EC売上アップ術

◎第113回 ECサイトの売上アップにつながる!マルチチャネル導入の成功ポイント

マルチチャネルの導入はECサイトの売上アップにおいて極めて重要です。現代のユーザーはひとつの商品をECサイトやECモール、SNSなどさまざまな場所で商品を見比べ、もっとも納得感のある場所で購入します。ユーザーとの接点がひとつしかない状態は、大きな機会損失を生んでいると言っても過言ではありません。マルチチャネルの導入を成功させるには、おさえておくべきいくつかのポイントがあります。この記事では、マルチチャネルを導入するメリットから成功ポイント、マルチチャネル戦略を支えるCRMの重要性について詳しくご紹介します。

 

◎売上アップに欠かせないマルチチャネル

マルチチャネルとは、企業が実店舗・ECサイト・ECモール・SNS・電話・メールなど複数の販売経路や顧客接点(チャネル)を独立して持ち、それぞれを活用して集客や販売を行う戦略のことを指します。以前は顧客情報や在庫情報が各チャネル間で連携されていないのが特徴でしたが、インターネットの発展やシステム開発が進んだことにより、現在は各チャネル間でデータ連携することが主流となっています。マルチチャネルは、事業規模の拡大に応じて、顧客体験までデータ連携されたクロスチャネルや、チャネルの区別自体がなくなるようなオムニチャネルへと発展していくのが一般的とされています。

ECサイトのみを経営している場合は、シングルチャネルです。マルチチャネルの導入はシングルチャネルでは限界のあった部分を補い、ECサイトの売上アップにつなげる役目を果たします。それは、単にECサイトの商品をあちこちで売ることではなく、ユーザーの生活動線のあらゆる場所に配置しておくという考え方です。各チャネルにはそれぞれの特徴があるため、自社のリソースとターゲットに合わせたチャネルを選定することは極めて重要です。自社ECサイトは利益率が高く、顧客データが自由に活用できるといった特徴があります。ECモールは圧倒的な集客力がありますが、手数料が高い傾向があり、SNSは販売手数料はかかりませんが、その分時間や広告費といったコストがかかります。また、電話を活用したテレアポやメールマガジンのチャネルは、ECサイトの既存客との信頼構築において強力な武器となるでしょう。

売上アップに欠かせないマルチチャネル

◎マルチチャネルを導入するメリット

ECサイトにマルチチャネルを導入するメリットは、見込み客との接点が増え、認知度が上がることがあげられます。自社ECサイトだけでなく、大手のECモールやSNSに出店・出品することで、自社ECサイトだけではリーチできなかった顧客層に商品を知ってもらう機会が増えます。ユーザーにはそれぞれお気に入りの購入場所があり、ポイントを使いたいからと、決まったECモールでしか購入しないというユーザーは一定数います。そこで、ECサイトをマルチチャネル化していれば、ユーザーの好みの場所で決済させることができるため、離脱を防げるのです。

ECサイトのマルチチャネル化により、広告の受け皿を広げることができることも大きなメリットです。近年、SNS広告で商品を知ったユーザーが、後でポイントが使えるECモールで検索して商品を購入するといった行動は多くみられます。そこで目的の商品がみつからなければ、すぐに競合他社へ流れてしまいます。また、初回購入は信頼感のあるECモールで購入したユーザーを、2回目以降の継続購入は特典の多い自社ECサイトへ誘導することができれば、利益率と顧客維持率を両立できます。そのためには自社ECサイト限定のノベルティやモール限定のセット品など、各チャネルで購入する動機を意図的に作ることが重要です。

マルチチャネル化には経営の安定性を高めるメリットもあります。たとえば、特定のプラットフォームに依存しすぎると、規約変更やアカウント停止、システム障害が起きた際に売上がゼロになるリスクがあります。そこで複数の販路を持っていればそのようなリスクを回避できるでしょう。

マルチチャネルを導入するメリット

◎マルチチャネル戦略を導入する際の成功ポイント

ECサイト事業にマルチチャネル戦略を導入する際、運用の優先順位をつけ、在庫の一元管理をすることは成功において重要なポイントです。また、各チャネルに一貫性を持たせ、レビューが集まる仕組みを構築することはECサイトの売上アップに直結します。

〇運用の優先順位をつける

運用の優先順位をつけることは、マルチチャネル戦略の成否を分ける極めて重要なポイントです。時間・予算・人員などのリソースが無限にある企業は存在しません。すべてのチャネルを同時に、全力で運用しようとすると、どれも中途半端に終わり、結果としてコストだけが膨らむという状況になりかねません。最初は自社ECサイトのターゲットがもっとも多い場所からスモールスタートすると、リスクを最小限におさえられます。たとえば、売上見込みが高いECモールで売上の基盤を作り、自社ECサイトを強化し利益率の向上とファン化を進めます。次に、InstagramやLINEなどのSNSを活用してチャネルの回遊性を高めると、効率的にECサイトの売上アップにつなげられます。もっとも効率よく利益が出るチャネルを特定し、そこを軌道にのせることが先決です。ひとつのチャネルで安定したキャッシュフローがうまれれば、それを原資にしてECサイトや次のチャネルへ投資するという好循環が作れるでしょう。

〇在庫を一元管理する

在庫を一元管理することは、マルチチャネル戦略の成功において重要なポイントです。在庫をチャネルごとに管理するのではなく、全チャネルに開放することは売上アップにおいてもっとも効率的です。しかしながら、複数のチャネルで在庫を共有した場合、モールで最後の商品が売れた瞬間に、自社ECサイトやSNS店の在庫表示を操作する必要があります。その作業を手動で行っている場合、どうしても数分のタイムラグが発生します。そのため、その間に他店で注文が入る売り越しが起きてしまうリスクがあります。売り越しの発生は、顧客満足度の低下や、モール側からの低評価につながるため極力避けなければいけません。3チャネルを超えると手動での管理は限界を迎えるとされています。そのため、売上規模が大きくなる前に、各チャネルの在庫を自動で同期する一元管理システムを導入することは、ECサイトの売上アップにおいて不可欠といえるでしょう。

〇各チャネルに一貫性をもたせる

ユーザーがどのチャネルで商品をみても、あのECサイトの商品だと直感的にわかることは、ブランド・アイデンティティの一貫性において重要なポイントです。ECサイト事業をマルチチャネル化すると、ユーザーはECモールでみた商品を、次にSNSで見かけ、最終的に自社ECサイトで買うといった複雑な動きをすることがあります。その際、「あ、あのECサイトと同じお店だ」とユーザーのなかで直感的につながると、信頼感と購入の決め手になります。出店先のチャネルごとにページデザインなどの制約は異なりますが、使用する写真のトーン、キーカラーやフォントの固定、キャッチコピーの雰囲気などをECサイトと統一することにより、ユーザーの記憶に残りやすくなります。ユーザーにどのような価値を提供するのか、ベネフィットを言語化し、それをどのチャネルでも一貫して発信し続けることは最終的にECサイトの売上アップにつながるでしょう。

〇レビューを集める仕組みを構築する

各チャネルでレビューを集めることは、ECサイトの売上アップに直結する最優先事項のひとつです。ECサイトのユーザーは商品を直接手に取れないため、自分より先に買った人の意見、第三者の声が最強のセールストークになります。また、多くのプラットフォームのアルゴリズムでは、レビューの数と質が検索順位に大きく影響します。マルチチャネルでレビューを効率的に集めるためには、ユーザーがレビューを書くハードルを下げ、メリットを最大化させる仕組みをあらかじめ構築しておくことが重要です。たとえば、商品を購入してユーザーへ、レビューを依頼するメールが飛ぶように設定する際、メール内に配置したボタンから、ワンクリックで各モールの投稿画面に飛べるリンクを掲載するとユーザーがログインする手間が省け、投稿率がアップします。また、メールだけでなく、「皆さまの声を励みにしています」という人間味のあるメッセージカードを商品に同封すると、投稿率はぐっと上がります。

マルチチャネル戦略を導入する際の成功ポイント

◎マルチチャネルを機能させるCRMの活用

マルチチャネル戦略を単なる多店舗展開で終わらせず、ECサイトで持続的に利益が出る仕組みに変えるためには、CRMと呼ばれる顧客関係管理によるデータ統合は不可欠です。マルチチャネル化が進むと、顧客との接点が多くなる半面、分散するといったことが起きます。CRMを使わずにいると、ECモールで買ったAさんと、自社ECサイトで買ったAさんが同一人物だと気づけないという状況に陥ります。それは、ECサイトの売上アップにおいて非常にもったいない機会損失となります。マルチチャネルをECサイトの売上アップにつなげるには、ECモールで獲得した新規客を、2回目以降は利益率の高い自社ECサイトへ誘導することが必要です。各チャネルの購入データを統合し、モールでの購入回数や最終購入日をトリガーにして、自社ECサイトで使える限定クーポンやポイントの案内を送ることで、高額なモール手数料や広告費をおさえつつ、ECサイトのリピート売上を積み上げることが期待できるでしょう。

全チャネルのデータを合算することで、本当の顧客が見えてきます。A店では数千円しか使っていないユーザーも、実は全店舗やECサイトを合計すると数十万円使っている顧客かもしれません。こうしたユーザーをCRMで特定できれば、先行販売の案内や特別なノベルティの送付など、離脱を防ぐための手厚い施策が打てるようになります。また、どこで最終的に買ったのかだけでなく、どこがきっかけで、どこを経由したかを把握することも重要です。たとえば、Instagramで認知し、自社ECサイトで検討し、最終的にポイントがつくからとECモールで購入した場合、データ上はECモールの成果にしかなりません。そこで、短絡的にInstagramをやめてしまうと、結果的にECモールの売上も落ちてしまいかねません。CRMの導入により購入に至ったルートが把握できれば、そういったリスクの軽減にもつながるでしょう。

マルチチャネルを機能させるCRMの活用

◎まとめ

ECサイトの売上アップにおいて、マルチチャネルの導入は不可欠です。マルチチャネルを活用することで、ECサイトの見込み客との接点が増え、認知度が上がります。導入を成功させるには、運用の優先順位をつけ、在庫の一元管理をすることは重要なポイントです。各チャネルに一貫性を持たせ、レビューを収集する仕組みの構築はECサイトの売上アップに直結します。CRMの活用は、マルチチャネル戦略を機能させます。マルチチャネルを効果的に活用し、ECサイトの売上アップにつなげましょう。

◎第113回 ECサイトの売上アップにつながる!マルチチャネル導入の成功ポイント