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EC売上アップ術

◎第64回 Web接客ツールの導入でECサイトの売上アップ!目的別活用方法

ECサイトは、ユーザーが時間や場所にとらわれることなく利用できるメリットがある一方で、ユーザーと販売者がコミュニケーションを取れないというデメリットもあります。それを解消するために、Web接客ツールを導入するECサイトも増加しています。いまやECサイトでの接客は当たり前になりつつあるのです。この記事では、ECサイトにおける接客の重要性と、Web接客ツールの活用方法を目的別に解説します。

 

◎ECサイトにおける接客の重要性

ECサイトの市場規模は年々拡大しており、利用者も増加傾向が続いています。その一方で、商品や販売者の顔が見えないECサイトだからこそ、「サイズや色味が商品画像のイメージ通りか」「返品や交換の対応をしてもらえるのか」「商品のディテールがわかりづらい」といった不安を抱えるユーザーも多いです。ユーザーからのこうした意見を放置すると、ECサイトのイメージダウンや顧客離れにつながる可能性があります。逆に商品選びをサポートし、不安を解消するような接客を提供できれば、ユーザは安心してECサイトを利用できます。ECサイトの市場が拡大しているからこそ、接客にも力を入れるべきなのです。ECサイトでの接客を実現するなら、Web接客ツールの導入を検討しましょう。
 
Web接客ツールとは、ECサイトを訪れたユーザーに実店舗のような接客を提供するツールのことです。Web接客ツールを導入することで、適切なタイミングでユーザーのニーズに合った提案が可能になるため、離脱率の抑制や購買率の向上につながります。きめ細やかなおもてなしの提供は、ECサイトの信頼性や顧客満足度の向上にも効果があり、ファン獲得も期待できます。
 
ECサイトにおける接客の重要性

◎Web接客ツールの種類

Web接客ツールには、大きく分けて「チャット型」「ポップアップ型」「ハイブリッド型」の3種類があります。チャット型は、チャット機能を使用してユーザーがリアルタイムで気軽に質問できるWeb接客ツールです。ECサイト運営者側があらかじめ設定したシナリオに沿ってチャットボットが自動対応する方法と、担当者が実際に対応する方法があります。ポップアップ型は、一定の条件に従ってクーポンやキャンペーンのバナーをポップアップ表示させるWeb接客ツールです。実店舗での顧客に対する「お声かけ」に相当します。ポップアップ型には、ECサイト運営者側が表示条件を設定するシナリオ型と、AIが自動でターゲットを決定する人工知能型の2種類があります。チャット型とポップアップ型の機能を組み合わせたものがハイブリッド型のWeb接客ツールです。
 
いずれのWeb接客ツールもユーザーの属性・閲覧履歴・購入履歴などを基に、1人ひとりに最適化された接客を目指します。実店舗での接客の場合、スタッフによって提供できるサービスの質が左右されますが、Web接客ツールはサービスの質を均一化できるのが特徴です。
 
Web接客ツールの種類

◎ECサイトの売上アップにつながるWeb接客ツールの活用方法

ECサイトの売上をアップさせるには、Web接客ツールを導入する目的を明確にし、目的に沿って運用することが大切です。
 
○ECサイトからの離脱防止
ユーザーはECサイトを訪問しても、「欲しい商品がない」「ECサイトのデザインが使いにくい」「会員登録が面倒」など、さまざまな理由で離脱してしまいます。とくにユーザーがECサイト内にあるほかのページを閲覧せずに離脱する割合を「直帰率」と呼び、一般的にECサイトの直帰率は40%前後といわれています。ECサイトの売上を伸ばすには、ユーザーの離脱率を抑えることが重要です。
 
ユーザーの離脱率を抑制するには、Web接客ツールを活用してECサイトの目玉商品やキャンペーンのバナーをポップアップ表示させるのが効果的です。魅力的な商品を表示させることでユーザーが自らECサイト内を検索する手間を省き、直帰率を抑える効果があります。また、キャンペーンページに誘導することでECサイト内の回遊を促し、購買意欲を刺激することも可能です。
 
ECサイトのさらなる売上アップを目指すには、Web接客ツールで表示させるバナーのA/Bテストを行いましょう。A/Bテストとは、複数パターンの広告をランダムでECサイト上に表示させ、それぞれの成果を比較することで広告を最適化させる手法です。ECサイトで取り扱う商品やキャンペーンの内容によって、効果的なバナーのデザインは異なります。バナーが表示されても「文字が見づらい」「メリットが伝わりにくい」などの理由で効果が得られないこともあるのです。Web接客ツールのなかには、バナーのポップアップ表示と並行してA/Bテストを行えるものもあるので活用しましょう。
 
○新規顧客やリピーターの獲得
ECサイトの新規顧客やリピーターを獲得するには、ユーザー人一人に合った情報を提供することが大切です。Web接客ツールを活用して、ユーザーにとって有益な情報を適切なタイミングで伝えることで、ECサイト上でも実店舗のようなホスピタリティを実現し、顧客獲得につながります。Web接客ツールにはユーザーの訪問回数や滞在時間、閲覧履歴に応じて異なるバナーを表示させる機能があります。それを活用して、新規顧客には会員特典や初回購入限定クーポンのポップアップ表示、リピーターにはポイントプログラムのポップアップ表示やチャットによるユーザーサポートを提供するのが良いでしょう。ECサイト上にバナーを表示させる際は、A/Bテストの実施も必須です。
 
また、バナーだけではなく動画をポップアップ表示できるWeb接客ツールもあります。写真だけでは伝えきれない商品の魅力を動画でわかりやすく伝えることで、ECサイトの信頼性が向上します。たとえば、アパレルを取り扱うECサイトの場合、「スカートが脚にまとわりつかず歩きやすい」といった商品着用時の機能性や動きを伝えるのに有効です。
 
○カゴ落ち対策
カゴ落ちとは、ECサイトを訪問したユーザーが商品を買い物カゴに入れたものの、購入せずに離脱することを指します。カゴ落ちの原因は、「単純に買い忘れている」「購入を迷っているため、とりあえず買い物カゴに入れている」という場合がほとんどです。ECサイトにおけるカゴ落ちの割合は約70%といわれており、ECサイトの売上に大きく影響します。
 
買い忘れを防ぐには、商品を買い物カゴに入れてから一定時間経過後に「お買い忘れの商品はありませんか?」などの商品購入を促すポップアップを表示させるのが有効です。ただし、頻繁にポップアップを表示させるとユーザーに不快感を与えるため、Web接客ツールの表示間隔を慎重に設定する必要があります。また、購入を迷っているユーザーには「送料無料クーポン」や「割引クーポン」をポップアップ表示させ、お得感をアピールして商品購入のきっかけをつくることが大切です。
 
○高額商品の購買率アップ
ECサイトでは実物を手に取ることができないため、高額商品の購入をためらうユーザーも多いです。ECサイトで高額商品を購入してもらうには、ユーザーの疑問や不安を解消する必要があります。そのため「チャット型」のWeb接客ツールを活用して、ユーザーが気軽に質問できる環境を用意するのが効果的です。ユーザーから寄せられる質問は、商品の機能や耐久性、保証内容など、多岐にわたります。その商品に興味を持ったユーザーがどのような情報を求めているかを分析し、Web接客ツールでスムーズに対応できるように準備しておきましょう。
 
チャットでのやりとりはECサイト運営者の表情が見えないため、機械的で冷たい印象を与えてしまうことがあります。ユーザーに寄り添い、ニーズを捉えた丁寧かつ親しみやすい接客を心がけなければなりません。また、商品選びの手助けやプラスαの提案をすることで好印象を与えられます。たとえば、高額商品は贈答用として購入されることも多いため、ラッピングや名入れなど、ギフト対応している場合はチャットを通して提案すると良いでしょう。
 
文字だけでのやりとりは対面での会話に比べると情報が伝わりにくくなります。多くのユーザーはスマートフォンからECサイトを訪問するため、小さな画面では文章が読みにくく、文章が長いと読み飛ばされてしまうからです。また、ニュアンスの違いが伝わりづらく、誤解を招くこともあります。そのため、チャットでは「結論ファースト」を心がけ、長文を避けて簡潔でわかりやすい文章を作成しましょう。
 
○ECサイト運営業務の効率化
ECサイトの運営には、販促活動・在庫管理・商品登録・問い合わせ対応・効果測定など、さまざまな業務が必要になります。中でも販促活動や問い合わせ対応は、ユーザー1人ひとりに最適化する必要があるため、多くの時間を要します。そのため、新商品の開発やキャンペーンの企画など、ECサイトの売上に直結する業務に注力する時間が取れないと悩む運営者も多いでしょう。Web接客ツールを導入することで、パーソナライズしたバナーをポップアップ表示させ、プロモーションや問い合わせ対応を自動化できるため、業務の効率化が可能です。これにより、本来注力したいクリエイティブな業務に集中できます。ECサイトの運営にかかる経費のなかで人件費は大きな割合を占めるため、余計な人件費をカットすることで利益を上げやすくなります。
 
チャット型のWeb接客ツールを導入する際は、問い合わせ内容を収集・分析することが大切です。問い合わせ内容から、これまで気づかなかったユーザーの悩みやニーズを把握できます。分析したデータを基に新商品の開発やサービスの改善を行うことで、顧客満足度の向上につながります。高品質な商品やサービスを提供することでECサイトの信頼性も向上し、売上アップが期待できるでしょう。
 
ECサイトの売上アップにつながるWeb接客ツールの活用方法

◎まとめ

ECサイトの売上を伸ばすために「接客」は重要な要素のひとつです。Web接客ツールを導入することで、適切なタイミングでユーザーに寄り添った提案が可能になり、購買率の向上やリピータの獲得につながります。ECサイトの離脱率抑制や顧客単価の増加など、目的によってWeb接客ツールでのアプローチの仕方はさまざまです。Web接客ツールを活用して充実したおもてなしを提供し、ECサイトの売上アップを目指しましょう。
◎第64回 Web接客ツールの導入でECサイトの売上アップ!目的別活用方法