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EC売上アップ術

◎第58回 ECサイトで売れる商品写真とは?ジャンル別撮影ポイントを解説

ECサイトにおいて、商品写真は売上を大きく左右する重要な要素のひとつです。商品写真は、ユーザーが商品を手に取ることができないECサイトのデメリットを補う役割があります。ただ単純に商品写真を撮影すればいいわけではなく、ECサイトの売上アップには、ポイントを抑えた質の高い商品写真が必要です。この記事では、ECサイトにおける商品写真の撮影ポイントをジャンル別に解説します。
 

◎ECサイトで商品写真が重要な理由

ECサイトにおいて商品写真が重要な理由はいくつかあります。ECサイトでは、ユーザーが直接商品を手に取れません。商品写真は、商品の色味・形状・サイズ感・質感などを確認し、購入の有無を判断する重要な材料になります。画像の情報量は文字の約7倍といわれているため、ECサイトに商品画像を掲載すれば文章より多くの情報を伝えることができるのです。ECサイトの商品写真には、文章だけでは伝えきれない情報を補うことで、ユーザーの不安を取り除く役割があります。
 
商品写真にはユーザーの目を引く効果もあります。販売している商材にもよりますが、ユーザーはスマートフォンを使ってECサイトに訪問することが多いです。ただし、スマートフォンの小さな画面では文章が読みにくいため、丁寧に商品の説明文を書いても読み飛ばされてしまいます。どれだけ魅力的な商品であっても、ECサイトは文章だけでユーザーの興味を引くのは難しいのです。商品写真があると小さな画面でもぱっと見れて、どのような商品なのか伝えやすくなります。商品写真でユーザーの興味を引くことができれば説明文も読んでもらえて、商品の詳細な情報を伝えられます。これにより、ECサイトの売上アップにつながります。
 
ECサイトのSEO対策としても商品写真は有効です。SEO対策とは、検索エンジンで検索結果の上位に表示されるために行うさまざまな施策のことを指します。Webページの内容に合った画像が適切な位置に配置されていると、SEOの評価で有利に働くのです。これはECサイトにおいても同様で、適切な商品画像を掲載して検索結果の上位に表示されることで、ECサイトへの訪問者数増加が期待できます。検索エンジンには画像検索機能や、検索結果でWebページのタイトルや説明文と一緒にページ内の画像を表示する機能があります。そこでユーザーの興味を引く商品画像が表示されれば、ECサイトに訪問してもらえる可能性が高くなるのです。売上を伸ばすためには、ECサイトへの訪問者を増やすことが重要になります。
 
ECサイトで商品写真が重要な理由

◎ECサイトで効果的に情報を伝える商品写真の種類

ECサイトの商品写真には、大きく分けて「プロダクトカット」と「イメージカット」の2種類があります。それぞれ役割が異なるため、ECサイトにおいてはこの2つを使い分けることが大切です。プロダクトカットとは、商品の色や形、質感を正しく伝えるための写真を指します。たとえば、商品がフライパンならフライパン全体を単体で写した写真になります。プロダクトカットの目的は、商品の見たままの情報を伝えることなので、商品の色味を変えないように自然光を使って撮影するのが望ましいでしょう。正しく形状を伝えるために正面だけではなく横、後ろも撮影します。プロダクトカットの背景には白が使われることが多いです。ECサイトでは商品写真を切り抜いて使用することもよくあり、白の背景を使うことで加工しやすくなります。
 
イメージカットとは、商品の魅力やブランドの世界観を伝えるための写真です。フライパンを例にとると、同一ブランドのキッチン用品と一緒に並べられている写真、フライパンを使って料理している写真などがあげられます。イメージカットはユーザーの興味を引くこと・買いたいと連想させること目的であり、ECサイトには欠かせません。撮影する前に、ユーザーに対してどのようなストーリーや世界観を伝えたいのか、コンセプトをはっきりさせておくことが大切です。ECサイトにおけるイメージカットのアイデアとしては、商品に小物を添える・商品を着用して撮影する・屋外で撮影するなどあります。
 
ECサイトで効果的に情報を伝える商品写真の種類

◎ジャンル別・売上アップにつながる商品写真の撮影ポイント

ECサイトの売上アップを導く商品写真を撮影するためには、商品のジャンル別にいくつかポイントがあります。直接手に取れないECサイトのデメリットをカバーできる、ユーザーに商品の魅力を伝えられる写真を撮影しましょう。
 
○アパレル
ECサイトでは実物を確認できないため、アパレルの場合は商品写真を通じて色・質感・サイズ感を伝えることが大切です。そのためには、商品全体に光を当てて撮影すると良いでしょう。自然光での撮影が望ましいですが、難しい場合は白昼色の照明を利用してください。暖色系の照明は色味が変わって見えるので、注意しましょう。
 
複数のカラー展開がある場合は、全色を並べた商品写真があるとひとめ目でカラーバリエーションを理解できます。それぞれの違いが明確になるため、ユーザーがイメージしやすくなります。さらに、生地のアップ写真があると、素材の質感が伝わるでしょう。ボタン・柄・飾りなどがあれば、アップで撮影すると商品のディテールを伝えられます。
 
モデルの着用写真があればサイズ感を掴みやすくなり、ECサイトでアパレル商品を購入する際のサイズが合わないといった不安を取り除けます。このとき、同一ブランドの商品でコーディネートすると、ほかの商品もまとめ買いする可能性が高くなります。
 
○アクセサリー
ECサイトでアクセサリーを購入する場合、ユーザーが気になるのは商品の質感です。質感を伝えるためには商品全体に光を当てて撮影するのが有効ですが、光が強く当たると細部が白飛びしてしまうこともあります。光が強すぎる場合は、白のレースカーテンなどで遮ってやわらかい光にすると良いでしょう。
 
ECサイト上で商品の細部がわかるように、柄・飾りなどをアップでも撮影します。寄りで撮影するときは撮影者の影が入らないように注意してください。撮影ボックスを使うとまんべんなく商品に光が当たるため、影が入るのを防げます。寄りで撮影すると手ブレしやすくなるので、三脚を使用すると良いでしょう。
 
商品写真の背景には、布や大理石調の紙を使うと高級感が出ます。また、ECサイトでは商品を試着できないため、モデルの着用写真があると購入後のイメージが湧きやすくなります。
 
○食品
実店舗なら商品を試食してもらえますが、ECサイトではできません。そのため食品の場合、商品をおいしそうに見せることが大切です。商品の斜め後ろから光を当てると、立体感がでます。後ろから光を当てるので手前が影になることがあります。手前側が暗くなりすぎる場合は、商品の前に白い紙を置いて光を反射させることで調節しましょう。
 
ECサイトで商品の魅力を伝えるためには、シズル感を出すことも重要なポイントです。シズル感とは、ユーザーの食欲や購買意欲を刺激することをいいます。たとえば、パンの場合は焼き立ての状態でバターが溶けている写真がシズル感のある商品写真です。ECサイトでは、商品の断面を撮影するのも効果的です。ハンバーグの場合なら、肉汁が溢れ出す断面の写真があると、ユーザーの食欲をそそるでしょう。
 
○化粧品
ECサイトで化粧品を取り扱う場合、使用後のイメージを伝えることが大切です。実際に商品を顔や手に塗った写真を撮影すると、ECサイト上でもイメージが湧きやすくなります。色味や質感がわかるように、商品のフタを開けた写真や中身を手に取った写真も撮影しましょう。化粧品はパッケージにもこだわっていることが多く、「パケ買い」するユーザーもいます。そのため、ECサイトでも商品の容器の写真は大切です。ただし、ガラスなど反射しやすい素材は映り込みには注意しましょう。
 
また、商品の素材や香りに関係する果物や植物を添えると華やかになり、ECサイトでも視覚的に商品の特徴が伝わります。たとえば、シトラスの香りの場合、商品の横にグレープフルーツやレモンを添えると良いでしょう。商品写真の背景にブランドのイメージカラーを使うのも有効です。
 
○インテリア
ECサイトでインテリアを購入する際ユーザーが知りたいのは、商品が部屋のイメージと調和するかです。そのため、部屋をイメージしたスタジオで商品写真を撮影するのが効果的でしょう。柱や壁を基準に水平・垂直を意識すると構図を決めやすくなります。奥行きのある写真を撮影するためには、目線の高さではなく低い位置から撮影するのがポイントです。大きな家具を撮影するために広角レンズを使うと歪みが出やすくなるので、ECサイトに掲載する際は編集ソフトで補正する必要があります。
 
ジャンル別・売上アップにつながる商品写真の撮影ポイント

◎ECサイトで売れる商品写真を撮影するときの注意点

ECサイトで売れる商品写真を撮影するためのポイントは、商品ごとに異なります。どのジャンルにも共通していえることは、ユーザーに商品購入後のイメージを明確にさせることです。商品をよく見せようとするあまり、ECサイトに掲載されている商品写真の色味や質感などが実物と大きく異なるのは避けましょう。思っていたものと実際の商品が異なると、ユーザーの満足度が下がり離れていってしまいます。売上が減少するだけではなく、ECサイトの信用を失うことにもつながります。
 
ECサイトで売れる商品写真を撮影するときの注意点

◎まとめ

ECサイトにおいて、商品写真は売上アップにつなげるための重要な要素です。プロダクトカットとイメージカットを使い分けて、商品の情報やブランドの世界観をユーザーに伝えましょう。ECサイトで商品の魅力を最大限に伝えるためには、ジャンルごとにポイントを抑えて商品写真を撮影することが大切です。ユーザーに「商品を使ってみたい」「食べてみたい」を思わせる商品写真を撮影して、ECサイトの売上アップを目指しましょう。
◎第58回 ECサイトで売れる商品写真とは?ジャンル別撮影ポイントを解説