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EC売上アップ術

◎第85回 BtoBの在庫管理をスマート化できるWEB受発注システム

BtoBでの煩雑な受発注業務は、件数が多くなるほど効率化を考える担当者は多いのではないでしょうか。アナログな受発注管理では、在庫管理のタイムラグによるチャンスロスや処理ミスなどの課題があげられます。この記事では、BtoBでの受発注の煩雑さを解消し、売上アップにも貢献する、WEB受発注システムについてご紹介します。

 

◎WEB受発注システムにおける在庫管理

WEB受発注システムとは、受注側と発注側がともにWEB上でやり取りを完結し、BtoBの在庫管理までできるシステムです。WEB受発注システムを導入するなら、業務効率化によるコストカットと売上アップが期待できます。大量の受発注業務が発生するBtoBで必要とされる、在庫管理の効率化にもつながるシステムです。WEB受発注システムには、WEB上にデジタルカタログを設置して注文フォームから受発注できる仕様など、さまざまな機能があります。スマートフォンやタブレットから受発注できるようにすることも可能です。
 
WEB受発注システムは、WEB上で受発注のやりとりが完結するため、在庫管理の効率化が実現します。取引先別に発注の平均単価や個数などを抽出するようなBtoB特有の在庫管理も、WEB受発注システムで簡単に行うことが可能です。たとえば、A社が発注した商品のロット数によって、同じ商品をB社が発注する見込みがあるため、至急在庫を確保する必要があるとします。WEB受発注システムであれば、このような場合でもリアルタイムで取引先の需要に合わせた在庫管理が可能です。配送遅延や欠品の減少は取引先に評価され、結果的に売上アップにつながります。
 
従来の電話やFAX、メールなどによる受発注と在庫管理では、実際の在庫数と受注した際の在庫数にラグが生じる場合があります。在庫状況によっては、発送まで待たせてしまう事態も起こりえます。BtoBのやりとりで、このような在庫管理による配送の遅延は、発注のキャンセルにつながりかねません。あらゆる分野でDX化が推進されている昨今、大量発注する際に待たされるのであれば、取引先の変更を検討する経営者も出てくるでしょう。BtoBでのやりとりは受発注の単位が大きいため、確実な在庫管理が求められます。
 
BtoBの取引で、アナログな在庫管理を続けていると、人の手が入るため聞き逃しやメールの見逃し、返信忘れなどのヒューマンエラーが発生する場合があります。このようなミスを減らせるのも、WEB受発注システムで在庫管理をする大きなメリットです。発注する場合も、リアルタイムで売上の把握や在庫管理が簡単に行えるため、在庫のだぶつきや期限切れなどを最小限におさえることが可能です。在庫管理や売上を見える化するなら、受注予測の精度を向上させたり欠品を防ぐことが大切です。需要を予測して適正な在庫管理のサイクルを作り上げることは、BtoBでの在庫管理において売上アップにつながる非常に重要な要素です。
 
WEB受発注システムを導入して、在庫管理の見える化や業務フローを構築すれば、その後は決められたサイクルにそってチェックするだけで、BtoBでの在庫管理や受発注業務、請求処理が簡単に行えます。WEB受発注システムでの在庫管理は、Excelのように複雑な関数が組まれていて、決まった人しか管理できないようなシステムではありません。専門的な知識がないと扱えない難しいシステムではないため、ITリテラシーの有無に関わらず、操作を覚えてしまえば誰でも簡単に在庫管理ができるようになります。より多くの目でチェックができるため、在庫管理のミスや受発注の思わぬ穴を見つけやすくなるでしょう。BtoBの単位の大きい取引において、多くの人による管理やチェックができるシステムは、経営の安定化にもつながります。このように、WEB受発注システムでの在庫管理は、さまざまな側面から見て売上アップをサポートできるツールです。
 

WEB受発注システムにおける在庫管理

◎WEB受発注システムを活用した在庫管理で売上アップにつながるポイント

WEB受発注システムの導入により、リアルタイムで在庫状況を確認できるようになります。過剰在庫や在庫切れによるチャンスロスが減少するため、取引先との信頼関係も向上します。
 
〇需要を予測した適正な在庫管理
発注の側面から見ると、WEB受発注システムによる商品管理の見える化が進むことにより 、BtoBでの発注コストの最適化を実現することができます。FAXやメール、電話での発注など、多くのチャネルでの在庫管理を一元化管理するのは、難しい場合が多いでしょう。誰もが見やすいフォーマットにするために、CSVファイルでデータを抽出してExcelに貼り付けたり、ソートや入力などを経てグラフ化するといった、煩雑な工程を行う必要があります。このような複雑な受発注の在庫管理を行っていると、特定の人に業務を依存してしまうケースが多くなります。そうなると、解決しなければならない課題に長期間気付けなかったり、大きなミスをカバーできないといった事態も起こりかねません。
 
そこで、WEB受発注システムによって在庫管理を一元化すれば、誰でも簡単に原価管理や欠品状況の管理を行い、在庫管理の課題をリアルタイムで把握できるようになります。在庫管理に複数の目が入ることにより、商品の需要を予測したより最適な在庫管理が可能となり売上アップにもつながります。よくあるBtoBでの在庫管理の失敗例として、過剰な発注による在庫のだぶつきがあります。過剰な発注による在庫のだぶつきは、会社の損益となってしまいます。WEB受発注システムの導入で適切な在庫管理を実現すれば、損益も減少につながります。
 
〇リアルタイムな在庫管理でチャンスロスの減少
受注の側面から見ると、倉庫の在庫管理と利用している管理システムの連動がうまくできていないと、チャンスロスが生まれてしまいます。オンラインショップや実店舗など、さまざまな形態で運営している事業者の場合、在庫管理の一元化ができていないことによるタイムラグは、大きな課題となっています。実際の在庫と在庫を把握できる時間にラグが生じるような在庫管理のフローを採用していると、積極的な営業活動や広報のタイミングを逃す事態にもなりかねません。
 
WEB受発注システムによる在庫管理で、在庫を把握するタイムラグが解消されれば、チャンスロスはなくなります。先手を打ったBtoBの営業活動を行ったり、広報で取引先の顧客満足度をアップさせることが可能になるでしょう。新規顧客獲得のきっかけもつかみやすくなるため、更なる売上アップを見込めます。季節商品など在庫を捌くサイクルが短い商品などは、リアルタイムでの在庫管理できているかによって、売上に大きな差が出ます。WEB受発注システムを導入すれば、季節商品の在庫状況もリアルタイムで把握できるため、キャンペーンやセールを発注先企業にPRするなど、BtoBでの営業がより活発になるでしょう。
 
〇WEB受発注システムの導入による請求処理の簡易化
WEB受発注システムには、発注書を自動で作成する機能が備わっています。FAXや電話での受発注ように、発注書をアナログ管理する手間はなくなります。また発注伝票と受注伝票を目視で照合する必要がなくなるため、キャッシュフローを正確に可視化できるようになります。人の手が加わる機会が減少するので、請求書関連のミスを大幅に軽減することも可能です。請求書発行には、月次・週次などさまざまなサイクルが求められますが、WEB受発注システムではリアルタイムで請求を締められます。
 
過去の発注履歴をWEB受発注システム上で参照し、数量や納期を変更して再発注する機能があれば、発注の際の手間も大幅に削減できます。BtoBの在庫管理における自動化・簡易化は、売上アップのうえで欠かせない要素です。1ロットの受発注単位が大きい分、ひとつのシステムを簡易化することによるコストカットのメリットは非常に大きくなります。ランニングコストの削減につながります。
 

WEB受発注システムを活用した在庫管理で売上アップにつながるポイント

◎WEB受発注システムで在庫管理を行う際の注意点

WEB受発注業務は、自社だけで完結できる業務ではありません。BtoBでのやり取りにおいては、取引先が利用しやすいフォーマットにすることもポイントのひとつです。自社の在庫管理や営業力の強化に向けたカスタマイズを行っても、取引先が切り替えに手間を感じてしまう場合があります。そのような場合、従来通りのFAXや電話での注文から切り替えられない事態になりかねません。
 
どんなに簡単に在庫管理ができ、双方にメリットがあるシステムであっても、取引先が従来通りの発注システムを強く希望する場合もあります。そのような場合は、電話発注やメール発注など、WEB受発注システムに連携できる入力フォーマットやカスタマイズを検討しましょう。可能な限り、WEB受発注システム内でリアルタイムの在庫管理ができるシステムを構築することで、効率化が実現します。
 

WEB受発注システムで在庫管理を行う際の注意点

◎まとめ

BtoBでの受発注や在庫管理は、WEB受発注システムによる管理が主流となりつつあります。電話やメールといった誤解を生みやすいやり取りを減らすことで、より正確でリアルタイムな受発注管理を行えます。コストカットや適正な在庫管理で積極的な営業スタイルを確立させ、売上アップにつなげましょう。
◎第85回 BtoBの在庫管理をスマート化できるWEB受発注システム