EC売上アップ術
◎第54回 ECサイトの売上アップが期待できるID決済の導入ポイントとは?
円滑に商品を購入できるキャッシュレスのなかでも、ID決済は便利な決済方法のひとつです。この記事では、ID決済の種類や導入方法、ECサイトの事業者が決済代行会社の選ぶ際のポイントをご紹介します。
◎スムーズに支払いができるID決済
ID決済とはキャッシュレス決済のひとつで、代表的なものではPayPayやAmazon Payがあげられます。ID決済の最大のメリットは、外部サービスと連携することで会員情報を引き継いで自社ECサイトの決済に使える点にあります。これによりユーザーは住所やメールアドレス、電話番号などをその都度入力せずともECサイト内で決済が可能となります。カゴ落ち対策に有効なため購入率アップが期待できます。決済が短時間かつスムーズに行えるため、新規ユーザーをECサイトに取り込みやすくなります。
ほかにも、多くの決済業者がポイントアップやポイント還元などのキャンペーンを行っています。これらのキャンペーンは基本的に決済会社がポイント原資を負担する仕組みです。決済会社のキャンペーンに便乗すると、負担なくECサイトの販促を行うことができます。ただし、ID決済の種類によっては、顧客情報の利用が制限されているため、ECサイトの顧客リストが作れないことがあります。
◎ID決済における種類と特徴
主なID決済としては、PayPay、LINE Pay、楽天Pay、Amazon Payがあります。PayPayは、銀行口座と紐づけることが可能なのでクレジットカードを持てない若年層でも利用しやく、未成年をターゲットとしてECサイトを運営している事業者におすすめです。「PayPayジャンボ」などの大型キャンペーンを開催しているため、ECサイトの販促につながりやすい特徴があります。
LINE PayはPayPayと同様、クレジットカードを介さず決済が可能なので若年層へのリーチが可能です。LINE Payで決済を行うとユーザーの画面にLINE公式アカウントの追加を促す表示が出ます。メルマガより開封率が高いとされているため、LINEでのクーポン配布やキャンペーン情報を周知できます。LINはは8,100万人以上のユーザー登録があり、ユーザーと接点を持ちやすいため、新規顧客の開拓に力を入れたい事業者に適しています。
楽天Payは、決済される際に付与される楽天ポイントの還元率の高さが特徴です。このため、消耗品やリピート商品、高単価商品の購入は、ほかのID決済より選ばれやすい傾向にあります。Amazon Payは、購入した商品に満足できなかった際に、Amazon マーケットプレイスの保証を申請できるのが特徴です。商品の不具合や配送に問題が起こった場合、返金や支払い取り消しができます。返品・返金がスムーズに行えるため、ユーザーより安心してECサイトでショッピングができます。
◎ID決済を導入する際のポイント
ID決済は、大きく2通りの導入方法があります。ひとつはサービスごとに直接契約を結ぶ方法、もう一方は決済代行会社と契約を結ぶ方法があります。直接契約はひとつひとつの決済サービス提供会社と加盟店契約を行うため、契約から導入までの工数が多くかかります。これに対して決済代行会社は、契約を結ぶだけで複数の決済サービスを利用することができます。決済代行会社を利用する方が導入業務の負担を減らすことができ、かつ一元管理で複数の決済サービスの管理ができます。ひとことで決済代行会社といっても、複数の会社がサービスを提供しています。
決済代行業者を選ぶ場合のポイントは、ECサイトで扱っている商材がターゲット層に適した決済方法であるか確認することです。たとえば、未成年をターゲットにしている場合は、クレジットカードでしか紐づけできない決済方法ではなく、銀行口座と連携できるような決済方法が良いでしょう。また、自社で使用している販売管理システムや会計システムといったソフトウェアと連携が取れるのかも確認しておきましょう。
個人事業でECサイトを運営していたり小規模店舗の場合は、入金のタイミングや頻度はキャッシュフローに多大なる影響を与えます。ECサイトの運営が困難にならないためにも、支払いサイクルをしっかり把握し、仕入れや在庫を調整することが大切です。
もっとも重要なのがセキュリティです。ECサイトの決済に必要なセキュリティ認証を取得しているかを確認しましょう。たとえば「PCIDSS」というクレジットカード決済保護の国際基準となっている認証や、セキュリティマネジメントの基準に準拠している場合に認証される「ISMS」、ほかにもプライバシーポリシーを取得しているかをチェックしましょう。大手の決済代行会社はこれらの認証を受けているだけでなく、常に最新で最適なセキュリティ環境を追求するため高度なセキュリティ対策を提供している傾向にあります。
◎まとめ
ID決済はさまざまな種類がありますが、ECサイトで取り扱っている商材やターゲットと決済の特徴を踏まえて、どのID決済を導入するかを検討しましょう。ECサイトのターゲットや商材に合ったID決済を導入して売上アップを目指しましょう。