EC売上アップ術
◎第121回 ECサイトの集客・売上アップにつながる!オウンドメディア活用のポイント
集客が思うようにいかないと悩むECサイト担当者は少なくありません。こうした集客の課題を解決する手段として、オウンドメディアが注目されています。ECサイトでオウンドメディアを効果的に活用することができれば、広告だけに頼らず、継続的な集客につなげることができます。この記事では、オウンドメディアの仕組みから活用するメリット、成功させるポイント、SEO対策につながる理由などをご紹介します。
◎売上に直結するオウンドメディアの仕組み
オウンドメディアとは、企業が自ら所有・運用し、ユーザーに役立つ情報を発信するための情報媒体のことを指します。ブログやウェブマガジンが一般的で、ECサイトの商品に関連したライフスタイルの提案、専門知識の解説や開発秘話、ユーザーインタビューなどを記事形式で発信します。オウンドメディアがECサイトの売上アップにつながる理由は、記事を入り口にユーザーを集め、ECサイトへ誘導できることにあります。ユーザーの悩みや興味にあわせた情報を発信することで、商品やECサイトを知らない層にも検索やSNSを通じてアプローチできます。
たとえば、化粧品を販売するECサイトであれば、季節の変わり目の肌荒れケアを解説する記事を作成します。肌荒れに悩むユーザーが検索やSNSから記事を訪れ、役立つ情報を得ることで、企業や商品を知るきっかけがうまれます。専門的で有益な情報を発信することは、企業への信頼を高めることにもつながります。そして、記事のなかで肌荒れ対策に役立つ自社商品を紹介し、商品ページへのリンクを設置すれば、ユーザーを自然な流れでECサイトへ誘導できます。情報を求めて訪れたユーザーに商品を知ってもらい、興味をもったユーザーを商品ページへとつなぐことで、購入につながる機会を増やせます。
オウンドメディアは、検索やSNSからユーザーを集め、情報提供を通じて企業や商品への理解を深めてもらい、ECサイトへ送客する役割を担います。記事から商品ページまでの動線を整えることで、オウンドメディアへのアクセスをECサイトの売上につながります。

◎ECサイトにオウンドメディアを活用するメリット
ECサイトの運用にオウンドメディアを活用するメリットのひとつが、集客経路を増やせることです。ユーザーが日常的に抱える悩みや疑問、興味関心に応える記事を公開することで、自社ECサイトや商品をまだ知らない潜在層にもアプローチできます。Web広告のように企業側から商品を宣伝するのではなく、ユーザーが必要な情報を検索するなかで記事を見つけるため、自然な形で自社や商品を知ってもらうきっかけをつくれます。Web広告は、出稿を停止すると流入も減少しますが、オウンドメディアの記事は、公開後もインターネット上に蓄積されるため、検索結果の上位に表示される記事が増えれば、過去に公開した記事からも継続的なアクセスが期待できます。記事を増やしていくことで、検索から自社サイトを訪れるユーザーの増加が期待でき、中長期的には広告だけに頼らない集客につなげることができます。
商品やブランドの価値を詳しく伝えられることもメリットです。ECサイトの商品ページでは、商品のスペックや価格、使い方など購入に必要な情報が中心となるため、商品の背景や魅力まで十分に伝えきれないことがあります。オウンドメディアで開発の背景や具体的な活用シーン、商品に関連する専門知識などを発信すれば、ユーザーに商品への理解を深めてもらうことができます。他社の商品との違いも伝えやすくなり、リピート購入やファンの獲得にもつながります。継続して商品を購入してもらえるようになれば、ひとりの顧客が取引期間を通じてもたらす利益を示すLTV(顧客生涯価値)の向上も期待できます。
オウンドメディアで公開した記事は、SNSやメールマガジンなど、ほかの媒体での情報発信にも活用できます。記事をSNSで紹介して新たなユーザーとの接点をつくったり、メールマガジンで既存顧客に届けて再訪問を促したりと、ひとつの記事をさまざまな場面で利用できます。ユーザーがどのような情報や商品に興味をもっているのかを知ることができる点も、オウンドメディアを運用するメリットです。どの記事が多く読まれているのか、どのようなキーワードからアクセスされているのか、記事からどの商品ページが見られているのかを分析することで、ユーザーの興味やニーズが見えてきます。そこで得られた情報は、新商品の企画や既存商品の改善、今後発信する記事のテーマ選びなどにもいかせます。

◎ECサイトでのオウンドメディア活用を成功させるポイント
オウンドメディアの活用によりECサイトの売上アップを目指すには、ペルソナを詳細に設定し、商品ジャンルにあわせた内容を発信することが重要です。専門性のあるコンテンツを提供し、長期的な視点で運用することも、オウンドメディアをECサイトの売上につなげるポイントになります。
ペルソナとは、自社の商品やサービスを利用する典型的な顧客像を具体的に設定したものです。その人物が抱える悩みや生活背景まで具体化することで、どのような記事を求めているのかを考えやすくなります。たとえば、スキンケア商品を扱っているECサイトの場合、単に「30代の美容に関心がある女性」とするだけでは、具体的な悩みまでは見えてきません。「都内在住、32歳、IT企業勤務。平日は残業が多く、帰宅は夜21時過ぎ。最近、職場のエアコンによる乾燥や年齢による肌のくすみが気になっている。健康意識は高いものの、平日はスキンケアに時間をかけられない」といったように、生活スタイルや悩みまで設定します。ペルソナを具体的にすることで、ユーザーが抱える悩みをイメージしやすくなり、記事のテーマや伝えるべき内容も考えやすくなります。
オウンドメディアのジャンルを、ECサイトで取り扱う商品やサービスにあわせることも、売上につなげるためのポイントです。オウンドメディアでは、記事を読んだユーザーに商品への興味をもってもらい、ECサイトへの訪問や購入につなげていく必要があります。たとえば、アパレルを販売するECサイトが、オウンドメディアでファッションとまったく関係のない情報を発信してアクセスを集めても、そのユーザーが洋服に興味をもっているとは限りません。アクセス数が増えても、ECサイトへの送客や商品の購入につながらなければ、売上アップには結びつきにくくなります。ECサイトで取り扱う商品やサービスと関連する情報を発信することで、ユーザーが抱える悩みや興味にあわせて自社商品を紹介でき、記事から商品ページへ自然に誘導することができます。
ECサイトの売上アップを目指すうえで、オウンドメディアで専門性のあるコンテンツを提供することも大切です。インターネット上には多くの情報があるため、どこかで見たような一般的な内容をまとめるだけでは、ユーザーに記事を読むメリットを感じてもらいにくくなります。専門知識に基づいた詳しい解説や、商品の開発者だからこそわかる情報、実際の使用例など、自社だからこそ発信できる内容を盛り込むことで、ユーザーに役立つ情報を提供できます。商品について詳しく知ってもらうことは、企業やECサイトへの信頼にもつながります。検索エンジンでも、検索エンジンでも、経験や専門性のある情報は評価される傾向があります。自社がもつ知識や経験をいかした情報を発信することで、検索からの集客だけでなく、ユーザーが商品を選ぶ際の判断材料を増やすことにもつながります。
オウンドメディアは、長期的な視点で運用することが大切です。広告のように費用をかけることで短期間にアクセスを集める施策とは異なり、記事を継続して公開しながら、検索からユーザーに訪れてもらえるメディアへと育てていく必要があります。公開した記事が検索結果の上位に表示され、安定してアクセスを集められるようになるまでには時間がかかることもあります。一方、検索から継続的にアクセスされる記事が増えれば、過去に公開した記事からもECサイトへの流入が期待できます。ユーザーが記事を通じて商品や企業を知り、繰り返しオウンドメディアやECサイトを訪れることで、リピート購入やファンの獲得につながる可能性もあります。短期的なアクセス数だけで判断せず、ユーザーに役立つ情報を継続して発信し、必要に応じて記事を改善していくことが、中長期的な集客や売上につながります。

◎SEO対策を強化するオウンドメディア
ECサイトでオウンドメディアを活用することは、SEO対策にもつながります。ECサイトの商品ページでは、商品名やブランド名など、商品に直接関係するキーワードが中心になります。オウンドメディアを活用すれば、「30代 スキンケア 乾燥」「革靴 手入れ 方法」といった、ユーザーの悩みや疑問に関する幅広いキーワードで記事を作成できます。商品を具体的に探しているユーザーだけでなく、悩みの解決策や情報を探しているユーザーにも検索結果からアプローチできるため、ECサイトを知ってもらう機会を増やすことができます。
商品ジャンルに関する専門的な情報を蓄積できることも、SEO対策になります。商品情報だけではなく、ユーザーの疑問に答える記事や商品の選び方、使い方など、関連する情報を継続して発信することで、サイト内の情報を充実させることができます。検索エンジンでは、ユーザーの検索意図に応える有益な情報や、経験・専門性のある情報なども重視されています。商品と関連する記事を充実させることは、ユーザーにとって必要な情報を見つけやすいサイトづくりにもつながります。被リンクを獲得する機会が増えることも、オウンドメディアを活用するメリットです。商品の販売を目的としたページと比べ、役立つ知識やノウハウをまとめた記事は、ほかのWebサイトやブログなどで情報源として紹介される可能性があります。外部サイトからの被リンクは検索エンジンがページを評価する際の判断材料のひとつとなるため、信頼できるサイトから自然な形でリンクを獲得することはSEOにもプラスに働きます。
このようにオウンドメディアを活用すれば、ECサイトの商品ページだけでは狙いにくいキーワードからもユーザーを集められます。商品ジャンルに関する情報を充実させ、ユーザーの悩みや疑問に応える記事を継続して発信することで、検索からECサイトへの流入を増やすことができます。

◎まとめ
ECサイトの集客・売上アップを目指すなら、オウンドメディアを活用して広告以外の集客経路をつくることが大切です。ユーザーの悩みや興味に寄り添う専門的なコンテンツを発信することで、潜在顧客に自社や商品を知ってもらい、自然な流れでECサイトへ送客できます。ペルソナを細かく設定し、商品ジャンルにあった記事を継続して発信することで、幅広いキーワードからの検索流入も期待できます。オウンドメディアを活用し、ECサイトの売上アップにつなげましょう。