ECサイトでは、時間や場所を問わずショッピングを楽しめるメリットがある反面、実物を見ることができないというデメリットがあります。そんなECサイトのデメリットをカバーしてくれるのが商品レビューです。購入者が実際に使ってみた感想やECサイトの対応などがわかると購入後のイメージが湧きやすくなり、商品の購入を後押ししてくれます。

 

また、購入者という第三者からの忖度のない情報は、ECサイトの信頼性を高めます。実店舗と違ってお互いの顔が見えないECサイトにおいて、信頼性はとくに重要です。たとえば、同じ商品を複数のECサイトで比較・検討する場合、価格の安さもポイントになりますが、信頼できるECサイトの方が選ばれやすくなります。顧客にとって「商品写真と実物が大きく違う」「決済や発送でトラブルが発生する」などのリスクは避けなければなりません。商品レビューを読むことで、顧客はそうしたリスクが少ない信頼できるECサイトかどうかを判断します。ECサイトの信頼性は、最終的な商品購入の判断材料にもなるのです。

 

さらに商品レビューをもとに商品・サービスを改善することで、ECサイトの売上アップも期待できます。購入者から寄せられた率直な意見の中には、良い評価もあれば「使いにくい」「壊れやすい」などのマイナスな評価もあります。そのようなマイナスな評価も受け止め、商品・サービスの改善に活かすことで、顧客の満足度を高めましょう。また購入者の不満や困りごとを分析することで、新商品・サービスが生まれるきっかけになる可能性もあります。

ECサイトの運営側が理解しておくべきことは、顧客にとって商品レビューを書くことは手間であるという点です。書いてもらうためにはメリットやきっかけを提示する必要があります。

 

まず、商品レビューの投稿に特典を付けるという方法です。たとえば、次回のお買い物で使える「◯％OFFクーポン」や「送料無料クーポン」、オリジナルのプレゼントなどがあげられます。ただし、この方法は運営側の負担が大きくなってしまう可能性があるので、先着順やキャンペーン期間を限定するなどの対策は必要です。さらに購入した商品への関心が冷めないうちにレビューを書いてもらえるように、商品到着後1週間以内など期限を設定しておきましょう。また、特典をもらうためだけに適当に書く人もいるので、何文字以上などの条件をつけるのも有効です。

 

メールや商品に同梱のチラシでレビューを促すことも効果的です。購入者の手間を省き、商品レビューを書くハードルを下げるために、入力フォームのURLやQRコードを記載しておくとよいでしょう。ただし、商品レビューを依頼するだけでは購入者に押し付けがましい印象を与えてしまい逆効果です。あくまでも商品購入のお礼や問題点がないかの確認がメインとなるように注意しましょう。購入後のフォローがあることで親切な対応をしてくれる印象になり、ECサイトのリピーター獲得にもつながります。また、メールの場合は送信するタイミングも大事です。商品到着から2〜3日以内に送信し、商品の使用後かつ関心が冷めていないタイミングを狙いましょう。

 

寄せられた商品レビューには必ず返信をしましょう。返信することで、ECサイトの運営側がきちんと商品レビューを読んでいることをアピールできます。購入者の意見に耳を傾けていることがわかれば、顧客の安心感につながります。返信の内容についても丁寧な文章にすることでECサイトの信頼性も高まります。返信は定型文だけではなく、個別にコメントを入れるとより効果的です。ECサイトの運営側としては運用の工数が増えますが、定型文だけのメッセージと個別に感謝を伝えるメッセージとでは、顧客からの印象は大きく変わることを覚えておきましょう。

ECサイトにおいて商品レビューは重要ですが、いくつか注意点もあります。 まず、商品レビューを増やすための自作自演は絶対に行わないでください。また、ネガティブな意見も隠さずに掲載しましょう。悪い評価は隠したくなるものですが、良い評価ばかりが並んでいるのは逆に不自然です。ネガティブな意見にも真摯に対応することで、顧客からの信頼を獲得しましょう。

 

さらに商品レビューは、数だけではなく質も大切です。ECサイトの売上につなげるためには、顧客の参考になる質の高いレビューが不可欠です。質の高いレビューとは、商品の特徴、具体的な商品の良さ、購入者の属性がわかるものになります。サンプル文を用意して、穴埋め形式で簡単に質の高いレビューを書けるようにするなどの工夫をしましょう。

 

ECサイトの商品レビューの有無は、顧客の購買行動を大きく左右します。商品レビューを集めてECサイトの信頼性を高め、売上アップを目指しましょう。