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EC売上アップ術

◎第63回 ECサイトの売上アップにつながる!レコメンドツールの活用方法

ECサイトではユーザーと対面できないため、適切なタイミングでニーズに合った商品を提案するのが難しいと悩む運営者も多いでしょう。その際に活用したいのがレコメンドツールです。レコメンドツールを導入することでユーザーが欲しい商品を見つけやすくなり、実店舗での接客のようなおもてなしを提供できます。この記事では、ECサイトにレコメンドツールを導入するメリットや売上アップにつながる活用方法をご紹介します。

 

◎レコメンドツールの種類

レコメンドツールとは、一定のルールに従ってユーザーの興味を引く商品を表示させるツールのことです。レコメンドツールが商品を選定する仕組みにはいくつかの種類があります。
 
まず、ECサイト運営者側が設定したルールに基づいて商品を表示させる仕組みを「ルールベース」と呼びます。これは主にセール商品や期間限定商品のレコメンドに用いられます。また、商品のブランドや価格、カテゴリなどが類似した商品を表示させる仕組みが「コンテンツベースフィルタリング」で、主に関連商品のレコメンドに用いられます。さらに、ユーザーの購買履歴や閲覧履歴を基におすすめの商品を表示させる仕組みを「協調フィルタリング」といいます。協調フィルタリングには、商品の類似度に着目するアイテムベースと、商品を閲覧・購入した他のユーザーとの類似度の着目するユーザーベースの2種類があります。どちらも「この商品を見た人にはこちらの商品もおすすめ」という形で用いられることが多いです。そして、これらの手法を組み合わせたハイブリッドという仕組みもあります。
 
導入するレコメンドツールの仕組みによって表示される商品が変わるため、ECサイトで取り扱う商品や運営状況に応じて使い分けることが大切です。自社のECサイトで効果的に訴求するにはどのような仕組みを採用すべきか検討しましょう。
 
レコメンドツールの種類

◎ECサイトにレコメンドツールを導入するメリット

ECサイトにレコメンドツールを導入することで、さまざまなメリットを得られます。最大のメリットは、ECサイトでの購買率や滞在時間が向上することです。レコメンドツールを使用することでユーザーのニーズに合った商品の提案が可能になるため、購買率が高まります。また、関連商品を表示させることでECサイトでの滞在時間を延ばし、回遊率アップも期待できます。ECサイト内のさまざまなページを閲覧してもらうことでユーザーの購買意欲を刺激し、衝動買いやついで買いにつながるのです。
 
魅力的な商品を表示させることで、ユーザーの潜在的なニーズを掘り起こす効果もあります。それによって本来購入する予定のなかった商品もまとめて購入してもらえるため、顧客単価が増加します。ECサイトの売上を伸ばす上で、顧客単価アップは欠かせない要素のひとつです。ECサイトの利便性や信頼性が高まることもメリットでしょう。数多くのECサイトが乱立する近年、ユーザーから選ばれるには「使いやすく、信頼できるECサイト」であることが求められます。レコメンドツールを使用しておすすめの商品を提案することで、ECサイトでユーザーが欲しい商品を見つけやすくなるため、リピーター獲得につながります。
 
ECサイトにレコメンドツールを導入するメリット

◎ECサイトの売上アップに効果的なレコメンドツール活用方法

レコメンドツールをただ導入すればECサイトの売上がアップするわけではありません。「リピーターを獲得する」「顧客単価を上げる」などの具体的な目的を設定し、目的に合わせてレコメンドツールを活用することが大切です。
 
○トップページでの活用
一般的にトップページは、ECサイトのなかで最も多くのユーザーが閲覧するページです。ただしユーザーはトップページを訪問しても、欲しい商品がない、または見つけにくいと感じるとすぐに離脱してしまいます。このように、ユーザーがECサイト内にある他のページを閲覧せずに離脱する割合を「直帰率」と呼びます。ECサイトの売上をアップさせるには、直帰率を抑えることが重要です。直帰率を抑えるには、トップページにユーザーの興味を引く商品を表示させ、商品ページに誘導しましょう。レコメンドツールを使用して、ECサイトの売れ筋ランキングやイチオシ商品を表示させると効果的です。ユーザーがわざわざECサイト内を検索せずとも1クリックで商品の詳細ページへ移動できるため、利便性が向上します。さらに、魅力的な商品を取り扱っているECサイトという印象を与えるため、ブランドイメージも向上するでしょう。
 
○マイページでの活用
マイページを訪れるユーザーは、自社のECサイトに会員登録している既存顧客です。その既存顧客にECサイトのファンになってもらい、リピート購入してもらうことで売上がアップします。ファンを獲得するには、ユーザーに「このECサイトは自分の好みをよくわかっている」「自分向けのECサイトだ」と思ってもらうのが効果的です。そのためには、ユーザーの購入履歴や閲覧履歴に基づいたおすすめ商品を表示させましょう。ただ単純に類似商品ではなく、ユーザーの好みに合った商品を表示させることで特別感を演出できます。ただし、ユーザーがECサイトで過去に閲覧した商品のサイズ違いや色違いばかりがおすすめ商品に表示されても効果的に訴求できません。さまざまな商品を表示できるようにレコメンドツールをあらかじめ調整しておく必要があります。
 
○商品一覧での活用
商品一覧では、ユーザーが多種多様な商品の比較・検討を行います。そのため、カテゴリ内の人気商品ランキングを表示させるなど、ユーザーの商品選びの手助けとなるような提案をするのがよいでしょう。ユーザーがECサイトで商品を購入する場合、「買い物に失敗したくない」という心理が働きます。人気商品ランキングを表示させることで「ほかの人も使っている」という安心感を与えられます。また、選択肢が多すぎると商品を選ぶのがかえって難しくなり、ストレスに感じるユーザーもいます。ある程度選択肢を絞ることで、ユーザーが商品を選びやすくなるのです。このようにユーザーの不安やストレスを解消することで、ECサイトの売上アップが期待できます。
 
○商品ページでの活用
商品ページを閲覧するユーザーは、その商品に興味を持っている状態です。ECサイトの売上アップにつなげるには、商品の購入を後押しする必要があります。そのためには、該当の商品と似た商品やスペック違いの商品を表示させるのが有効です。いくつかの選択肢を提示することでユーザーに選ぶ楽しみを感じてもらい、購買意欲を刺激する効果があります。また、より高スペックで単価の高い商品に興味を持ってもらうことで、ECサイトの顧客単価が増加する可能性もあります。ただし、高スペック商品を無理におすすめすると押し付けがましい印象を与えるため逆効果です。高スペック商品を提案する際は、「より高い耐久性を求める方にはこちらの商品もおすすめ」など、どのようなメリットがあるかをわかりやすく説明しましょう。
 
○カートページでの活用
カートページまで進んだユーザーは、購買意欲が最も高まっている状態です。このタイミングで「ついで買い」や「まとめ買い」を促すことでECサイトの売上アップにつながります。セットで購入すると便利な関連商品や、まとめ買いで割引になる商品などをおすすめするのが効果的です。ECサイトで「◯円以上は送料無料」と条件を設定している場合は、条件を達成できる少額の商品を提案するのもよいでしょう。また、ECサイトの売上をアップさせるにはカゴ落ち対策も欠かせません。一般的にECサイトにおけるカゴ落ちの割合は約70%といわれています。カゴ落ちの主な原因はECサイトでの購入手続きの煩雑さにあるため、商品購入に対する心理的なハードルを下げることが大切です。レコメンドと合わせて「最短1分で購入完了」などのポップアップを表示し、スムーズに購入できることをアピールしましょう。
 
○レコメンドメールの活用
ECサイトの売上を伸ばすにはリピーターの獲得が重要です。レコメンドメールを配信することでユーザーがECサイトを訪問するきっかけになり、リピーターを獲得しやすくなります。レコメンドメールには、ユーザーの購入履歴や閲覧履歴に基づいたおすすめ商品を掲載するのがよいでしょう。ユーザー一人一人の好みに合わせた商品を提案することでECサイトのリピート率が向上します。セール商品や期間限定商品もユーザーの興味を引きやすいので効果的です。また、ECサイトではユーザーが商品をカートに入れたまま購入し忘れてしまうこともあります。買い忘れ商品をメールでレコメンドし、購入ページへのリンクを挿入することでスムーズに購入できるようにしましょう。
 
ECサイトの売上アップに効果的なレコメンドツール活用方法

◎レコメンドツール導入時の注意点

ECサイトにレコメンドツールを導入する際はさまざまなメリットがある一方で、いくつかの注意点があります。まず、レコメンドツールを導入してもすぐに効果が現れるわけではないことを理解しておきましょう。レコメンドツールはユーザー情報や購入履歴など、ECサイト上にある大量の情報を基におすすめ商品を表示させる仕組みです。そのため、レコメンドツールの導入初期や新商品など、ECサイト上で十分な情報が得られていない場合は商品選定の精度が低くなります。レコメンドツールは長期的に運用していくことが大切です。
 
レコメンドツールは大量のデータを必要とするため、ニッチな商品の提案には不向きです。なぜならニッチな商品は需要が少なく、ECサイト上でデータを収集しづらいため、精度を高めるのが困難なためです。これを「少カバー率問題」と呼びます。しかしながら、最近では「少カバー率問題」対策を施しているレコメンドツールも登場しています。ECサイトでニッチな商品を多く取り扱っている場合は、「少カバー率問題」対策が施されているレコメンドツールを選びましょう。
 
レコメンドツール導入時の注意点

◎まとめ

ECサイトにレコメンドツールを導入することで、ユーザーの趣向に合わせた商品の提案が可能になり、購買率や顧客単価の向上が期待できます。レコメンドツールにはいくつかの種類があるため、目的や活用するページによって適切な仕組みを選択する必要があります。どのような提案をするのが効果的か、ユーザー目線で検討することが大切です。レコメンドツールを上手に活用してECサイトの売上アップを目指しましょう。
◎第63回 ECサイトの売上アップにつながる!レコメンドツールの活用方法