EC売上アップ術
◎第68回 ECサイトの売上をアップする!LPのメリットと制作のポイント
LPは、ECサイトの売上に大きく左右する重要な役割があります。LPでユーザーの興味を引き、購入を促すことはECサイトの売上アップに直接作用します。しかし、単純に商品説明を羅列しただけのLPでECサイトの売上を伸ばすのは困難といえます。売上アップの効果を高めるにはポイントを押さえてコンテンツを制作することが大切です。この記事では、LPのメリットとECサイトの売上をアップさせる制作のポイントを解説します。
目次
◎LPとは?ECサイトとの違い
ランティディングページとも呼ばれるLPですが、主に2つの意味があります。広義ではWebサイトを訪問したユーザーが最初にアクセスしたページのことを指し、狭義では商品購入や申込みなど、ユーザーにアクションを促すことに特化したページのことを指します。一般的にECサイトにおいては狭義のLPを指すことが多いです。
LPは商品の紹介から購入までを1ページで完結させて、ひとつの商品を売ることに特化しているのが特徴です。それに対してECサイトは、ユーザーがECサイト内を回遊して目的の商品を探すため、ひとつの商品に限定しないという違いがあります。
◎ECサイトでLPを制作するメリット
ECサイトでLPを制作する最大のメリットは、コンバージョン率が向上する可能性が高くなることです。ユーザーが知りたい情報を1ページにまとめ、疑問や不安を解消することで商品購入につながりやすくなります。LPには一般的なECサイトの商品ページより多くの画像が使用されるため、視覚的にユーザーを惹きつけて購買意欲を刺激する効果もあります。
ユーザーの離脱を防止できることもLP制作のメリットです。ECサイトにはバナー広告やほかの商品ページへのリンクが多数設置されているため、購入前にユーザーの興味が逸れて商品ページから離脱してしまうこともあります。一方でLPには、基本的に購入ボタンや申込みボタンなどのアクションを促すリンクのみが設置されるので、ユーザーが離脱せずに購入までたどり着けるのです。
LPはページを改善しやすいというメリットもあります。ECサイトは多数のページで構成されるため、課題を発見して改善するには時間がかかります。しかしLPは1ページで完結しているため、問題点をスムーズに改善できるのです。改善をくり返すことで、さらなるコンバージョン率アップが見込めます。
このようにLPにはさまざまなメリットがあるため、ECサイトと併用することで売上アップが期待できます。ECサイトの商品ページを作り込んでLPのような使い方をすることも可能です。ECサイトの商品数が多い場合は、主力商品や季節商品のLPを制作すると効果的です。
◎ECサイトの売上アップに効果的なLP制作のポイント
多くのメリットがあるLPですが、ただ制作すればECサイトの売上を伸ばせるわけではありません。コンバージョン率を高めてECサイトの売上アップを目指すには、魅力的なコンテンツを提供し、ユーザーの購買意欲を掻き立てることが大切です。
○ターゲットに合わせたコンテンツ制作
LPを制作する際は、あらかじめターゲットを明確に設定する必要があります。ターゲットが曖昧だと訴求力が低下し、ECサイトの売上アップにつながりません。まずはターゲットを絞り込み、ニーズを理解した上でコンテンツを制作しましょう。
ECサイトの売上をアップさせるには、ユーザーが思わず共感するような内容をLPに入れ込むことが効果的です。ユーザーがコンテンツの内容に共感することで、商品に興味を持つきっかけになります。具体的には、「このようなお悩みありませんか?」という文言の後に「野菜不足が気になる」「肌荒れがなかなか治らない」など、ユーザーが抱いている悩みをいくつか箇条書きにする方法があります。ユーザーに「自分向けの商品だ」と感じてもらうことで商品への興味が高まり、ECサイトの売上アップにつながるのです。
LP制作の際は、コンテンツのストーリー性も意識しましょう。ユーザーは基本的に上部から順にコンテンツを読み進めるため、もし途中で突然話が切り替わると混乱を招き、結果的にECサイトの売上に悪影響を及ぼす可能性もあるからです。「導入→ユーザーの悩み→商品の簡単な説明(悩みを解決できる理由)→商品の詳細な説明→購入者の声」のようにストーリーを立てて、ユーザーにとってわかりやすい構成にしておくとECサイトの売上アップにつながります。
○ベネフィットを伝える
ECサイトの売上アップを目指すには、商品を購入することでどのようなメリットがあるか、ベネフィットを伝えることも大切です。どれだけ優れた商品でも、説明文を読んで自分にメリットがあると思ってもらえなければ購入してもらえないからです。
ベネフィットを伝えるには、画像や文章を使って購入後の未来をイメージさせるのが効果的です。たとえばノンアイロンシャツの場合、「面倒なアイロンがけから解放される」「クリーニングに出す手間が省ける」などの文言があると、実際に商品を使用しているシーンをイメージしやすくなります。ターゲットにどのようなベネフィットがあるかをわかりやすく伝えることで、購入する価値のある商品だと思ってもらえるのです。ECサイトの売上を伸ばすには、商品の特徴を伝えることももちろん大切ですが、ベネフィットを伝えることも欠かせません。
○ファーストビューを作り込む
ファーストビューとは、Webサイトを訪問したユーザーが最初に見る範囲のことを指します。つまり、Webサイト上部のスクロールせずに見える部分のことです。一般的に、ファーストビューで直帰するユーザーの割合は70%以上といわれています。ECサイトの売上をアップさせるには、ファーストビューでユーザーの興味を引き、離脱を防ぐことが重要です。
魅力的なファーストビューを制作する際に大切なのは、メインビジュアル・キャッチコピー・権威付けの3点です。メインビジュアルには、商品名・商品写真・価格・内容量など、ユーザーが必要としている情報を漏れなく掲載します。画像・動画・スライドショーなどさまざまな形式があるので、商品の魅力を最大限伝えられるものを選択しましょう。
キャッチコピーはひとことで商品の強みを表し、ターゲットのニーズに合ったものを考えましょう。ただし、商品の優れている点を押し出すだけでは押し付けがましい印象を与えるため、ECサイトの売上アップに逆効果となることがあります。ユーザーの心を動かすにはベネフィットを強調することが大切です。
権威付けとは、受賞歴やメディアへの掲載実績など、商品の信頼性を裏付ける情報のことです。「お客さま満足度◯%」「金賞受賞」など、客観的な評価を表示することで説得力が増し、ユーザーに安心感を与えるためECサイトの売上アップが期待できます。王冠やメダルマークを使って目立たせるとより効果的です。
○ユーザーの疑問や不安を解消する
ECサイトやLPでは実際に商品を手に取ることができないため、ユーザーにとって商品を購入するハードルが高いです。また商品に興味を持っても、疑問や不安が解消できなければ購入せずにそのまま離脱してしまい、ECサイトの売上アップにはつながりません。そのためユーザーが抱く疑問や不安を推測し、LP内で解消できるようにしておくことが大切です。たとえば「耐久性」「競合他社の商品との違い」「商品の効果を示す根拠」など、ユーザーからの問い合わせ内容やほかのECサイトを参考に必要な情報を検討しましょう。
また、購入者の口コミを紹介することでユーザーに安心感を与えられ、ECサイトの売上アップを目指せます。ユーザーにとって購入者という第三者の客観的な意見は信頼できるからです。年齢や性別など、商品のターゲットに近い属性を持つ購入者の口コミを掲載すると、よりECサイトの売上アップに効果的です。
○UIを意識する
ECサイトの売上をアップさせるには、UIを意識することも大切です。操作性に優れたECサイトやLPは数多く存在しているため、使い勝手が悪いとユーザーはすぐに離脱してしまいます。「文字の大きさが適切か」「表示速度が遅すぎないか」「ボタンが押しやすい位置にあるか」など、ストレスを感じることなく商品購入までたどり着けるか、ユーザー目線で確認しましょう。あまりにも情報量が多いと知りたい情報を見つけにくくなり、ユーザーが離脱する原因になります。ECサイトの売上アップにつなげるには、本当に必要な情報を取捨選択し、ページ内にわかりやすく配置する必要があります。
最近ではスマートフォンからECサイトやLPを閲覧するユーザーが大半を占めているので、スマートフォン対応も必須です。PCのみに対応している場合、スマートフォンからの閲覧は大きなストレスを与えるため機会損失を招き、ECサイトの売上アップにつながりません。スマートフォンからアクセスした際にデザインが崩れていないか、必ず確認しましょう。
◎ECサイトの売上アップにつながるLPの運用方法
LPは1度制作すれば終わりではなく、長期的に運用していくことが大切です。ECサイトの売上を伸ばすには、まずはLPへのアクセス数を増やす必要があります。アクセス数を増やすにはWeb広告を出稿するのが効果的です。ただしWeb広告にもさまざまな種類があるので、やみくもに広告を打てばECサイトの売上アップが期待できるわけではありません。ターゲットがよく利用するサイトやSNSなどを調査し、最適な場所に広告を出稿しましょう。
ある程度アクセス数を集められるようになったら、アクセス解析を行います。アクセス解析ツールを使用すればユーザーの動線を把握できるため、課題が見えてきます。「クリック数が少ないボタン」や「あまり読まれていない箇所」などを分析してLPを改善することで、よりECサイトの売上アップが期待できるのです。
LPを改善する際は、A/Bテストすることをおすすめします。唐突にデザインを大きく変更すると、前回デザインの問題点を究明できなくなってしまうからです。また、かえってコンバージョン率が低下し、ECサイトの売上に悪影響を及ぼす可能性もあります。手間はかかりますが、画像やキャッチコピー、ボタンの位置などを少しずつ変えながら効果を測定し、LPを最適化しましょう。
◎まとめ
LPはひとつの商品を売ることに特化したページであり、ECサイトの売上に大きく影響します。ECサイトの売上アップにつながるLPを制作するには、ユーザーを惹きつけられるようにファーストビューを作り込み、ターゲットに合わせたコンテンツを意識することが大切です。制作後は効果測定・改善をくり返すことで、よりECサイトの売上を伸ばす効果が期待できます。魅力的なLPを制作し、ECサイトと併用して売上アップを目指しましょう。