EC売上アップ術
◎第28回 通販サイトの売上アップへ!ABテスト実施のポイント
通販サイトを運営していく上で欠かせないのがABテスト。
効率の良いABテストを実施することで、売上アップが期待できると共に通販サイト自体の課題を見つけることが可能です。この記事では、通販サイトの運営に効果的なABテストの手順や実施する上でのポイントを解説します。
効率の良いABテストを実施することで、売上アップが期待できると共に通販サイト自体の課題を見つけることが可能です。この記事では、通販サイトの運営に効果的なABテストの手順や実施する上でのポイントを解説します。
◎ABテストとは
ABテストとは、ある条件をAとBの2パターンで運用し、結果を比較するテストのことを指します。通販サイトにおいては、ABテストとは特定の期間に2つの比較対象を用意し、双方の内どちらがクリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)、通販サイトの滞在時間が長いかなど比較します。
具体的には、Aパターンには編集を行わずに現在表示しているページを、BパターンにはAパターンの一部デザインやテキストを編集したページを用意し、AパターンとBパターンどちらが高いCTRやCVRを得られるか検証を行います。
考えるだけでは分からない条件を実際に試し、結果から最良の方法を選択できるのがABテストなのです。
考えるだけでは分からない条件を実際に試し、結果から最良の方法を選択できるのがABテストなのです。
細かいところでは、リンクやボタンの装飾を変えるといった小さな変更点だけでも検証結果を得られるため、コストや大きな手間をかけずに通販サイトを改善につなげることが可能です。このような小規模なテストを繰り返していくことで、より高いパフォーマンスを出せる通販サイトにステップアップすることができます。
ABテストを行うには一定の期間を設ける必要があり、結果が出るまでに時間はかかります。また検証を行う際は、ユーザーの流れ込みが一定の時期を狙うのがポイント。例えば、クリスマスなどの大きなイベントがある場合は、正確な数値を測れないため、検証を避けるのが無難です。
ABテストは2つの比較対象となるページで検証していくため、ページ自体のプレビュー(PV)数が少ないと、なかなか結果につながりません。複数通販サイトを管理している場合は、1番アクセスが多い通販サイトのページで検証すると良いでしょう。
Yahoo!ショッピングやAmazonなどの大手通販サイトは、膨大に貯蓄された購入履歴などからニーズを抽出し、効率の良いABテストを行なっています。また、通販サイトに限らず、LPやアプリなどもABテストの対象です。
◎ABテストの実施方法
通販サイトで最も重要なのがCVRです。CVRは通販サイトにおける具体的な成果率を表し、売上に直接つながる重要な指標になります。このCVRを計測するために、ABテストは非常に重要なのです。
ユーザーは画像や広告の位置を変えるだけでも、サイト内で違うアクションをとる傾向にあります。そのため、ABテストによって最適なバナー広告の位置、ボタンの装飾や画像の配置を見極める必要があります。
通販サイトのCVRやCTRをアップさせたいのであれば、リンクの位置をずらす、商品ボタンの装飾の変更、広告の見直し、どれか1つに絞ってみましょう。複数をまとめて変えてしまうと、改善点や継続すべき点など具体的に見えてきません。
信頼性の高い結果が出たら、成果が良かったパターンをアレンジした2パターンを作り、さらにABテストを実施します。結果が出たら、良かったパターンをさらに2パターンに分けてABテストを実施する…。このように細かい違いを都度確認していくことで、通販サイトの改善が期待でき、売上アップが見込めるということになります。
通販サイトにおいてABテストが有効な点は、検証するのにコストがかからないことが挙げられます。Googleオプティマイズなど無料で利用できる専門ツールもあり、初心者の方でも簡単に検証ページを作成できます。ただし、より精度を上げたいといった場合は、多少のコストをかけて有料ツールを利用してみるのが効果的でしょう。
以上のことから、コストをかけずに通販サイトのCVRやCTRをあげたいのであれば、ABテストが有効と言えるのです。
◎通販サイトでABテストを実施するポイント
○具体的なゴールを決める
効果的なABテストを実施するためには、まず具体的に改善したいポイントを洗い出します。例えば、通販サイトのホーム画面のPV数を増やしたい、ホームから特定の商品ページに飛んでほしい、CVRそのものをアップさせたいなど、具体的なゴールを決めておくことが重要です。通販サイトの何を改善するのか事前に決めておくことで、具体的な改善ポイントも見えてくるでしょう。
通販サイトのホームから特定の商品ページに飛んで欲しい場合は、ユーザーの目に付きやすいリンク画像に変える、サイズを変更する、あるいは説明文を直してみるのも良いでしょう。また、通販サイトのCVRを上げたいのであれば、よりユーザービリティの高い配置を検討してみる、画像やリンクの位置を変えてみる、ボタンの装飾を変えてみるなども有効な手段です。必要な箇所に画像を挿入すれば、ユーザーの視覚的な興味をさそえるため、通販サイトの滞在時間あげることが可能です。
○ゴールに至るための仮説を立てる
具体的なゴールを設定したら、次に通販サイトのAB テストを行う上で、どんな効果があるのか仮説を立てておきましょう。結果を予想し、何が必要で何が良かった見据えておくことが大切です。
仮説とはゴールまでの枠線を描くようなもので、「この条件のページなら、おそらくこうなるだろう」という設定のことを指します。仮説を立てて比較する条件を検討するのは難しいことですが、ゴールを具体的に決めておけば考えやすくなります。仮説は、目的から逸れないためにも必要不可欠です。
○あらかじめ効果を予測しておく
仮説を立てた後は、仮説に対して考えられるパターンを洗い出します。あらかじめABテスト実施後の効果を予測することで、思い通りの結果にならなかった場合でも焦らずに対処できるでしょう。
仮説通りの結果が得られたならゴールが正しかった確証が得られることになり、仮に仮説が外れていた場合でも「なぜ外れたか?」を検討することが通販サイトの品質向上につながります。
○分析をする
最後に、実施したABテストの結果を分析します。ABテストを行う上で1番重要なのは、結果から導き出された最善の手を分析し、次に生かすということです。
設定した仮説が正しく、効果が見られた場合は、何が良かったのか具体的に見つけ出しましょう。反対に仮説が間違っていた場合は、悪かった点をあぶり出し分析することが大切です。良い点と悪い点がわかれば、次回の検証に具体的な判断材料として利用することができるため、実施したABテストの結果は分析するようにしましょう。
検証で得た判断材料は、通販サイトのCVRアップや内部巡回、ページ滞在時間の向上に役立ちます。
◎まとめ
CVRやCTRを伸ばすためにはABテストは欠かせません。まずはABテストの目的や必要性をしっかり知っておくことが大切です。ABテストのポイントを参考に、通販サイトの売上アップを目指しましょう。