EC売上アップ術
◎第9回 再訪問はリマーケティング広告で対策
今回は、1度は商品やサービスに興味を持ったものの離脱してしまったユーザーに対して、自社のECサイトへ再アクセスしてもらうためのアプローチ、リマーケティング広告について解説します。
ホームページを閲覧しているときに、以前に閲覧したことのあるECサイトなどのバナー広告がたびたび表示されたことがあると思います。
リマーケティング広告とは、自社のECサイトに訪問したことのあるユーザーに対して、他のサイトを見ているときに追跡して表示させる広告のことで、再アクセスや売上アップを狙った施策です。
このような追従型広告は運用する母体によって呼び方が異なり、Googleでは「リマーケティング広告」と呼ばれ、Yahoo!では「リターゲティング広告」、その他にCriteoが運用する「Criteoダイナミックリターゲティング」もあります。どれも追従型の広告という基本的な機能は共通しています。
リマーケティング広告の配信方法にはいくつかの種類があり、ECサイト以外のウェブサイトや動画サイトでも運用できます。
代表的なものとしては、自社サイトにアクセスしたことがあるユーザーが、広告枠を持つ他のウェブサイトを閲覧中に、ディスプレイ広告を配信する「標準のリマーケティング」です。
ユーザーは商品自体への認知と興味があるため、離脱したあとも追従して自社の商品を繰り返し見せることでコンバージョンへつながりやすくなります。
一方「検索広告向けリマーケティング」は、自社サイトにアクセスしたことがあるユーザーが検索エンジンなどで検索しているときに配信する広告です。
標準のリマーケティングとの違いは、他のサイトを閲覧中ではなく、「検索行動」をしているときに配信するもので、特定のワードで検索されたときに1位に表示させるなどの設定も可能です。
「動的リマーケティング」は自社サイトを訪れたユーザーの閲覧状況から自動的にカスタマイズして配信する広告です。
過去に閲覧した商品と似たものや関連性があるものなど、ユーザーの関心がありそうな広告を表示することで潜在的な購買意欲に訴求することができます。
そのほかに、自社のアプリをダウンロードしたユーザーを対象として広告を配信する「アプリのリマーケティング」では、ユーザーの手元で休眠しているアプリの再利用を促したり、新しいアプリを紹介したりすることができます。
同じように「動画リマーケティング」では自社サイトの動画やYouTubeチャンネルの動画を視聴したユーザーに広告を配信するもので、動画広告だけに限らず、ほかのウェブサイトを閲覧中にバナー広告などを配信することも可能です。
Googleアナリティクスという分析ツールと連携した「Googleアナリティクスリマーケティング」はGoogleアナリティクスが計測した細かいデータを元にしてターゲットを決めて配信することができるため、自社のECサイトでの滞在時間やセッション回数などの細かい情報を用いてターゲットを絞ることが可能です。
商品に興味がある見込み客が対象なのでコンバージョン率が高くなるだけでなく、CPA(成約1件当たりの広告費)が抑えられ費用対効果に優れている広告といえます。
高額商品など長い時間を使って検討する傾向にある商品は、ユーザーはさまざまなECサイトを閲覧して購入にいたるケースがほとんどです。離脱したユーザーへ何度もアプローチすることで自社のECサイトへの再アクセスを促すリマーケティング広告は売上アップのために欠かせない存在といえるでしょう。
追従型であるリマーケティング広告は、すでに商品やサービスに興味をもつユーザーに直接アプローチし、閲覧状況からターゲットを絞り込んで広告配信ができるため効率的にコンバージョンにつなげることが可能です。
売上アップに効果的なリマーケティング広告、早速取り入れてみてはいかがでしょうか。