EC売上アップ術
◎第108回 ECサイトの売上を伸ばす!インタラクティブメールの活用術
ECサイトの売上アップにおいて、メールマーケティングは、取り組み方次第で成果につながりやすい施策といえます。コスト面においてもほかの広告手段と比べて低くおさえられる傾向があります。とくにビジネスにおいては、業務上の連絡手段としてメールが定着しているため、BtoBマーケティングとメールの親和性は非常に高いです。この記事では、メールの内容に動的な要素を加えるインタラクティブメールの効果的な活用方法についてご紹介します。
◎インタラクティブメールとは
インタラクティブメールとは、クイズやアンケート、画像スライド、カウントダウンタイマー、GIFアニメなど、メールの内容に動的な要素を取り入れたメールのことを指します。それは、ECサイトのプロモーションでよく活用されているリンク機能とは異なります。インタラクティブメールはさまざまな調査や事例から、ユーザーのメールに対する興味や関心の高まりが期待できると報告されています。しかしながら日本では、インタラクティブメールを日常的に目にする機会は少ないのが現状です。
インタラクティブメールはすべてのメールソフトで正常に表示されるわけではなく、主にGmailや一部のApple Mailなど、比較的新しいクライアントでの対応が中心であることが要因とされています。一方、世界のメールマーケティングのトレンドは、よりパーソナライズされ、より動的なアクションを促す方向へ進んでいます。そのことから、今後メール配信システム側がテンプレートや機能としてインタラクティブメールを容易に提供するようになれば、ECサイトでの導入は一気に加速すると予想されています。
ECサイトにおけるインタラクティブメールの実装と配信には、その機能に対応したメール配信システムが必要です。GIFアニメーションは導入の難易度は比較的低く、標準的なメール配信ツールで対応可能です。カウントダウンタイマーをメール内に表示するには、リアルタイムで時間を減らす画像を表示させる外部サービスが必要です。導入には比較的難易度が高いインタラクティブメールですが、第一歩としては、現在のECサイトのメール配信システムやITリソースにあわせて、可能な範囲を確認し、GIFアニメーションなど比較的容易に導入できるところから試し、効果を検証していくのがよいでしょう。

◎ECサイトの売上アップにつながる活用方法
インタラクティブメールは、ユーザーが直接アクションを起こすコンテンツをメール内に組み込むことで、クリック率を大幅に向上させることを目的としています。たとえば、ECサイトのセールやクーポン告知にはカウントダウンタイマーを活用することで、切迫感を演出できます。また、新商品などのプロモーションは、GIFアニメーションを活用し、ECサイトの商品やサービスの特徴を短時間で魅力的に伝えられます。さらにレビューや投票できる機能を活用すれば、「どちらのカラーが好き?」といった投票形式や、星の数でのレビュー投稿をECサイトのユーザーはメール内で体験できます。
インタラクティブメールのなかでも、比較的導入しやすいGIFアニメーションを活用して、ECサイトの商品の特徴を動的に見せたり、セールの緊急性を視覚的に伝えたりする手法は、大手のアパレル系ECサイトで広く利用されはじめています。画像をクリックするとECサイトへ遷移するメールのリンク機能は、多くの企業で活用されています。それだけでなく、複数の画像を連続で表示するGIFアニメーションを使ってスライドしているように見せることで、動的コンテンツとしてユーザーの関心を高める効果が期待されます。ECサイトのユーザーが商品購入を迷っている段階では、ECサイトへ遷移しても、情報量が多すぎることで比較や判断が難しくなる場合があります。インタラクティブメールはメール内で画像をスライドさせることで、類似する複数の商品を見せることができます。ユーザーはECサイトに飛ぶ前に、自分のペースで比較でき、関心の高い商品を見つけた時点ではじめてECサイトへ飛ぶため、ECサイトへ遷移した後の購入確率は高まるでしょう。画像をクリックしてECサイトへ飛ぶ通常のメールでは、大量の画像を並べるとメールが長くなりすぎて敬遠されがちですが、一方、インタラクティブメールでは、その心配は比較的少ないといえるでしょう。

◎インタラクティブメールを効果的に活用するポイント
ECサイトにおいてインタラクティブメールを活用する際は、シンプルな要素から導入することで、継続的な運用につながります。また、代替コンテンツを用意したり、中長期的な視点でコストと売上アップ効果のバランスを考えることも重要です。
ECサイトへインタラクティブメールを導入する際、継続的な運用への1番のポイントは、まずは負担の少ない要素から導入して効果を確かめながら慣れていくことです。「メール内くじ引き」など、いきなり高度なインタラクティブメールに挑戦して失敗すると、準備にかけた時間やコストが無駄になるだけでなく、担当者のモチベーション低下や、インタラクティブメールは効果がないという誤った判断につながってしまうリスクがあります。高度な機能を実現することが目的となってしまい、基本的な表示保証がおろそかになっていては、思うような成果にはつながりません。インタラクティブメールはただ派手な要素を入れるだけでなく、GIFアニメーションのように導入の難易度が比較的低いものを、ECサイトのユーザーはどのようなコンテンツに興味を持ってもらえるかという、ユーザーニーズにもとづいた設計をすることが成功のカギです。
インタラクティブメールは、ECサイトの初回訪問者や休眠顧客向けのメールに効果を発揮します。メールの内容に簡単な診断コンテンツを加えることでECサイトの顧客の嗜好データを効率的に収集でき、その情報はECサイトの売上アップにおけるマーケティング戦略立案の材料となります。たとえば、ECサイトのユーザーに「あなたが好きな色は?」「今興味のあるアイテムは?」などの質問をメール内に表示させ、ワンタップで回答できるようにします。メールにリンクを張り付けてECサイトへ遷移させるよりも、行動へのハードルが圧倒的に低いため、回答率が高くなることが期待できます。また、ECサイトへの遷移の手間がないため、ユーザーが面倒に感じて離脱するのを防げます。さらに、得られた回答結果に応じて、ユーザーの興味に関連したECサイトの商品ページのリンクを表示させれば、ユーザーは「自分のための商品である」と感じ、ECサイトの売上アップにつながることが期待できます。
ECサイトにおけるインタラクティブメールの運用において、メールを送信する前に必ず複数のメールクライアントとデバイスでテストを実施することは極めて重要なポイントです。それは、インタラクティブメールの課題として、一部の古いメールクライアントではメールの動的なデザインが正しく表示されない可能性があるからです。せっかく時間をかけてインタラクティブメールを作成しても、正しく表示されずに文字化けするなど、正確な内容がわからないと、ECサイトへの不信感にもつながり兼ねません。その対策として、インタラクティブメールがAMP対応のメールクライアント以外で開かれた場合でも、メールの内容が壊れて見えなくならないように、予備として従来のHTMLメールを必ずセットで用意する必要があります。インタラクティブ機能が動作しない環境で、メールが文字化けや真っ白にならず、静的な代替コンテンツが意図通りに表示されるかを厳しくチェックすることは、ユーザーへ不信感を与えないために不可欠です。
ECサイトへインタラクティブメールを実装するには、特定の技術が必要になる場合があり、制作コストや手間がかかります。ECサイトの売上アップにつなげるには、中長期的な視点でコストと売上アップ効果のバランスを考えることは、非常に重要なポイントです。たとえコストがかかったとしても、インタラクティブメールの導入により自社の解決したい課題が解決でき、それを上回る効果が期待できる場合は導入を検討する価値があります。たとえばユーザーが商品を購入しようとECサイトから送られてきたメールのリンクからアクセスした際、欲しい商品が在庫切れになっていれば、顧客の満足度は下がります。もしメール内でリアルタイムなECサイトの在庫状況が確認できれば、そういった事例を減らすことができ顧客体験の改善につながります。また、残りわずかといったECサイトのリアルタイムな情報を表示することにより、購入の動機づけにもなります。これらの施策によりコストを上回る売上が見込める場合は導入する価値があるということになるでしょう。

◎失敗しないインタラクティブメールの運用設計
ECサイトへインタラクティブメールを活用するには、コンテンツの作成が大変という印象があるかもしれません。しかしそのような負担を軽減し、効率的に導入するための方法は存在します。もっとも負担が少なくECサイトへインタラクティブメールを活用する方法は、現在利用している、または導入を検討しているメール配信ツールの機能に頼ることです。多くの最新のメールツールは、タイマー機能を外部サービスと連携する機能を提供しており、コードを書かなくてもブロックをドラッグ&ドロップするだけで簡単に挿入することが可能です。また、高度な機能を提供するマーケティングツールでは、インタラクティブ要素を組み込んだテンプレートや業務アプリを簡単に作成できるツールを提供しており、ECサイトの担当者にコーディングの知識がなくても編集できる場合があります。
自社に専門知識を持つデザイナーやエンジニアがいない場合は、インタラクティブメールの作成を専門とする外部のサービスや制作プラットフォームを利用すると効率的です。インタラクティブメールの制作には、高度で特殊な専門知識が必要で、とくに運用テストの手間は膨大になります。さらに、ECサイトにおける測定結果にもとづき、設計やコンテンツを繰り返し改善していくことも成功のカギです。現在のメール配信システムが対応しているかを確認し、対応していない場合は、対応可能なツールへの切り替えや連携を検討する必要があるでしょう。

◎まとめ
ECサイトにおけるインタラクティブメールは、クリック率の向上や、ユーザーの関心を高める効果が期待できます。導入のポイントは、まずGIFアニメーションなどのシンプルな要素からはじめ、効果を検証することです。あわせて、顧客嗜好データの収集や代替コンテンツの準備、中長期的な視点でのコストバランスを検討することも重要といえます。対応可能なメール配信システムを活用し、外部サービスも利用しながら効率的に運用設計を行いECサイトの売上アップを目指しましょう。YTC・PLUSは、ホームページ制作やECサイト構築において豊富な実績があります。ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。