EC売上アップ術
◎第77回 ECサイトの売上アップに欠かせないポイントシステム導入のポイント
近年、ECサイトにおいてポイントシステムを導入するのはスタンダードとなっています。ポイントシステムはあらゆるECサイトで採用され、売上アップに貢献しています。ポイントシステムの活用は、ECサイトの利用頻度を高めるだけではなく、集客強化や売上アップも見込めるのです。この記事では、ECサイトにポイントシステムを採用することで得られるメリットや、採用する際のポイントをご紹介します。
目次
◎ECサイトにおけるポイントシステムとは
ポイントシステムとは、ユーザーにポイントサービスを利用してもらう際に必要な機能です。ユーザーがECサイトで商品を購入したらポイントを付与します。ポイントの有効期限が切れた場合にポイントの利用を止めることや、ポイントを使用した際に自動的に残高の計算をします。
ポイントシステムは、自社に合ったポイントシステムを導入することが大切です。ポイントを付与する際にかかる資金は、ポイントシステムを使用した企業、店舗が負担をします。採用するポイントシステムの種類によっては、ポイントシステム提供事業者に支払う利用手数料が原資として賄われます。ポイントシステムは、ECサイトの基本的なツールとなっています。自社で利用できるポイントを用意し、ECサイトで商品を購入する際にポイントを付けることで購入を促し、商品やサービスのファンの増加につなげます。ファンを獲得できるとECサイトのリピート率が向上するため、売上アップが見込めます。顧客がポイントを利用して得られた情報は、今後のマーケティング施策を考える際におおいに役に立ちます。
近年、ポイ活と呼ばれる活動があるほど、ユーザーにとってポイントシステムは身近な存在となっています。ECサイトを活性化させたいと考える企業にとって、必須なシステムといえるでしょう。
◎ECサイトにおいてポイントシステムを採用するメリット
ポイントシステムを採用することで商品に付加価値を与えるため、ユーザーの利用頻度や売上アップが期待できます。商品を購入した際に得たポイントを次回以降の買い物で使えることが、ユーザーにとって大きな魅力になります。ポイントサービスを利用するユーザーからすると、ポイントが使える店を優先的に使いたくなり、ECサイトの利用頻度が上がり、売上アップにもつながります。ポイントサービスは、ECサイトで購入してもらうきっかけづくりに一役買っているのです。
選ぶポイントシステムの種類やECサイトで取り扱う商品によっても、自社で購入してもらえる要因になることもあわせて理解しておく必要があります。たとえば、どのECサイトでも使える共通のポイントシステムを採用すると、ポイントを使う、貯める目的でECサイトを訪れる人がいるため、商品を閲覧してもらうきっかけになります。ECサイトにポイントシステムを採用すると、サービスを利用時、顧客情報を入手できます。顧客情報は、新規の顧客を獲得するための施策や、今後のマーケティングを検討する際に活かせるでしょう。このように、顧客情報が得られるという点も、ECサイトにポイントシステムを導入する大きなメリットといえます。戦略性を持ったポイントサービスを展開できれば、優良顧客の育成や囲い込みが可能です。優良顧客を育成することは、ECサイトの継続利用に関わり、継続利用してもらうことで安定した利益の増加が見込めます。
ECサイトの需要は右肩上がりで、多くの企業や店舗が参入しています。ECサイトは、外出する必要がなく、気軽に買い物ができる場としてユーザーにとって必要不可欠なものとなっています。政府がキャッシュレス決済比率を増やす指針を発表したことで、キャッシュレス・ポイント事業が多くのポイントを付与するキャンペーンを行いました。市場でのポイント流通数は増えており、顧客にとってポイントサービスはお得に生活を送るためになくてはならないものであるといえます。ポイントサービスを1度使うと、次の買い物でポイントが使えないともったいなく感じるユーザー心理から、今後もその勢いは伸びていくでしょう。
◎ECサイトでポイントシステムを採用する際のポイント
ECサイトの売上アップに欠かせないポイントシステムの導入ポイントには、ポイントやシステム会社の選定、ポイント付与のタイミング、会員特典との連携、実店舗との融合などがあげられます。これらを綿密に検討し、自社のECサイトに適したポイントシステムを導入することが重要です。
〇共通ポイントか独自ポイントか
ポイントシステムには共通ポイントと独自ポイントの2種類があります。それぞれにメリットとデメリットがあり、ポイントシステムを採用する際には自社のECサイトにあったシステムを選択する必要があります。共通ポイントは、貯めやすく使いやすいことが特徴です。他社でも使える点から実用性があるため、現在使われているポイントシステムとしては共通ポイントが主流といえます。システム管理を自社でしなくてもよいというメリットもあります。デメリットとしては、自社で貯めたポイントを他社で使われることがある点です。ただし、同様に反対のことも起きるので一概にデメリットとはいえない部分もあります。また、加盟費用や利用手数料が必要になるためランニングコストがかかってきます。ポイントシステムを採用して得られる利益とシステムの利用費を試算しておくことが大切です。
独自ポイントは自社のECサイトのみで使えます。自社の特徴にあわせて自由にポイントサービスが設定でき、顧客情報が管理しやすいメリットがあります。デメリットとしては会員数が少ない、認知度が低いECサイトは会員数を自社の努力のみで増やす必要がある点があげられます。独自ポイントは自社のECサイトでしか使えないため、共通ポイントと比べると使い勝手が限られています。定期的にポイントアップキャンペーンなどの施策をして、認知度や使用率を高めていく必要があります。
〇自社のECサイトに適したシステム会社、サービスを選ぶ
ECサイトにポイントシステムを採用する際に、システム会社に開発を依頼するか完成されたシステムサービスを検討する必要があります。ポイントシステムはポイント管理、分析、販促、外部システムとの連携が主な機能となります。どのシステムでも基本性能に大きな差はありません。しかし、どのような業界に向けて開発されたツールは想定されて作られることが多いです。自社のECサイトの特徴にあったポイントシステムを検討する際には、開発時にかかる費用や継続コストなどの費用面だけではなく、管理する従業員の負担が大きくないかという点も考慮することも大切です。
〇ポイントを付与するタイミング
自社のECサイトの利用頻度を上げるためには、ポイントを付与するタイミングを作ることが求められます。さまざまなECサイトでポイントシステムが導入されていくなか、基本的な商品を購入した際にポイント付与だけでは、特別な魅力として受け取ってもらえません。たとえば、ECサイトへログイン時やプレゼントキャンペーン、誕生日特典に会員登録時など、購入時以外にもポイント付与のタイミングは作れます。特別なポイントの付与は顧客の購買意欲を高めることができるので売上アップにつながります。会員登録時にポイントの付与を行うと、新規顧客の獲得も望めるでしょう。ポイントを付与するタイミングが多いと管理する手間が増え、コストがかさむこともあるので注意してください。無理のない範囲で特別なポイント付与のタイミングを作り、新規顧客の獲得を狙いましょう。
〇会員特典との連携
会員制度があるならポイントシステムとの併用がおすすめです。会員のランクで付与するポイントを増やすと差ができ、ポイントの付与価値を高めることができます。さらにポイント利用時の値引き率を増やすと会員登録を促す効果も期待できます。会員登録によって得られたポイントサービスを利用した顧客から、満足度を得られれば口コミ等で評判が広がり、ECサイトの新規会員の獲得へのつながりも期待できます。会員で買い物をするとお得という印象を与えることで、ECサイトのリピート率ならびに新規会員の獲得率が上がります。会員制度とポイントサービスを併用することでも売上の増加を期待できるのです。
〇実店舗とECサイトの融合
実店舗でポイントシステムを採用している場合は、ECサイトとのポイントの統合が課題になります。ECサイト、実店舗共に展開している場合はポイント共通システムとしてオムニチャネルを採用するケースが増えています。 オムニチャネルとは、顧客がECサイトや実店舗などさまざまなチャネルを通じて、シームレスな買い物体験を得られる戦略です。つまり、顧客がどのチャネルを利用しても同じようなサービスや情報を提供し、スムーズに商品を購入できる環境を整えることを指します。さまざまなチャネルから最適な購買体験を提供することは、利便性が高まり販売機会の向上につながります。実店舗とECサイトの融合する際には、ポイント共通管理を行えるシステムか、独立したシステムとしてデータを連携させ管理をする方法を導入するのか検討する必要があります。ECサイトで取り入れられているオムニチャネルは、顧客への販売機会の増加が期待できます。
◎まとめ
ECサイトのポイントシステムは、ユーザーに利便性を提供し、売上アップに貢献します。自社のECサイトに適したポイントの選択、ポイント付与のタイミング、会員特典との連携、実店舗との統合などを検討することが重要です。最適なポイントシステムの導入で、売上アップにつなげましょう。