EC売上アップ術

◎第107回 ECサイトの売上アップにつながる!O2Oの効果的な活用法

インターネットが広く普及した現代において、O2OはECサイトの売上アップに欠かすことのできない手法です。O2Oを上手に活用すれば、ECサイトと実店舗との相乗効果を生み出すことができます。しかし効果的に活用するには、いくつかのポイントをおさえておく必要があります。この記事では、ECサイトへO2Oを活用するメリットから、売上アップを成功させるポイントまで詳しくご紹介します。

 

◎O2Oが注目されている理由

近年、ECサイトが増加し利便性が高まる一方で、商品を実際に手に取って確認したり試着したり、スタッフから直接アドバイスを受けたりできる実店舗ならではの体験価値が再評価されています。ユーザーがECサイトで事前に商品の情報を調べてから、実物を見るために実店舗を訪れるという行動も一般的になっています。そのため、ECサイトを単なる販売チャネルとしてだけでなく、実店舗への誘導や顧客接点強化のためのマーケティングツールとして活用するO2O戦略の重要性が高まっています。

O2Oとは、Online to Offlineの略称です。オンラインからオフラインの実店舗へ誘導することを目的とするマーケティング手法を指します。実店舗で商品を選びECサイトで安く購入するショールーミングに対抗する手段としても広まりました。日常的にスマートフォンを利用するようになり、ほかのユーザーのレビューや、価格比較サイト・口コミサイトでの情報収集が当たり前になりました。事業者側もGPS機能などを活用し、ユーザーの現在地に近い実店舗の情報をプッシュ通知で送ったり、地図アプリ経由での来店を促したりといった、オンラインからの誘導が容易になりました。ECサイトでの行動履歴などの顧客データを活用し、興味・関心が高い層にターゲットを絞ったクーポンを配信するなど、パーソナライズされたアプローチも可能になったため、効率的な手法として期待されています。

O2Oが注目されている理由

◎ECサイトにおいてO2Oを活用するメリット

O2Oの1番のメリットは、新規顧客の獲得といっても過言ではありません。ECサイト上で割引クーポンを配布したり、限定情報を発信したりすることで、実店舗への来店動機を作り出し、新規顧客の獲得につなげられます。ECサイトで配布したクーポンや特典の利用状況を実店舗で確認できるため、どの施策がどれだけ実店舗への集客効果をもたらしたかを具体的に数値化しやすく、PDCAサイクルを回しやすくなるのもメリットです。

O2Oを上手に活用できれば、実店舗だけではなくECサイトの売上アップも期待できます。たとえば、ECサイトで在庫状況を確認できるサービスを提供することで、顧客が「せっかくお店に行ったのに在庫がなかった」という経験をするのを防ぎ、購買機会の損失を回避できます。実店舗とECサイトの顧客データを統合することで、顧客1人ひとりにあわせたクロスセルやアップセルの提案もしやすくなるでしょう。ある大手アパレルブランドでは、顧客のECサイトでの閲覧データを実店舗での接客に活用しています。オンラインとオフラインの購買履歴、閲覧履歴などの顧客データを活用しながら接客することで、顧客は「自分のために商品を選んでくれた」と感じられ、購買意欲につながります。

顧客はオンライン注文や店舗受け取り、店舗での試着後のECサイトでの購入など、好きなチャネルを自由に選んで買い物ができるため、顧客満足度が向上します。また、ECサイトで商品に興味を持った顧客に対し、「実際に試せる」「専門スタッフに相談できる」といった実店舗ならではの体験を提供することにより、購入への安心感を与えられます。これらのメリットは、ECサイトと実店舗を持つ企業が、デジタル時代の消費者行動に対応し、競争力を高める上で非常に重要な要素といえるでしょう。

ECサイトにおいてO2Oを活用するメリット

◎売上アップにつながるO2Oのポイント

O2Oで実際の売上アップにつなげるためには、いくつかのポイントをおさえておく必要があります。顧客が実店舗へ来店するメリットを明確にすること、顧客データの連携を徹底し一貫性のある施策を実施することは重要なポイントです。また、店舗スタッフの評価制度の改定も不可欠でしょう。

〇来店するメリットを明確にする

O2Oを成功させるには、オンラインで完結できる時代だからこそ、顧客が時間を割いてでも来店したいと思うような理由を明確にすることが重要なポイントです。ECサイト限定クーポンではなく、店頭受け取りで割引など、O2Oならではのメリットを提供すると効果的です。また、 ECサイトでは、商品の画像やレビューからしか情報が得られないため、実際に手に取った感覚を確認したい場合や、使い方を店舗のスタッフに直接相談したいといった要望がある場合は強く実店舗が求められます。そのため来店によりスタッフから専門的なアドバイスを受けられるといった視点からのアプローチは強力な来店への動機付けになるでしょう。また、ECサイトの配送待ち時間を解消したいというニーズもあります。その場合は ECサイトで在庫を取り置きしておき、待ち時間なしで店舗で受け取れるようにすると顧客満足度の向上につながります。これらのリアルな価値を顧客に提供することが、実店舗とECサイトとの相乗効果を生み出します。

〇データの連携を徹底する

O2O施策でもっとも重要で、かつ失敗しやすいとされているのがシステム連携です。とくに、顧客IDやポイントを一元管理し、実店舗とECサイトのどちらでも同じサービスを受けられるようにすることは欠かせません。もし店舗とECで顧客情報やポイントが別々に管理されていると、サービスが統一されていない印象を与え、ブランドへの不信感につながってしまいます。在庫情報の連携も非常に重要です。たとえば、ECサイトで在庫ありと表示されていたから来店したのに、実際には在庫がなかったという体験は、大きな失望を生みます。実店舗とECの在庫情報をリアルタイムで連携させることが、機会損失を防ぎ、顧客体験の質を守る土台になります。

ただし、はじめから顧客、在庫、注文、レビューなど、すべてのデータを完璧に連携させようとすると、コストも時間もかかり、失敗のリスクが高まります。まずは顧客情報とポイントの連携など、影響の大きいところから段階的に整備していくとよいでしょう。

〇一貫性のある施策を実施する

実店舗とECサイトの間で、セール価格やノベルティなどの内容に不整合があると、顧客は混乱しやすくなります。こうしたズレは、ブランドへの不信感につながりやすく、O2Oに取り組む多くの企業が直面しがちな課題のひとつです。O2Oでは、オンラインとオフラインを含めたブランド全体として、一貫したメッセージと体験を提供することが重要になります。たとえば、ECサイトで期間限定20%OFFのキャンペーンを実施しているのを見て、商品が欲しくなり店舗へ足を運んだところ、店頭では通常価格で販売されていたとしたらどうでしょうか。このような体験は、顧客満足度の低下だけでなく、ブランドへの不信感にもつながってしまいます。

顧客はオンラインとオフラインを行き来しながら購買行動をとります。そのため、特典やサービスがどちらか一方にしか適用されない状態では、かえって利便性を損ない、ブランドに対する統一された期待を裏切ることになりかねません。たとえば、ECサイトで購入した顧客に店舗で使える割引クーポンを配布するなど、相互送客を意識した仕組みづくりが、O2Oでは欠かせない対策といえるでしょう。

〇評価制度の改定を検討する

O2O戦略が成功するかどうかは、現場で顧客と接する実店舗スタッフの協力がカギとなります。従来のように店舗の売上だけを評価する制度のままでは、スタッフはECサイトへの送客に積極的になれません。ECサイト経由の売上や新規登録者数など、O2Oへの貢献度を評価制度に組み込むことは不可欠です。あるアパレルブランドでは、評価制度にECサイトへの貢献度を組み込んだことで、店舗スタッフの意識がECサイトへ送客すれば自分の売上になるという方向に変わり、実際にECサイトの売上が伸びたという事例もあります。

O2Oの成功事例では、店舗スタッフが自身のコーディネート写真や商品レビュー、ライブ配信などをECサイトやSNSに投稿し、それらを接客に活用するケースも見られます。顧客が購入したい商品が実店舗にない場合でも、ECサイトを案内することで、その場で購入につなげることが可能です。また、商品の受け取り場所を店舗に指定することで、店内を見て回り、別の商品を購入するケースも期待できます。こうした取り組みも担当スタッフの売上評価の指標に組み込むことで、現場のモチベーション向上につながります。

売上アップにつながるO2Oのポイント

◎売上アップにつながるECプラットフォーム選び

O2Oを成功させるには、適切なECサイトのプラットフォームを選択することが重要です。O2Oは、オンラインとオフラインの連携による相乗効果が不可欠であり、ECプラットフォームはその連携の中核を担います。実店舗とECサイトの顧客情報や在庫情報を統合・一元管理できるプラットフォームであること、実店舗で利用している既存システムとスムーズに連携できることは選定の際の重要な要素です。とくに、データをリアルタイムで連携しやすいクラウドECプラットフォームを選ぶことが、O2O戦略の成功を高めるためのポイントのひとつとしてあげられます。

O2O戦略において、ECサイトと実店舗の連携は、顧客体験を大きく左右する重要なポイントです。両者がうまくつながることで、顧客は場所や時間を気にせず、自分に合った方法でスムーズに買い物ができるようになります。たとえば、ECサイトやアプリで実店舗の混雑状況やスタッフのスタイリング、体験イベントの情報を事前に確認できれば、顧客は安心して来店することができます。来店前の不安を減らし、来店のきっかけづくりにもつながるでしょう。また実店舗で商品を手に取り、QRコードなどからECサイトの商品ページにすぐアクセスできれば、口コミやレビュー、別カラーの画像などもその場で確認できます。実物の質感とオンラインの豊富な情報をあわせて比較できるため、購買判断もスムーズになります。このように、O2OにおけるECサイトのプラットフォーム選定は、オンラインとオフラインの垣根を感じさせない、一貫した購買体験を実現するための土台づくりになるのです。

売上アップにつながるECプラットフォーム選び

◎まとめ

ECサイトの売上アップにおいて、O2Oは欠かせないマーケティング戦略です。実店舗へ来店するメリットの提供やリアルタイムでの顧客データや在庫の連携、そして一貫性のある施策の実施が重要といえるでしょう。適切なECサイトのプラットフォーム選びは、O2Oの相乗効果を生み出す土台となります。O2Oを意識した取り組みで、ECサイトの売上アップを目指しましょう。

◎第107回 ECサイトの売上アップにつながる!O2Oの効果的な活用法