EC売上アップ術

◎第100回 ECサイトの売上アップにつながる!ポップアップの効果的な活用ポイント

離脱率を減らしコンバージョン率を高めることは、ECサイトの売上アップには欠かせません。ポップアップを効果的に活用すれば、これらの課題を解決できる一手となります。ポップアップには強い訴求力があるため、一方的な情報発信とならないように注意が必要です。この記事では、ポップアップの種類やECサイトに導入するメリット、売上アップにつなげるポイントをご紹介します。

 

◎効率よく情報を届けるポップアップ

ECサイトにおけるポップアップとは、ポップアップウィンドウを略称したものです。閲覧しているWEBページのウィンドウ上に、別のウィンドウを表示させる機能や仕組みのことで、購入の後押しや情報を伝える手段として広く利用されています。ECサイトでもユーザーが訪れたタイミングでCookieの使用承認を取るもの、広告を表示するものなど多く利用されています。

ポップアップの形式は大きく4種類に分けられます。画面の一部を覆うように表示するライトボックス型、画面の隅から滑り込むように表示するスライドイン型、画面全体をポップアップで埋め尽くすフルスクリーン型、画面の上下に固定して表示するバー形式のフローティングバー型があります。それぞれに特徴があり、ECサイトの売上アップの目的で使用するにはどれも効果を発揮します。ただし、ECサイトの閲覧画面の大部分を覆ってしまうフルスクリーン型については、訴求力が強い分ユーザーにストレスを与える可能性もあるため注意しましょう。

ポップアップをECサイトに実装させる方法としては、HTML・CSS・JavaScriptなどのコードを用いて自作する方法と、ポップアップ導入ツールを活用する方法があります。また、Shopify, WordPressなど一部のECサイトプラットフォームには、ポップアップ機能を追加できるアプリやプラグインが用意されています。そのためコーディングの知識がなくても、管理画面からテンプレートを選び、文言やデザインを設定するだけで簡単に作成でき、専門的な知識がなくても比較的取り入れやすいのも特徴のひとつです。

効率よく情報を届けるポップアップ

◎ECサイトにポップアップを導入するメリット

ポップアップには、ECサイトに訪れたユーザーの興味や関心を引き付け、心を動かす力があります。それは、ECサイトを閲覧していると画面上突然表示されるため、ユーザーの目に留まりやすく、情報をダイレクトに伝えることができるからです。とくにECサイトに訪問した直後のユーザーは、情報過多になっていないため集中力が保たれている状態とされています。そのタイミングでECサイトの割引クーポンやセール情報など、ユーザーにとって有益な情報を表示すれば、「お得な情報が知れて嬉しい」と感じるユーザーは多いでしょう。

また、適切なポップアップ表示は、ECサイトの検索上位表示に重要なSEOの評価を向上させるメリットがあります。たとえば、ユーザーがECサイトから離脱しようとしているタイミングで、割引クーポンや送料無料、限定特典など、即決を促すようなポップアップを表示すると、ECサイトからの離脱を防げます。また、ECサイト内のおすすめ記事や関連商品を表示すれば、ユーザーの離脱を防ぎながら、別のページへの遷移を促すことができ、滞在時間の延長につながります。ECサイトにおけるユーザーの滞在時間は、SEOの評価にとって重要な指標であるとされています。

また、ポップアップはプログラミングの知識がなくても比較的容易に実装することができます。それに加えて、ECサイトにポップアップツールを導入することによりユーザーごとの状態、たとえば行動履歴や購入履歴などを分析して一人ひとりに最適化したポップアップを表示することが可能となります。ユーザーに寄り添った内容のポップアップを表示することは、ユーザー満足度の向上につながり、ECサイトの売上アップのきっかけとなるでしょう。

ECサイトにポップアップを導入するメリット

◎ポップアップの効果的な活用方法

ポップアップは上手に活用することで新規顧客の獲得やカゴ落ち防止など、ECサイトの課題解決に役立てることができます。たとえば、ECサイトでプロモーション目的に活用する場合、訪問から一定時間が経過したユーザーに対して「メールマガジン登録で新商品やお得な情報をゲット」といったメッセージを表示すると効果的です。一定時間サイトに滞在しているということは、そのユーザーが少なからずECサイトの商品やサービスに関心を持っている可能性が高いため、新規登録につながりやすくなります。

カゴ落ちとは、ユーザーがECサイトのカートに商品を追加したまま購入せずに離脱してしまうことを指します。カートに商品を追加していることを忘れて、カゴ落ちするユーザーは一定数いますが、それを防止する目的でポップアップを活用することもできます。たとえばユーザーがECサイトから離れようとした際に、「今すぐ購入で〇%割引」などのメッセージを表示すれば、「どうせ買うなら今買っておいた方がお得かも知れない」と感じ、購入の後押しになります。また、送料を理由に購入をためらっていた場合は「〇〇円以上の購入で送料無料」という内容を表示することで、ついで買いを誘発させる効果も期待できます。

さらに、ポップアップはECサイトのアンケートやフィードバックの収集にも活用することができます。たとえば、ECサイトに一定のアクセスはあるものの、なかなか購入までつながらない場合、離脱直前のタイミングで、なぜ購入に至らなかったのかユーザーの意見や感想を尋ねるポップアップを表示することで、ECサイトの離脱理由を収集できます。これにより、ECサイトの離脱の理由を把握し、改善施策に役立てることが可能です。

フルスクリーン型のポップアップは画面全体を遮るため、ユーザーに敬遠されがちですが、伝える内容によっては非常に効果的に活用できます。たとえば、ECサイトの営業日の変更やイベントの中止といったユーザーにとって重要な情報を知らせる場合は、大きめのライトボックス型やフルスクリーン型が適しています。

ポップアップの効果的な活用方法

◎ECサイトにポップアップを導入する際のポイント

ポップアップの導入をECサイトの売上アップにつなげるには、一方的な情報発信になっていないか、ユーザーの立場に立って必要な情報となっているかという目線は重要なポイントです。

〇ユーザーにとって有益な情報を提供する

ECサイト閲覧中に突然興味のないポップアップが表示されると、多くのユーザーは不快に感じ、高確率でブロックしてしまいます。ポップアップはフィッシング詐欺にも利用されることが多いため、不信感を持つユーザーが多く存在することは覚えておきたいポイントです。不適切なポップアップはECサイトそのもののイメージ低下につながってしまうため、表示するタイミングは極めて重要といえます。

一方で、ユーザーの行動を分析し、購入を迷っているユーザーにタイミングよくポップアップ表示することはユーザー体験の向上につながり、購入を促す効果が期待できます。たとえば、ユーザーが一定時間経過してもECサイトのページにとどまっている場合や、ECサイト内のページを何度も行き来している場合、購入を迷っていたり、配送情報などを探していたりする可能性が考えられます。そのようなユーザーに対して「初回購入〇%オフ」や「チャットサポート」を案内するポップアップを表示することで、購入の後押しや、不安や悩みの解消につなげられます。こうしたポップアップの活用は、ユーザーの不安を取り除き、購入後の満足度を高めます。

〇モバイル対応のデザインを意識する

スマートフォン表示におけるポップアップのデザインにはとくに注意が必要です。ポップアップが小さい画面いっぱいに表示されると、ユーザーのストレスとなってしまう可能性があります。また、スマートフォンの画面に長い文章や過度な装飾が表示されると、ストレスを感じたユーザーは、内容に興味を持つ前にポップアップを閉じるかECサイトから離脱してしまうでしょう。こうしたストレスを軽減するには、ECサイトの主要なコンテンツの閲覧を邪魔しない工夫が必要です。また、ユーザーがクリックの選択ができるよう、大きすぎず小さすぎずのサイズが理想的です。フッターやヘッダー固定のフローティングバー型であれば、ユーザーの行動を妨げずに情報を届けることができるため、有効な選択肢のうちのひとつといえます。

さらに、不要なポップアップを閉じるボタンをわかりやすく、タップしやすくしておくこともユーザー体験に直結するポイントです。閉じるボタンを押したはずが意図しない画面に遷移してしまった場合、元のページに戻る手間が増えてしまいユーザーはストレスに感じます。加えて、コンテンツや画像が重く、ページ表示が遅くならないよう、軽量データによる最適化を行うことは、ECサイトの検索上位表示を目指すうえでおさえておきたいポイントです。

〇定期的にABテストを実施する

ポップアップをECサイトに導入する際には、離脱率の上昇やブランドイメージの低下といったデメリットにつながるリスクがあります。これは、不要なポップアップを嫌うユーザーが多いためです。こうしたリスクを避けるためには、効果的なタイミングで表示させることが重要ですが、そのタイミングを見極めるのは簡単なことではありません。そこで有効なのがABテストによる効果測定です。ABテストとは、 2つの違ったパターンを用意し、どちらがより高い成果を出せるのかを比較検証するテストのことで、多くのポップアップツールには、ABテストの機能が搭載されています。

たとえば、「ECサイトの会員登録で割引クーポン進呈」という内容のポップアップを、ユーザーがECサイトに訪問したすぐのタイミングと、一定時間滞在してからのタイミングで表示し、どちらがクリックされる確率が高いのか検証します。そして一番成果の出たパターンを採用し、さらに次の段階ではデザインや表現方法を変えて検証を繰り返し行います。ポップアップは導入しただけでECサイトの売上アップにつながるものではなく、中長期的に分析と改善を繰り返していくことが重要です。また、表示内容がいつも同じではユーザーに飽きられてしまうため、定期的な内容の改善も大切です。加えて、ECサイトにポップアップツールを導入するには費用がかかるため、費用対効果を検証することも押さえておきたいポイントです。

ECサイトにポップアップを導入する際のポイント

◎まとめ

ECサイトにおけるポップアップの導入は、離脱防止や購入促進に効果的ですが、扱い方を誤るとユーザーの不快感や離脱を招きかねません。タイミングや内容を工夫し、ユーザーにとって有益な情報を適切に届けることが売上アップにつなげるポイントです。ポップアップの効果的な活用についてご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

◎第100回 ECサイトの売上アップにつながる!ポップアップの効果的な活用ポイント