で網羅したライティングであれば、購買の可能性は大きく高まり売上アップが期待できます。
画像だけでは知りえなかった情報を、正しくわかりやすく伝えてこそECサイトにおけるライティングの役割です。正しくわかりやすい文章という点は基本となるポイントですが、求めている品質以上の情報の質や量だと、ユーザーの満足度はより高まります。自身が購入した後の生活や、悩みが解消した後の自身の姿を具体的に想像できるようなライティングが理想です。一方的な情報を与えるだけではなく、購入後のユーザーをイメージし、コミュニケーションを意識したライティングを心掛けましょう。
ブランドイメージや企業イメージを高めることができるのも、ライティング次第です。ECサイト上では何回も訪問してくれているユーザーであっても、直接対面でコミュニケーションをとることはできません。ユーザーが受け取る印象は、ECサイトのデザイン、商品画像、ライティングの3つで決まってしまうといっても過言ではありません。自社のイメージを高め、新規ユーザーの獲得やリピーターを逃さない魅力的なECサイトにするために、ライティングは重要といえます。
◎ECサイトにおけるライティングのポイント
ECサイトの売上アップやブランドイメージの構築に欠かせないライティングですが、ただ商品やサービスの説明をわかりやすくするだけでは、ユーザーに+αのイメージを与えることや、購買意欲を駆り立てることは難しいでしょう。情報の伝え方やユーザーの感情を動かすようなテクニックでユーザーの心をつかむライティングを意識することが大切です。
〇ターゲット層を明確にしたライティングで感情に訴える
同じ商品カテゴリであってもターゲット層のペルソナが異なると使う単語やアピールポイントが異なってきます。たとえば、健康食品やサプリメントなど、栄養素が同じビタミンCだとしても、10代の肌荒れ対策のビタミンC商品とシニア世代の健康維持のためのビタミンC商品では、アピールするポイントは異なるため、ターゲットに適したライティングが求められます。このように、ECサイトで取り扱っている商品のターゲット層やペルソナを明確にすることが、魅力あるライティングに仕上げる第一歩です。どのターゲット層のどのニーズに刺さる商品なのか、改めて商品の特徴をよく理解することが大切です。また、同じターゲット層、ペルソナに刺さる商品のライティングも同時に見直しましょう。このECサイトに訪問すれば自身にあった商品があるとユーザーが認識してくれれば、初回の訪問で購入につながらなくても、リピートされる可能性が高まります。
〇商品やサービスを利用するメリットを明確化する
せっかくユーザーが興味を持って商品画像の説明を読んでも、「説明」だけで終わってしまうライティングは、チャンスロスになってしまいます。ECサイトのライティングにおいては商品の具体的な説明ももちろん大切ですが、この商品を購入するとユーザーにどのようなメリットがあるのか、サービスを利用することでユーザーが受け取るメリットは具体的に何かという想像力を働かせたライティング技術が求められます。商品が届いた後のユーザーの生活や未来が思い描けるような商品説明を心掛けることによって購買意欲は高まります。ECサイトの文章は、読み飛ばしをされることが多いといわれています。せっかく目に止まったライティングが商品の詳細説明のみで終わらせず、ユーザーが商品を購入することで受け取ることができるメリットを最大限にアピールしましょう。
〇画像では得られない情報をライティングで具体化する
ECサイトを訪れたユーザーの導線を考えてみましょう。広告、もしくは検索エンジンから検索ワードでヒットしたECサイトに訪れ、目に飛び込んできたキャッチコピーや商品画像に注目し、その画像の商品説明をクリックして商品説明のライティングに辿り着きます。ECサイトを訪問し、商品説明を読んだユーザーに商品画像以上の情報をライティングで与えることにより、ユーザーの満足度は高まるでしょう。その逆で事前にユーザーが想像していた以上の情報がなかったり、商品画像を見れば理解できる程度の情報量しか書いていなかったりすると、ユーザーの期待を裏切る結果になりかねません。画像だけでは伝わらない商品の魅力や細かい情報、購買意欲を刺激するような商品説明にしましょう。
〇痛点を意識したユーザー目線のライティング
ECサイトのライティングでは、いかにわかりやすく商品説明をするかという部分に力を入れがちですが、わかりやすい文章と同じくらい大切な点がユーザーの痛点を理解することです。痛点とはユーザーが日常生活や社会生活で抱えている不満やニーズのことを指します。具体的に言うと時間がない、商品を買う際のコスト(値段)に対する不満、サービスの不足、品質に対する不安などがあげられます。自社のECサイトで取り扱っている商品がユーザーのどの痛点を解決できるのかを具体的にライティングに入れ込むことでユーザーの安心感が高まります。コストに対する不満や不安であれば、初回割引キャンペーンや定期購入キャンペーンなどのお得な情報を商品説明の後に入れ込むことも効果的です。自社のECサイトの商品の強みや弱みを理解し、ユーザーのニーズにマッチするセールスライティングを心掛けることが大切です。
◎SEOを意識したコラムライティング
ECサイトのライティングで重要なのが、SEOを意識することです。SEOとはSearch Engin Optimization(検索エンジン最適化)の略で、検索結果の上位に表示されるように検索ワードや情報量を意識したライティングやECサイトの内部リンクの構成をすることです。ユーザーが運営しているECサイトに辿り着くにはどのようなワードで検索をするのかを想定し、メインのキーワードとサブキーワードを設定したうえで、正しい情報とわかりやすい文章で商品説明の文章を構成します。検索エンジンを意識したライティングは非常に重要です。検索ページの1ページ目に表示されるECサイトと2ページ目に表示されるECサイトでは訪問者数で大きく差が付きます。訪問者数はECサイト運営にとって重要なKPIです。ECサイトでよい商品を扱っていてもユーザーの目に触れないことには売上アップにつながるチャンスは訪れません。商品説明や自社ブランドのストーリーのライティングで、ECサイトのSEO順位を上げるには限界があります。そこで、定期的にSEOを意識したコラムライティングが有効です。
たとえば、アパレルであれば今年流行りのアイテムやカラーのワードをコラムの中にいくつ入れるかなどをあらかじめ決めこんだうえでコラムを作成します。十分な情報量と判断されるだけの文字数が必要になりますが、SEO対策をするうえで有効な手法であり、ECサイトに大がかりな手を加えなくてもトレンドや環境の変化に対応しやすいというメリットがあります。映画やドラマなどのエンターテイメント系の商品を扱っているのであれば、注目の映画の記事や往年の名作についての豆知識を入れ込んだような情報量のあるコラム記事を、SEOワードを決めたうえで作成します。
SEO対策の注意点としては、ただやみくもにワードを多く入れ込むだけでは検索順位は上がらないという点です。有益な情報であると検索エンジンが判断してこその上位表示であることを忘れてはいけません。SEOはワードだけではなく内容も重視される点を踏まえておきましょう。
◎ECサイトにおけるライティングの効果測定
ECサイトのライティングを改善した後はそのまま放置せずにどの程度効果があったのかKPIを定点観測し、A/Bテストでの効果検証などを重ねることも大切です。以前のECサイトのライティングと比較してどこを変えたら売上が伸びたのか、コピーライティングの改善で、どの広告経路からの流入が増加したのかなど細部に渡り検証を重ねていきます。CVR(コンバーション率)や離脱率、ヒートマップなどを解析してユーザーの導線を測定することもECサイトのライティングの分析には効果的です。
また、季節要因の分析や競合他社のECサイトのリニューアルやセールにも気を配り、改善策を練りましょう。ECサイトの改修などと違い、更新や修正が行いやすいのがライティングの強みです。検索順位の検証を定期的に行いつつ、CVRやCTR(クリック率)などKPIをあらかじめ設定したうえで、ライティングのページを充実させましょう。
◎まとめ
大幅なECサイトの改変等行わなくても、検索順位を向上させたり売上アップに貢献できる点がライティングの大きな強みです。コラムの内容を充実させることにより、集客やリピーターの獲得を狙えます。商品説明やコラムなどを見直し、購買意欲を促すライティングを心掛けましょう。