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EC売上アップ術

◎第71回 ECサイトに必須!売上アップにつながるサイトマップの作り方

ECサイトのリリース時や運営に欠かせないのがサイトマップです。ECサイトに必要なサイトマップは大きく3つに分けられ、それぞれ目的と役割が異なります。この記事では、サイトマップの必要性や、ECサイトの売上アップにつながるサイトマップ作成のポイントをご紹介します。

 

◎ECサイトにサイトマップを設置する理由

サイトマップとは、ウェブサイト全体の構成を示す案内図のことをいい、それぞれのページの階層構造や関連性などを一覧で表示させます。ECサイトにはサイトマップが必要な大きな理由としては、ECサイトのSEO対策に有効であることがあげられます。サイトマップを設置することで、検索エンジンのクローラーが効率的にサイト内をクロールできるようになり、ECサイトのすべてのページがインデックスされやすくなります。そうすることで、ユーザーが必要な情報を検索する際に該当ページとして表示され、キーワード検索時に関連ページとして表示される確率が高まるメリットがあります。広告やプロモーション以外に、検索エンジンからの流入が増えるので、ECサイトの売上アップにつながる重要なポイントだといえます。
 
ECサイト内にサイトマップを設置することで、ユーザーが必要としている情報にスムーズに辿りつけるようになります。たとえるならデパートのインフォメーションセンターのように、ユーザーを目的地まで迷うことなくナビゲートする役割が、ECサイトのサイトマップにはあるのです。逆にサイトマップがないECサイトや、ユーザーにとってわかりにくいサイトマップは、離脱率が高まり購入につながらないリスクがあります。目的のページに辿り着けないと、そのECサイトの顧客ではない限り、ほかのサイトを検索するため、サイトマップの存在は非常に重要です。わかりにくい、面倒くさいとユーザーに感じさせてしまい、その時点で2度とアクセスされない可能性があります。
 
ECサイトを制作したり改善したりするときに、スタッフ間での認識合わせは非常に大切です。どのページがどこにあるのか、どのページと関連づけられているのかを誰が見てもわかるようにしておくことで、コミュニケーションミスを減らすことができます。
 
ECサイトにサイトマップを設置する理由

◎ECサイトに必要な3つのサイトマップの種類と役割

ECサイトを制作・運営する上で必要となるサイトマップは、大きく分けて以下の3つがあげられます。それぞれにサイトマップの目的と役割が異なります。
 
○HTMLサイトマップ:ユーザー向け
ユーザーがECサイト内で迷わないよう、ナビゲートする役割を持つサイトマップです。主にトップページ、カテゴリーページ、商品ページ、ショッピングカート、マイページなどで構成されます。ユーザーが欲しい商品やサービスを簡単に見つけられるために、どこに何があるのかを一目瞭然にしておくことが重要です。ページの階層構造がわかること、用途別、種類別、ユーザー別などのカテゴライズも工夫することで、ユーザーにとって使いやすいECサイトになります。
 
○XMLサイトマップ:検索エンジンクローラー向け
XMLサイトマップとは、検索エンジンにECサイトの存在を認識させ、ページを効率的にクロールしてもらえるようにするために設置するサイトマップのことをいいます。主にSEO対策として有効とされており、検索エンジンにコンテンツをいち早くインデックスさせるために必要です。ユーザーが検索エンジンで検索をかけたときに、該当ページとして表示される確率を上げるためにも重要な役割を持ちます。XMLサイトマップとは、言い換えればロボット向けの情報提供ツールであるため、指定の形式通りに正確な記述が必要とされます。
 
○ECサイトの構成図:スタッフ向け
スタッフ向けのサイトマップは、サイトの制作時・アップデート時などに、スタッフ間の認識を合わせるために必須の、ECサイト全体を図やリスト化した構成図のことを指します。ECサイト全体の構成を可視化し一覧にすることで、導線を確認したり不要なページを整理しやすくなるので、サイトの制作前から準備しておくとよいでしょう。すべてのページの階層構造がわかるように記載し、ページ同士の関連性、リンク先なども表示させ、漏れがないようにしておくことが大切です。使用用途によっては、パワーポイントなどの図版だけでなく、エクセルでのデータ管理など、ケースによって使い分けられるようにしておくこともおすすめです。スタッフ間で認識のズレをなくしておけば、ユーザーのクレームやニーズにスムーズな対応が可能となります。
 
ECサイトに必要な3つのサイトマップの種類と役割

◎ECサイトにサイトマップを設置するメリット

ECサイトにサイトマップを設置することで、検索エンジンを通してユーザーに見つけてもらいやすくなり、売上アップが期待できます。検索または広告などでターゲットユーザーをECサイトにアクセスさせることに成功しても、すぐに目的の商品や情報に辿り着くことができなければ離脱率が上がります。わかりやすいサイトマップを設置して、事前に対策しましょう。ユーザーをECサイト内で迷わせないこと、欲しい商品にすぐ辿り着けるようにすることなど、サイトマップで的確なナビゲートを提供できているかが重要です。わかりやすいECサイトは、購入までのストレスを軽減し、ユーザーの好感度を高めることができます。
 
ECサイトをさらに良質なサイトに育てるためには、細やかな改善や修正が必要となります。スタッフ間で共有できるサイトマップ一覧があれば、混乱なくスムーズに対応できるでしょう。ユーザーからのクレームに対応したり、ECサイト内のバグやエラーに迅速に対処することでユーザーの満足度を上げ、コンバージョン率アップが期待できます。
 
ECサイトにサイトマップを設置するメリット

◎ECサイトのサイトマップ作成時のポイント

ECサイトにおけるサイトマップを作成するときは、作り方だけでなく考え方も重要です。それぞれのサイトマップの作成において、いくつか押さえるべきポイントがあります。
 
○HTMLサイトマップ:ユーザー向け
HTMLサイトマップを作成するときは、ユーザーが必要な商品や情報を簡単に見つけられるような、わかりやすいサイトマップを用意することが何より重要です。上位のECサイトを参考にするだけでなく、ユーザーが実際に該当のECサイトで買い物をする場面を詳細にイメージし、どのようなカテゴライズであれば迷わないかをシミュレーションしましょう。その際、ひとりで行わず、必ず複数人で行うことで、より一般化した使いやすいサイトマップを作成できます。一部の人の使いやすさだけに偏らないよう、誰が見ても整理されているサイトマップになっているかを確認します。
 
ECサイト全体の構成を決める際は、トップページ、商品(カテゴリー)ページ、サブページ、ショッピングカート、マイページなど、必要となる基本ページを洗い出し、階層構造をわかりやすく一覧にします。このとき、大まかなカテゴリーから徐々に詳細ページへ移行できるよう、並列の関係のものは同じ階層に位置させるなど、全体のバランスを見ながら作成しましょう。次に、ECサイトに掲載する商品やサービスを大まかに分類するカテゴリーページ、さらに細分化して具体的に分類するサブカテゴリーページを決めます。たとえば、ファッションのECサイトであれば「メンズ・レディース・キッズ」などをカテゴリーページ、「トップス・ボトムス・インナー・アクセサリー」などをサブカテゴリーに分類します。どこに何があるかがすぐわかるよう、商品が間違ったカテゴライズをされていないか、重ねてチェックしておきましょう。
 
また、AというカテゴリーとBというカテゴリー、どちらからも検索される可能性がある一部の商品については、双方からアクセスできるよう配慮しておく必要があります。分類ができたら、それぞれのカテゴリーにマッチする商品やサービスについての詳細ページを作成します。ユーザーが知りたいと思う商品の特徴やサイズ感、色など詳細に記載することで、実際に見ていないからわからないといった不安を取り除き、ユーザーがその商品やサービスを使ったらどうなるかをイメージしてもらいやすくなります。その商品についてのレビューやブログ記事などがある場合は、さらに深い情報を提供できるように準備しておくこともできます。
 
ECサイトのセールページや特集ページなど、ユーザーに今注目して欲しいページを魅力的に設置することも大切です。定期的にイベントがあると、ユーザーが飽きずにサイトを訪れてくれるので、さらなるファン化も見込めます。ユーザーがカテゴリーページからだけでなく、特定のキーワードを入力することでECサイト内の求めている商品に辿り着けるようにするため、検索機能は必須です。ユーザーがすでに目的の商品を絞っている場合は、商品検索にかかる時間の短縮とストレスを軽減できます。それぞれのページが整ったら、スマホ、タブレットなどさまざまなデバイスでの表示を確認しておきましょう。サイトマップを作成しながら、見やすさをブラッシュアップすることも大切です。
 
○XMLサイトマップ:検索エンジンクローラー向け
XMLサイトマップは、SEOの評価に直結するサイトマップです。そのため、正しい形式を使い、正確に打ち込むことが必須となります。いわばロボットに向けた情報伝達といえるでしょう。重要なポイントは、XMLのタグと構造をミスなく記述することです。Googleに信号として的確に情報を伝えられているかどうかが重要です。検索エンジンのインデックスに追加されることで、検索時に該当ページが表示されやすくなり、ユーザーから見つけてもらいやすくなります。ECサイト内のページごとにその重要度を設定することで、検索エンジンがクロールする優先度を指定できます。ECサイト内の優先順位を改めて認識し直すきっかけにもなるでしょう。
 
ECサイトを育てるためには細やかな修正・改善が必要となりますが、サイトを更新した場合、再度クロールが必要となるため、更新頻度を指定しておきましょう。定期的にクローリングを促すことで、ページの整合性を保ち、ユーザーに見つけてもらいやすくなります。ECサイトを修正したり更新した際には、必ずXMLサイトマップも更新するようにしましょう。ECサイト内の構造とズレが生じないよう、サイトの更新に合わせてXMLサイトも同じように更新を忘れないよう、注意が必要です。手動では工数がかかるため、Webサービスなどで自動生成を行う方法もあります。
 
○ECサイトの構成図:スタッフ向け
ECサイトの全体の構成図であるサイトマップを作成することは、スタッフ同士の認識を合わせ、的確な作業を行うために必要となります。スタッフの誰が見てもすぐにわかること、どのページに何の情報があるかを簡単に把握しやすいよう一覧にしましょう。スタッフ向けのサイトマップを作成する際には、基本的にはユーザー向けのサイトマップを土台と考え、さらにその裏方の配線まで見えるようにしておく必要があります。たとえば、コンサート会場をイメージしてみてください。観客用の案内図にプラスして、楽屋からの動線や裏の搬入口、各ルートがどうつながっているのかまで記載してあるのがスタッフ向けのサイトマップになります。
 
スタッフ向けのサイトマップは、使用目的に合わせて図版やデータなど、さまざまな形で用意しておくと便利です。パワーポイントなどを使えば、図を使って視覚化できるため、全体を把握するのに役立ちます。また、エクセルなどで全ページをデータ上で管理しておくことも、業務によっては使い勝手が向上します。また、在庫管理や注文処理、顧客サポートツールなど、内部システムへのリンクも構成図と合わせて用意しておくことで、スタッフが必要なページを迅速に確認しやすくなります。ページの配置を確認した流れで必要なシステムに飛べるようにしておくことで、導線がスムーズになります。
 
スタッフ向けのサイトマップには、社内手順やチェックリストなどスタッフ間で共有しておくべき情報にすぐアクセスできるようにしておくことで、効率的な業務連携が可能になります。重要なことは、スタッフの業務を円滑にすることです。ECサイトの運営にはさまざまな人が関わるため、スタッフの声を反映させながら全員が共通して把握できるサイトマップを構築していきましょう。
 
ECサイトのサイトマップ作成時のポイント

◎まとめ

ECサイトの制作・運営をするにあたり、サイトマップの作成は必須です。それぞれのサイトマップの役割や目的を理解し、スムーズな導線をつくっておきましょう。こまめな確認や見直しがECサイトの売上アップにつながります。
◎第71回 ECサイトに必須!売上アップにつながるサイトマップの作り方