EC売上アップ術
◎第49回 ECサイトの業務効率化で売上アップ!MAツールを選ぶポイントと活用方法
ECサイトには日々多くのユーザーが訪れます。近年EC市場は右肩上がりで、顧客獲得競争の時代になりました。そこで、効率よくマーケティングを行えるMAと呼ばれるツールが注目を集めています。この記事では、MAツールの導入時のポイントや効果的な活用方法をご紹介します。
◎個々の行動に応じたアプローチができるMAツール
ECサイトにおけるMAとは「Marketing Automation(マーケティングオートメーション)」の略で、マーケティング活動を自動化し業務を効率化するツールを指します。MAを使ったマーケティングとして代表的なのが、ECサイトの見込顧客管理や育成を目的とした活動です。たとえばBtoC向けのECサイトでは、ユーザーが行うページ閲覧や商品の購入などの情報から、MAツールを活用しユーザーのニーズにあったアプローチを行うことができます。
ECサイトを運営していくにあたり、ユーザーのタイプごとに異なった内容のマーケティング活動を手作業で行うことは、とても時間がかかる作業です。そこで活動を自動化することで、業務の効率化を図れるのがMAツールになります。
◎ECサイトでMAツールを導入するときのポイント
ECサイトでMAツールを導入し業務の効率化を図るためには、すでにリスト化された顧客データが存在し、見込み客へと育成するといった目的があることが前提となります。顧客データがなければMAツールを導入してもマーケティング活動を行うことはできません。MAツールの導入には費用がかかるため、導入することによる省力化やコスト削減で、導入費用に見合った効果があるのかを十分に見極める必要があります。
MAツールの導入を検討するタイミングは、自社のECサイトで保有する顧客データを活用し「見込み客へ育成したい!」と言う課題を感じているときがベストだといえます。MAツールを活用して顧客情報を収集し、ユーザーに合ったマーケティング活動を行うことで、見込み客を育成し売上アップにつなげることが可能です。保有する顧客データの活用に対して課題を感じているのであれば、MAツールの導入を検討しましょう。
MAツールはさまざまな機能があることから、導入にかかる費用も幅広く設定されています。自社のECサイトでの課題は何なのか、またどのような業務を自動化して効率化を図りたいのかを、MAツールの導入前に洗い出しておくことが大切です。そして効率化が成功した先に、どんな目的や目標があるのかを明確にしてから、適切なMAツールを選ぶことが大切です。
ECサイトでMAを活用しユーザーの属性に合ったアプローチを行っても、はじめのうちは購入に至る割合は決して高いとはいえません。そのため比較的規模の小さいECサイトでは、顧客データが少ないため費用の回収に時間がかかるかもしれません。MAツールの導入にあたっては顧客データ数が多く比較的規模の大きいECサイトや、今後顧客データが増える見込みが強い場合など、MAツールによる効果が期待できるタイミングで導入することが理想的であるといえます。
◎ECサイトにおけるMAツールの効果的な活用方法
ECサイトにおいてMAツールを活用する際は、保有している顧客データで、いかに効率よくマーケティング活動を行い、売上アップにつなげていくかが重要になります。MAツールを活用するメリットのひとつに、顧客管理やマーケティング活動の一元管理があげられます。自社のECサイトでどのページを閲覧しどの商品を購入しているのかといったさまざまな情報からユーザーを属性ごとに分けて、その属性に合わせたメールやアプリのプッシュ通知などを配信することができます。これら一連の作業を自社の担当者が手作業で行うとなると、大量のデータを見ながら顧客ごとに違う内容のメッセージを送信するといった作業は、データの数か多ければ多いほどミスが発生しやすくなります。手作業が効率的でない場合、MAツールを活用することで、誤送信のリスクが軽減できます。
MAツールをより効果的に活用するには、ECサイトで保有するそれぞれの特徴を持った顧客データが必要です。顧客データのなかには住所や年齢、性別、家族構成、職業などといった統計学的な情報も含まれます。自社のECサイトでは、ユーザーがどのページをよく閲覧していたのか、また商品の購入履歴やそれ以外の情報など幅広いデータで蓄積され、ECサイトの見込み客を発掘しやすくなります。ユーザー情報が幅広くなればなるほど、ターゲットとなるユーザーの属性をより細かく絞り込みやすくなり、精度の高いアプローチを仕掛けやすくなるのです。
ECサイトにおいて、ユーザーへのアプローチでもっともシンプルで効果的といえるのは、カゴ落ち商品があるユーザーに対しての「リマインドメール」です。カゴ落ち商品があるユーザーに対してのリマインドメールは、カートに商品が残っているユーザーに購入してもらうための仕組みになります。リマインドメールに関しては実施するのに比較的ハードルも低いため、MAツールを導入した初期の段階で取り組みやすい施策です。とくにアパレル業界のように、SKU(アイテムよりも小さな単位)が多いとされるECサイトでは、カゴ落ちする場合が多いため、MAツールの本領を発揮しやすいアクションといえます。
◎まとめ
ECサイトにて業務の効率化を図るためにMAは大変有効なツールです。しかし、導入するにはコストもかかるため、費用対効果を慎重に見極めながら、MAツールの導入をきっかけにさらなる売上アップにつなげていきましょう。