EC売上アップ術
◎第36回 【TikTok編】ECサイト担当者のための使えるSNS運用術!
TikTokは、10代から20代を中心に急激にユーザー数が伸びています。今後ショッピング機能も搭載される予定で、ECサイト事業者にとっては目が離せないSNSです。この記事では、ECサイトのファンを獲得するTikTokの活用術をご紹介します。
◎ECサイト運営にTikTokを取り入れるメリット
TikTokは、2016年に中国企業のByteDanceによりサービスがはじまった動画投稿サイトです。15秒から10分という比較的に短い尺の動画投稿が特徴です。
TikTok最大の魅力は、何と言っても初心者の方でも手軽に動画編集ができる点でしょう。動画編集メニューではさまざまなエフェクトが用意されており、動画をスローにしたり倍速にしたりできるなど、高機能な編集を簡単な操作で楽しめます。
日本国内のユーザー数は2019年時点で950万人と発表されています。これは他SNSに比べると少ない数ではありますが、若年層を中心にユーザー数は急速に伸び続けています。10代から20代といった若年層をターゲットとしているECサイト事業者にとっては相性が良いSNSと言えるでしょう。
ユーザー数だけで見れば規模はまだ小さく、企業、特にEC企業の参入はほかのSNSと比べると少ない状態です。しかしこれは裏を返せば、今からTikTokのアカウントを使いこなして運用をはじめることで、先行者利益が狙えるでしょう。
TikTokの大本である中国では既にアプリ内にEC機能が搭載されており、2021年には18兆円の規模まで成長しています。今後日本でもショッピング機能を充実させていくと公式発表されており、ECサイト事業者として注目しておきたいところです。
日経トレンディで発表された「2021年ヒット商品ベスト30」の特集内で「TikTok売れ」の言葉が1位となりました。このように、TikTokを使ったマーケティングはECサイト事業者の間でますます注目が集まっていくでしょう。
◎ECサイトを運営する上でのTikTokの活用ポイント
ECショッピング機能が搭載されるまではフォロワーを増やし、ECサイトの認知度を高め、ECサイトのファンの獲得に注力するのが得策でしょう。フォロワーを獲得しつつ、ECサイトへの送客を目指す方法をご紹介します。
〇動画冒頭に工夫を凝らす
TikTokは縦スワイプにより動画を飛ばせる仕組みになっています。ユーザーは動画に興味が無ければ、スワイプで次の動画にどんどんと飛んでいってしまうため、まずはユーザーの目に留まる動画づくりを心掛けることが重要です。そのためには動画冒頭にいかに工夫を盛り込むかが動画を飛ばされない鍵になります。
まずは動画開始6秒以内に商品情報を出さないようにしましょう。例えECサイトの商品やサービスのPR動画だとしても、動画冒頭に商品情報を出すことで宣伝であることが全面に出てしまいます。このような動画だとユーザーに飛ばされる可能性が高まるので注意が必要です。動画冒頭ではユーザーが抱えている悩みを提示する、宣伝は宣伝でもキャンペーン情報やECサイトのセール情報を盛り込むことで、ユーザーを引き付けることができます。
〇動画を最後まで視聴してもらう
動画を最後まで視聴してもらうことは視聴完了率といい、TikTokのアルゴリズムに影響する要素のひとつです。InstagramやTwitterなどのSNSは検索ツールとしても機能している側面がある一方で、TikTokはアルゴリズムにより「たまたま」動画と出会うような設計がされています。
TikTokのアルゴリズムを理解した上で動画制作をすることで、動画がユーザーのおすすめページに反映されやすくなります。多くのユーザーの目に留まることで、ECサイトの認知度が高まる絶好の機会となります。視聴完了率を向上させるためには、ただ単にECサイトに掲載している商品やサービスを紹介するだけでなく、ユーザーに商品を使っているシーンを想起させる動画構成が有効です。
一方で動画作成の際に注意したいのが楽曲の無断転用です。言うまでもなく著作権違反にあたりアカウントに制限や、最悪の場合アカウントが停止される恐れがあります。
また炎上にも注意が必要です。TikTokで炎上した動画が他のSNSに転載され、更に炎上が広がるケースがあります。動画の投稿をする前に、内容がモラルやポリシーに反したものではないか、過度なPRになっていないかを慎重に検証しましょう。
〇インフルエンサーとタイアップする
TikTokでフォロワーを多く抱えるインフルエンサーは既に運用法を熟知しており、いわゆる「バズる」ためのノウハウを豊富に持っています。インフルエンサーに依頼してECサイトの商品紹介をしてもらうのも有効な手段です。
インフルエンサーにPRしてもらうことで、ECサイトで掲載している商品やサービスの認知度が上がるだけでなく、新規見込み客の獲得やコンバージョンに繋がる効果も期待できます。
インフルエンサーとタイアップを行う場合は、どの年代のどのような層のユーザーに影響力があるのかを入念にリサーチしてから、自社のECサイトで販売している消費やサービスと、タイアップしたいインフルエンサーに親和性があるのか検証しオファーを行いましょう。自社ECサイトの商品を紹介してもらう際は、商品の使用感やサービスの感想を盛り込んでもらいましょう。
◎まとめ
TikTokはマーケティングに欠かせないSNSです。「TikTok売れ」といった言葉があるように、ECサイトへの流入や売上アップが狙えるツールなので、ほかのSNSと一緒に上手に活用しましょう。