通販サイトのマーケティング戦略やサイトデザイン、文章を考えるにあたり、ペルソナの設定は必要不可欠です。
漠然としたターゲットの選定では、通販サイトを運営していても訴求効果が見込めません。通販サイトにおいて、ペルソナの設定は売上アップのための重要な要素のひとつです。

この記事では、ペルソナとは何か、なぜ必要なのか、通販サイトにおいてのペルソナの設定方法や注意点を解説します。

◎ペルソナとは

ペルソナとは、マーケティング用語で「サービスや商品を利用する架空のユーザー像」という意味です。心理学では「外向の人格」、ラテン語では「仮面」を意味します。また、似たような意味合いで「ターゲット」という言葉があります。

ターゲットは「女性」や「大学生」、「既婚者」のような共通点を持つ人たちの属性を表します。

 

それに対しペルソナは、性別や住んでいる地域、職業といった基本的なプロフィールから、悩みごとや何に対して幸せを感じるかなどの内面に踏み込んだ特徴に至るまで細かく設定します。詳細な人物像を作り上げていくという意味で、ターゲットよりも人物の「解像度」がより高いと言えます。

◎通販サイトにおいてペルソナが必要な理由

通販サイトを運営するにあたりペルソナが重要視される理由は、サイトの指針を明確にできるためです。現代社会ではライフスタイルが多様化しています。

 

例えば、同じ「20代後半　女性」でも地方在住で結婚し専業主婦として子育てをしている人もいれば、首都圏在住、独身でキャリアを積みながらバリバリ働いている人もいるでしょう。居住地や職業、家族構成などが異なれば、生活スタイルやお金の使い方も異なります。

 

これを通販サイトに当てはめると、サイトを閲覧する時間や滞在時間、通販で購入する商品や価格帯などが変わってきます。つまり、「20代後半女性」というターゲット設定だけでは漠然とした通販サイトの運営に陥ってしまうのです。

 

例えば、キャンプ用品の通販サイトを運営する際に、「29歳、独身女性、東京都在住、保険会社営業職、アウトドアが趣味、機能性を重視した商品を好む」といった設定をすることで、通販サイトの指針を明確にし、サイトデザインや文章などの訴求方法を確立できます。

◎通販サイトにおけるペルソナの設定方法

通販サイトを運営するにあたり、商品の宣伝文章や商品画像の配置、サイト導線など、判断すべき項目が多くあります。ペルソナを意識することで、客観的な目線で通販サイト作りができます。

 

ターゲットのみの設定だけでは、メンバーごとに異なる人物像を自分の頭の中で確立してしまいます。共通の人物像を設定することで担当者間での認識のズレを防ぐことができます。ペルソナの設定はさまざまな方法がありますが、今回はその１部をご紹介します。

 

○データの収集と分析

既に通販サイトを持っている場合は、GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなどのアクセスデータや、GoogleドックスやSNS、メルマガを通じたアンケートなどが有効です。どのような検索ワードで通販サイトにたどり着いたのか、年齢や性別、どの地域からアクセスしているのか、通販サイト内での行動や何を購入したかなどを調査しましょう。また、公的機関など信頼できるソースから統計や調査データを収集するのも有効な手段です。

 

そして、収集したデータを基に「年齢」や「社会的立場」、「商品の購入動機」など共通点を持つユーザーをグループ分けしていきます。

 

○具体的な人物像の設定

グループ分けをした結果をベースに、人物像を設定していきます。よく使われる項目として次のようなものが挙げられます。

 

 

ペルソナを設定する際、SNSの投稿を参考にするとリアリティが増します。特にYouTubeやInstagramでは、通販で購入した商品のレビュー動画や投稿があるので、ユーザーの生の声を聞けます。グループ分けをした結果から、複数のペルソナを設定しても良いでしょう。

◎通販サイトにおけるペルソナを設定する際の注意点

自分の持っているイメージだけでペルソナ設定をしないようにすることが大切です。通販サイト運営側の理想像やイメージといった主観ではなく、客観的なデータ収集と分析に基づいて設定することが大切です。また、人のライフスタイルや興味関心は日々刻刻と変化していくもの、定期的に見直しとメンテナンスを行いましょう。

◎まとめ

通販サイトではペルソナを設定することで、サイトの指針を決めることができます。ペルソナの好みや行動パターンに合った通販サイトは、ユーザーへの訴求効果を高めます。また、通販サイトの運営側にとっても、ペルソナの興味関心に合わせた新たな商材を探しやすくなる利点が生まれるので、ペルソナの設定が曖昧な場合は見直しを検討しましょう。