後払い決済とは、ECサイトで購入したものを受け取った後で、代金をコンビニや郵便局などで支払う決済システムのことをいいます。ECサイトの決済手段は、クレジットカードや電子マネーによる前払い決済が一般的でしたが、後払い決済を含むさまざまな決済方法を導入しているECサイトは年々増加傾向にあります。後払い決済を導入しているECサイトはユーザーからの好感度が高く、集客や売上げアップにも良い影響を与えます。

 

ECサイトでは、商品をカートに入れた利用者が決済に進まない「カゴ落ち」と呼ばれる行動が売上げアップを妨げるといわれていますが、カゴ落ちの原因のひとつに、希望する支払い手段が見つからないという理由があげられます。ECサイトの利用者が買い物をしようとカートに商品を入れても、購入の段階で利用したい決済手段が見つからないと、利用者はそのECサイトを離れて別のECサイトに移るか、買い物そのものを諦めてしまうのです。後払い決済を含む多様な決済手段を用意しておくことで、カゴ落ちを防いでECサイトの売上げアップにつなげることができます。

後払い決済の導入は、ECサイトの利用者側にも事業者側にもメリットがあります。利用者側のメリットには、利便性の高さをあげられます。ECサイトの後払い決済は、クレジットカードを持つことができない若い世代でも利用可能な方法です。手元にお金がない場合でも、ECサイトで買い物を楽しめます。商品を受け取ってから代金を支払えば良いため、給料日前や銀行残高が少ないときも安心です。

 

利用者側のメリットとして、安心して利用できる方法という点があげられます。とくに、はじめて買い物をするECサイトでは、クレジットカードの使用に不安を感じる人が多いため、後払いはよく選ばれます。クレジットカードを持っていても、カード番号など個人情報を公開することに抵抗を感じることが多い中高年世代であっても、ECサイトを利用することができます。

 

利用者側のメリットは事業者側にとってもプラスとなります。後払い決済は、クレジットカードを持ちたくないユーザー層や持つことができない場合でも安心して使える決済方法です。顧客の拡大が期待できるほか、顧客が入金したかどうか確認せず、注文があったらすぐに商品を発送できるため、ECサイトの業務効率化にも貢献します。

後払い決済の方法を導入すると、顧客に伝票を送ったりときには督促を行うなど、煩雑な事務作業が発生します。また、商品を送っても代金を支払わない顧客が現れて、未回収金が発生するリスクが常に存在します。このような問題を解決できるのが、後払い決済サービスの利用です。後払い決済サービスでは、煩雑な事務作業の代行や未回収金の立て替えてを行ってくれるため、ECサイトの業務効率化につながります。

 

いくつか存在する後払い決済システムのうち、どのサービスに加入するかは、慎重に判断する必要があります。まず考えるべきポイントは、運営母体の経営状態が安定しているかどうかです。経営が不安定だと、回収した代金を渡してくれないなど深刻なトラブルが発生する恐れがあるので注意しましょう。また機能面、とくにセキュリティに関しての確認も忘れてはなりません。顧客情報の取り扱いやシステムの不正利用に対する対策が信頼できるかどうかは、後払い決済サービスを選ぶ際の大きなポイントのひとつになります。後払い決済サービスが大きなトラブルを起こしていないか、過去の実績も調べましょう。

 

導入する後払い決済サービスの作業フローが既存の決済システムとスムーズに連携がとれるかどうかも、業務効率化の観点から大切です。さらに、サービスを利用する際の手数料がECサイトの売上高に見合ったものであるかどうかも、選ぶポイントになります。既にほかの決済サービスに加入しているのなら、運営母体を1本化することも検討しましょう。同じ運営母体であれば、手数料をひとまとめにすることでコスト削減につながったり、業務フローが一貫していて効率化につながったりするためです。

 

ECサイトに後払い決済を導入したら、利用者に向けて周知することを忘れてはいけません。利用者は後払い決済のできるECサイトを好意的に見る傾向があるので、後払い決済を周知することで売上げアップにつながるでしょう。後払い決済を導入したときに、キャンペーンを行うのも効果的です。

 

後払い決済を導入することで、顧客の購買意欲を高めるといった大きなメリットが生まれます。支払いリスクを踏まえた上で後払い決済サービスを活用し、売り上げアップを目指しましょう！