EC売上アップ術
◎第102回 ECサイトの売上アップに!診断コンテンツ導入の成功ポイントとは
性格診断や適職診断などに活用されている診断コンテンツですが、ECサイトの売上アップにつながる施策として近年注目されています。ユーザーは楽しみながら診断を行える一方、単なるエンタメで終わらせないためには、いくつかのポイントをおさえる必要があります。この記事では、ECサイトに診断コンテンツを導入する方法から成功ポイントまで詳しくご紹介します。
◎診断コンテンツが売上アップに貢献する理由
診断コンテンツとは、ユーザーがいくつかの質問に答えていくことで、その回答に応じた診断結果が表示されるユーザー参加型のウェブコンテンツです。性格診断や適職診断、相性診断など、さまざまな種類があり、多くのECサイトで活用されています。ユーザーはゲーム感覚で楽しみながら診断を行えるため、つい試してみたくなるでしょう。また、診断結果をSNSでシェアする機能があるため、おもしろい結果が出るとSNSへ共有されやすいといった特徴があります。このことから、企業やブランドの認知を広める効果が期待されており、ECサイトの商品やサービスを自然にプロモーションする手法として近年注目を集めています。
診断コンテンツは、結果をもとにユーザーへ適した商品やサービスを提案できる点も、ECサイトの売上アップに貢献する要素です。たとえば、ECサイトで提供している商品やサービスが数多くあると、ユーザーは自分に合った商材がどれなのか迷ってしまい、購買行動へつながりにくい場合があります。そこで、診断コンテンツがECサイトでの商材選びをサポートすることで、ユーザーは迷うことなく自分に合ったものを選択できるようになります。これにより、ユーザーは積極的にECサイトへ関わる機会が増えます。ECサイトの商材選びに能動的な要素が加わることでユーザーは自分のためのECサイトだと感じやすくなり、ECサイトへの愛着や信頼感が高まる効果も期待されます。
さらに、ユーザーがより深くECサイト内の情報を知るきっかけを作れる点も診断コンテンツを活用するメリットのひとつです。診断結果から、ユーザーを商品の詳細ページや関連コンテンツに誘導することで、ECサイト内の回遊率を向上させることができ、検索表示を上位に上げるうえでも有効です。このように、診断コンテンツは、ECサイトとユーザーの間に深い関係を生み出しながら、売上アップにつながる強力なマーケティングツールなのです。

◎診断コンテンツの導入方法
ECサイトにおける診断コンテンツを導入する方法として、診断コンテンツ作成専用のツールやサービスを利用することがあげられます。多くの診断コンテンツ作成ツールには既存のテンプレートが用意されており、企画から公開までの時間を短縮できます。料金体系は、月額数千円から数万円程度の月額利用型や、診断の利用回数などに応じて料金が発生する成果報酬型があり、初期費用やランニングコストをおさえられます。機能は限られますが、無料で利用できるツールも公開されています。分析機能が備わっているツールも多いため、ECサイトへの導入効果の分析にも活用できます。ただし、既存のテンプレートや機能の範囲内での制作となるため、オリジナリティの高いコンテンツは作りにくいことがある点には注意が必要です。
企画からデザイン、システム構築まですべてを外部の専門業者に依頼する方法では、自社ECサイトのイメージや目的に完全に合わせた独自の診断コンテンツを制作できます。複雑な診断ロジックや、ECサイトのほかのシステムとの連携など、高度な要件にも対応でき、企画段階からプロの視点での提案やアドバイスなど専門家によるサポートを受けられるのは大きなメリットです。しかしながら、コストはかかります。相場は診断コンテンツの規模や機能によって大きく変動しますが、一般的に100万円から300万円程度とされています。企画から公開までの期間についても、診断コンテンツ作成ツールを利用する場合よりも長くなります。さらに、完成後の運用や修正など、継続的なコストが発生する点にも注意が必要です。診断コンテンツの導入がECサイトの売上アップにどう貢献するか、効果を検証することが重要です。
社内のエンジニアやデザイナーが、ゼロから診断コンテンツを開発する方法では、既存の診断コンテンツツールやサービスに縛られず、自由に機能やデザインを診断コンテンツへ実装できます。ECサイトにおける診断コンテンツの開発ノウハウが社内に蓄積され、かかるコストが人件費のみであるということも大きなメリットです。その際は、プログラミングやデザインの専門知識を持つ人材の確保が必須となります。診断コンテンツ開発後の不具合対応や機能の追加など、運用の手間もすべて自社で担う必要があり、属人性が高くなる傾向にあるのも注意点です。継続的な運用のためには、マニュアル整備などの仕組みづくりが不可欠となるでしょう。

◎売上アップにつながる診断コンテンツ導入の成功ポイント
ECサイトへの診断コンテンツ導入において、目的の明確化、ユーザーの悩みを解決する設計、診断結果をパーソナライズすることは、売上アップにつなげるには大変重要なポイントです。診断コンテンツに蓄積されたデータを分析し、主要ユーザーのニーズをつかむこともECサイトの売上アップには重要な要素といえます。
ECサイトに診断コンテンツを取り入れる際に重要なポイントは、診断コンテンツの結果を通じて最終的にユーザーにどのような行動をとってもらいたいのか、その目的を明確にしておくことです。たとえば、性格診断コンテンツは大変人気があり、ユーザーに試してもらいやすい、SNSで話題になりやすいといったメリットがあります。しかし、診断結果とECサイトの商品やサービスが結びつく設計になっていなければ、ユーザーはただ「おもしろかった」と感じるだけで終わってしまい、本来の目的である商材の購入へつながらないという結果になってしまうでしょう。
診断コンテンツの内容とECサイトの商品との関連性が薄ければ、収集されたデータがマーケティング戦略に有効に活用できない可能性もあります。質問内容や診断結果ページのデザイン、特典などはECサイトへの導入目的に合わせて設計する必要があるため、目的の明確化は不可欠です。診断結果により商品購入につなげたいのか、SNSでの拡散により認知を広めたいのか、それともECサイトの商品開発やマーケティング戦略立案にいかしたいのかなど、目的はさまざまです。診断コンテンツをなぜ導入するのか、導入することにより何を達成したいのかを明確にしましょう。
診断コンテンツの質問は、単に好き嫌いを問うだけでなく、ユーザーの悩みや解決したい課題に焦点を当てたものを盛り込むと効果的です。診断コンテンツは、ユーザー自身も気づいていないような潜在的な悩みを引き出す効果があります。自社ECサイトの主要ユーザーがどのような悩みを抱えているかを考え、その悩みにたどり着くような設計にします。診断結果と共に解決に役立つ商品やサービスを提示できれば、ECサイトの売上アップにつながる可能性が高まります。たとえば、サプリメントや安眠グッズを販売しているECサイトであれば、「よく寝られない」と感じているユーザーに対して、「ストレスがあるか」「運動不足はあるか」といった具体的な状況を問うことで、ユーザーは診断を進めながら自身の課題に気がつくことができます
課題に対する解決策として、ECサイトの商品、たとえば特定のサプリメントや安眠グッズを提案すれば、ユーザーは「まさに自分にピッタリの商品だ」と感じ、購入意欲が高まります。そして、最後のひと押しもECサイトの売上アップにおいて重要なポイントです。診断コンテンツでECサイトの商品へ興味が湧いたユーザーに対して、「結果ページ限定!初回お試し価格30%OFF」のように購入を後押しする特別な特典を用意すれば、購買行動を後押しできます。
診断コンテンツを利用したユーザーが最も注目するのは診断結果ページです。診断結果は誰にでも当てはまりそうな内容ではなく、ユーザーの回答に応じた、よりパーソナルなメッセージやアドバイスを添えると効果的です。ユーザーが診断結果に納得できるよう、なぜその結果になったのかというロジックを丁寧に説明することも重要なポイントです。たとえば、医師や専門家による監修や科学的データに基づいていることを明記し、診断の信頼性を高めれば、ユーザーは単なるクイズではなく、専門的なアドバイスだと感じられます。加えて、診断結果ページに自己分析を深められるようなECサイト内のコラムを表示させたり、追加の質問を用意することも有効とされています。
診断結果で提案されるECサイトの商品がひとつふたつの場合、ユーザーは「本当にこれしか選択肢がないの?」と感じ、診断コンテンツに不信感を抱くことが考えられます。その場合は、診断結果と一緒に、「予算に合わせて選べる類似商品はこちらです」といった形でほかの商品提案をするなど複数の選択肢を提供することで、ユーザーは自分の意思で選んでいるという感覚を持ちやすくなり、ECサイトへの信頼が高まります。
診断コンテンツは、ECサイトのマーケティング戦略に役立つ貴重なデータを収集するのに活用できます。ある食品系ECサイトでは、ユーザーが体調や食生活に関する質問に回答することで、現在の栄養状態や不足している栄養素、最適な食事プランを知ることができる診断コンテンツを提供しています。ユーザーは無料で自分に合ったメニュー提案を受けることができ、同時に診断コンテンツには自社ECサイトのユーザーの食の好みやライフスタイル、抱えている悩みなどのデータが収集されます。これらのデータを分析することで潜在的なニーズを正確に把握し、ECサイトの商品開発やメールマガジン配信にいかしています。
収集したデータを分析する際は、ユーザーの購入履歴やECサイト内での行動と紐付けて分析することも重要なポイントです。たとえば、ある雑貨系ECサイトでは、診断コンテンツで「仕事のストレスが溜まっている」と回答したユーザーの購入履歴を分析した結果、ハーブティやアロマオイルを購入している傾向があることがわかりました。そこで、ストレス解消に特化したECサイトの商品やサービスをメールマガジンなどで提案することで、ECサイトの売上アップにつなげることに成功しました。診断結果をもとにユーザーとの継続的なコミュニケーションを図ることで、ECサイトへの信頼感や愛着が強まり、継続的なリピート購入が期待できるでしょう。

◎まとめ
診断コンテンツは、ECサイトの売上アップにおいて非常に効果的なマーケティングツールです。ユーザーは楽しみながら自分に合った商品を見つけることができ、ECサイトへの信頼感も高まります。さらに、SNSへの拡散によりECサイトの認知を広める効果もあります。自社に合った導入方法を選び、改善を繰り返していくことはECサイトの継続的な売上アップの可能性を高めます。