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EC売上アップ術

◎第59回 ECサイトの売上アップに効果的なバナー制作術

ECサイトにおいて、バナーは売上に関わる重要な要素のひとつです。ECサイトにバナーを設置することで、ユーザーを該当のページへ誘導できます。ただし、ECサイトに設置すれば必ずクリックしてもらえるわけではありません。ユーザーに対して効果的に訴求するためには、いくつかのポイントがあります。この記事では、ECサイトの売上アップにつながるバナー制作の流れと、効果を高めるポイントをご紹介します。

 

◎ECサイトでバナーを設置する効果

ECサイトにおいて、バナーの設置はユーザーに対して商品やサービスを告知し、該当のページへ誘導する役割があります。バナーによって、新商品や季節・イベントに応じた商品をECサイト上でアピールすることが可能です。テキストで告知するより画像を使って視覚的に訴えると、ユーザーの目を引き印象に残りやすくなります。
 
これにより商品やサービスの認知度を高め、ECサイトの既存顧客だけではなく潜在顧客にもアプローチできます。またユーザーの興味を引き、該当のページに訪問してもらうことで、商品やサービスのより詳細な内容や特徴を理解してもらうことで、成約率を高める効果が期待できます。バナーをクリックするだけで該当のページに行けるので、ECサイトにおけるユーザーの利便性を向上させることにもつながります。
 
ECサイトでバナーを設置する効果

◎売上アップにつながるバナー制作の手順

ECサイトの売上アップにつなげるためには、バナーを使って商品やサービスの内容をユーザーに伝えることが大切です。そのためには、バナー制作の流れを理解しておく必要があります。
 
○コンセプト・目的を決める
誰に何を伝えたいのか、コンセプトと目的を決めます。ターゲットの性別・年代・職業などを具体的に設定し、キャンペーンに参加してもらう・商品を購入してもらうなどの最終的なゴールを明確にしましょう。コンセプトや目的が明確になっていないと、ユーザーに情報が伝わりにくくなり、ECサイトにバナーを設置してもクリックされにくいです。
 
○参考になるデザインを探す
ゼロからデザインを作成するのは時間も手間もかかります。効率的に制作を進めるためには、見本となるデザインを探すにもひとつの方法です。人気のあるECサイトやバナーデザインを集めたサイトが参考になるでしょう。集めたデザインのテイスト・色の組み合わせ・画像や文字の配置などを参考にして、自社のECサイト向けにオリジナルのデザインを作成します。
 
○バナーに入れる要素を選定し、ラフを作成する
小さなバナーに入れられる情報には限りがあります。ECサイトでユーザーの興味を引くためにはどのような要素を入れるべきかを考えましょう。よく使われる要素は、商品やサービスの名称・写真やイラスト・強みや特徴を表すキャッチフレーズの3つです。要素の選定が終わったらラフを作成します。最終的なデザインは後の工程で決定するため、アイデアが浮かんだ分はすべてラフを作成しておきましょう。
 
○バナーの配色を決める
多くの色を使うと、混沌として必要な情報が伝わりにくくなるので注意が必要です。全体のイメージを決める「テーマカラー」、テーマカラーを補う「サブカラー」、ユーザーの目を引く「アクセントカラー」の3色で構成するとバランスが良くなります。テーマカラー70%:サブカラー25%:アクセントカラー5%の割合を意識することがポイントです。「白は清潔感」「黒は高級感」など、配色によってユーザーに与える印象は異なります。商品やサービスのイメージに合った配色を選びましょう。配色パターンを自動で提案してくれるサイトがあるので、配色に悩んだときに活用できます。
 
○複数デザインのバナーを制作する
ラフや配色案をもとにバナーを制作します。さまざまなバリエーションを比較・検討できるように、写真やカラー違いなど、複数のデザインを用意すると良いでしょう。各要素の配置や大きさは後の工程で調整するため、この段階でこだわる必要はありません。あくまでもデザインのイメージを形にすることが目的です。
 
○バナーデザインの決定・微調整
デザイン案のなかから最終的にECサイトで採用するデザインを決定します。ECサイト内に設置したとき、商品やサービスの内容が伝わるか・クリックしたいと思うか、ユーザー目線で確認しましょう。バナーのデザインについて、ECサイトのユーザーからアンケートを取るのも有効です。採用するデザインが決まったら、各要素の配置や大きさなどを微調整します。
 
売上アップにつながるバナー制作の手順

◎バナーのクリック率を高めるポイント

バナーは制作をしたら終わりではなく、ECサイトの売上をアップさせるためには、クリックしてもらう必要があります。クリック率を高めるために、いくつかのポイントを押さえておきましょう。
 
○バナーの効果的な設置場所を考える
ECサイトにおいてバナーの効果を高めるには、デザインだけではなく設置場所が重要です。一般的にECサイトではトップページに設置されることが多いですが、絶対に正解というわけではありません。ECサイトのトップページをほとんど見ずに、別のページへ移動するユーザーもいるからです。この場合、トップページに設置してもユーザーから気づかれずにスルーされてしまいます。
 
ECサイト内で訪問者数の少ないページや、ユーザーがバナーの存在に気づかない場所に設置しても効果は見込めません。多くのユーザーにバナーの存在を認識してもらえて、なおかつクリックしやすい場所に設置されていることが重要です。単純にECサイト上の目立つ場所に設置すれば必ず良い結果がでるとは限りません。たとえば、扇風機のバナーを「暖房器具」カテゴリページの上部に設置しても効果は得られないでしょう。
 
バナーを設置する際は、ECサイト内でのユーザーの動線を考慮する必要があります。そのためには、アクセス解析ツールを使って、ECサイト内でどのページの訪問者数が多いか・ページの滞在時間はどのくらいか・ユーザーがどのような経路で商品を購入しているかなどを分析しましょう。たとえば、ECサイト上のマイページを経由して商品を購入することが多いのであれば、マイページにバナーを設置すると効果が期待できます。また、ECサイト内のあるページでの滞在時間が長い場合、ユーザーがその内容に興味を持っている可能性が高いです。そのため、ページの内容に関連したバナーを設置するのが効果的でしょう。
 
ECサイトによって、ユーザーの動線はさまざまです。ほかのECサイトをただ真似するだけではなく、自社のECサイトについてしっかりと分析することが大切です。
 
○効果測定・改善をくり返す
ECサイト上にバナーを1度設置したら終わりではなく、効果測定と改善を繰り返すことが大切です。アクセス解析ツールを使ってECサイト内のクリック率やコンバージョン率を測定し、効果が薄い場合は設置場所の変更を検討する必要があります。
 
また、ECサイト上の同じページ内でもタイトル下・本文中・本文下など、設置する位置によってクリック率が変わることもあります。ページ内のどこにバナーを設置したときにクリック率が高いかを検証し、位置を見直していきます。効果測定には「A/Bテスト」という手法がおすすめです。A/Bテストとは、複数のパターンをユーザーにランダムで表示し、それぞれの効果を比較する手法を指します。A/Bテストは、各パターンの効果を同時並行で測定できるのがメリットです。位置を少しずつ変えながらテストを行い、ECサイトのバナー設置場所を最適化していきましょう。
 
バナーのジャンルによっても効果的な設置場所は異なります。ほかのバナーでクリック率が高かったからといって、ECサイト上の同じような場所に別ジャンルのバナーを設置しても効果が得られない場合もあるのです。バナーごとにひとつずつ効果を測定することで、ECサイトの売上アップにつながります。
 
○設置場所に適したバナーのサイズにする
ECサイトで使われるバナーのサイズに決まりはなく、自社で自由に決められます。一般的によく使われるサイズは「横250×縦250px(正方形タイプ)」「横468×縦60px(横長タイプ・パソコン向け)」「横320×縦50px(横長タイプ・スマートフォン向け)」「横160×縦600px(縦長タイプ)」などです。サイズによってユーザーに与える印象が大きく異なるので、ECサイト上でさまざまなサイズを試してみましょう。
 
ただし、ECサイト内の設置する場所によって適したサイズがあることは理解しておく必要があります。たとえば、コンテンツの途中に縦長のバナーがあると、ユーザーがジャマだと感じてECサイトから離脱してしまう可能性があります。コンテンツの途中に設置する場合は、正方形タイプや横長タイプが適しています。縦長タイプは、ECサイトのサイドメニューなどに設置するのが良いでしょう。
 
商品やサービスをアピールしようとするあまり、サイズを大きくしすぎるのもよくありません。サイズが大きすぎると、ユーザーに押し付けがましい印象を与え、ECサイトに対するマイナス評価につながる場合があります。バナーを設置する際は、ユーザーの利便性を損なわない適切なサイズであるかを確認しましょう。ただし、サイズが小さすぎても情報が伝わりにくくなり、ECサイト上で十分にアピールできません。ユーザーにストレスを感じさせないこと、的確に情報を伝えることを両立させるのが大切です。
 
バナーのクリック率を高めるポイント

◎まとめ

ECサイトにおいて、バナーは商品やサービスを視覚的にアピールする役割があります。制作する際は、コンセプトと目的を明確にしたうえで必要な要素を選定しましょう。商品やサービスのイメージに合う配色を使い、ECサイト上でユーザーの目を引くデザインにすることが大切です。バナーの効果を高めるためには、ECサイトでのユーザーの動線を考慮して設置場所を決める必要があります。効果的なバナーを制作して、ECサイトの売上アップを目指しましょう。
◎第59回 ECサイトの売上アップに効果的なバナー制作術