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EC売上アップ術

◎第70回 ECサイトの売上アップに欠かせない!カスタマーサポート施策のポイント

ECサイトにおいてカスタマーサポートは、ユーザーとコミュニケーションをとる窓口の役割があります。近年では多くのECサイトが乱立しているため、ユーザーを獲得するには商品選びから購入後のフォローまで、質の高いカスタマーサポートを提供することが求められます。この記事では、ECサイトにおけるカスタマーサポートの重要性と、売上アップに効果的な施策をご紹介します。

 

◎ECサイトにおいてカスタマーサポートが重要な理由

ECサイトにおいてカスタマーサポートが重要な理由はいくつかあります。まず、カスタマーサポートを通じてユーザーの声をキャッチできる点です。ECサイトではユーザーと直接対面できないため、ユーザーから意見を集める機会がなかなかありません。だからこそ、ECサイトのカスタマーサポートはユーザーの声をキャッチするための重要な役割を持ちます。カスタマーサポートに寄せられる内容は、商品に関する質問やECサイトの操作性に関する要望、トラブル発生時のクレームなど多岐にわたります。こうしたさまざまな意見に耳を傾け、商品やサービスの改善に努めることでECサイトの売上アップにつながるのです。
 
また、カスタマーサポートはECサイトの顧客満足度や信頼性に大きく影響します。質の高いサポートを受けることでユーザーがECサイトのファンになり、リピーターになってくれることもあるからです。反対に不適切な対応によりユーザーがECサイトに対して不信感を抱くと、購買意欲の低下やユーザー離れは避けられません。カスタマーサポートに寄せられた意見を取り入れ、顧客満足度や信頼性を向上させることで、ECサイトに対するポジティブな口コミを集められます。ECサイトユーザーの約80%は「商品購入時に口コミを参考にする」をいう調査結果もあり、ECサイトの売上に対する口コミの影響は大きいです。カスタマーサポートに力を入れて、ECサイトに対してプラスのイメージを持ってもらうことで売上アップが期待できます。
 
ECサイトにおいてカスタマーサポートが重要な理由

◎ECサイトにおけるカスタマーサポート業務の課題

ECサイトのカスタマーサポートを改善するには、業務上の課題を認識しておきましょう。大きな課題のひとつは、情報が社内で適切に共有されないことで、業務が属人化してしまうことです。業務が属人化することで、スタッフの退職や異動でノウハウが失われる危険性があります。属人化を防ぐには、カスタマーサポート業務をシステム化し、スムーズに情報共有できる体制を構築することが大切です。
 
また、カスタマーサポートの質はスタッフのスキルによって大きく左右されます。しかし、スタッフ毎に回答内容や対応の質に違いがあるとECサイトの信頼性を損なう可能性もあります。ECサイトの売上に悪影響を及ぼさないためにも、常に一定水準以上のサポートを提供できるよう、カスタマーサポートの品質向上に努めなければなりません。
 
さらにECサイトにおけるカスタマーサポートは、臨機応変な対応が求められる煩雑な業務です。スタッフの負担が大きくなるほどミスが起こりやすくなり、業務を遅延させる原因にもなります。ECサイトの売上をアップさせるには業務を効率化し、抜け漏れなく対応できる環境を整える必要があります。
 
ECサイトにおけるカスタマーサポート業務の課題

◎ECサイトの売上をアップさせるカスタマーサポート施策

カスタマーサポート業務の課題を解消し、ECサイトの売上をアップさせるには、さまざまな施策が考えられます。最近ではカスタマーサポート業務支援ツールも数多く登場しているので、自社のECサイトに合ったものを導入するのもおすすめです。ECサイトの売上アップに効果的なカスタマーサポート施策を解説します。
 
○社内体制の構築
ECサイトの売上をアップさせるには、きめ細やかなサポートを提供できるように社内体制を構築することが大切です。まずはマニュアルを作成し、スタッフの役割分担や基本的な対応方法などを明確にしましょう。ECサイトのカスタマーサポート業務では、商品知識やコミュニケーション能力、接客マナーなど、さまざまなスキルが求められます。ユーザーの質問意図を汲み取り、適切なサポートを提供できるようにスタッフを教育することも欠かせません。
 
また、ECサイトのユーザー情報や過去の問い合わせ内容を管理・共有することで、よりユーザーファーストなカスタマーサポートを提供できます。ユーザーが「過去に問い合わせた内容について再度確認したい」などの場合でもスムーズに対応できるようになるため、顧客満足度が向上するでしょう。社内での情報管理・共有を効率化するには、ユーザー情報や問い合わせ履歴を一元管理できる顧客情報管理ツールの活用がおすすめです。
 
さらに、カスタマーサポート窓口に寄せられた内容を社内にフィードバックする仕組みをつくることも重要です。ユーザーから届いた意見をもとに商品やサービスを改善することでECサイトの売上アップにつながります。1度改善したら終わりではなく、PDCA(Plan:計画、Do:実行、Check:評価、Action:改善)をくり返し、継続的に取り組みましょう。
 
○ユーザーに寄り添った対応
顧客満足度を向上させてECサイトの売上アップにつなげるには、ユーザーに寄り添った対応が必須です。たとえば、「誕生日プレゼント用にラッピング対応は可能か?」という質問に対して「可能です」という回答だけでは冷たい印象を与えてしまいます。このようなシーンでは、「お誕生日という特別なシーンに弊社の商品を選んでいただきありがとうございます」などの言葉を添えてユーザーへの共感を示すことで、ECサイトに好印象を持ってもらえます。
 
クレームの場合は、謝罪をした上で状況や原因を説明するなど、誠実な対応が求められます。このとき、自社のECサイトにとって都合が悪いことでも包み隠さず説明し、改善策を含めて丁寧にお詫びすることが大切です。問題を真摯に受け止めて対応することで、一転してユーザーがECサイトに好印象を持つことも少なくありません。また、クレームから商品やサービスの改善点が見つかり、結果的にECサイトの売上アップにつながることもあります。
 
○スピーディーな対応
ECサイトのカスタマーサポート業務では、スピーディーな対応が求められます。すぐに疑問を解消できないとユーザーの購買意欲が低下してしまったり、ほかのECサイトや店舗で商品を購入してしまったりする可能性があるからです。こうした機会損失を防ぎ、EC サイトの売上をアップさせるには、原則として問い合わせから24時間以内に回答しましょう。実際、70.5%のユーザーが「問い合わせから回答まで24時間以内なら待てる」という調査結果もあります。
 
スピーディーな対応を実現するには、テンプレートの活用が有効です。決められた型を用意しておけば、スタッフが穴埋め形式で回答を作成できるため、作業量を大幅に削減できます。またスタッフのスキル差に影響されず、カスタマーサポートの質を均一にできるため、対応不備によるクレームの防止やECサイトの信頼性向上につながります。
 
さらにチャットボットの導入も効果的です。ECサイトはユーザーが24時間利用できるため、スタッフ不在時にも問い合わせがあります。深夜・早朝に寄せられた質問に人力だけで対応するのは限界がありますが、チャットボットが自動で回答する仕組みをつくっておけば、ユーザーを待たせることなく迅速に対応できます。ECサイトにおいてはカスタマーサポートのスピードが重視されるので、こうした自動化ツールも積極的に活用するのがおすすめです。
 
○窓口のマルチチャネル対応
ECサイトではメールや専用フォームでの問い合わせが一般的ですが、ターゲットに合わせて電話・チャット・LINE・SNSのDMなど、複数チャネルに対応しましょう。たとえば、SNSでのコミュニケーションに慣れている若年層の場合、メールに抵抗がある人もいます。若年層をターゲットにしているECサイトでは、LINEやSNSのDMでの問い合わせに対応しておくと利便性が高まります。一方で高齢者層の場合、メールで文章を作成するのに不慣れな人も多いです。高齢者層をターゲットにしているECサイトでは、電話での問い合わせに対応しておくと適切なサポートを提供しやすくなります。
 
ただし、複数チャネルに対応することで問い合わせ管理が複雑になり、対応漏れが起こりやすくなるので注意が必要です。問い合わせ管理ツールを導入することで、対応状況や過去の問い合わせ内容、回答までの所要時間などを一元管理できるようになります。対応漏れの防止や業務の効率化につながるため、顧客満足度の向上に効果があり、ECサイトの売上アップが期待できます。
 
○FAQ ページの作成
ECサイトのカスタマーサポート窓口には日々多くの問い合わせが寄せられますが、中には類似した内容の質問もあります。わざわざ問い合わせるのは面倒だと感じるユーザーも多いので、よくある質問をFAQ ページに記載してユーザーが自己解決できるようにしておきましょう。FAQ ページを充実させることでスタッフの負担軽減にもつながり、個別で対応が必要な業務に集中できるため、顧客満足度の向上に貢献します。
 
ただし、ECサイト上に質問と回答を羅列するだけではユーザーが必要な情報を見つけられない可能性もあります。ECサイトの利便性を向上させて売上アップを目指すには、ユーザーが目的の情報に素早くたどり着けるような工夫が必要です。具体的には、「支払い方法」「配送」「保証」など、質問内容をカテゴリ毎に分けて記載すると良いでしょう。関連する質問のアンカーリンクを設置して、ユーザーが情報を探す手間を省くことも有効です。また、回答を記載する際は専門用語や難しい言葉を使わず、誰でも理解できるわかりやすい文章になっていることをユーザー目線で確認しましょう。
 
ECサイトの売上をアップさせるカスタマーサポート施策

◎まとめ

ECサイトにおいてカスタマーサポートが重視される理由は、ユーザーの声をキャッチし、 顧客満足度や信頼性を向上させる役割があるからです。カスタマーサポートの質を改善する具体的な施策として、まずは社内体制を整え、ツールを活用しながら業務の効率化やユーザーの利便性向上を図るのが効果的です。ユーザーファーストなカスタマーサポートを提供し、ECサイトの売上アップを目指しましょう。
◎第70回 ECサイトの売上アップに欠かせない!カスタマーサポート施策のポイント