EC売上アップ術
◎第112回 離脱を防いで売れるECサイトに!画像最適化の実践ポイント
ECサイトにおいて、画像の美しさは商品の魅力を伝えるために不可欠ですが、高画質な画像はその分ファイルサイズが大きくなり、ECサイトの読み込み速度が低下する恐れがあります。ECサイトの画像を最適化することは、読み込み速度が改善し検索順位にも影響するため、結果的にECサイトの売上アップにもつながります。この記事では、画像最適化の重要性から売上アップにつながるポイント、SEO対策などご紹介します。
◎ECサイトにおける画像最適化とは
画像の最適化とは、画像の見た目のきれいさを保ったままデータの重さをできる限り削り、ECサイトのユーザーにスムーズに表示されるようにすることをいいます。単に画質を落とせばよいのではなく、きれいに速く表示される、ちょうどよいポイントに調整することが最適化です。ページの表示速度がユーザーの離脱にも影響するといわれており、画像の最適化はECサイトにおいて重要な要素のひとつとなっています。
デジカメやスマートフォンで撮った写真は、実はポスター印刷ができるほど巨大なサイズである場合があります。たとえば、横幅4,000pxある画像を、横幅400pxなどのECサイト上の小さな枠にそのまま表示させると、見た目は変わらなくても読み込みは遅くなります。実際に表示される大きさにあわせ、あらかじめ画像を適正なサイズに調整しておくことが必要です。見た目ではほとんどわからないレベルで、色情報の微細な重なりやメタデータなど、画像に含まれる余計なデータも存在します。これらを軽くすることで、画質を保ったままデータ容量をおさえることができ、ユーザーはよりストレスなく閲覧できます。
画像形式の選択も最適化のポイントです。写真であればJPEGやWebP、透過が必要な場合はPNGなど、用途に応じて使い分けることで、より効率的に軽量化できます。ECサイトの画像をひとつひとつ手作業で最適化していくのは現実的ではありません。画像をアップロードするだけで自動的にサイズ調整や圧縮を行ってくれるツールや、ECサイトに備わっている機能を活用することで、手間をかけずに最適化できます。

◎画像の最適化が重要な理由
ECサイトの売上アップを達成するうえで、画像の最適化は非常に重要な要素です。ECサイトにおいて多く見受けられる課題のひとつが、デジタルカメラやスマートフォンで撮影した高解像度の画像を、適切な処理を行わずにそのままアップロードしてしまう点です。ECサイトに限らず、ユーザーは表示速度に敏感です。一説では、ページの読み込みに3秒以上かかると、約40%のユーザーが離脱するといわれています。また、暗い写真やピントのズレた画像は、商品の品質や信頼性に対する不安につながります。明るさや色味などのトーンが揃っていると、商品の魅力が正しく伝わりやすくなります。比較検討の場面においても、選ばれやすくなります。
ECサイトのユーザーは商品を直接手に取ることができないため、画像の質はそのまま商品の信頼性に直結します。商品の質感がわかるズーム画像や、実際の使用シーンがイメージできる写真を用意することで、不安の軽減につながり購入行動を後押しします。パソコンでは問題なく見える画像であっても、スマートフォンでは文字が潰れて読めない場合もあります。スマートフォンでの視認性を前提とした画像設計が、ECサイトの売上を大きく左右します。
画像の最適化が十分でない場合、サーバーに大きな負荷がかかる点も考慮が必要です。サーバーには一度に送信できるデータ量に限りがあり、契約プランによっては追加費用が発生する場合や、上限に達してサイトが停止するリスクもあります。不要に容量の大きい画像を使用し続けることは、表示速度だけでなく、サイト全体の安定性にも影響を及ぼします。安定した運用の観点からも、画像の最適化は欠かせない対応といえます。

◎ECサイトの売上アップにつながる画像最適化のポイント
ECサイトの画像を最適化することは、売上アップに直結します。データ容量を軽くし、WebPを活用することで、表示速度の改善が期待できます。遅延読み込みの設定や、デバイスに応じたサイズ表示など、いずれも欠かせないポイントです。
ECサイトの売上アップにおいて、画像1枚あたりの容量をなるべくおさえることは重要です。容量が大きいほど表示に時間がかかり、ユーザーのストレスにつながってしまいます。サイズの調整だけでなく、圧縮ツールなどを利用して容量を軽くすることで、ユーザー側の通信速度が多少遅くても表示速度は安定します。ECサイトでは複数の画像を掲載するのが一般的です。1枚では問題がなくても、容量の大きい画像が重なることで読み込みが遅くなり、ユーザーのストレスにつながります。ECサイトのアクセスの大半はスマートフォンなので、電波の悪い場所など不安定な回線では、容量の重たい画像が並ぶページは快適に閲覧できる状態とはいえません。画像をスムーズに表示されることは、次もこのお店で買おうとリピートにも影響します。すべての画像を無理に軽くする必要はなく、ズーム機能が必要な宝石や時計などの写真や、ECサイトの顔となるメインビジュアルは、画質を優先させるとよいでしょう。
WebPへの対応は、現代のECサイトにおいて重要なポイントのひとつです。WebPとは、Googleが開発したWebサイト表示に適したファイル形式です。写真はJPEG、ロゴや図解はPNGと使い分けるのが一般的でしたが、WebPはその両方の役割をひとつで担えるとされ、同じ見た目でもJPEGやPNGと比較してサイズをおさえられる特徴があります。そのため、画質を保ったままデータ容量を軽くできる点が大きなメリットです。ECサイトで重要なのは、ユーザーがストレスなく商品を見て回れる状態です。画像が軽くなることで、商品をスムーズに閲覧でき、ページの切り替えも快適になり、ページ閲覧数の増加や購入率の向上につながります。再編集や再保存を繰り返すと画質の劣化が蓄積する可能性があります。編集ツールとの相性によっては扱いづらい場合もあるため、元データの管理や用途の使い分けはおさえておく必要があります。
遅延読み込みとは、ECサイトのページで、ユーザーがスクロールして画像が表示される直前のタイミングで読み込む技術のことです。主要なECプラットフォームでは標準機能として備わっていることが一般的ですが、古いバージョンを使い続けている場合は注意が必要です。ECサイトの商品一覧ページに50枚の画像がある場合、最初からすべてを読み込もうとすると、ユーザーは画面が開くまで待たされることになります。遅延読み込みが設定されていれば、はじめに見える数枚だけを優先して読み込むため、体感速度が早くなり、ストレスを感じにくくなります。すべての画像を遅延読み込みに設定すればよいわけではありません。ページを開いた瞬間に表示される画像まで遅延読み込みにすると、重要な画像が表示されるまで一瞬空白の時間が発生します。最初の数枚はすぐに読み込むように指定するか、遅延読み込みの対象から外しておくことが重要です。
ECサイトの画像を、スマートフォンやPCなどユーザーが使用するデバイスに応じたサイズで表示させることは、売上アップにおいて重要なポイントです。PC用の画像をそのままスマートフォンで表示すると、表示しきれない余計なデータまで読み込むことになり、表示が遅くなります。画面サイズに対してデータ量が過剰な場合、画像が上から順に表示されたり、表示までに時間がかかることがあります。スマートフォンユーザーは表示速度に敏感です。画像が表示されるまでのわずかな時間でも待てず、商品を見る前に離脱し、競合他社へ流れてしまうケースがあります。スマートフォン専用の画像を用意することも有効です。PC用の横長画像をそのまま縮小すると、被写体が小さくなり、魅力が伝わりにくくなります。商品を中央で切り抜いた画像を使用することで、ディテールが見えやすくなり、視覚的な訴求力が高まります。

◎画像最適化によるSEO対策
Googleの検索順位を上げ、集客につながる入口を増やすことは、ECサイトの売上アップに直結します。Googleは、ユーザーにとって使いやすいECサイトを高く評価する傾向があります。画像最適化は、その使いやすさに直結するため、検索順位を上げるための重要な要素です。ページの読み込み速度は、検索順位を決める指標のひとつです。ページのメイン画像がすぐに表示されることは、SEOにおいて高く評価されます。ECサイトの読み込みが遅い場合、ユーザーは不便を感じ、検索結果に戻ってしまいます。その結果、ユーザーを満足させているサイトとは評価されにくく、順位も上がりにくくなります。現在のSEOでは、スマートフォンでの見やすさが重視されています。外出先でスマートフォンを利用するユーザーにとって、重い画像はデータ通信量を消費する使いづらいサイトと思われてしまいます。スマートフォンの画面サイズに最適化された画像を表示することで、モバイル環境でも快適に閲覧できる状態となり、検索エンジンからも評価されやすくなります。
検索エンジンは、画像の内容をテキスト情報なしで正確に判断することができません。たとえば、ファイル名がimg123.webpのままでは、画像の内容を把握できません。shampoo-organic-bottle.webpのように内容がわかる名前にすることで、検索エンジンが理解しやすくなります。また、Alt属性が設定された画像は、特定のキーワードに関連する画像として認識されやすくなります。Alt属性とは、画像の内容を説明するテキストです。「オーガニックシャンプーのボトル外観」などと設定することで、通常の検索だけでなく画像検索からの流入も期待できます。ユーザーは文字だけでなく、画像検索から商品を探すケースもあります。自社の商品画像が検索結果に表示されることは、新たな流入経路の獲得につながります。広告費をかけずに集客できる点でも、重要な施策といえます。

◎まとめ
画像の最適化は、ECサイトの売上アップに直結します。サイズ調整だけでなく、容量の圧縮やWebPといったファイル形式の活用により、読み込み速度の改善が可能です。遅延読み込みの設定や、デバイスに応じたサイズでの表示は、ユーザーのストレスを軽減し、離脱防止につながります。さらに、画像にAlt属性を設定することで、検索流入の機会を広げることができます。ECサイトにおける画像最適化は、ユーザー体験と集客の両面から重要な施策です。基本的なポイントをおさえ、売上アップにつなげていきましょう。