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EC売上アップ術

◎第44回 ECサイトの売上アップにつながるオムニチャネルの運用ポイント

スマートフォンやSNSの普及に伴い購買行動が多様化しているなか、顧客がECサイトと実店舗を垣根なく利用できる仕組みとして、オムニチャネルが注目されています。この記事では、ECサイトの売上アップに欠かせないオムニチャネルの運用ポイントをご紹介します。
◎顧客目線の販売の仕組みオムニチャネル
「オムニ」とは「すべての」という意味で、「チャネル」とは「集客するための媒体、経路」を指し「顧客との接点」を意味します。オムニチャネルとは、顧客やECサイト、実店舗といったすべての接点を連携させていくという意味のマーケティング用語です。オムニチャネル化を進めることで、顧客の目線に立ったマーケティングを行い、ブランドをより親しい存在へと変化させていくことができます。顧客ひとりひとりに寄り添ったサービスを提供していけることが、オムニチャネルの最大のメリットです。

顧客目線の販売の仕組みオムニチャネル
◎オムニチャネルで売上を伸ばすポイント
オムニチャネルにより、顧客がECサイトなどチャネルを意識せずに購入できる環境を提供することで、販売機会を逃さず顧客の満足度をあげることが可能です。オムニチャネルを運用するには、いくつかポイントがあります。
 
○ECサイトと実店舗の連携
実店舗は、スタッフからの丁寧なサービスや、商品を実際に手に取り体験できるという点が優れています。またECサイトは、商品スペックをより詳しく確認できたり、他製品と比較することも容易なため、住んでいる場所や時間を問わず購入や受取りができる利便性の高さがメリットです。オムニチャネル化を進めるうえで、ECサイトと実店舗、それぞれの利点を相互に連携させ、相乗効果で顧客へのサービス向上につながる施策を講じることが大切です。
 
例えば、アパレル業界では、実店舗のスタッフがコーディネート提案となる写真や動画、商品レビューなどをECサイトにアップし、勤務先の店舗にとどまらない販売機会の創出に貢献しています。動画やさまざまな角度から写真をアップすることで、顧客は商品をオンライン上でも、立体的に見ることができます。ECサイトを通じて店舗が身近な存在となり、店舗での接客もよい印象を与えられることから、来店率の向上につなげていくことが期待できます。
 
またインテリアショップの事例では、QRコードで商品タグを読み込むことで、家具を配置した状態がARアプリで確認できるサービスを提供しています。ARアプリにより、店舗にとどまらず自宅でも新しい家具によるインテリアが擬似体験できます。家具の相談においてもリモートで受けることができるので、ECサイトと実店舗とでサービスに差異を感じさせない取り組みが行われています。サイズ感や質感、使用感が重要視される家具を、オンラインでも店頭でもゆっくりと吟味することができるため、顧客にとって満足度の高い購入体験にすることが可能となります。

オムニチャネルで売上を伸ばすポイント
○チャネルごとの協力体制を確立
店舗によっては、売り上げがECサイトに流れてしまうことで不安が生じることもあるでしょう。そこで部門ごとに売り上げを競う体制から、全社として売上拡大が目指せるような組織体制へと大きく変えていく必要があります。
 
全社的な売上拡大を目標とできるよう、ECサイトや実店舗を問わないチャネル全体での意識改革も大切です。それと同時に、ECサイトと実店舗での顧客や在庫の情報共有も必要となってきます。EC サイトと実店舗で顧客情報や在庫状況を⼀元管理し、顧客が求める場所へスムー ズに商品を提供できるよう、EC サイトと各店舗間との連携を行える仕組みを構築することが重要です。

オムニチャネルで売上を伸ばすポイント
○SNSの活用
TwitterやInstagramなどのSNSを活用し、広告やトレンド情報などをターゲット層へダイレクトに発信し、ブランドをより身近に感じてもらうためのアプローチも大切です。Instagramではeコマース機能も追加され、ライフスタイル提案型の投稿から販売へとつなげていくことも可能となりました。
 
ブランドイメージをより印象づけていくため、SNSや実店舗ともに、テイストやカラー、画像など使用するコンテンツのデザインを統一し、ブランドイメージが統合されていることも重要です。
 
アプリやSNSを通し、ポイントやクーポンの提供、オススメ商品など顧客に合った情報発信することや、実店舗へ導くためのキャンペーン情報、イベント告知なども有効な手段となるでしょう。

オムニチャネルで売上を伸ばすポイント
○システムやアプリの導入
オムニチャネルを進めるうえで、ECサイトと実店舗で共通して顧客情報を管理できるシステムの導入も大切です。ポイントやクーポン情報がどのチャネルでも利用できるような仕組みを構築しましょう。また、ECサイトと店舗ごとで在庫状況を一元管理できるシステムも必要不可欠です。ECサイトやアプリ上で、店舗ごとの在庫状況が確認できれば、実際に商品を試したい顧客を近い実店舗へ誘導することが可能となります。
 
アプリを導入することにより、ECサイトと実店舗とを合わせたポイントの蓄積や、クーポン情報、購入履歴の把握がスムーズになります。アプリからの商品の購入はもちろん、受け取り場所や時間の指定も気軽に行えます。システムやアプリの導入で、顧客1人ひとりに合わせた商品の提供が可能となり、機会損失を減らすことにつながるでしょう。

オムニチャネルで売上を伸ばすポイント

○顧客へのサービス向上に努める
オムニチャネル化により、顧客はECサイトと実店舗を意識せず、ライフスタイルに沿ってスムーズに購買行動をとることが可能となります。より便利にECサイトと実店舗を活用してもらうため、ペルソナをいくつか設定しターゲット層の購買行動を想定するカスタマージャーニーマップを作ることも、アプローチ方法を探るためには有効です。
 
カスタマージャニーマップは、取り扱っている商品やサービス、顧客の購入前、購入後などの行動を「5W1H」に当てはめて調査を進めていくものです。細かい行動を可視化することで、ECサイトの運用にあたって、これまで見えていなかったニーズが明るみになる場合があります。顧客満足度を高めるためには、定期的な調査と改善を行うことが重要です。
オムニチャネルで売上を伸ばすポイント
◎まとめ
新たなマーケティング戦略として注目されているオムニチャネル。顧客とのより深い関係性を築くことができるオムニチャネルにより、ブランドロイヤリティをあげ、ECサイトの売上アップにつなげていきましょう!
 
◎第44回 ECサイトの売上アップにつながるオムニチャネルの運用ポイント